構造改革全般2

2009/04/19

「給付付き税額控除」など改革派主導で社会保障制度を構築せよ

コイズミが格差を作ったと言われるが、小泉-竹中が改革を中途半端にしたせいで壊すまでに至らなかった構造格差を直視すべきである。
官民格差、「失われた10年」以来続く貧困層の拡大、正規・非正規社員の格差、中央と地方自治の権限格差、課題がいっぱいありすぎてどこから手を付けて良いのやら。

これら全部をコイズミ改革のせいだと世論操作されているんだから、議論があさってのほうを向いたまま、具体的・論理的な解決策など出てこない。「あさってのほう」なら未来なのでまだいいか、「おととい来い」の議論である。

今は財政拡大で全方位にばらまかれているので気づかないが、逆方向に大きな政府路線に先祖返りし、格差固定社会に向かおうとしていることを危惧している。

一つだけ良いニュース。
竹中氏が政府・霞ヶ関に要望しても音沙汰のない「貧困層の調査」であるが、一応OECD基準に従って年収200万程度が貧困ラインとしよう。(1世帯あたり)
その救済策として識者達が提言していた英米カナダ型の「給付付き税額控除」が、2009年度税制抜本改革の中で検討課題として上るかもしれない。民主党も低所得者に有利な制度と評価しているという。必ず就労支援と一体のものとして詰めてほしい。

参照:フォーサイト5月号
検証「給付付き税額控除」のメリットと課題 古川清毅氏

この制度は、簡単に言えば、生活保護を受けるには至らない課税最低限以下の世帯には、たとえば政府が政府が10万円の減税をすると、所得税額がなくて恩恵を受けることの出来ない世帯には10万円分を給付の形で支給するというもの。

労働市場の流動性が高い米国では、すでに就労支援が手厚い。「負の所得税」という考え方で、勤労所得税額控除制度によって失職者が定職に就くことを控除の条件としている。

英国の例では、生活保護受給者が仕事に就くと生活保護の支給額が段階的に減っていき、代わりに給付付きの就労税額控除が受給できる。就労時間が30時間を超えると再び控除額が増加するという仕組みなので、設定された就労時間達成のインセンティブが受給者に与えられる。

日本では、貧困対策が決定的に遅れているので、雇用問題が置き去りにされてきたのである。竹中氏らはそのことをいくら訴えても「あんたが弱者を斬り捨てた」と逆の攻撃にあってしまっている。

カナダの制度では、消費税増税になれば低額所得者に負荷がかかって「逆進性」となるので、政府は家計調査から基礎的な生活費に占める消費税負担の平均値を計算、その分を所得税から減税し、引ききれない分を給付金として支給する。年間消費支出が平均値以下の世帯の消費税負担を事実上ゼロにしているという。民主党はカナダ方式を検討している。

よりよい社会保障制度を考える上で、救済を必要とする国民はどのくらいいるのか、国民はどこまで求めるのか、最低ラインをどうするか、データでとらえることによって、税金の投入額が算定されてくるのである。方向性を示さぬまま「消費税増税させてください」という話は通じない。

しかし、霞ヶ関がどうも積極的ではない。役所の構造改革が必要になってくるので、大きな抵抗が起きるだろう。所得税徴収は国税庁、社会保障給付は厚労省、このままでいいのか、各自治体にどう権限を降ろすのか等々、肥満政府から効率的な見直しが前提となるので、大きなシステム改革が避けて通れない。

給付付き税額控除導入済みの国では、徴税と社会保険料の徴収を「歳入庁」で一体的に行っている。長妻議員らが「年金の徴収を国税庁で」というのは一理ある。というか、そのほうがいい。

そこで、中川秀直氏ら改革派議員(100人くらいの議員が集まった)は、徴税・保険納付を一括管理できる社会保障番号制度を構築しようとしている。制度設計に当たっては、個人の所得や社会保障給付の正確な実態を把握しなければならないからである。麻生さんは細かい政策にはちんぷんかんぷんだし、与謝野さんは霞ヶ関をいじらないで歳入を増やすことしか考えていない。

社会保障の将来像を考えれば、必ず大きな行政の構造転換が必至なのである。しかし、社会保障番号制度の議論が進めば、きっと住基ネットの時のように右派・左派から「プライバシー侵害の危険性」「国の監視体制強化」といった反対論が起こるだろう。本当は、すでにある住基ネットに乗っかれば話は早いのだが、反対派との妥協によってラインを住基のみに限定したので、利用できない。

保守は、頭が固い。サヨクは社会主義が好きなくせに国をまったく信用しない。一方の改革派は「反麻生」だ「倒閣運動だ」とメディアにさんざん足を引っかけられるような悪口を言われながらも、着実に政策の勉強を進めている。

改革派が麻生政権の監視役となって、麻生政権が内政面で致命的なミスをしないように“補佐”しているのが現状である。麻生内閣は改革派には頑なにガードを固めてしまうので、助言というより苦言になってしまうのは仕方ない。

速やか議連の塩崎氏はメディアのターゲットになって、倒閣運動の跳ね返り議員みたいな記事を書かれたが、官僚の手の上で踊らされている麻生首相を放ってはおけない。茂木氏も速やか連だが、将来を見越してうまく政権と間合いを取り、補正予算にも関わっている。今のところメディアに悪口は書かれていないので、じっくり立ち位置を見極めていってほしい。

公務員制度改革は、、、長くなるからやめよ。
中川秀直ブログに■特別版■としてまとめてある。ぜひ読んでほしい。

■特別版■「政局だ」「役人叩きだ」との誤解に答える―いまなぜ「幹部公務員法」か

(議員立法)議員立法は若いみなさんがやる気をもって能力が発揮できる社会をつくるための第一歩

問題は、行政改革推進本部長の中馬弘毅氏と行政改革推進本部公務員制度改革委員長の石原伸晃氏である。
石原氏は内閣人事局についても、再び肝心なところで、変な思い込みによる妥協をしてしまった。この人が総理大臣になることは想像できない。改革派に実権を奪い返すための「御輿」にちょうどいいかな?と思ったが、やはりひよわなお坊ちゃんから抜け出せないようだ。

霞ヶ関は自民党有志による議員立法をおそれて、有志案を提出させないために霞ヶ関公認の政府案を棚上げにしてしまおうと画策している。
要注意である。

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5年日記をつけているんだけど、たまたま2年前にメモしていたのは、「ランキング33位」だって。今112位。スタンスも書いてあることもそんなに違わないと思うんだけど。。逆にアクセス数は少し増えている。読者もずいぶん入れ替わっているかもしれない。あの頃は50位以内目標、最近では100位以内目標、今度は150位以内目標にしよう。地味~でウケるネタじゃないしね。

◆日々是語草◆ 
アホバカ由起夫の「日本列島誰のもの」

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2009/04/14

的はずれの改革後退論議で安心社会実現ができるものか

権力側と蜜月の既得権者達が弱者救済を話し合うという茶番。
会議の委員には、ありばい作りのように薬害肝炎全国原告団代表を入れる姑息さ。最後に決めるのは与謝野さん。麻生首相はお飾り、か。

自民党と霞ヶ関べったりのマスコミ人なんか入れちゃだめなんだ。

安心社会実現会議が初会合=新たな国家像を提言へ

 政府は13日夜、各界の有識者らで構成する「安心社会実現会議」(座長・成田豊電通最高顧問)の初会合を首相官邸で開いた。麻生太郎首相が施政方針演説で掲げた「安心と活力ある社会」の実現に向け、目指すべき国家像や社会保障のあり方について議論し、6月上旬にも提言をまとめる。提言内容は、同月に政府が策定する経済財政改革の基本方針「骨太の方針2009」に反映させる方針だ。 
 首相は冒頭のあいさつで「議論を通じて安心できる社会の道筋を明らかにしたい」と訴えた。今後月2回のペースで会合を開き、医療、年金、介護、子育てなどの施策に関し、国と地方の役割分担や政策の優先順位などを検討する。
 同日の会合では、委員側から「小泉・竹中的な考え方が必ずしも適切でなかったから格差社会と言われるようになった」(渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長)と、小泉政権の構造改革路線に対する批判や「消費税を医療や年金に使うことを考えるべきだ」(伊藤元重東大大学院教授)といった意見が出された。
 メンバーは、渡辺、伊藤両氏のほか張富士夫トヨタ自動車会長、高木剛連合会長ら計15人。政府側からは与謝野馨財務・金融・経済財政相、河村建夫官房長官も出席した。(了)
(2009/04/13-23:23)

