構造改革(福田政権)

2008/08/06

対立点を明確に。大きな政府vs.小さな政府

中川氏に党国家戦略本部長代行を正式要請<8/4 16:44>

 福田首相は4日、自民党・中川秀直元幹事長と会談し、自らトップを務める自民党国家戦略本部の本部長代行への就任を正式に要請した。
 福田首相は、中川氏に対して「改革を徹底して行わなければならない。改革逆行と言われるが、そうではない」と述べたという。

 今回の内閣改造は、小泉構造改革から一線を画し、中川氏ら経済成長を重視する「上げ潮派」を一掃した格好になっているが、福田首相は、中川氏を「国家戦略本部長代行」という将来の改革ビジョンを示す新たなポストに就けることで抱え込みを図った形。

 中川氏は、新たな改革ビジョンを次期総選挙でのマニフェストに反映させる方針。

改革を徹底して行わなければならない。改革逆行と言われるが、そうではない
「改革する」、その一言を福田首相はなぜ自分の口から国民に言わないの?党内に遠慮して、中川秀直氏をスポークスマンにするの?

増税はとてもじゃないが出来る状態ではないことが浸透してきて、上げ潮派vs.増税派の対立点は解消されたように見える。本来、小泉改革は「財政再建」のための中長期的ビジョンを示してきたわけで、そこからプライマリーバランス2011年の目標が出てきた。

対立点は何か。地方立て直しを「中央ひも付きの補助金復活」でやろうとするのか、地方分権によって「自助努力を助けるための補助金」として地方再建しようとするのかである。同じ補助金でも天と地の差がある。メディアも有権者サイドもあまり意識していないようだが、単純な経済成長vs.増税ではなく、真の対立点は、旧来の大きな政府(中央集権)のまま霞ヶ関主導でいくのか、あるいは小さな政府(地方分権)に制度改革していくのかということである。もっと争点を明確にしたほうがよい。

たとえば志士の会の麻生太郎、古賀誠、高村正彦、久間章生、平沼赳夫は、政策理念や経済政策において大変似ており、大きな政府型である。「地方(支持母体)にもっとカネをよこせ」型の守旧派と言ってよい。一方、政策は全部官僚に任せておけばよいと考える議員達は、調整と予算ぶんどりではベテラン(重厚?)議員だが、はっきり言って無能の部類だろう。無能筆頭格は小沢一郎である。これからは使い物にならない。小さな政府派は、小泉政権以来、政治主導で既得権益を官僚と族議員から引きはがそうというタブーに踏み込んだため、ありとあらゆるバッシングを受けてきた。小泉改革は、大きな政府派にとってはすでに売国政策の極みに達している。ただし彼らも小泉内閣の一員であった関係上、せいぜい「小泉改革の負の遺産」と表現して、国民に「やさしい改革に転換します」と媚びを売るしかない。

安倍政権で幹事長となった麻生氏のメッセージは、まさに「小泉改革からの転換」であった。そして官房長官には懐刀として与謝野さんを推薦した。麻生氏は道州制を強く提言しているが、地方分権の理念が「大きな政府派」と「小さな政府派」とでは必ずしも一致しない。道州制ありきでは、中央の干渉を排除できるとは限らない。「大きな政府」を残したままでは、知事達は相変わらず中央に陳情し続けるしかないだろう。

「小さな政府」を目指した小泉元首相は、厚生族というより大蔵族であると言われていた。小泉がそうであるというより飯嶋秘書官が財務省と密な人脈を築いてきたためである。サキヨミを流し見していたら、飯嶋氏が与謝野氏を一生懸命擁護していた。与謝野氏が改革派と同じ方向を見ているというなら一言で終わりなのに、普段は大人しい飯嶋氏が「与謝野さんはすごいんだ」と大声を出して熱くなっていた。(仕事に手を取られながらだったので、具体的にはよく覚えていない)
それゆえ小泉政権では与謝野氏や谷垣氏も重用したし、公務員改革には手を付けることができなかった。郵政民営化が最優先課題だったので、霞ヶ関の意向を汲んで、目をつぶったということかもしれない。

新内閣の布陣を見れば、「大きな政府」型のベテラン議員が多いので、現状では増税には待ったがかかったものの、中長期ビジョンではいずれ対立が明確になってくると思う。対立する間もなく解散か。。(^_^; 解散圧力が高まるとはいえ、福田首相が今後の自民党マニフェストを強化する「小さな政府」路線を中川秀直氏に委ねた意味は大きい。麻生幹事長-古賀選対委員長、また伊吹財務相、町村官房長官は、党の調整段階で改革路線を潰しにくるだろう。経済政策では、喫緊の課題がバラマキにならざるを得ず、改革派も増税派も短期的には一致している。水と油のようにどこが分かれ道かというと、「埋蔵金」を認めるかどうかである。出そうと思えば何兆円単位で出せるへそくりの存在は、完全否定していた与謝野氏すら認めざるを得なくなっている。伊吹氏は「そこに手を突っ込んで99%生還した人はいない」とかなんとか脅しているらしい。(笑) 中川氏は生還組1%になれるのか。

与謝野氏らの近視眼的な財政再建策は、すでに論理破綻していることが国民の目にもはっきりした。しかし、福田首相は経済財政担当相に任命した。なぜか。それは経済財政諮問会議がすでに財務省に乗っ取られており、与謝野氏は党の方針と財務省との調整役にぴったりであることと、今後の応急手当としてのバラマキ対策には、財務省からカネを引っ張ってこれる適役が与謝野氏だったということではないかと私は思う。

渡辺行革担当相をなぜ外したのか。同じ改革派の茂木さんに引き継いだので安心したのだが、舛添氏とともに国民的に人気のあった渡辺氏を外す理由はなかった。留任させたほうが「やるべき改革は続行する」という国民に向けての意思表示になったはずである。

これは真偽不明だが、報道2001で髙橋洋一氏が「麻生さんが幹事長を引き受けた時に福田首相に条件をつけた。それが『上げ潮派を一掃せよ』ということだった」と言っていた。学者肌の髙橋氏が嘘を言うとも思えず、しかし、そんな重大な裏取引が漏れてくるのもおかしな話で、またまた麻生陰謀論が駆けめぐるのか?といや~な予感がしてしまった。
一つ推測したのは、大きな政府を守りたい勢力にとって、もっとも手ごわい髙橋洋一氏を改革派大臣から離間させたいのはヤマヤマだったろう。政治的駆け引きと関係ない学者肌の髙橋氏は、裏で聞いたことはそのまま雑誌でも本でもTVでもしゃべってしまう。こんな面白いネタを提供してくれる髙橋氏を今後も報道番組は放っておくはずがない。

その髙橋氏も言っていたことだが、せっかくの剰余金の使い方がなっていない。週刊ポストでは中川秀直氏が「埋蔵金30兆円で景気は3年間で立て直せる」と威勢の良いことを語っている。小泉政権が続いていて、ねじれ国会ではなく、挙党一致で改革断行できるなら可能ではあろう。つまり人気のある強いリーダーの下で改革する以外、できっこない。

埋蔵金一つとっても景気回復策として使われていない。政治がどこを向いているのか、国民はよく監視しなければならない。メディアはちっともその責任を果たしてくれない。財政再建ありきの役所は、剰余金を出すには出したが、景気対策には回さなかった。

中川 (略)僕はこれまでの「改革の配当」が政府内に眠っていると思っている。この“へそくり”を有効活用して「日本型リスボン戦略」を策定し、政策運営をしていけばいい。

――いわゆる「埋蔵金」ですね。

中川 自民党政調会長時代の05年から、僕は特別会計の剰余金を借金返済(国債償還)に充てるべきだとし、昨年末には財務省は9兆8000億円の埋蔵金を出してきた。ただ、そのうち市場に発行した国債の償還のために使われたのは3兆円だけ。残りの6兆8000億円は、金利負担が実質発生しない日銀保有国債や財投融資特会の国債の償還に充てたわけ。そんなものは後回しにして、全て市中で使い、景気対策に役立てるべき。

中川「昨年のGDPの名目成長率0.3%は、所得倍増に220~230年かかるということ

財務省(御用機関の経済財政諮問会議)は今後1%程度を想定して、財源確保に消費税10~18%必要と試算したが、庶民は苦しい家計のまま負担だけは増えていく。これが本当にやさしい改革か?消費税を上げても税収は伸び悩み、消費は落ち込み、生活保護世帯が増えていくなら、政府の政策はまったく無為に帰する。社会保障も税金でとなれば、いったい消費税はどこまで上がるのか。社会保障は、基本的に保険制度を維持して、民間の保険制度も活用すべき。所得に応じた掛け金を再構築し、保険制度から脱退する自由を認めてもよい。「負担は少なく保障は大きく」の我が儘な国民目線に立っていてはいつまでも議論は進まない。きちんと中長期ビジョンを示すことのできるリーダーが求められている。

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山本一太氏が外務副大臣、高市早苗氏が経産省副大臣に任命された。山本一太さん、おめでとう。山本氏のブログによると派閥均衡の順送り人事ではあるらしいが。高市氏も将来有望ね。

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2008/07/05

公的年金運用を誰に任せるか。公益法人見直し

公務員制度改革と政治改革は一体のものだよね。政・官の構造に歪みがあるのだから、どちらが先という問題ではない。TBのタイトルだけ見て、レスしてみた^_^;

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公的年金 運用損失5兆8000億円に<7/4 13:48>