「安心社会実現会議」メンバー

 伊藤元重・東大大学院教授▽小島順彦・三菱商事社長▽高木剛・連合会長▽但木敬一・弁護士▽張富士夫・トヨタ自動車会長▽成田豊・電通最高顧問▽日枝久・フジテレビ会長▽増田寛也・野村総合研究所顧問▽宮本太郎・北大大学院教授▽武藤敏郎・大和総研理事長▽矢崎義雄・独立行政法人国立病院機構理事長▽山内昌之・東大大学院教授▽山口美智子・薬害肝炎全国原告団代表▽吉川洋・東大大学院教授▽渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長(了)
(2009/04/13-17:47)

「小泉・竹中的な考え方が必ずしも適切でなかったから格差社会と言われるようになった」(渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長)
「消費税を医療や年金に使うことを考えるべきだ」(伊藤元重東大大学院教授)

この発言が会議の性格を表すものとして発信されるとは、さすが「与謝野ビジョン」と称される会議である。伊藤教授は見識の高い人だけど。増田さんも頑張って。

ネットの若い人達は、小泉支持者だった人が熱烈な麻生支持者にスライドしていることも多いようだが、かつての小泉支持者は麻生政権の方針も応援するのだろうね。政策の違いに頭が混乱しないだろうか。それとも小泉・麻生というキャラクターを愛しているだけなのだろうか。

私も小泉さんが登用したことによって頭角を現した麻生さんが大好きで、麻生さんの格好イイ写真を集めていた頃もあったんだけどね。麻生さんの次は中川昭一!と期待していた。(遠い昔のことのようだ)

国のバランスシートを正常化させる上で、竹中主導の骨太方針に従って、社会保障費を2200億円ずつ削ったことが大きく印象づけられているようだ。麻生内閣の追加補正予算のように、フリーハンドで財政再建度外視なら何でもできる。何でも積み上げていいなら、こんな楽なことはない。

渡邉恒雄氏には、何がどう適切でなかったから格差社会となったのか、またどこを起点として格差拡大のデータがあるのか、偽りのない事実を報道するべきマスコミ界の重鎮なら答えてほしい。

こんな人に国の方向付けを議論させること自体が麻生政権は終わっている。

では、適切でなかったと評される小泉-竹中路線の「国家像や社会保障のあり方」について見てみよう。

格差論争「弱者を人質にするな」
2007/09/05
◇竹中平蔵(慶応大学教授、日本経済研究センター特別顧問、元総務相)

 参院選における自民党の惨敗を受けて、政策の路線修正ないしは変更について様々な議論がなされている。議論のレベルは様々だが、最も典型的な議論は、「小泉・竹中流の市場原理主義的な政策が、格差拡大と地方の疲弊を生み出した。これを転換し、弱者と地方に優しい政策に転換する」というものである。

 こうした議論は意味不明であり、コメントに値しないと考えてきたのでこれまでとくにまとまった議論はしてこなかった。しかしこのような誤った議論が日本の将来を危うくする懸念が生じている。そこで今回は格差について、次回は地方の問題について、コメントしたいと思う。

<格差問題>

ポイント
1,格差の多くは高齢化で説明できる。
2,格差拡大は世界的な傾向であり、世界中がその処方箋に頭を悩ませている。
3,グローバリゼーションという市場のフロンティアに勇ましく進み出て勝ち残る者と取り残される者の間に格差が生まれる。
4,政策的に必要なのは、フロンティアに挑戦する人達(この人たちは結果的に経済全体を進歩させる役割を果たす)への支援である。それにあたっては機会の平等と規制緩和が重要になる。特権階級が守られるのは不平等であり、格差を拡大させる。
5,格差を固定させない仕組みを作ることが重要。そのための最大の仕事は教育制度改革である。現在は所得機会がどのような教育を受けたかに大きく左右されている。
6,規制改革と教育改革が必要なのだが、改革をやめれば格差はさらに拡大してしまう。
7,格差問題に対応するため改革を修正するという議論は奇妙である。
8,格差問題を吹聴し改革に反対する議論に典型的に見られるのは、具体的な処方せんがないことである。先にも書いたが、格差は世界的な難問でありこれを解決する打ち出の小づちは存在しない。
9,「行き過ぎた市場原理主義」などという批判が聞かれるが、多くの研究によるかぎり、そもそも日本は依然として先進工業国の中で規制緩和が最も遅れた国なのである。

<貧困問題>

・ポイント
1,現実的に解決すべき問題として「貧困問題」がある。政策的に解決すべきは「貧困問題」である、と位置付けるべきだ。
2,日本では弱者を人質にした改革反対キャンペーンが行われている。
結果的にいまの格差論議は、既得権益を維持したい者が真の弱者を人質にし、改革をストップさせるためのキャンペーンに使われている。そして一部のマスコミがそれをあおっている。
3,しかし、(何度も竹中氏が要望したにもかかわらず)日本では包括的な貧困調査などを実施した事実はない。日本としては、格差対策ではなく貧困対策の実行によって、人々の不安に応える必要がある。

<地方の格差>
独りよがりの「地方格差」論議

ポイント
1,地方経済を活性化させるため具体的に何が必要か。
①地方の基幹産業である農業の競争力強化、②分権の徹底による資源配分の効率化など。
2,一時的に地方の公共事業を増やして建設業者が潤う状況をつくっても、それはあくまで「一時的」な措置でしかない。
3,農業の構造改革、道州制など分権の徹底といった「構造改革の強化」こそが、地方活性化の唯一の道なのである。

<雇用問題>
改革批判の誤り

・ポイント
1,そもそもマクロ経済運営の基礎的な目標として想定されているのが、有効需要の管理による雇用の安定確保である。雇用問題の解決は経済問題の基本と言っても過言ではない。
2,ステレオタイプの議論としては(1)小泉内閣での規制緩和で派遣社員が増えたため、派遣の待遇が悪化し、社会問題化した(2)問題の原因となった規制緩和など改革を見直すべきだ--などが挙げられる。しかし現実はこれと大きく異なっている。(データで立証)
3,問題は請負実態である。偽装請負という法律違反につながる場合もある。製造業への派遣を見直す動きがあるが、そうなれば結局、請負に戻るだけであり、労働者の待遇はより悪化すると考えられる。
4,重要なのは多様な働き方を認めながら、労働者の権利を擁護する体制を作ることだ。
5,判例で正社員の解雇を厳しく制限したことの弊害は明白だ。正社員の雇用が強く守られているために、企業は非正規社員を増やしてきた。また非正規の給与などが正社員より低くてもよいという判例も非正規社員が増える一因となっている。
6,こうした問題を解決する方策は(1)正社員の過剰な保護を改める(2)同一労働・同一賃金を実現するために、新たな法律を制定する--に尽きる。これこそが労働市場の構造改革である。
7,不適切な判例から生じている正規・非正規の制度的格差を改めるべきである。

_____以上

偽装請負の痛ましい労働実態を放置しながら、働き方の多様性を奪うだけの議論はなんの解決にもならない。今のメディアの取り上げ方は害悪でしかない。この委員会には改革に反対するマスコミ人のみならず、正社員の守護をしている連合が入っている。正社員と非正規の格差是正には最も遠いところにある“与謝野委員会”である。

以上のことからわかるように、構造改革とは、セーフティネットの強化と共にグローバルな挑戦をする人達を育成し、所得格差による教育の不平等をなくしていこうという自由主義の根幹を成す考え方なのである。

やる気のある人を邪魔するのが、既得権を奪われまいとするピラミッド型の機構であり、格差問題を吹聴して「市場原理主義」というレッテルを貼る一部のマスコミは、ともすれば強者側の既得権のトップ層なのである。

貧困問題を見棄てているのは彼らのほうなのである!!