 公的年金の積立金の昨年度の市場運用利回りはマイナス6.4%で、損失が約5兆8000億円と過去最悪となったことが明らかになった。
 公的年金をめぐっては、厚労省所管の独立行政法人が積立金を運用している。昨年度はサブプライムローン(=低所得者向け住宅ローン)問題の影響で国内外の株価が低迷したことなどから、利回りはマイナス6.4%と5年ぶりにマイナスに転じた。運用損失は約5兆8000億円に上り、過去最悪となった。

 町村官房長官は4日午前、「基本的に株価の動向に応じてリターンが良かったり悪かったりというのはあると思う。そう驚きもしないし、慌てる必要もない」と述べ、株価の動向によるもので、心配する必要はないとの考えを強調した。

「SWF検討プロジェクトチーム」の公的年金基金10兆円を年金積立金管理運用独立行政法人から切り離す中間報告を出した翌日というタイミングで、このニュースが出てきたか。

夕方に携帯でニュースをチェックして、夜の古舘君の「だから言わんこっちゃない」というしたり顔が思い浮かんで、いや~な気分に。

世論は「これだから素人集団は・・。プロに任せよう」となるか、「やっぱり大事な年金資金を投資に回すのはダメだ」となるか。挙げ句の果ては「失われた5兆8000億円があったら社会保障が・・」と皮算用を始めるか。と、思ったら番組内で「政府系ファンドは外資のカモになる」ときた。

19年度、サブプラショックと重なって世界市場が激落したのだから、市場環境に左右されたのは仕方ない。

年金積立金の運用実績(概要)

収益率(名目)-6.4%(平成19年度)←3.10%(18年度)←6.83%(17年度)←2.73%(16年度)←4.90%(15年度)←0.17%(14年度)←1.94%(13年度)

収益額 -5兆8,000億円(平成19年度)←4兆5,669億円(18年度)←9兆8,344億円(17年度)←3兆9,588億円(16年度)←6兆8,714億円(15年度)←2,360億円(14年度)←2兆7,787億円(13年度)

平成19年度は、ほとんど事故みたいなものだ。小泉政権以前はマイナス収支もあったが、これほど酷い落ち込みはなかった。

現在7兆円のプールがあるようだから、じたばたするようなニュースでもない。「18年度は外国株式を中心として収益がプラスになった」が19年度には転落したわけで、今後市場運用には慎重を期さなければならないのは言うまでもない。いずれ民営化するかどうかはわからないが、安定運用を考えたらプロ集団に任せたほうが良いと思う。

私は年金積立金管理運用独立行政法人への不信感のほうが大きい。前身の「年金福祉事業団」はグリーンピアの運営、住宅融資も行っていたが、結局杜撰きわまりない経営で糾弾された。そのような感覚のお役人達に財テクを任せてはおけない。

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82公益法人の事業見直し、支出3割削減へ<7/4 16:38>

 政府は4日、国などが補助金を支出している公益法人のうち82法人について、事業見直しなどの支出削減策を発表した。
 政府は、国などが経費を支出している約2000の公益法人について、無駄な支出がないか調査・検討をしていた。その結果、82法人について、国からの事業の発注や補助金を削減・廃止するなど、事業を見直すことになった。

 また、福田首相は4日、公益法人への国の支出の「3割削減」を新たな目標として各閣僚に指示した。町村官房長官は「公益法人への支出を3割減にしたいと、福田首相から目標の設定があった。それに向けて、来年度概算要求、予算の作成で実現したいし、平成20年度中に予算執行しているものにも趣旨を生かす」と述べた。

 政府は今後も、公益法人改革を進める方針。

改革の緒に就いたにすぎないことは認めるが、抵抗の大きい中で政府が削減努力をしていることは、もうちょっと評価してもよいと思う。

無駄な公益法人、独行法人の根本的解決法は、天下り禁止なんだよね。天下り用に増え続けた公益・独行を潰すには天下りを断てば自然消滅する。採算が取れてよくやっている所は民営化する。

参照:Voice④江田憲司氏
公益法人の社団法人や財団法人は「民間の自主的な発意によって設立される」と規定されているが、実際は国が主導して設立してもらい、そこに天下りの役員は送り込んで、国からの委託費や補助金に給料分のオカネを潜り込ませる。これが霞ヶ関の常套手段である。

特殊法人:国からの統制色が強い
財団・社団等の公益法人:民間の発意(実質は国が主導)
独立行政法人:特殊法人と公益法人の中間的存在

独行法制度を作ったのは、まったく無駄・無意味だったと思う。小泉政権で特殊法人改革を行ったが、蓋を開けてみれば、特殊法人から独立行政法人への看板の付け替えでしかなかったということだ。渡辺行革担当相が独立行政法人改革に手を付け、今回は公益法人の削減を打ち出したが、この改革を続行して、同時に天下り規制を強化していくしかないと思う。経営感覚のある民間人を導入しなければならない。

独行法改革については、渡辺行革相は、世間の評判は芳しくはないけれど、「多少手前味噌になりますが、かなりいいところにまで切り込むことができたと思っています」と述べている。

参照:Voice④「霞ヶ関との闘いに勝つ」
昨年12月、独法の合理化計画が閣議決定された。102ある独法を86法人にする。

1,「雇用能力開発機構」
渡辺氏と舛添厚労相が大臣折衝の過程で深く切り込んだ。霞ヶ関裏シナリオの「手直しをして温存」を崩した。
雇用保険特別会計で運営されているが、資金がたくさんありすぎて箱物をやたらに作りたがった。

「私のしごと館」は580億円のオカネを掛けて、毎年十数億円赤字を垂れ流している。渡辺「廃止」、舛添「廃止せずに活用」と意見が分かれているようだが、舛添氏(厚労省)に何か名案はあるのだろうか。

2,「職業訓練大学校」
民間ですでに全国700カ所もある。雇用保険料を使ってやる必要はない。

3,「日本万博機構」
平成22年度までに廃止。

4,「日本貿易保険」
手つかずで残そうとしていたが、株式会社化という結論になった。

5,「国立印刷局」
大蔵省印刷局を独法にするとき、おみやげで付けてもらった土地資産がある。売却資産を売却代金ごと根こそぎ国庫に入れてもらう制度を創設する。すでに6000億円以上の土地売却、資産売却が決まっているが、「世間は全然こういうことに注目してくれない」と渡辺氏は苦笑い。

・・・等々、渡辺行革相は各大臣と折衝に折衝を重ね、難攻不落と思われた独法に改革の道筋をつけていった。

なんでも一足飛びにはいかないのだから、評価すべきところはきちんと評価しないとね。

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官僚の論理に耳を傾ければ「政治家が悪い」ということになる。しかし、そろそろ「結果を見て判断」する時期に来ているのではないか。官僚主導の戦時体制のままで統制型システムを続けるのか、とことん日本が病弊してから改革の重要性に気づくのか、日本は岐路に立っている。危機感を持つ政治家あるいは補佐役の官僚達がリーダーシップをとっていくしかないと思う。

うp「東宮ご夫妻は創価学会を内得信仰している?

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2008/07/04

「官僚国家崩壊」by中川秀直氏

毎日2chで大笑いしているうちに、改革について真面目に語る気分じゃなくなってしまった。福田政権は底値安定してきたようだし、スリルとサスペンスが足りないなあ(笑)

財政再建方法について

NHKのニュースヲチで、与謝野VS中川秀直の財政再建論を対比させていた。個別のインタビューのつぎはぎは隔靴掻痒だ。どうせなら二人をスタジオで直接対決させてくれ。

増税派VS上げ潮派という構図は、政策をわかりやすく有権者に“見せる”ためには有効だと思うが、両者共に財政再建をどのように立て直すか、そして経済成長をどう進めるかという目的は同じなのであって、どのような日本にしたいのかという理念と具体策の違いを示しているわけである。髙橋洋一氏が提案したように、争点を「大きな政府VS小さな政府」にしたほうが的を射ていると思う。

理念と具体策でいえば、与謝野氏は嘘と印象操作で、「堂々と正直に言いにくいことも言う」というよりは、毎度お馴染みの美味しいエサで国民を釣ろうとしているだけだ。

たとえば「消費税をあと5%上げさせてください。そうすればすべて“社会保障”として還元します」と言う。「社会保障費に使う」ではなく「還元する」って都合の良い官僚言葉だね。「使う」とは言わない。すべてプラス5%分の12兆円くらいの予算を全部社会保障に回せるわけないじゃん。別のところに回すけれど、「還元」してくるからいいでしょという言い訳がすでに含まれている。しかし、平等に還元してくるとは限らない。

橋本内閣の増税の時も「社会保障充実」のためと言った。定率減税廃止の時も「社会保障」を盾に取った。いったいそのカネはどこに回されたのか。虎の子の埋蔵金10兆円は、しぶしぶ財務省が差し出した余剰金だが、あっという間に借金返済に回されてしまった。今考えるべきは借金の総額ではなくて、プライマリーバランスをどうするかである。歳入が30兆円足りないことにこだわる与謝野氏にとって、消費税アップ分を全額社会保障に回すことは矛盾していないか。だいたい現段階の歳出超過は目標値としては想定の範囲内なのである。

耳障りの良い「還元策」を言うのは勝手だが、財政再建はどうするの。公共事業はどうするの。病弊しているはずの地方には自主財源に回してあげないの?だいたい中川氏がつっこんでいたように社会保障を保険制度のままでいくのか、税方式にするのか、まったく煮詰まっていない。特に社会保障や安全保障は与野党の垣根を越えて、どこが政権を獲っても維持できる制度設計をしないと、国民は大変な迷惑を被ることになる。