長くなるが、大事なことなので、貧困問題についてもう少し。

格差問題とは貧困問題に他ならず、「貧困の撲滅」は世界的な課題なのである。日本政府は1996年に貧困層の調査を打ち切り、再開していないという。

参照:辻広雅文氏「自民党と民主党は“貧困ライン”を設定し、貧困撲滅を政権マニフェストに掲げよ

貧困問題の解決にあたっては、貧困ラインの設定が必要となる。
(略)OECDの貧困層の定義は、「全国民を可処分所得の高い順に並べたときに、中央に位置した人の可処分所得額の半分に満たない人の数」であり、日本のそれは15.31%であった。
日本の「中央に位置した人の可処分所得額」は450万円程度であるから、この定義を援用すれば、可処分所得225万円が貧困ラインとなる。

<対策>

1,米国などで導入されている「給付付き税額控除」は、所得が課税最低限度額を下回った場合、所得税がゼロになるだけではなく、納めるべき税金がマイナスになったとして還付される。この制度を使えば、貧困ラインへの引上げの一助になる。
2,企業の社会保険に加入できる正社員であっても、低所得者にとって保険料の支払いは負担である(分担する経営にとっても、零細企業にはきつい)。年収150万円の単身者の保険料率が20%であれば、保険料は30万円だ。そこで英国では、社会保険に基礎控除を導入した。基礎控除額を100万円とすると、保険料率は年収との差額である50万円にしかかからず、負担は10万円ですむのである。
3,生活保護は、生活扶助に住宅扶助を加えて、月12~13万円、年間140~156万円になる。現実には生活保護の審査基準は全国で厳しくなるばかりで、受給枠が絞られているという問題が生じている一方で、最低賃金でフルに働いても生活保護受給額に届かない、という問題も解決されていない。貧困ラインを200万円とするならば、ともに達しない。
4,ゆえに受給金額の再設定とともに、きめ細やかな制度設計も必要になる。英国では、日本と異なり、そもそも高齢者と若者では所得保障制度が異なる。生活保護の適用を高齢者とそれ以下に分け、復職の可能性の低い前者は生活保護対象とするが、後者には失業扶助と就労支援のセットを導入している。
5,「貧困ラインを設定し、そこに貧困者たちを引き上げようとすれば、生活保護、健康保険、雇用保険、年金などの社会保障制度と税制を組み合わせ、整合性の取れた一体改革が必要となる」(西沢和彦・日本総合研究所主任研究員)のである。社会保障制度を担当するのは厚生労働省であり、税制を握っているのは財務省だから、この二大省庁の壁を乗り越えなければならない。
6,景気刺激策によって経済を成長させ、貧困者の所得を向上させる――そうした抽象的かつ曖昧な施策ではなく、OECDの数値を使えば、貧困率15.3%を何年かかって何%まで減らすのか、そのためにいかなる税制、社会保障制度改革を行うのか、その財源はどれほど必要で、いかに確保するのか、マニフェストに記された具体策と数値を読み込むことで、有権者は、自民党と民主党の政党力の優劣を判断できるのである。

_____以上

社会保障の制度設計は、省庁を横断的に、かつ党派を超えた緻密な議論が必要な問題なのである。このような議論を麻生-与謝野の委員会で議論できるだろうか。問題意識もない、具体策もわからない、しかも小泉-竹中が格差社会を作ったとキャンペーンを貼るマスコミ人に「消費税を上げろ」論議はできても、抜本的な社会保障システムの議論などできるはずがない。

やはり自民党と民主党の中堅改革推進派議員が党派を超えて政策を煮詰め、国民から支持を受けるしかない。
日本が麻生政権と第二社会党(民主党)によって衰退させられない前に、なんとか次の次の選挙あたりで政界再編を期待するのみである。

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選択肢が「麻生か小沢か」しかないなんて…。とっても不幸【ノ_;】

◆日々是語草◆
北野誠が再び舌禍事件。マスコミ界のタブーに触れたらしい

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2009/02/24

改革とは、時代の先を見て問題を事前に解決すること(2)公務員改革

小泉改革の「小さな政府」主義によって日本のセーフティネットが壊滅した、なんて誤解がはびこっている現状では、「改革の深化」と言っても支持は得られないだろう。

小泉政権下で「小さな政府」と言い出したのは中川秀直氏だったと記憶するが、英国のサッチャーismから学んできたと言っても、英国が日本から学んだものも多く(特殊法人とかw)、お互いにそのまま「主義」を移植したわけではない。

政府は「小さな政府」という言葉をすぐに「簡素で効率的な政府」と言い直している。小さな政府を目指していくためには、まず、戦後官僚組織が日本全国に蜘蛛の巣のようにネットワークを広げ、官民格差を生じさせていることを政府はもっと訴えなければならなかった。

誤解を受けないように「肥満体の政府からスリムな政府へ」とでも言えばわかりやすかったかもしれない。安倍さんの「筋肉質の政府に作り替える」は、意味はわかるけど、マッチョかよ!と、笑うこともできず固まってしまった。

政府がレーガノミクスを参考にしたことは事実だろうが、米国の貧富の差拡大とセーフティネット崩壊を目の前にして、実際に政策の中に採り入れたことは少ない。金融市場や労働市場の規制緩和は「機会の平等」という視点から参入の敷居を下げたが、銀行システムはルール強化した。これからも緩和を進める分野と強化すべきところを間違えてはいけない。

小泉氏の「郵政民営化」は、巨大利権に手を突っ込んだのである。郵政利権とは、官が国民から集めたカネで庭をせっせと耕すことに使っていた。小泉氏は、郵政民営化で力尽きた。

公務員改革に踏み込むには小泉氏には時間が足りなかったが、現状の官の肥満・非効率・利権構造について小泉政権が方向性を示し、安倍政権の努力によって、少しずつ周知徹底されてきた段階である。

高度成長期を終え、少子高齢化に向かう日本にとって、構造改革の中心課題は「公務員制度改革」である。政治改革も一体的に必要。その先に地方分権があり、コンセンサスを得た道州制議論が待っている。
公務員改革も満足にできなくて、地方分権が実現できるわけがない!

<民主党に公務員改革は達成できるのか>

民主党は、小沢代表の政治テーマが「官僚主義から政治主導へ」ということもあり、公務員改革には威勢が良い。実際、福田政権で渡辺行革相が取り組んだ公務員制度改革は、自民党に骨抜きにされかかったものを民主党の後押しで、原案に沿った形でみごと成立することができた。政策ごとの与野党協議の良き前例となった。

民主党政権になったら、公務員制度改革の制度運営は大丈夫だろうか。

参照:フォーサイト③
「官僚内閣制」を今ぶっ壊せ!屋山太郎・馬淵澄夫

<要約>
屋山 民主党の小沢代表は、公務員制度改革をやるつもりはあるのか。
馬淵 小沢代表は、旧大蔵省支配を徹底して嫌っている。人事院を含め、全省の天下り支配はイコール大蔵支配なので、ここにトドメを刺さなければならない。
屋山 小沢さんが官房副長官だった時、小沢さんは「官僚内閣制を潰すためには、政権交代を可能にする小選挙区制を作らなければできない」と言っていた。
馬淵 昨年の揮発油税の暫定税率廃止の際、「これは福田首相には無理だ。大蔵に完全に支配されているからな」と言っていた。
屋山 組合は改革を容認するか?
馬淵 組合の影響力を心配されるが、行革推進法案を作った時、公務員の給与を3年間で2割カットを打ち出した。やはり(反発は)大変だったが、(必要性は)連合の皆さんもよくわかっている。今は組合員を守る代償機能(労働基本権)がないから簡単に公務員制度改革には賛成できないけれども、そのこともパッケージにして民主党は改革を進めていくことで理解してもらった。もう決着済み。私だって議員になる前は経営側にいた人間ですし、民主党自体が以前とは相当変わってきている。
屋山 よくわかった。民主党と連合は、旧社会党と総評、公明党と創価学会のような密接な関係とは違う。
──────────

連合と経団連は、阿吽の呼吸でなれ合っているところもあるから、あんまり関係ない気もするけどね。公務員制度改革だけは、民主党に期待しておこう。

屋山氏は80年代から土光臨調に関わり、国鉄の分割民営化の際に、国鉄にいかに多くの政治家がぶら下がり、官僚たちが省益中心の権限を手放さないように抵抗するか、その実態がよく見えたと言う。郵政民営化の巻き返しに政治家と総務省が攻勢を掛けている現状を見れば、その当時の苦労は並大抵ではなかったろう。

だいたい公務員が公正中立とは呆れる。「大樹の会」――現在の郵便局長会にしろ日教組、自治労など政治活動に明け暮れている。政治家と公務員がつるんでいる現在の政治は、根本から改革しなければならないと思う。一度自民党は頭を冷やせ。小泉政権で少しは生まれ変わったと思ったが、自民党の腐敗政治はまったく変わっていない。