・すべての入り口は公務員制度改革

中川氏が言うように、まずは制度設計をやらない限り、あれに回す、これに回すと大風呂敷を広げることは、単なる思いつきにしかすぎないのである。歳出削減努力は、ちまちまとタクシー代やボールペン一本をけちることではない。余力のある時は放置していた霞ヶ関の構造的な無駄を制度から斬り込まなければ、強く機動力のある政府は作ることができない。「やせ衰えるまで切りつめなければ国民は納得しないよー」というニュアンスではなく、「無駄を省く」の真意は、間延びして制度疲労を起こしている箇所にメスを入れることなのである。

だから中川氏は、政治主導の元の姿に戻すには「すべての入り口は公務員制度改革である」と言う。与謝野氏には間違っても言えないことだろう。「言いにくいことも言う」ということならば、政治家にとって霞ヶ関批判ほどリスクの大きいことはない。流行でもなければ人気取りでもない。誰も手を付けたくなかった聖域中の聖域なのだ。

日本再生の鍵は、画一的な官僚の統制から逃れて、地方を蘇らせることに尽きる。

本来は、このビジョンは保守の中の保守の理想のはずだ。中川氏が「左に懐を深く支持を広げる」と言ったとたん「左と言った!左翼だ!」と決めつけた女性ジャーナリストがいたけれど、そういう中川秀直氏への誤解をといてほしいと心から思う。「左に懐を深く」と言ったのは、中川氏が尊敬する岸信介氏からの引用だった。清和会を愛するあまり、中川氏は岸信介氏をかいかぶりすぎている感もなきにしもあらずだが・・・。

政治家が無能なせいで、官僚が本来は越権の法律まで作り、余計なお世話の過剰な規制をかけている体制こそが左の“革新体制”なのだ。大きな政府をさらに肥大化させようとする官僚&保守&サヨクがアンチ構造改革派になっていることに注意してほしい。官僚主導の社会主義政策は、発展途上の高度成長期だから可能だったということ。全国的なインフラ整備は、中央集権でこそ合理的に進めることができた。いわば国策としての公共事業だったのだ。

・1000万人移民政策について

1000万人移民政策については、中川氏の理想は理解するが、楽観的すぎると思う。人口減少に備えて、今後40年間で1000万人を目標に「日本語を学ぶことを義務づける」「日本の伝統文化を愛すること」「できれば高学歴の質の高い外国人」を要件としている。そんなうまくいくか(笑)
イギリスでも安全保障上、多文化共生から同化政策を採らざるを得なくなっている。互いの文化を尊重しつつ日本にとけ込んでもらうには、ある程度先進国からの移民でないとしっぺ返しを食うことになる。大量移民に民度を求めること自体、おとぎ話のようなものではないか。だいたい先進国の自分の国に満足している外国人が、日本に移民してきたいとは思わないだろう。

・中川氏の改革理念

福田首相は北海道開発局を廃止する方向を打ち出した。
町村官房長官は廃止には慎重である。二重行政の弊害を今こそ改革する時だ。福田首相は時々方針がぶれるし、どこを向いているのかわからない時があるが、最終的には結果オーライとなっているのが不思議なところである。改革の過程において、端から見ていて強いられるイライラ感に慣れてくれば、それもまた福田流改革ということで良しとしようか。

中川路線に国民の支持が集まれば、国会議員も大幅に削減できる。
公共事業は、道路や箱物から地方の環境美化や伝統文化保護の事業に向かうことが可能だ。政官業癒着構造が生きている制度のままでは、公共事業のあり方も旧態依然にならざるを得ない。公共事業は、いずれ道州政府が担当するようになる。それには一極集中型ではなく、若者が地元に残ることに魅力を感じるように、地方で人材育成にもっと力を入れなければならない。

与謝野「日本の経済成長は今後2%以上は望めないとどんな経済学者も言っている」というのは真っ赤な嘘である。「そんなバカな」と言う経済学者なら知っている。あの森永さんですらね。あの人、面白いね。バブルの頃に土地に投資して儲けようと思っていたら、バブルがはじけて大損こいてトラウマになり、その時から「右から左にカネを動かして儲けようとする人」が大嫌いになったんだって。その森永さんが一番嫌いという人は、市場原理主義者の竹中平蔵と木村剛。ほとんど言いがかりと思えるのだけれど。

中川氏の「官僚国家崩壊」の中にこんな話があった。

私は竹中平蔵さんに聞いたことがある。
「竹中さんは市場原理主義者なんですか」
竹中さんは笑って答えた。
「経済学者に市場原理主義者はいません。市場の失敗を認めるからです」

市場経済を否定できない以上、市場の失敗を研究し、将来起こるであろうリスク回避のための施策を提示できて、はじめて一人前の経済学者ではないか。

その上で、大戦略とは「積み上げ方式」では絶対出てこないのである。

中川氏の理念は明確である。本を読んで、私なりに要約してみる。

道徳なき経済は罪である。公を独占してきた画一的な統制の軛から逃れ、地方が精神復興せよ。儲けは後からついてくる。そのための「ふるさと納税」であり、税額控除の寄付文化を復活させよう。かつて篤志家は公共事業もまた担ってきた。国に吸い上げられて無駄に使われてきた税体制を見直すこと。地方分権こそ保守が目指すものであり、戦時統制から脱却しよう。市井の民一人ひとりが公を担っているのであり、小さな政府の理念とは、公私・官民の境界線をなくすことである。

道州制までは15年くらいはかかるだろうが、その頃に成長率2%なんて考えられるか。今は新陳代謝も悪く、日本が貧血起こしているようなものだ。

・ものづくりと同時に金融もチャンス

保守&サヨクの「投資は拝金主義」「競争原理主義で格差社会」の固定観念を打ち破るのが一番の難題かもしれない。本当はこのような構造改革バッシングは、既得権を握っている官僚サイドから出てきたものなのにウヨもサヨも騙されちゃって・・・ねぇ。

「10兆円ファンド」へ自民チームが中間報告 公的年金をプロが運用

 日本版の政府系ファンド(SWF)創設を目指す自民党国家戦略本部の「SWF検討プロジェクトチーム」(座長・山本有二前金融担当相)は3日午前の会合で中間報告をまとめた。公的年金基金の一部にあたる約10兆円を運用の原資として切り離し、外国人を含む運用のプロが高い利回りの確保を目指すという内容を確認した。

 中間報告では、政府が全額出資する運用会社を設けてSWFを運営すると指摘した。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は現在、約150兆円の資産を保有。資産の3分の2を安全性の高い国内債券に投資し、残りを国内外の株式や外国債券で運用している。新会社はGPIFから委託を受けて運用する形となる。投資対象の比率は変えないが、プロの視点で積極的に運用するとの考えを明記した。

 外貨準備などを活用する案も浮上していたが、まず公的年金の改善を優先、中期的な課題と位置づける。(12:11)

年金運用法人の廃止提言 金融相懇報告、政府資産の運用改善

 渡辺喜美金融相の私的懇談会「金融市場戦略チーム」は12日、投資促進を柱とする報告書を正式発表した。焦点の一つだった政府資産の運用改善策については、公的年金を積極的に運用するため、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の廃止を検討するよう提言した。日本版の政府系ファンド設立は結論を見送ったが、運用改善策を抜本的に見直す必要性を明記した。

 報告書は昨年11月に続く第2弾。「開かれた金融力のある国」を副題に、投資促進を訴えた。サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融市場の混乱は「深化・拡大する方向で推移している」と分析。「引き続き注視する必要がある」と指摘した。

 海外の政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)の対日投資は「歓迎すべきだ」と明記した。一方、日本版政府系ファンドの設立については「慎重論もあり(結論を)まとめるまでに至らなかった」(座長の高尾義一・朝日ライフアセットマネジメント常務執行役員)という。(01:19)

案外早く発表にこぎつけた。問題のあったGPIFは廃止する方向ということで、とりあえず10兆円を切り離して、5年間、試験的に運用して実績を作るつもりだろう。髙橋洋一氏は年金運用の民営化を提案しているが、いまのところハードルが高い。しかし、国民が実績を見て不安が取り除かれれば、ファンドと指定銀行に国民が自分の年金を投資するようになるかもしれない。たぶんそこまで見据えているはずだ。

報道ステーションでさんざん悪く言っていた。
運用について「内閣は責任を負わない」ことをクローズアップし、古舘は「失敗したら誰が責任とるのか」と。
はあ?すでに運用歴は長いんだけど。今まで利益出してたけど?グリーンピア運営には激しく食いついたくせに、同じGPIFのやっていた投資にはなんで文句を言わなかったの?

今まででたらめやっていた年金積立金管理運用独立行政法人から引きはがして、(外国人含む)プロ集団で利回りアップを図ることに何の疑問が??しかも99%失敗しない、失敗したとしてもほとんど影響ない投資になんでいきなり「誰が責任とるのか」っておかしくないか。山本有二氏が「その時は腹かっさばいてお詫び申し上げる」とでも言えば満足?

古舘「国民から理解は得られない。その前に社保庁をなんとかしろ!と思う人のほうが多いと思いますけどねぇ」(体乗り出してカメラ凝視目線)←頼むからこのキモイ目線をやめてくれ

だーかーらー、今後はプロ集団に任せて、インチキ社保庁から切り離すっつってんだろーが。一般の視聴者もきっとこの程度の理解なんだろうな。

道州制も政府系ファンドも、保守系・サヨク系ともなんでこんなに反対するんだろう。

中川氏ら改革派にせいぜいテレビに出てもらって、説明に力を入れてほしいと思う。

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デスクトップに貼り付けているメモ(ネタ帖)がごちゃごちゃになってきた。体調がよくなってきたので、2chばかりROMしていないで、本業(?)に精を出すとするか。

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2008/06/25

消費税増税議論の前に理念・政策を明確に

歳出削減方針めぐり、自民党内で不満高まる<6/18 16:47>

 政府の歳出削減の方針をめぐり、自民党内で不満が高まっている。18日朝の会議では「このまま日本が沈没する」などと歳出を増やす方針に転換すべきとの声が相次いだ。
 政府の経済財政諮問会議は17日、最大限の歳出削減を行い、財政再建路線を継続することを柱とする今年の「骨太の方針」の素案を提示した。しかし、18日朝に開かれた自民党の会議では「骨太の方針を党で作り直すべき」など方針転換を求める声が噴出した。

 特に、社会保障費を年間2200億円圧縮することや、公共事業費を毎年3%削減する方針には強い反発の声が上がった。

 木村義雄議員「役人の書いたものをそのままマネしていたら国が滅びちゃう」

 衛藤晟一議員「(政府は)今までの方針通り2200億円圧縮すると、これ以上、削ることは全く無理」

 今後、政府と自民党の間の駆け引きが活発になりそうだ。

木村議員は、奇しくも経済財政諮問会議の「骨太の方針」は役人が下書きしていることを認めている。
歳出削減といっても限度があることはそのとおりで、少子高齢化社会でも対応できる行政のあり方を議論すべきなのに、“堂々たる政治”の人が、最初から消費税を上げるか上げないかの話にもっていこうとするのは、財務省の陰謀wとしか思えない。

消費税を財源にするならその前に政策議論があるべきで、使い途と内訳を国民に見せなさい。今までに「福祉に使う」と言って消えていった財源がどのくらいあったか。2200億円など消費税0.1%分にすぎない。それとも与謝野氏や谷垣氏は、プラス5%分、10兆円以上をまるまる社会保障費に充ててくれるというのか?ほとんど全部公共事業に回すつもり?何にどう使うのか明示しないで「やっぱり足りませんでした」ではすまない。

会計検査院の機能強化へ 法案骨子まとめる<6/24 0:46>

 道路特定財源でマッサージチェアを購入するなど税金の無駄遣いに批判が集まっていることを受けて、自民・公明の与党は23日、会計検査院の機能を強化する法案の骨子をまとめた。
 23日にまとめた骨子では、会計検査院が毎年指摘している省庁や公益法人の税金の無駄遣いについて、これまで国に返還されないケースがあったことから、きちんと返還されたか毎年、公表することを定めている。

 また、国家公務員がタクシー代などを水増し請求し、差額分をプールする「裏金作り」について、懲役刑を含む罰則を新たに設けることにしている。

 与党は今後、民主党とも協議をした上で、法案を次の国会に提出したいとしている。

霞ヶ関と会計検査院はグルだということは、わかっていながら蓋をされてきた。

無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」(座長・園田政調会長代理)も頑張っている。河野太郎班は経産、外務、防衛、警察など12省庁にまたがっているそうで、官僚は「ムダボ検診」と呼んで戦々恐々としているとか。(週刊新潮)
こういった作業や公務員改革にしても、福田首相が決断してGOサインを出したのに、メディアはきちんと報道しない。

報道2001で、竹村健一氏の後釜に西部邁氏が座ったようだが、私は竹村氏が恋しいわ。西部氏は「公務員叩きを政治が人気取りに使っている」と苦言を呈していたが、結局どこでフン詰まりを起こしているのか現状分析できない者の泣き言&強がりでしかないと思う。超党派の公務員改革に力点を置く議員達の説明を聞いているうち、西部氏の公務員擁護のトーンが落ちていったようだが。

国家公務員の97%はノンキャリアだが、キャリアに劣らず国を背負う気概もプライドも持っているはず。もくもくと職務をこなす彼らは、なぜ公務員バッシングが起こっているのか腹立たしい思いでいるかもしれない。問題は特権階級意識が染みこんだ3%にあるのだ。さらに構造的腐敗に手を貸す政治家が癒着してきた。ここにメスを入れなければ、地方分権などできるわけがない。地方分権とは霞ヶ関の整理・縮小を含むリストラ(再構築)を意味するのだから、抵抗が強いに決まっている。

公務員に高度なインセンティブを持ってもらう構造改革とは、足元の公務員改革であり、地方分権とセットで論じられるものである。

特権を享受してきた高級官僚にとって、会計検査院より恐ろしいのは超党派の改革派議員かもしれない。

髙橋洋一氏は民間に降りたが、江田憲司氏らと「脱藩官僚の会」を作った。役人にとって何がイヤと言って、自分達が把握していない事柄の具体的な問題提起を頭越しにされ、対案を出されることだろう。郵政民営化法案などはその最たるものだったが、いかんせん全体像を把握するのは素人には難解すぎる。髙橋氏が財務省在任中に郵貯システムの破綻プロセスを官僚に説明しても、専門的なことはちんぷんかんぷんだったらしい。出世を約束された東大法学部卒の文系の頭はちっとも優秀じゃないとこき下ろしていた。

髙橋氏は、年金運用も「民営化」すべしと提言している。そもそも年金積立金管理運用独立行政法人自体が特殊法人として杜撰な経営をしていたので、国民の負託に応えてはいなかった。

消費税増税よりも独行法のリストラが先である。いったい何兆円もの税金が垂れ流されてきたことか。特別会計だけで70兆円!ちまちまと無駄遣いを減らすより、構造的に組織改革していけば、社会保障費をたった2200億円削減どころか、プラスにして篤い手当をしてもまだ余るはずだ。埋蔵金だってあと10兆、20兆は軽く出る。在りかもすでに探り当てている。

公務員改革は小骨の一本も抜かせない!と渡辺行革相以下改革派議員は頑張っている。
フォーサイトで白石均氏が基本法案成立までの政治VS官僚の駆け引きを取材しているが、民主党の協力なくして成立は不可能だった。民主党改革派と渡辺行革相らを攪乱する分断工作がすごかったらしい。最終的には山岡氏が霞ヶ関の予測を超えて動いた。

中曽根大勲位は、渡辺氏にこうアドバイスしたという。「渡辺君、これ(内閣一元管理)は革命みたいなものだ。枝葉は気にせず、幹と根っこをしっかりと残しなさい」と。渡辺氏の涙は、そこに至る抵抗のすさまじさを物語っていたのだろう。

次なる闘いの舞台は「公務員制度改革推進本部事務局」のスタッフ人選となるが、脱藩官僚の会以下、改革派議員はすでに公募により民間人も登用することを公表し、先手を打っている。髙橋洋一氏は渡辺氏の金融担当のブレーンでもあるし、党派を超えた援軍を得て意を強くしていることと思う。

改革はすべて連動している。強い外交は強い経済がバックボーンとなる。その前提となるのは国民一人ひとりの自立であるし、政治主導に転換するには政治家の質を高めなければならない。地方の首長の責任も重くなる。中央集権に慣れきった私達は、自分達が統治に参加するという発想が未熟なのである。

アンチ改革派はグローバル化反対と言うが、グローバル化は政策でもなんでもなく現実として起こっていることである。グローバル化の中で日本がどう発展していくか、前向きに考えていく時に「グローバル化反対」という主張がどれほどズレていることか。鎖国的な思考は、サヨクの非武装中立並みのお花畑だと私は思う。現実を見ろ、と。渦の中で「見ざる聞かざる言わざる」を貫けるのか、と。

竹中平蔵氏が構造改革について「ニッポン経済の『ここ』が危ない!」の中で語っている段落を紹介して終わりにする。(適宜改行編集)

竹中 地方が病弊した理由を冷静に考えれば、答えは「グローバル化の影」なんです。グローバルな競争が激しくなったので、かつてあった工場が中国へ行ってしまった。それで地域が空洞化して病弊した。そういう実態は確かにあります。周りの農村が農業の厳しいグローバルな競争に負けて病弊していった。これもグローバル化の影です。改革の影じゃなくてグローバル化の影でしょう。
今の時代は、このグローバル化の影を相手に、世界中が戦っているんですよ。それはアメリカだってヨーロッパだって中国だって大変なんですね。このグローバル化に勝つためにはどうしたらいいかということのソリューションを考えて、出てきた答えが構造改革なんです。
たとえば農業を強くしないとだめでしょう。農地法がおかしいじゃないですか。農協がおかしいじゃないか。これ全部構造改革です。
たとえば限られた公共投資の配分を霞ヶ関の役人に任せていたら効率が悪いでしょう。だから道州をつくって、道州でやりましょう。これは地方分権という構造改革なんです。にもかかわらず、構造改革には影がある、イコール、格差、地域の病弊だと、イメージとしてこう植え付けられてしまったんですね。これはやっぱり政府の政策マーケティング上のミスです。

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2008/05/26

社会保障制度のためにも「国民議会」賛成

日本の年金制度は世代間助け合いの賦課方式だとずっと思っていたσ(^^;)。実質賦課方式ではあるんだろうけれど。

修正積立方式だというが、なんだか矛盾がいっぱいだなぁ。少子高齢化社会で原資が足りなくなるのだから、保険料は上がり、給付額は下がるのは必定。基礎部分の税額方式は一見良さそうだけれど、とりあえず自分にかかってくる痛みを見ないで済むという甘い考えじゃないかと。その実、生活にかかってくる負担はずっと重くなってくる。

高福祉国家のスウェーデンでもアメリカでも、年金支払いはたしか所得応分になっている。スウェーデンは99年に所得比例年金に構造改革したわけだ。その際、低所得者が生活できる分は補償しようということで、最低保障年金も定め、この部分は税金で充当する。