屋山 谷総裁が何であんなにがんばっているのかと言えば、官邸筋で「谷が辞めることになったら麻生内閣は崩壊するぞ」って脅かしているんです。谷氏は総理主催の会合をボイコットしたんですよ。ふざけてるよね。(略)だけど、今回なぜ人事院に気をつかったのかというと、それは「崩壊」という言葉がすごく響いたんだね。裏で動いたのは漆間巌官房副長官と財務省。(略)今は本当に官僚の巻き返しが始まっています。彼らには改革が官僚にとってとんでもないところまできてしまったという危機感があるんですよ。私に言わせれば、歴史の必然なんですが。(略)

麻生首相にとって、財務省と側近の漆間氏に見放されることほど怖いことはない。彼らは従ったふりをして、上手にサボタージュをするし、政令だって都合良く書き換えてしまう。法律無視の天下り規定の政令を出してきたのは、いかに麻生政権がバカにされているかの証拠である。即刻撤回すべきものを、官僚の責任問題になるから撤回できないのである。

麻生首相を小馬鹿にしたような、そういう官僚の姑息なやり方を見て、公務員改革には興味のなかった甘利行革担当相は、さすがに怒って本気を出したのだとジャーナリストの白石氏は論評していたけれど。

麻生政権は、すでに霞ヶ関の手の平の上で踊っているだけである。踊りが上手なら支持率は下がらなかったかもしれないが、誰もリーダーシップの振り付けすらしてくれなかった。麻生首相は思いつきでしゃべっているだけで、政権は立ちすくんでいるのである。

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プロバイダのメンテの時間だー。読み返している時間がない。誤字脱字(あったら)失礼。

◆日々是語草◆ 
民主党が「アジア通貨基金」と言っただけでネトウヨ大騒ぎ

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2009/02/22

改革とは、時代の先を見て問題を事前に解決すること(1)

・作られてきた世論

情緒や同情、被害者意識といった感情は共鳴しやすく、集団ヒステリーに陥りやすい。「こうに違いない」と結論が出ると、原因と結果はどうでもよくなる。感情の渦は、次に生け贄を探し出して決着をつけようとする。「そうだ!あいつが悪いんだ」と。

そして「責任転嫁」を「正義」とすり替えることに成功する。人の感情の隙間にうまく入り込む手法は、思想戦の中に活用されている。共産主義のオルグを見ればよい。

議論中に誰かが人格攻撃に走り出したら、議論は終わりである。その人はすでに自己防衛の罠に落ちており、責任転嫁によって論破したと錯覚する段階に来ているからである。それ以上は相手にしてはならない。さらに論理的に攻めると、その人には“恨み”しか残らない。恨みと思いたくないので、ますます人格攻撃が激しくなるだけである。

思想戦の中に教材としてあるのは、政府への不満をそらすために外敵を作る方法。たとえば中国・朝鮮人には“反日思想”。日本人には“護憲平和思想”が移植された。つまり平和を蹂躙する米国を憎み、中国・朝鮮には謝罪し続けることによって日本を弱体化させようとする。

新聞社が操るメディアは、常に責任転嫁の生け贄を作り上げては、国民をある方向に誘導する上意下達のツールと化している。国民は、知らず知らずのうちにそれが正義と思いこまされ、内省することを忘れ、闇に隠れた核心部分から目をそらされる。

な~んて大げさに書いてみたのは、週刊文春で以下のコメントを読んだから。

<小泉純一郎が歴代で最低の総理だと思う理由>
「米国と日本経団連の推し進める新自由主義(市場原理主義・小さな政府)を実現化したことにより日本国民のセーフティネットを壊滅状態にした」

この人に「新自由主義って何?」「どういうふうに小さな政府と関連づけられるの?」と聞いても答えられないと思う。きっと「だってみんなそう言っているじゃないですか」と自信をもって断定するに違いない。テレビのタレントが「市場原理主義で格差社会ができちゃったでしょ。やっぱり弱い人の立場に立ってぇ・・」なんてコメントしているのを聞くと、はったおしたくなる。

ちなみに最低総理ランキングでは、1位麻生太郎、2位宇野宗佑、3位福田康夫、4位森喜朗、5位安倍晋三、6位小泉純一郎、7位村山富市(略)となっている。

私が選ぶなら、断トツで村山富市だけどね~。宇野なんて評価に値しない。

芸能人好き嫌いランキングでは、同じ人が両方に入ることがある。それだけ存在感があるということだろう。名前を思い出してもらえないのが一番悲しいかも。小泉氏は、たぶん最高ランキングでも上位に入るのではないか。「格差社会を作ったが、総理としては指導力があった」という感じで。

小泉改革を売国政策とブログに書いている人もいる。改革という言葉がよほど嫌いとみえて、片仮名で「カイカク」と揶揄している。「新自由主義者」「格差社会の元凶」「弱肉強食」、これが“カイカク”の定義らしい。

・改革とは何か

私が言いたいのは、「小泉氏への誤解」が悲しいわけではなく、「闇に隠れた核心部分から国民の目をそらすためにメディアを使い、小泉-竹中に全部責任転嫁している」勢力こそ国益と国民の生活を毀損する元凶なのだということである。

ネットで観察してみると、小泉-竹中をバッシングしているのは、例外なく「米国資本」に嫌悪感を持っている。また「新自由主義者」とか「市場原理主義者」と罵るわりには、彼らから定義を聞いたことはない。理想を聞いてみると、結局高度成長期をモデルにした社会主義に行き着く。

あ~あ、なんてことはない、彼らは時代の転換期を認めたくないだけなんだ。アンチグローバリズムの反動として、国に引きこもることが“保守”と勘違いしている。
彼ら保守の特徴は、必ず「アメリカはこんなにダメで日本はこんなに素晴らしい」という比較論が散りばめられていることである。私には日本優位論ではなく、米国の欠点を探したいだけの劣等感に見える。(参照:諸君!、正論、WiLL、SAPIO等に執筆する50代以上の論客)

日本の優位を語りたがる保守は、移民や外資に対し、現実的な処方としてではなく生理的に嫌悪する。拝金主義を“カイカク”と同一視する目線で経済を語るので、自給自足でものづくりをしていれば日本人らしさを取り戻せると夢見ている。そのような感性では、「外資」と言っただけで陰謀論に発展するのは無理もない。(参照:ネットウヨク)

高度成長期に統制経済と年功序列を可能にしていたのは、国が発展途上の成長期だったからである。1億総中流意識の頃、エコブームが来ると誰が想像しただろう。熟年期となった時に、人口や経済の規模が小さくなるという必然を受け入れられない頭の弱い人が、高度成長期のノスタルジーに浸っているだけなのだ。

小泉-竹中が「ものづくり」を壊したと言うけれど、壊したのは大量消費社会であり、画一的な金太郎飴のような教育であった。価値観まで統制され、将来の夢は公務員か会社のサラリーマン、政治家は権力闘争に明け暮れ、防衛はアメリカ任せ、日本の国土はセメントで固められた。伝統の技を守る後継者は減り続け、格差は広がる一方だった。

人も国も成熟していくに従って、自立を促される。大きな政府に依存していた時代は終わった。

今、特権階級が規制の枠に守られて利益を吸い上げていたシステムを総点検する必要がある。また貧困問題を解決しなければいけない。改革とは、常に問題点を先取りしながら、人間社会がある限り意識し続けなければならないものである。改革を否定する勢力とは、現体制によって御利益を得ている人々であり、近視眼の人であり、過去に美しいベールをかけて見ている人々である。完全に破綻してしまわないうちに改革しなければならないのだから、問題点を分析する能力が必要であることはもちろん、その後も試行錯誤の繰り返しになるだろう。

保守を標榜する人ほど、かつての日本の成功体験が「アメリカの傘」と「拝金主義」によって成し遂げられたことを忘れ、高度成長期の社会主義に回帰しようとしている。矛盾に気づかないのだ。

では、具体的に「格差問題」の中身を見ていこう。(続く)

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同じ数学者でも、髙橋洋一氏と藤原正彦氏は、どうしてこんなに違うのだろう。

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2009/02/21

四分社化見直しと「かんぽの宿」疑惑はつながっている

きょうは、エントリーを分けないで一気に長文m(__)m
しつこく郵政民営化に関するあれこれ。

2/13夜、安倍さんが仲間内の会合で「郵政は政策といえども政局になりやすいから、発言を慎重にしてほしい」と麻生首相にアドバイスした、というニュースは読んだ。

参照:週刊文春
この会合は麻生、安倍の他、菅選対副委員長と甘利行革担当相、そして安倍氏と親しい政治部記者が同席していたという。

そのうちの誰か――たぶん政治部記者あるいは菅さん?が、会合での麻生首相のおしゃべりを漏らした。

尻ぬぐいをさせられているのにふざけやがって。おれは郵政の四分社化には今も反対だ。間違ったことは言ってねぇよな

菅さんは「ほとほと疲れた」と言っていたという。
この発言は表に出ることはなかった。出せるわけがない。

麻生首相の発言を追ってみよう。
担当大臣だった
郵政民営化方針を議論する経済財政諮問会議に麻生総務相も参加。この段階で四分社化は決定している。会議に参加していた髙橋洋一氏は、麻生氏は「ずっと賛成していた」と証言。

反対だったので、担当から外された
会議でも賛成し、小泉総理に反対のそぶりも見せていなかった。竹中氏が担当になったのは既定路線。「政策の理解力に著しく欠ける」麻生さんに重要法案の担当が回ってくるわけがない。→麻生氏の嘘か思い上がり

2年間勉強して賛成に回った
大嘘。最終段階でも総務省官僚と数人で、竹中氏一人を呼び出して吊し上げていた。「外資の手先だろう」みたいな追及もあったと竹中氏が証言。

おれは郵政の四分社化には今も反対だ
国民は四分社化なんて知らなかったんだから、見直すのは当然というスタンス。

麻生氏は小泉総理にはまったく反対の素振りは見せず、四分社化を含む郵政民営化法案に閣僚として署名。郵政解散には反対したが、郵政選挙で与党が三分の二を占める大勝利。小泉氏の批判を受けて「あの選挙は、みんなで頑張って勝利した」と平然と言う。では、あなたもさっさと解散して、みんなで頑張って勝利したらどうか。

麻生氏が首相になった今、最初から最後まで郵政民営化法案に反対だった麻生氏が、四分社化を問い直す公約を出さずして、国民の信任を受けないまま郵政選挙の三分の二議席を使うのは、議会制民主主義の本意に背く“乗っ取り”行為である。郵政とは関係ない予算案だから関係ないと言うが、今まで踏襲してきた財政再建路線を見直す政権であるなら、昨年秋に自ら勝ち取った議席で景気対策法案を審議に乗せるべきだった。直近の民意を受けた与党の予算案には、民主党も「反対のための反対」はしにくい。

①国民に政権の理念・政策を理解してもらうこと、②国会運営を強気で進めることのできるバックグラウンドを持つこと、この二つは安定した政治のために必須条件なのである。国民の信を得ることの重要性をどんなに口を酸っぱくして訴えても、麻生首相は耳を貸さなかった。原則を無視して支持率が上がることはないのである。

麻生首相が「四分社化反対」を新たに争点として掲げ、国民の審判を仰がなければならない。小泉政権下で面従背反し、自分が首相になったら方針をひっくり返すことは、国民に対するだまし討ちである。

小泉元総理の怒りはもっともである。

小泉氏の真意が伝わらないことのもどかしさを感じる。しかし、どこかの番組で、小泉氏の三分の二発言に対するアンケートを採ったところ、60%以上が小泉氏に共感すると答えていた。麻生氏への共感は、政権支持率と同じくらいだった。その結果は小泉人気ゆえか?いや、それ以上に麻生氏の胡散臭さを感じ取ったのではないか。

政治家の言葉は重い。

山本一太氏ブログより
郵政4分社化は民営化の柱

総務部会(郵政政策小委員会と郵政民営化推進に関する検証・検討プロジェクトチーム)での石原伸晃・幹事長代理の発言。

 「ここに配られた資料(郵政民営化3年ごとの見直しにあたっての検討事項)の取り扱いについて座長に聞きたいことがあります。ここに並んでいる検討が必要な項目というのはあくまで議論のための項目なのか、それともこの方向に沿って議論を進めるという意味なのでしょうか?!特に、法改正の検討が必要なものという検討項目に書いてある『三事業一体的なサービスを確保するための経営携帯』という部分に関しては十分に注意を払ってもらいたいと思います。」 
 
 石原幹事長代理はこう続けた。 「2005年の(前回選挙の際の)政権公約では、郵政民営化関連法案を成立させると明言しています。見直し期間が来たからと言って、党としてマニフェストとの整合性を疑われるような(国民に誤解を与えるような)メッセージは出すべきではない。そこのところは注意してください!!」

石原伸晃氏はいまひとつ頼りないが、この件では筋が通っている。正論を主張することは、造反でもなんでもない。麻生首相は、すでに孤立し始めている。

かんぽの宿売却疑惑も同時進行で起こっている。

やっと第三者委員会が始動した。しかし、今後の売却ルールを作成して透明性を図るのが主目的のようなので、疑惑の解明は難しい。資料は総務省が握っているので、結局総務省が売却の主導権を握る方向に誘導されるだろう。

散発的に出てくる“疑惑”は、今のところ通常のM&Aからはなはだしく逸脱したものではない。マスコミで大げさに騒がれている点を一つ一つ検証すると、肝心のところをぼかしたり、わざと間違って「違法行為スレスレ」であるかのように視聴者にすり込みをしている。かんぽの宿は、福祉施設としてではなく、ホテル業として民間に事業譲渡するものなのである。福祉施設として総務省が位置付けているなら、前提条件がまったく違うものになる。

“疑惑”追及の情報源はどこか。“疑惑”から犯罪行為にもっていきたい勢力が情報源に決まっている。発信地の中心は、情報を握る総務省あるいは当事者の日本郵政である。

前回、竹中氏の「官僚による西川社長追放陰謀論」を紹介したが、鳩山総務相の言動のお粗末さに「言わされている」と感じ始める人も出てくるのではないかと思う。
疑惑追及する勢力とメディアがあれば、その背景に疑問を持つ勢力とメディアもある。言論の自由バンザイ。

鳩山邦夫は旧郵政官僚の操り人形ではないのか?高野孟氏
――「かんぽの宿」売却問題の怪しい背景

<要約>
○15日のサンデー・プロジェクト
コメンテーターの財部誠一氏は鳩山の言動について「3月の郵政民営化見直しの期限にタイミングを合わせて旧郵政官僚が西川の首を掻くことを狙って仕掛けた陰謀ではないのか」という趣旨で菅選対副委員長に問うた。
菅「背景には色々な動きがある」と答えたが、番組終了後、菅は財部に「あれは陰謀ですよ」と明言した。

○鳩山総務相は今は正義の味方のように持ち上げられているが、アンチ郵政民営化の恨みに根ざした意趣返しと改革の揺り戻しの手先として繰られているだけではないか。

○田中良紹がTHE JOURNAL2月7日付「かんぽの宿のイヤな感じ」で「鳩山総務大臣の個人の正義感だと思うほどおめでたい人間は政治の世界にはいないだろう。その意図が何かを突き止める事が先決である。総務省と日本郵政の内部にシナリオを書く者がいる。鳩山大臣はそれに振り付けられて躍っているだけだ」と述べている。

○旧郵政省の総務省官僚や旧郵便局の職員の中に、民営化そのものに激しい反感を抱き続ける者がいて、自民党内に昨秋発足した民営化反対=造反組を中心とする議員連盟「郵政研究会」とも連動してこの騒動を仕掛けたという推測は大いに成り立ちうる。

○3月の見直しに合わせて、郵政研究会では川崎二郎がこのように挨拶した。
「郵便局会社と郵便事業会社を本当に分ける必要があったのか。いつの間にか4つの会社に分かれたが、見直していいんじゃないか。株の持ち合いをきちんとしないと持たなくなるという議論もあった。合わせて検証していきたい」として、郵便局会社と郵便事業会社の一体的な経営の確保、日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生保の株式上場の“弾力化”(つまり政府が100%保有する株式を2010年を目途に上場・売却する方針の凍結)と相互株式持ち合いによる連携強化などを求めていくことを決議した。