スウェーデン方式」を読んでみたら、なになに民主党がこの方式を主張しているってぇ?民主党は基礎年金を税金でやるというのだから、改革以前の古い方式じゃない?スウェーデン方式は、所得に応じた積立意欲を高めることによって、未納金対策にもなるということだ。

 スウェーデンの年金制度では、このほか、年金額の計算方法を積立貯金のようなわかりやすい仕組みに変えた点、加入者一人ひとりに毎年1回、将来の受給見込み額を郵送で通知している点なども特徴です。日本の年金改革では、こうした部分は採用されませんでした。

 さらに、スウェーデンでは与野党の国会議員が作業部会を設け、超党派で改革案を作りました。この点も、年金問題が政争の具となりがちな日本との、大きな違いです。(石崎浩)

(2006年2月15日  読売新聞)

日本の議論の貧弱なことよ…。

民主党が少しでも国益中心のまともな政党だったら、今頃はどれほど有益な議論が国民の前に提起されていただろう。与野党で政策協調できれば、国家公務員改革基本法案も、骨抜きを企む霞ヶ関に対して「政治主導」で対抗できるのに。民主党はこの改革法案に前向きで、協力姿勢も見せていたが、「天下り全面禁止」が入っていないと難癖を付けて、霞ヶ関改革も政局の道具にしてしまった。

サンデープロジェクトで渡辺行革相が「今国会でやる」と力強く言っていたが、まだ審議入りの目処が立っていない。福田首相じゃなくとも頭痛いよ。

「一院制議連」設立へ 衛藤元防衛長官が会長

 衆参両院で与野党の勢力が逆転する「ねじれ国会」で国会審議に停滞が生じているのを受け、自民党の衆参両院の有志議員が16日、「衆参両院を統合し、一院制の新『国民議会』を創設する議員連盟」を結成することになった。衛藤征士郎元防衛庁長官が会長に就任、首相経験者の森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三各氏が顧問を務める予定だ。

 同議連は衆参両院での審議の重複を解消し、立法のスピードアップを図るため、憲法改正による衆参両院の廃止と「国民議会」の設置を目指す。

 一院制をめぐっては、平成15年に設置された超党派の「衆参対等統合一院制議連」(会長・衛藤氏)に衆院議員106人、参院議員14人の計120人が参加している。ただ、民主党議員もメンバーの同議連は開店休業状態にあるため、自民党議員に限った新議連で機運を盛り上げることになった。

このニュースを見て、清和会必死だな、としか思わなかったんだけど、小泉氏の講演の一部分を聞いて、ぜひやらねばならないと思い直した。もう一度超党派議連の初心に戻り、議論を巻き起こしてほしい。そのために自民党議員(清和会)が中心になって、お祭り男の小泉氏がうちわで扇ぐのは効果的である。

政権担当能力のある野党だったら、とっくにある程度の連立の形はできていたはず。
特に社会保障制度に関する議論は、政争の具にしようとする段階で、国民のことなど何も考えていない党略性が露呈している。構造的な改革は、スウェーデンのように「超党派で改革案」を練り上げなければだめ。

将来政権交代しても混乱を起こさないように、政策の根幹部分は「脱政争」する。小泉氏の趣旨は、そのための「国民議会」。いいと思う。

与党、野党、霞ヶ関、足の引っ張り合いばかりの国会はもうたくさんだ!

後期高齢者医療制度も「年寄りいじめだ」ばかり言っていないで、将来設計を筋道立てて議論しようよ。「対案が廃止法案」って、なんじゃそりゃ。

国が借金で倒れないためには、社会保障費削減は避けて通れない。財政再建を軌道に乗せるために小泉政権では毎年2200億円ずつ抑える施策を採った。「全部小泉が悪い」と言う人は多いが、では、どこをどう改革すれば皆が満足する安心設計を描けるのか、具体的なプランを出してくれる人は皆無である。社民・共産なんて、最後には「軍事費を医療に回せ」だもんね。高齢化のターニングポイントを迎えて、社会保障費は国庫負担ベースで毎年7000億円~8000億円ずつ増えている。08年度一般会計総額83兆613億円のうち、社会保障費21兆7824億円、国家予算の四分の一を占めているという現実がある。

高齢者の保険を別建てにする方法は、なにも小泉時代に急に出てきたことではない。その原型は97年8月に自民・社民・さきがけ連立政権の与党医療保険制度改革協議会がまとめた構想だという。しかし、これとて抜本的な解決にはならないため、診療報酬に定額制を導入して、医療費全体を圧縮することをセットにしたというわけだ。
(参照:フォーサイト「後期高齢者医療制度の約束された破綻」)

国民の負担増と社会保障費の圧縮は、いましばらく車の両輪のように進めていかなければならない。

診療報酬改定で、医療を与える側の経費削減もしているが、日本医師会の反発が大きくて思うようにはいっていない。
舛添厚労相は、後期高齢者分を税金で充当すれば消費税5%分upと言っていた。(2005年では約13兆円) いくら圧縮しても医療費は増え続けるのだから、安易に税金に頼るのも危険に思う。保険制度を維持しながら、応分の負担に理解を求めていくしかないのではないか。

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舛添厚労相が必死で説明するも「高齢者いじめ」のすり込みは大きい。新保険制度で負担額が減った高齢者は声を上げないもんね。

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2008/05/23

社会保障費は増税でやるのか保険制度存続か

で?どうすればいいの?

福田、今度は“医療改悪”で「サラリーマン」いじめ
中小企業対象「政管健保」公法人化

 福田康夫首相の下、「老人いじめ」の次は「サラリーマンいじめ」が始まる。今年10月から、中小企業の従業員と家族が加入する政府管掌健康保険(政管健保)が公法人化される。悪評高き後期高齢者医療制度とともに自公与党の強行採決で成立したもので、制度変更に伴い、保険料は最大で7万円アップするとされ、対象者は約3600万人に及ぶ。内科医で医療問題に取り組む国民新党の自見庄三郎元郵政相=写真左=が、制度の問題点と隠された悪意に切り込んだ。

 「後期高齢者医療制度は75歳以上という年齢で人の命を差別するが、政管健保の公法人化は職業や地域によって人の命を差別する。政府による責任放棄に他ならない。とんでもない医療制度改悪だ」と、自見氏は切って捨てる。

ふぅーん。
後期高齢者医療制度は、見直すべき点もあるし、厚労省に都合の良い制度設計になっているとは思うけれど、自見氏は根底から「国の責任放棄」と言うわけだ。

社会保障費は国の責任で国民にあまねく手当するという哲学は、一見日本も「理想の福祉国家」になると希望を感じさせる響きを持つ。税負担の痛みに目をつぶっている間だけの夢であろうが。

年金については、基礎年金を全額税方式にするか保険制度として存続するか議論されているが、最終的に議論に決着をつけるためには、社会民主主義体制を選択するのか、自由主義体制を強化するのかということになるだろう。どこを目指しているのかで結論が変わってくる。

右派や野党・マスコミの主張を眺めていると、「小泉改革は犯罪的」とまで言って否定し、日本型社会主義に戻りたいノスタルジーが蔓延している。高度成長期を卒業し、資源に恵まれない現在の日本で、いままた「社会主義か資本主義か」の議論を蒸し返そうというのか。つまり社会保障費をじゅうぶん手当できるだけの体制はどちらか、ということである。低成長期の日本で、税負担中心の社民主義に転換し、伸び続ける社会保障を支えることができるのか、あるいは保険制度改革でしのいでいくのか。国民に突きつけられた課題は重い。単純に「弱い者イジメ」と被害者面していることはできない。

社会民主主義を理想とする党が日本にもある。社民党は社会保障について、聞いているだけならとっても素晴らしい理想を語っているよ。大きな政府指向の右派の主張とも合致している。

年金も医療も破綻が見えている。政府は年金100年安心とか言っているが、どれだけ負担が上がっていくのか曖昧にしている。受益者負担が原則であっても、将来受益が応分にもらえないことがわかってしまったら、民間保険で自己資金を「年金積立」したほうがマシである。

 「政府は自分たちに都合のいいデータを公表する。それに国民もメディアも政治家もダマされる。小泉内閣が進めた一連の医療制度改革は国民の生命や健康を考えたものではない。公的医療保険制度を壊して、外資中心の民間保険会社などにビジネスチャンスを広げようというものだ」

あ。。自見氏に言われちゃった。
でも、私は肯定的に同じ事を考えた。「誰でも入れる医療保険」は信頼に足るものではないけれど。本当に安心なプランを精査すれば、民間であっても相当な負担額になるはず。その額を比較すれば、政府は別に「死ね」というほどぼったぐり徴収をしているわけではないと理解するだろう。

社会保険制度は受益者負担なのだから、未納者には受益がない。ここをはっきりしておきたい。社会保険制度とは、つまり自己責任なのである。払う意思がない、あるいは貧困で払うことができない者にとっては、最初から弱者救済にはなり得ない。しかも今後負担額が大幅に上げざるを得ない状況では、さらに受益格差が広がっていく。未納率を上げることが最大の課題である。

国民皆保険、年金100年安心プランの「国民すべて」に等しく社会保障制度を求める福祉大国を目指すのなら、税金で賄うしかない。そのかわり高福祉が国民の総意ということで、当然高負担になる。貧困層あるいはニートは消費税27%に耐えられるか?最底辺層は生活保護を受けることができるが、中間層は悲鳴を上げる。