○4分社化を中心とする民営化スキームを大幅に修正して組織を再々編し、事実上の官営事業として存続を図ろうしているに違いない。

○11月には自民党政務調査会が正式の党機関として「郵政民営化推進に関する検討・検証プロジェクトチーム」 (座長=中谷元・元防衛庁長官)を発足させたが、そこでの議論も4分社化の再検討を中心とする揺り戻し路線であることに変わりはない。

○実際に見直し内容を決定し首相に意見を述べるのは、郵政民営化法に定められた「郵政民営化委員会」(委員長=田中直毅・国際公共政策研究センター理事長)であり、田中はじめ5人の委員は言うまでもなく小泉・竹中が任命した人たちであって、自民党や総務省が何を言おうと受け付けない公算が大きい。そこで、かんぽの宿問題をスキャンダルに仕立てて西川善文日本郵政社長を叩き、あわよくば首を取る一方で、鳩山総務相と麻生首相を巻き込んで民営化推進の流れに歯止めをかけようとする陰謀シナリオが描かれたのだろう。  以上

はは~ん、小泉さん、田中直毅氏らとロシアでしっかり作戦会議をしてきたな。ロシア訪問に合わせた麻生批判は、やはり戦略あってのことだったのだ。小泉氏は民間調査研究機関「国際公共政策研究センター」顧問の立場でロシアに訪問し、田中直毅理事長や経済人らが随行している。

今までの経緯を追っていくと、高野氏の分析は説得力がある。
高野氏の言うとおり、鳩山総務相は「事業譲渡であって不動産売却ではない」ことを理解していない。(私も「あ、そうえいばそうだった」と・・・(^_^;) だから「2000億で作ったものを100億で売るのはおかしい」という子供じみた理屈になる。みーーーんな「そのとおり」と思ってるよね。信じられない。

菅氏は、鳩山総務相を繰る動きを察知している。改革派議員はどうもノーテンキで政策一直線バカで、へたれで、「戦略ってな~に?」みたいな議員ばかりなのでいやになる。菅氏は苦労人で、改革路線にも理解のある人なので、政権内部から見えていることがあるのだろう。講演会で麻生首相に厳しいことも言っていたので、心情的にはすでに距離を置いていると思う。

日本経済も大変だが、自民党には窒息しそうなほどの閉塞感が漂っている。

次回のサンデープロジェクト
≪出演≫
与謝野 馨(財務・金融・経済財政担当大臣)
≪出演≫
西部 邁  (評論家) 
中谷 巌  (三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長)
櫻井 よしこ(ジャーナリスト)
姜 尚中  (東京大学大学院教授)

四賢人に問う 
日本の拠って立つものとは?

このメンツで出る結論は、感情的な「脱小泉改革」に決まっておろーが。
一人くらいは論理的に話せるゲストを入れてくれ。はぁぁ(ため息)
中谷を入れるなら、竹中も呼べよ。不公平すぎる。

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世襲立候補制限で小泉父・息子は?

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2009/02/13

「改革の深化」が意味するもの

(本日1/2)

昨日書きかけた「改革の深化」(進化と書いているものもある)の結論だけ書いておこう。
具体的な政策提言も書こうと思っていたけど、コイズミだよコイズミ!こっちはササッとね。

小泉政権から安倍首相に託した「構造改革」とは何だったのか。
安倍氏の「美しい国へ」を読むとわかる。それは江田憲司氏が秘書官を務めた橋本政権からの課題であったのだが、日本経済の鈍化を方向転換するためには、英国病から復活した改革を学ぶ必要があった。サッチャーismをどう日本に採り入れるかを橋本政権以後、現地視察したり研究していたのである。

小泉改革は米国の真似ではなく、サッチャーが行った「官から民へ」と「規制緩和」に学んだのである。
その後の英国の劇的な復活は御承知の通り。

小泉氏が首相になった頃、金融不安で株価は下がり、長い停滞から抜け出すことができなかった。なにより「市場を強くする」ことが最優先課題だった。立ちふさがるのが銀行危機。そこで、党内・業界の反対を押さえ込みながら、竹中氏は「金融再生プログラム」を断行したのである。そして改革の成果として外国からの投資が増え、株価は回復し、景気は上がってきた。しかし、行革にしても思うように進まず、景気対策も不十分であったので、改革を止めてはいけないと竹中氏が訴えていることは正しいのである。

市場を重視することは、今後も変わらない。日本が社会主義に転換しない限り。
与謝野氏はじめ「大きな政府」派の人は「社会民主主義が理想」と言うが、政策内容を見ると、今以上に官の既得権を強くするという点において、悪平等がはびこり、民間の活力を削ぐ方向に行くことは歴史が証明している。日本を衰退させたいなら「社会民主主義」なる美しい言葉に騙されれば良い。

「改革の深化」とは、サッチャーismの見直しに他ならない。どこが良かったのか、どこが足りなかったのか。あるいは間違っていたのか。日本では、建設的な意見がまったく聞かれない。

サッチャーは「社会というものは存在しない」と言った。

田原総一朗氏が渡辺氏に取材して述べていること。http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090115/125221/?P=5

 今、評判がいいイギリスの保守党のリーダー、デービッド・キャメロン氏は「社会を基盤にしない政治はあり得ない」と言っている。マーケットから社会へという時代だ。

 オバマ氏も「黒人も白人もマイノリティーも共和党も民主党もない。みんな一緒になってアメリカ合衆国のために頑張ろう」と言っている。

 社会の復権の一番のポイントは環境だろう。新自由主義のもと環境が犠牲になってきた。

 日本でいえば介護の問題や教育の問題も入ってくるだろう。「社会の復権、社会の目線に立った政治」という旗を渡辺氏らは掲げようとしている。

これが結論。

そして渡辺氏は「社会連帯の精神を忘れない「愛の自由社会」を目指そう 」と言う。

 自由社会は弱肉強食の社会とは異なり、力の強い者はやりたい放題やってはいけない、という倫理が一番の基本です。最強の者は国家なので、平時においては国家は自己抑制が求められます。一方、非常時においては国家は国民の生命・財産を守るため積極果敢な行動が必要です。

 日本は残念ながら逆です。平時において民間にまかせれば済むものを国家がチョッカイを出し、非常時においては平時モードの延長線で権限を膨らませて対応するだけ。要するに、国家としても半人前なのです。

 自由社会では困った時に助け合う仕組みが、社会のすみずみに張りめぐらされていなければなりません。自分で税金の使い道を決められる全額税額控除の寄付税制(公益ドナー制)を創設すれば、民間のになう公益の世界が一気に広がります。余計なことをやっていた天下り法人はいらなくなり、税金を集めて配る機能は縮小されます。

 私は愛の自由社会を目指すべきと考えます。みなさんはどうお考えでしょうか。

中川秀直氏は「人を大切にする社会の実現」と標語を掲げる。
中央公論を立ち読みしたところ、田原氏が総括した内容とまったく同様のことを述べていた。

サッチャー氏は「小さな政府」において民営化、規制緩和、金融改革、法人税引き下げを行った。ブレア前首相は行き過ぎたところの修正はしたが、路線は継承していた。英国人はサッチャーの功績はきちんと評価していたからである。

日本では、「アメリカ追従の市場原理主義」というレッテルを貼って、小泉改革の全否定に走っている。私は日本人は民度が高いと信じていたが、政治は三流だとつくづく思う。

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渡辺氏の国民運動体HPがきょう開設されると書いてあったけど、まだみたい。そのかわり渡辺氏のブログを見つけた。

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2009/01/23

オリックスへの「かんぽの宿」売却問題。総務省は入札手続きの適正な審査をしたのか(2)

(1)からの続き

この論評は客観的に見ているか?