消費税、低所得ほど負担増 年金税方式試算
2008年5月20日 朝刊

 政府は、全国民が加入する基礎年金を現行の「保険料方式」から、財源すべてを税で賄う「全額税方式」に転換した場合の、家計への影響を試算した。総じて基礎年金分の保険料が軽減される額よりも、消費税負担の増加額の方が大きくなるという結果になった。新たに必要となる消費税率は税方式への「移行措置」によって異なる。このため、今回はこれまで未納・未加入だった期間がある人は、年金をその分減らす方法のシミュレーションを取り上げる。

リンク先の図を見てもらえば一目瞭然なのだが、所得階層の低い方が、負担の増加率は大きくなり、“逆進性”が強まるとのこと。

 また、保険料を支払っていない年金受給世帯(平均の実収入22万3000円)では、消費税分7000-8000円が丸々家計にのしかかる形だ。

その上医療も、となれば、消費税率はさらにupする。後期高齢者医療制度がなくなるかわりにさらに高齢者の負担が増えるわけだ。どっちが得か、後期高齢者に教えてあげたらどうだろう。

企業の負担は9000円減となる。

軒並み利益が落ちている中で、企業は助かる。中小企業では正社員化のはずみにもなるので、財界は「年金の基礎部分は消費税」を支持しているわけである。

こんなところから横やりが・・・

日本に消費税上げ求める IMF、低金利継続も

 国際通貨基金(IMF)は22日、日本経済に関する年次審査を終了、財政再建を進めるために消費税率の引き上げを促す声明を公表した。小泉政権以来の歳出削減が「限界に近づきつつある」と明記、税制の抜本改革をめぐる政府、与党の議論に影響しそうだ。

 来日したシトリン・アジア太平洋局次長は記者会見で、日銀の金融政策について「(金融市場混乱や経済悪化の)懸念がなくなるまで現行の金利水準を維持すべきだ」と述べ、当面は低金利政策を継続するよう求めた。

 声明は、財政構造改革の加速を促すとともに「消費税の引き上げや所得税の課税ベースの拡大」を含む歳入面での対策が必要との認識を示した。

 景気の先行きでは、2009年にかけて成長率が1・5%程度に鈍化するとの見通しを表明。中小企業の業績を「懸念材料」とした上で「経済成長を支える政策が必要」と指摘した。

(5月22日13時42分)

財政再建にも消費税を使え、とさ。余計なお世話だね。

「小さな政府」とは、よく言われているような「市場原理主義」「経済成長で日本経済底上げ」という単純な話ではない。「大きな政府」を支持する者達でも経済成長が必要不可欠と考えている。「小さな政府」とは、現在の肥大化した官僚機構を効率化して、権限移譲を進めることなのである。ゆえに「簡素で効率的な政府」を目指す「小さな政府」派は、国家公務員改革基本法案に力を注いできた。

与謝野氏は「上げ潮派は具体的にどうするかは言わない」というが、順序立てて説明している。政府資産圧縮も行政の効率化も邪魔しているのは誰だ!後藤田氏など「税方式は経済成長率5%あればじゅうぶん」とかほざいていたが、どうやったら5%になるのか、そこが問題なんじゃないか。上げ潮派は、せめて3%にすれば増税できるまでの体力がつくと言っているのだ。財政再建派は「増税」しか言わない。どちらの方策が国民のためなのか、どちらのほうが国民に死ねと言っているのか。

小泉-竹中の骨太方針を否定する人達は、歳出削減はもうよろしいとお墨付きを与えてくれたようだ。公務員改革もしなくていいのね?社会保障費削減努力しなくとも財政再建できるんだね。そういう認識であれば、どうぞ消費税を上げて、お国の借金を返してください。社会保障費分も含めばどのくらい消費税が上がるのかなー、あー楽しみだ。

外務省HPより(高福祉国家)
スウェーデン 経済成長率 4.4%(2006年、中央統計局)
ノルウェー   経済成長率 2.9%(2006年、ノルウェー政府統計)
デンマーク  経済成長率 3.2%(2006年、デンマーク統計局)

経済成長率の推移
日本 経済成長率  2.1%(2006年度)
小泉政権下で数字上は景気回復したが、91~06年の平均は1.3%

2008年度実質経済成長率見通し
日本0.9%(モルガン・スタンレー予測)~日本1.7%(IMF予測)

欧州3国がEU圏内で着実に成長しているのと比べて、日本は失われた10年に逆戻りしつつある。

このような状況で歳出削減努力をストップし、外資も規制し、社会保障費増大分を税方式に切り替えるとは、どういう結果が待っているか少しは想像力を働かせてもらいたい。今は、とにかく社会保険制度でしのぐしかないのである。

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小泉が悪い、財界が悪い、厚労省が悪い、そんなことだけ言っていれば解決するのか。

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2008/05/11

「堂々と」日本経済を沈没させる財政均衡派

首相、手綱さばき難しく・道路一般財源化13日閣議決定

 福田康夫首相は道路特定財源の2009年度からの一般財源化を13日に閣議決定し、道路整備費財源特例法改正案の衆院再可決への理解を求める考えだ。ねじれ国会の逆風に翻弄(ほんろう)された結果、自ら高いハードルを掲げざるを得なくなった首相だが、今後は「改革の質」が焦点となる。野党は厳しく追及する構えで、首相は綱渡りを迫られている。

 「全く矛盾する」。民主党の円より子氏は9日の参院財政金融委員会などの連合審査会で、09年度から一般財源化するなら特定財源を10年維持する同改正案を廃案にすべきだと詰め寄った。首相は「廃案は混乱を招き、地方に迷惑をかけるだけ」と突っぱねた。(07:02)

矛盾しないよ。

道路特例法案、09年度から不適用・閣議決定内容

 道路特定財源の2009年度からの一般財源化で、13日の政府の閣議決定全文が9日、明らかになった。道路特定財源を08年度以降も10年間維持する道路整備費財源特例法改正案について「09年度からは適用されない」と明記する。同法案と09年度からの一般財源化方針との矛盾を解消するのが狙い。一般財源化の具体策を検討する関係閣僚会議の設置も盛り込んだ。

 閣議決定は「道路特定財源等に関する基本方針」と題され、4月11日に決定した政府・与党合意に沿って作られている。政府・与党合意は道路特定財源について「今年の税制抜本改革時に廃止し09年度から一般財源化する」としていたが、民主党などが特定財源を10年間維持する道路特例法改正案と矛盾すると指摘。(16:03)

読んだとおりである。

民主党は問責決議を見送り、徹底審議の方針でいくことにした。大変結構。
民主党は、なぜ修正協議に応じなかったのか。自ら率先して修正案を作らなかったのか。
与党の民主党案丸呑みを怖れたとする見方があるが、的を射ていると思う。小渕政権でも参院でねじれを起こしたが、与党は民主党案丸呑み戦術をやった。通れば小渕政権の実績になるし、不備があれば民主党にも責任の一端をかぶせることができる。

小渕戦法を福田政権もとろうとしたのではないか。
しかし、それを察知した民主党は、ついに国民の利益を無視して修正案を出さなかった。そして詭弁を弄して福田首相を追い込んだ気になっている。再び再議決となって、本会議錠前で揉み合いを見せられるのだろうか。

道路特定財源から一般財源になると、財布が国交省から財務省に移るだけ。恣意的かつ杜撰な費用対効果をもう一度計算し直さなければ、道路計画の見直しといってもどこまで計画削減できるか怪しいものだ。そうは言っても、今国会で福田政権がここまで踏み込むことができたことは一歩前進である。

自民党は欧米の環境対策に倣い、一般財源化に加えてガソリン使用抑制目的の環境税の上乗せを盛んに予告している。イギリスでもそうだったが、一般財源化すればガソリン税は高くなる傾向にある。原油高騰の折、このまま続けばリッター200円なんてことに・・・。

一般財源化すれば逆に高くなる可能性がある」と以前も書いたが、それを脇に置いても、道路特定財源と中長期計画の見直しは絶対必要な時期であり、地域に必要な道路をどこにどのように作るかの権限を国交省から取り上げなければ身動き取れなくなっていた。必ず地方自治体にカネ&裁量権を渡すべし。全国の知事達が「特定財源維持」を表明していたのは、政府・霞ヶ関に生殺与奪のカネ分配を握られているからに他ならない。

国会答弁で一般財源化して道路以外に何に使うかと問われ、福田首相は「教育、医療」などと答えていた。しかし、たぶん道路計画の見直しは中途半端に終わり、一般財源の中からほとんとが今まで同様に道路に充てられ、さらに環境税も上乗せされていくだろう。

どこまで行っても政官業は、マクロ経済とは無縁に大きな政府の牙城を守り抜くつもりだ。

財政均衡原理主義の与謝野氏が存在感を増してきている。

総理総裁になる野心はないと本人は言っているが、財務省にとっては非常にありがたい政治家であり、また党内で人望がある。麻生総理が誕生したら、再び政権中枢に登用されるだろう。福田内閣が総退陣して、すんなり麻生氏に総裁の座が渡ったら・・・の話だけれど。党内基盤が弱小といっても、断崖絶壁の自民党としては、人気のある麻生氏頼みになるしかない。

SAPIOに「小泉氏は森氏から民主党分断の命を受けている」ようなことが書いてあった。そんな人の言うことを聞くような小泉さんじゃないって。森氏と思惑が合致しているとしても、実のところは直感で動いているのか、あるいは数年先を見越した深謀遠慮か、今年中にはわかるはず。

自民党としては、麻生氏に禅譲してもらうためには、増税など嫌なことは福田首相に押しつけて、秋の国会はなんとか福田政権で乗り切りたいところだろう。それまでもつか・・・。

小泉氏の改革と与謝野氏は相容れない。

しかし、小泉氏が実は「大蔵族」と言われていたのは、飯嶋秘書官がそちらの人脈と通じていたかららしい。ソースは忘れたが、飯嶋氏は与謝野氏をひそかに次期総裁と見込んでいるとのこと。飯嶋氏が「本命は与謝野」と世論の風に乗せてささやいても、小泉氏の本命は別のところにあると思う。「改革を推進する人を応援する」その言葉だけでじゅうぶんだ。

2008/05/04-11:10 「演説では経済成長しない」=中川元幹事長を批判-与謝野氏

 自民党の与謝野馨前官房長官は4日午前、フジテレビの番組で、経済成長を重視する中川秀直元幹事長ら「上げ潮派」について、「演説では経済は成長しない」と批判した。同時に、「日本の社会保障制度は優れているが、財政の裏付けがないと続けられない」と述べ、消費税などの増税は避けられないとの認識を示した。
 与謝野氏は「実質的な潜在成長力が高くなる政策を打ちながら、経済も回復させ、税を通じて収入を増やす(べきだ)」と指摘。上げ潮派に関し「経済成長のために必要な要素は何も教えて下さらない。演説していれば経済が成長するなら、われわれもどんどん演説する」と皮肉った。

報道2001を見たけれど、この人に任せたら、日本は沈没しちゃうと青くなった。
上げ潮派がどうこうの話じゃないよ。日銀がデフレ脱却の手を打たないままに、日本はスタグフレーションの手前まで来てしまった。金融・経済の識者はすべて「貨幣供給量を上げろ」と言っている。所得が上がらず経済成長率がジリ貧の時に消費税10%に上げるのが『堂々たる政治』だって、あんた国民を殺す気ですか。

消費税は平等な税?貧乏人と金持ちにかかる負担を考えてよ。究極の不平等税でしょ。所得税の引き上げのほうがまだ筋が通っている。自民党は環境のためガソリン使用を減らすなんて言っているが、車は贅沢品か?生活必需品だ。地方は車は下駄代わりなの。地方は自然環境がいっぱい。それで環境税?これもまた不平等税。与謝野氏以下財政均衡派は、「格差是正」と言いながら格差拡大策を押しつけようとしているのである。規制緩和で機会の平等を保証せよ。人材育成と成長産業に補助金を出せ。

上げ潮派は、経済成長のためにはカネの使い方を間違えるなと言っている。

増税すれば消費が落ち、国の歳入は減る。経済学者じゃなくたってわかる。増税と歳入の関連データを見たことがある。

格差是正をするなら、上げ潮派のほうが経済政策の基本にかなっている。「上げ潮派とは経済成長すれば全体のパイが増えて所得が上がる」と説明されているが、言葉足らずだと思う。今の1.数%成長なんてあり得ないってこと。日銀の失敗もあるし、政府が景気対策の逆行をしているのだ。
何度も説明しているから省略するが、普通に政府・日銀が減税による消費刺激策やデフレ対策をとっていれば、こんな低い成長率はない。「日本経済は底堅い」と政府は強調するが、それならば成長率が低くとも3%はいくはずなのである。

3月の景気動向指数、3指数が50%下回る<5/9 22:06>

 内閣府が9日に発表した3月の景気動向指数(速報値)は、6年3か月ぶりに、発表された3つの指数がすべて景気判断の分かれ目となる50%を下回った。
 内閣府によると、現在の景気の状況を示す一致指数は、鉱工業生産指数や有効求人倍率などの悪化が響き、33.3%と2か月ぶりに景気判断の分かれ目である50%を下回った。また、景気の先行きを示す先行指数が20.0%、数か月前の景気を表す遅行指数も25.0%と、ともに50%を下回った。

 3つの指数がすべて50%を下回るのは6年3か月ぶり。

こんな時に消費税10%ってどこの基地害だ。環境税新設で、また丼勘定して公共事業推進か。日本経済を奈落の底に引っ張りながら、これが堂々とした政治だと胸を張っていられちゃたまらない。

演説では経済は成長しない」by与謝野
マイナス成長時に増税するくらいなら、演説だけしているほうがマシである。デフレで増税もアホならスタグフレーション懸念で増税なら、経済成長どころか財政再建もパーになる。その上中央集権を維持するなら、格差拡大はとどまるところを知らない。

ガソリン税撤廃はチャンスだった。

地方の予算が足りない分は建設国債を発行してしのげばよかった。数年たてば減税効果ははっきり出てくる。財政均衡派は国債発行を罪悪だとでも思っているようだ。応急的に「霞ヶ関埋蔵金」のうちすでに財務省が拠出予定している10兆円を回すという手もあった。

国民は諸手を挙げて福田首相を評価しただろう。
中川秀直氏は、首相に「秋まで揮発油税は戻さないほうがよい」と進言したらしい。この進言が本当かはわからないが、そのとおりにしておけば、支持率はこんなに下がっていないはずだ。

こんな時こそ埋蔵金でもなんでも景気回復策に有効利用すべきなのに、10兆円をまるまる国の借金返済に使ってしまった。いますぐ返さなければ国が倒れるという事態でもないのに、国民の知らないところで埋蔵金を闇に葬ってしまったわけだ。それで「埋蔵金なんて最初からありませんよ」とシラを切る。

SAPIOで国交省のやり口を糾弾している。

他省から出向している内閣参事官の一人
「一般財源化は国土交通省が天下り利権にしてきた道路特定財源5兆4000億円を財務省の財布に移すことを意味する」

財務省の意を受けて、揮発油税が撤廃されたために地方の道路建設がストップして困っている様子をメディアに報じさせた。道路特定財源から自治体に配られる臨時交付金を減額し、4/1からわざわざ緊急性の高い工事区間を中止せざるを得ないようにした。そして官僚側からリークされた「工事中止現場」にテレビや新聞は競って出かけていったのだ。

髙橋洋一氏
「財務省は今年度予算で25兆円の国債発行を予定しているが、私が指摘した特別会計の埋蔵金10兆円で国の借金を減らすことになったから、実質15兆円ですむ。今年、財務省には想定外のカネが入ったわけです。暫定税率を無理に復活させなくても、一般財源化の議論を進める1年くらいは、国債を増発して財政欠損の2兆6000億円を埋める余裕は十分ある。自治体の財源不足も、地方債でつないでもらって後で交付金を出せばいい。わざわざ工事を止めるのは、地方自治体に“もっと民主党案に反対しろ”と圧力をかけるためであり、国民への嫌がらせというほかない」

どうだろう。左傾マスコミを叩くのは溜飲が下がるが、情報源は往々にして権力側から出ていることに注意してもらいたい。特に今後の政局を占う意味でも、財政均衡派の与謝野氏の動きには要注意である。

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一つ上がって68位でした。感謝。一日おきの更新にしたら、100位以内にとどまっていられるかな?とりあえず、明日も更新がんばります。

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2008/05/08

野田聖子ら郵政造反組が「郵政事業研究会」発足

郵政造反組らが研究会=民営化の現状検証-自民 (リンク切れ)
2008年3月12日(水)18:46

 郵政民営化の現状を検証する自民党有志の「郵政事業研究会」の初会合が12日午後、国会内で開かれた。堀内光雄元通産相や野田聖子元郵政相、藤井孝男元運輸相ら「郵政造反組」を含む35人が出席、郵政事業の運営をめぐる議論で影響力を行使していく構えだ。

 代表世話人に就いた山口俊一衆院議員は「決算を見ると、郵便貯金や簡易保険で(契約数などの)落ち込みが激しく、事業をやっていけるのかという不安も出ている。直すべき点はしっかり直していく」と強調した。 

[時事通信社]

安倍さんが造反組を戻した時点で、私は「見直し法案などで元造反組が党内で足を引っ張ることになる」と懸念していたわけだが・・・。
中川秀直氏が「民営化賛成」の踏み絵を踏ませたとしても、「見直し」という方法で妨害してくるはずだと。特定郵便局長会は、民営化に伴って解散されるべき組織だが、いまだに解散もせず郵政族とつるんで政治活動している。(過去ログ参照)←探すのメンドー

現在、西川社長は上場に向けて着々と手を打っている、と言いたいところだが、ゆうちょもかんぽも図体ばかりは大きくて、まだまだシステムやコンプライアンス体制はおぼつかないようだ。社保庁並みとは言わないが、長年のずさんな体質から立ち直れないことが民営化の障害と言われていた。不正も横行していた。

もたついている間に、マイナス点だけをメディアに流されたらひとたまりもない。

報道ステーションで、僻地のとある簡易郵便局では局長が高齢になり、民営化で必須となったパソコンも覚えられないため、閉鎖することを決めたと取材していた。「市場原理にさらされて競争に負けた、さっそく民営化の負の側面があらわになってきた」というようなことを古舘と加藤工作員が言っていた。ところが、これは跡継ぎのいない後継者問題なのであり、当面他の町から業務出張して来ているので、まったく孤立しているわけではない。「近所のおばあちゃんは困っています」と古舘君は言うが、おばあちゃんの話をよく聞いてみると「郵便局であの局長さんと世間話できなくなるのがさびしい」というだけのこと。

またローソンと提携したことについて、ある局長は、「品物の管理はできない。衛生管理もあるし・・・。局内にローソンを併設するつもりはない」と否定的に言っていた。商品の管理はローソンがやるんだってば。はぁ~、こんな調子。