町田徹氏
出来レースの温床となる懸念も。「かんぽの宿」売却で表面化した郵政民営化の問題点

 この第一報段階で影を落としたのは、民営化からまだ3年も経たないのに、監督する者とされる者に別れた総務省と日本郵政の間の不協和音だった。三井住友銀行出身の西川善文社長ら外部出身者が幹部ポストを押さえ、旧郵政省出身のキャリア官僚らのほとんどを経営陣や枢要ポストから排除したことなどが響き、両者のコミュニケーションは、ちょっと前まで同じ組織に属していたとは思えないほど悪いことで知られる。

コミュニケーション不足というより、コミュニケーションしたくないという感情的なもつれがあるようだ。全文は長いので、リンク先をお読み下さい。

 さらに肝心なのは、小泉内閣が郵政の民営化によって、市場や民間企業の効率性と、ユニバーサルサービスに代表される国営の長所を両立できると主張しながら、その具体的な折衷の姿を設計しないまま、あるいは示さないまま、実現を最優先して民営化を断行してしまったことだ。例えば、かんぽの宿は5年後までに売却することだけを法的に義務付け、どういう観点・方針から、どういう手法で売却するかを明確に決めていなかったのだ。繰り返すが、この点からも、今回のような疑問を、鳩山大臣が持つのは当然のことなのだ。むしろ、民営化を決めたときから予想された問題なのである。

町田氏も総務省に取材するうちに、そのまま民営化反対派の「見直し論」を代弁している。制度設計の趣旨も売却方法も明確にされているのである。なにせ霞ヶ関文学に精通した髙橋洋一氏が設計したので。膨大な法案を全部読んだ人はたぶんいないだろう。批判する人は、知らずに適当な「折衷案」を観念的に述べるだけである。何の裏付けもないのが批判派の特徴。

制度設計はかなり細かくユニバーサルサービスを担保しているし、見直し論は、必ずと言っていいほど「郵便局が減らされた!地方は困っている!」と見直しの根拠にするが、過疎地域の郵便局長が高齢で引退するので後継者がいないためだったりする。民営化のせいではなく、後継者不足の問題である。

 鳩山大臣に望みたいのは、今回のかんぽの宿の売却案件の適否の調査・判断だけではなく、こうした出来レースの温床になりかねない構造にメスを入れる調査・再改革である。

町田さん、そうすると、会社経営に携わる民間人は一切政府委員会に関われないことになるよ。ものすごく曖昧な改革派-民間経営者の「陰謀論」を証明せずして、どうやって再改革するのだろうか。

この際、外資の再生ファンドに売っ払っちゃえば?オリックスの落札価格より低くても、そのほうがいいんでしょ。鳩山総務相も納得するかもね。(棒)

「水面下では、こうした問題含みの案件が横行していたのに、監視の目が届かず、闇から闇に葬られていた疑いが強い」(総務省中堅幹部)というのだ。

町田さんは、総務省の言い分をそのまま書いてくれているから助かる。

年金のグリーンピアにしても信じられない価格で叩き売られてたけど・・・。マスコミが取り上げなければ、国民の目から隠されて闇から闇に葬られるところだった。葬ってきたのは霞ヶ関のほうじゃないか。具体的な「問題含みの案件」を出さずに「疑いが強い」と言えば、官から民への規制緩和全体に疑惑の目を向けさせることができる。総務省幹部は「疑い」と言うだけで、何一つつかんでいないことがわかる。つかんでいれば、効果的にメディアにリークしているはずだ。典型的な反対派の世論誘導方法である。総務省は、オリックスの件は「改革という名の下に行われた財界利権」の氷山の一角だと言いたいのである。

実は、郵便事業や郵便局では10億円未満の不動産売却が許認可の対象から外れている。このため、鳩山大臣が今回持ったような疑問について、これまで日本郵政の売買案件をチェックする機能が、どこにもなかったのだ。意地悪な言い方をすれば、大臣が懸念した「出来レース」がやりたい放題の民営化となっていたのである。

証拠の一欠片もなく「出来レースがやりたい放題の民営化」を結論付けるとは・・・一生懸命町田論文を読んで損した。

町田氏は総務大臣が疑問を持つのは当然とする根拠として「10億円未満の不動産売却が許認可の対象から外れている」というが、逆に言えば、「10億円未満は総務省の許認可外」にしておかないと、政府資産を売却をさせないために総務省が「干渉し続ける」ことによって、あらゆる案件にストップをかけかねない。実際、政府資産売却にはものすごい抵抗があるのである。これは想像でもなく、陰謀論でもなく。

「10億円未満」で総務省がストップしてくれると誰が一番得をするか。それは、業務中にも政治活動に余念がなかった「郵便局長会」である。増えすぎた郵便局でさえ一個も潰させまいと踏ん張っている。自民党の強力な支持母体が今や国民新党や民主党に乗り換えようとしている。小泉-竹中は、自民党の既得権益までぶっ壊してしまったのである。自民党でも何とか郵政民営化見直しの機運を作りたくて仕方がない様子である。麻生政権が盤石なら当然やっただろうね。

日本では、社会主義国家かと思われる規模の政府資産を持ち続け、非生産きわまりないので、資産を民間に移すことは急務になっているのである。町田氏はどうも総務省の言い分にからめ取られているようだ。

<おまけ>
「かんぽの宿」疑惑-竹中平蔵氏の稚拙な反論(植草一秀の『知られざる真実』)

再反論する気も起きぬほど稚拙、というかただの悪口だな。
社民党の保坂展人氏のブログを参考にしているあたり・・・
すみません、優秀な経済学者でしたっけ?

「宮内氏が享受する改革利権は、3つに分かれる。1つは、本業である金融部門の規制緩和による改革利権。2つは、行政に保護された統制経済の規制緩和による改革利権。ターゲットは農業・医療・教育の分野。3つは官業開放による改革利権である」

改革利権ね。
金融・農業・医療・教育・産業全般にわたる行政干渉の行き過ぎを排し、ネットワークのように張り巡らされた官僚利権を削ぐことが規制緩和の第一義。広く浅く産業の裾野を広げ、利権の独占を是正すること。一括りに「規制緩和=市場原理」であるかのように悪者にするのが彼らの手法。

改革を論じる時に、民が良くて官が悪いという二者択一ではない。官民の比重が、今の日本は官に偏りすぎているのである。ここを直視しなければならない。観念論で改革を語ってはいけない。まして善悪の問題ではないのである。

つまり産業発展に寄与する改革をするべきであって、「さらに経済を強くすることができる」仕組みを政策として詰めていく。統制経済の弊害から規制緩和することで自由競争を促すことを、この論者は“改革利権”と名付けているのである。素晴らしきかな改革利権。

この人は単に竹中憎しとしか思えない。

そうそう、“改革利権”と曖昧に言わず“竹中利権”とはっきり言った政治家がいた。同じく鳩山さんが側近として使えている人。小泉氏は竹中氏をブレーンにしたが、麻生氏は植草氏を経済ブレーンにすればよかったのにね。

【結論】

総務省はまず入札手続きの適正な審査をすることが第一ではないか。粛々と自分達の仕事をしてから文句を言え。それもせずに反対理由が「李下に冠を正さず」の観念論では、西川氏と宮内氏への言いがかりでしかない。

かんぽの宿の存続と雇用確保を優先するなら、答えはすでに出ている。

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麻生首相と竹中氏が会談したそうだ。内容は「ダボス会議へのお誘い」だった。麻生さんが総務相の時、丁々発止の議論(喧嘩)をした仲だから、二人はどんな雰囲気だったのかなあ。覗いてみたかった。

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オリックスへの「かんぽの宿」売却問題。総務省は入札手続きの適正な審査をしたのか(1)

竹中元総務相の批判に反論=オリックスへの「かんぽの宿」売却-鳩山総務相

 鳩山邦夫総務相は20日の閣議後会見で、オリックス不動産への「かんぽの宿」売却に反対している同相の姿勢を竹中平蔵元総務相が新聞紙上で批判したことについて、「素直に竹中論文を受け入れる訳にはいかない」と反論した。
 鳩山総務相は、郵政民営化も議論した総合規制改革会議の議長を務めた宮内義彦氏が会長を務めるオリックスへの譲渡に疑問を呈している。
 郵政民営化担当相も務めた竹中氏は、オリックスが資産売却にかかわれないとする論理には問題があると指摘したが、鳩山総務相は「宮内氏は郵政民営化に熱意を見せていた。(自らかかわった)公職の領域で利益を図ろうとする人間はゆがんでいないのか」と机をたたきながら反論した。(了)(2009/01/20-11:46)

宮内氏はゆがんだ人間?鳩山さん、だんだん人格攻撃の領域に入ってない?鳩山総務相は、なんとしてもオリックスへの売却は認めないようだ。総務省として「グレー案件なので認めるわけにいかない」のか、あるいは何かの理由で「認めたくない」という感情論なのか、はてさて?

竹中氏の反論記事を探してきた。産経だ。ちなみに日経も朝日も、今回は足並みを揃えて鳩山総務相に異を唱えている。

【竹中平蔵 ポリシー・ウオッチ】かんぽの宿は“不良債権”
2009.1.19 02:43

 ■無視される機会費用

<ポイント>
・鳩山総務相の反対は、民営化に当たっての基本精神に反するものであり、かつ政策決定のプロセスそのものに大きな弊害をもたらすものだ。

・かんぽの宿は、郵政にとっていわば「不良債権」であり、この処理が遅れればそれだけ国民負担が増大することになる。

・総務相の反対理由は、第1に、資産価格が落ち込んでいる今の時期に、急いで売却するのは適切ではない。第2に、オリックスの宮内義彦会長は規制改革会議の議長を務めており、郵政民営化による資産処分にかかわるのは「できレース」的である。

第1については、経済学の初歩的な概念である「機会費用」というものを無視した、誤った認識と言わねばならない。売却した資金で新たな事業資産に投資する一方、購入価格も不況期には安くなっている。つまり相対価格の問題であり、重要な経営判断である。政治家や官僚に判断できる問題ではない。

 ■民間人排除の論理

・第2の点についても、根本的な錯誤がある。まず、郵政民営化のプロセスに規制改革会議が関係したことはない。基本方針を決めたのは経済財政諮問会議であり、制度設計は内閣官房の準備室が行った。その際にいくつかの委員会も作られたが、宮内氏がそのメンバーになったことはなかった。同氏が郵政民営化にかかわったというのは、ほとんど言いがかりのようなものである。

・民間人が政策過程にかかわったからその資産売却などにかかわれない、という論理そのものに重大な問題があることだ。今や政策決定における民間人の役割は極めて大きなものになっている。経済財政諮問会議や各省の審議会・委員会にも民間人が関与する。しかし、いったん政策が決められたとして、それに関係する経済活動がその後できないとなると、民間人はだれも政府の委員会メンバーになどならなくなる。郵政民営化の枠組みを決めた諮問会議の民間議員は、郵政の株が売却される際、それを購入してはいけないのか…。これは、政策決定における民間人排除の論理に等しい。

(上の段落は重要と思うのでそのまま引用した。竹中氏はここを一番強調したかったと思う)

・総務相発言は、政策にかかわる民間人の自由な発言をますます抑制し、結果的に族議員と官僚を奮い立たせるものである。

売却に当たって、総務相の認可が必要になっているが、これは入札手続きが公正に行われているか、民営化の趣旨全体に則しているか、国民負担を大きくしないか、といった点をチェックするためのものだ。報道によれば、入札によってこうした手続きは正当に行われている。

・かんぽの宿という不良債権の処理が遅れれば、資産はますます劣化し、国民負担を一層大きくする。早期に一括売却をすることこそが、資産価値を最大化する道である。その意味で、担当する総務相発言は国民負担を増やすというとんでもない方向を目指しており、野党もこれに賛同しているのである。

・かんぽの宿をめぐる今回の発言は、郵政の価値を棄損し、政策決定を族議員と官僚に有利にする効果しかもたない。民営化の当初の法律の定めに沿って、早期に一括売却を進めることこそが内閣の使命である。

竹中氏がかなり怒っている様子が伝わってくる。
民営化した張本人なので、怒りを割り引いて見ると、鳩山総務相の疑問には完全には答え切れていない。宮内氏は規制改革会議の委員であったし、直接関わってはいないが、郵政民営化も賛同する立場であった。日本郵政とオリックスは、なぜ総務省への認可申請を売買契約発表の2日前という駆け込みで行ったのか。何かやましさがあって、年末のドタバタで総務省に審査する余裕を与えたくなかったのではないか。早い段階での売却契約には作為的なものはなかったのか、新聞報道をそのまま信用していいのか。

朝日新聞はどう反論しているだろう。(秀直氏のブログからもらってきた)

(参照記事)朝日社説「かんぽの宿」「筋通らぬ総務相の横やり」

「日本郵政が全国にもつ宿泊施設『かんぽの宿』をオリックス不動産への譲渡する話に対し、許認可権をもつ鳩山総務相が『待った』をかけている。日本郵政の西川善文社長から説明を受けたが、鳩山氏は『納得できない』という。だが、理由が不明確で納得できないのは、鳩山氏の『待った』の方ではないのか。許認可という強権を使い、すでに終わった入札結果を白紙に戻そうというのなら、その根拠を明示する責任はまず鳩山氏にある。

かんぽの宿は年間200万人ほどの利用があるものの、赤字続きだ。郵政民営化から5年以内に譲渡するか廃止することになっていた。日本郵政は前任の増田総務相が認可した08年度の事業計画にかんぽの宿の譲渡を盛り込み、昨年4月から入札手続きに入った。27社が応札し、2度の入札でオリックスに決まった。

全国の宿70施設と社宅9か所を一括して約109億円で売却する。資産の帳簿上の値打ちは141億円だが、借金を差し引いた純資産は93億円。落札価格は、これを16億円ほど上回る。

鳩山氏が問題だと指摘するのは次の3点だ。なぜ不動産価格が下がるいま売るのか。なぜ一括売却なのか。なぜ規制改革・民間開放推進会議の議長を長く務め、郵政民営化を指示していた宮内義彦氏が率いるオリックスに売るのか。『国民が“出来レース”と見る可能性がある』として、譲渡に必要な会社分割を認可しないという。これに対して西川社長が説明した内容は、しごくもっともに思える。

赤字が毎年40億~50億円なり、地価が急上昇しない限り、早く売る方が有利だ。一括売却でないと不採用施設が売れ残り、従業員の雇用が守れない。全国ネットとした方が価値も上がる。最高額で落札し、雇用を守る姿勢がもっとも明確だったのがオリックスだ――。

鳩山氏は譲渡価格109億円が適切か総務省に調査させるという。だが調査する前から『納得する可能性が限りなくゼロに近い』とも発言している。これはとうてい納得できない。明治時代の官業払下げならいざしらず、競争入札を経た結果に対し、さしたる根拠も示さずに許認可権を振り回すのでは、不当な政治介入だと批判されても抗弁できまい。

宮内氏は規制緩和や民営化を推進してきた。官僚任せでは構造改革が進まないため、当時の政権が要請したものだ。過去の経歴や言動を後になってあげつらうのでは、政府に協力する民間人はいなくなってしまう。自民党内では、郵政民営化の見直しの動きが続いている。鳩山氏はこれとの関連の有無について言及していないが、もしも『待った』の真意が民営化策の見直しにあるのなら、正面から堂々とそちらの主張をするべきだ。

朝日新聞も正論を言う。(笑)
鳩山総務相の感情的な頑なな態度を見ていると、どうも正論では通じない背景があると感じる。日本郵政とオリックスの「出来レース」に確証があるならそれを呈示すればいいのだし、「李下に冠を正さず」という程度でダメと言っているのだったら、ずいぶん失礼千万な話である。

地元資本に落札させたほうが地域発展に貢献云々の“言いがかり”もどうかと思う。オリックスより高い買い物ができる地元密着企業があるだろうか。西川社長の説明のとおり、全国ネットで活用したほうが便利だし価値が高いのである。

池田信夫氏のブログより「鳩山邦夫氏の暴走

この背景には、小泉改革の協力者だった宮内義彦氏を傷つけようとする郵政民営化反対勢力の山口俊一首相補佐官の動きがある(鳩山氏も認めている)。最低なのが、それに悪乗りして宮内氏の参考人招致を求める民主党だ。枝野幸男氏は「オリックスが応札したこと自体理解不能だ」といっったそうだが、一般競争入札というのはだれでも応札できる制度である。それを制限したら、談合の温床になる。自民党の抵抗勢力や国民新党と結託して小泉改革を白紙に戻すのが民主党の選挙戦術だとすれば、救いがたいというしかない。

郵政民営化反対勢力の山口俊一首相補佐官の動き・・・鳩山氏も認めているのか。(笑)

「いつかしかえししてやる」「見てろ、民営化は必ず失敗する」と言っていた政治家がいたっけね。鳩山総務相が側近としてお仕えしている人だけど。
失敗前提で嘘八百並べて重箱の隅を突ついた挙げ句、見直し法案を与野党で可決か。どれだけ彼らが嘘八百を並べているか、いつかあばいてしかえししてやる。www

(長くなるので分けます。(2)に続く)

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