野田聖子あたりがネガキャン始めれば、マスコミはおもしろがって取り上げるだろうし、流れは「見直し」に行ってしまう。

権益を守るために無駄な郵便局の整理統合に反対し、国有だった土地の引き上げ等させないように、特定郵便局長と族議員が「郵便局を減らしてはいけない!」と、税金をつぎ込む方向にもっていくことは予想できる。

郵政事業が軌道に乗ってからでは手を打てないので、造反組は早く議論を進めたいのだろう。つくづく汚い・・
堀内光雄なんて、どーーーしょーーもないよ。もう詳しく書かないけど。

野田聖子は、朝の何かの番組で仲良しの小渕優子氏と橋本聖子氏と政治談義していた。小渕優子を当て馬にしながら「いやいや、野田さんこそ総理に・・・」などと小渕氏に言わせて話を誘導し、まんざらでもない表情を浮かべていた。初の女性総理になる気満々!(吐)

かんべんして。orz

ゆうちょ・かんぽの競争力を高めるため、西川社長は三井住友銀行との連携を視野に入れているらしい。再編はこれからも続く。

ついでに政界再編もお願い。

野田聖子オフィシャルサイト

平成20年3月12日、郵政事業研究会(代表:山口俊一衆議院議員)を設立し総会を開催いたしました。設立趣意書を以下、記します。

「郵政事業研究会」の設立趣意書

 郵政事業は、明治四年に創業して以来、全国津々浦々で地域に密着し、国民共有の生活インフラとしての役割を担ってきたところである。
 昨年十月に郵政事業は民営化されて四ヶ月が経過したところであるが、民営化会社によるさまざまな取組が進む一方、郵便局の現場での混乱、簡易郵便局の減少など、様々な問題が発生していることも承知している。
 郵政民営化の実現にあたっては、三事業のユニバーサルサービスの堅持・ネットワークの維持・国民の利便性の向上といった事項を国民に約束したところであり、地域において郵便局が果たしてきた役割を踏まえつつ、国民に喜んでいただける郵政民営化を推進していくために、これらをきちんと検証していくことが必要である。
 そこで、このたび郵政行政に造詣が深く、志を同じくする自由民主党の国会議員による「郵政事業研究会」を設立し、国民の期待に応える郵政民営化の実現に向けて様々な提言を行っていきたいと考えているので、関係各位のご理解をいただきたい。

わかりやすい人だ。手の内が見えちゃってるよ。郵便局長さん達を守りたいんだね。混乱はなぜ?民間のスキルに追いついていないからでしょ。給与水準も維持したいのだろう。

民営化の必要性は、財務省と郵貯との切り離しにあった。政府資金の入り口の改革、政府系金融機関・特殊法人改革は出口の改革なのである。国債しか運用できないのになぜ経営ができていたかというと、財投が郵貯から預託を受け入れるときに通常より高い割高金利を払って「ミルク補給」してきたから。注ぎ込まれていたのは、特殊法人から吸い上げたカネである。つまり「特殊法人は財投を借り入れて、高い金利を支払い、財投は特殊法人から吸い上げたカネを郵貯に補給するという仕組みだった。しかし、特殊法人には多額の税金が投入されるので、結果的には税金が補填に使われていたことになる。」by髙橋洋一氏「さらば財務省!」

出入り口一体改革では、この仕組みを変えるには郵貯の自主運営への道は必然だったのだ。

この研究会に参加したい議員は多いんじゃない?真・保守の皆さんも。

もう一度改革派と喧嘩する?

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2008/05/01

公共事業永続より景気回復策を!政府系ファンドで5兆7兆の運用益はすぐ出る(中川昭一氏)

私は最初から①道路特定財源廃止、②暫定税率撤廃、③本則税率&諸費用税率全部一般財源化して、④道路建設事業は地方に全面的な裁量権を渡したほうが良いと考えている。この議論の前提は地方に出向している国交省の権益をなくすことだから、改革のキモは霞ヶ関改革と地方分権なのであって、道州制の詰めがなければ始まらない。

財源確保は、霞ヶ関のスリム化を担保した上での消費税増税、そして地方への割り当てを大幅に強化する。官製不況といった言葉に代表されるような政府の過干渉を減らし、規制緩和を進める。日本全体の発展のためには、自然淘汰は決して悪いことではないという方向を示す。政府はメッセージ力を高めよ!改革逆行内閣では、今はマイナスのメッセージしか出していない。

広報は何やっているんだ。危機管理も広報の仕事だろう。担当は…野田聖子orz 構造改革反対派が広報って…党内バランスを取るのもほどほどにしとけよ、福田首相。 

自民党支持者は「財源がない」という財務省の言い分をそのまま信じているようだが、「地方にはまだまだ道路が必要」とは「地方では公共事業で飯を食っている人達が多い」とイコールの話なのである。本当に地方が求める道路を確かな費用対効果をもって作れば、公共事業は半分くらいに減るかもしれない。

公共事業による内需拡大はどう補填するんだと反論が出るが、公共事業で経済を引っ張るやり方は、すでに限界に来ていることを誰も指摘しない。タブーなのだ。公共事業に関連して生活する国民が家族も入れて2千万とも3千万とも言われているので、この大票田は政治家としては失うわけにはいかない。

政治家が国益を考えるなら、日本経済全体を引き上げる政策を論じなければならないのに、原油が市場最高値をつけているこの状況で、道路建設中長期計画を見直すこともなく、暫定税率も国民への説明なくして復活させてしまった。「地方に道路は必要」とじゅうぶん説明しているじゃないかと政府が言うなら、では、一般財源化したところで59兆円10年計画はそのままかい!と突っ込みたくもなる。見直しには消極的な姿勢がいやでも目につく。

2009年から一般財源化と福田首相が言っていたので、秋の国会で揮発油税の取り扱いも含めた一般財源化を法案化するのだと考えていたので、今国会での再議決は、予算の穴を出さないために仕方ないとは思っていた。それより民主党は酷い。一般財源化の圧力をかけたまでは評価するが、修正協議にも応じぬとは、まったく独りよがりの党利党略のことしか考えぬ馬鹿ばっかりだ。

医療も特別会計になっているので、このままでは破綻する。やむを得ず高齢者にも負担をお願いすることにした。終末医療での延命治療についても、臨終までチューブをつないで苦しめるような無駄な医療をするかどうか、あらかじめ本人確認することになった。道路と違って、少子化に向かえば医療費は今後増大する。こちらの財源確保のほうが急を要しているのだ。

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内需拡大について言えば、低金利のまま円安に誘導し、輸出依存型の経済でしのいできた体質を変えていかなければならない。
輸出に強い大企業の利潤は海外に漏れているのが現状なのである。
ホンダが25日発表した08年3月期連結決算は、海外事業の好調で売上高が前期比8.3%増の12兆28億円、営業利益は同11.9%増の9531億円と、ともに過去最高を更新した」と輸出好調なホンダだが、最近のニュースでは

<ホンダ>所得移転で申告漏れ指摘される 「適正」と反論
4月25日21時26分配信 毎日新聞

 ホンダは25日、東京国税局の税務調査で、中国の合弁企業との取引に絡み申告漏れを指摘されたと発表した。海外へ所得を移して国内の所得を圧縮することを防ぐ「移転価格税制」に基づく指摘で、該当する所得額は2000億円規模とみられる。しかし、ホンダは「日中両国に適正に納税している」(広報部)と反論している。

 06年3月期までの5年分の「広州ホンダ」との取引について指摘を受けた模様だ。国税局は、部品や工場設備、技術指導など幅広い取引について、日本側が提供した資産の価値に比べて受け取った代金が割安で日本側の所得を圧縮していると指摘したとみられる。

 ホンダは追徴課税された場合、異議を申し立てる見通し。しかし、課税の可能性を踏まえ、関連引当金約800億円を08年3月期連結決算に計上した。

 移転価格税制は、税率の低い国の子会社に所得を移す「税逃れ」を防ぐため86年に導入された。しかし技術指導料などは価格算定が難しいうえ、進出先の国の意向で価格を決めている場合もあり、税務当局と企業との間で意見が食い違うことが多い。【宮島寛】 

最終更新:4月25日21時57分

税率の安い海外への資本の不正流出が疑われている。移転価格税制で海外流出を規制しているが、企業としたらなんとか抜け駆けしようとするので、追い駆けっこはやまない。

つまらない追い駆けっこをやめるには、国内の税率を安くすれば済むことではないか。

そもそも輸出企業は、輸出して稼いだドル払いの代金を円に交換せず、金融機関を経由してアメリカに資本輸出しているので、日本が輸出で経済成長率を維持しても国内の内需拡大にはつながっていない。この仕組みが金融大国・アメリカを支えていた。
国内生産による経済成長ではないので、消費が拡大されず、逆に内需を縮小させる悪循環に陥っているのである。

実感なき景気回復と言われ続けたゆえんである。

地方の首長はもっと真剣に霞ヶ関脱却を考えなければいけない。本気で日本経済に寄与する経済政策を立てるなら、国と地方が法人2税の引き下げや思い切った減税をしたらどうか。たまには「景気回復には減税対策」というセオリーを政府が率先してやってみたら?

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財源が足りないので消費税を上げる」しか言わない与謝野氏の論評(Voice5)を読んだが、微妙に嘘を混ぜながら、景気回復策についてはまったく言及なし。さらっと読めば「増税も仕方ないね」と騙される人が多いのだろうが、「嘘を言うな!」とチェックしながら読んだら、10個くらい×印がついた。
一言で言えば、国民経済が潰れても予算配分だけは守るスタンス、財政均衡原理主義とでも言おうか。金持ちは増税であまり打撃を受けないという点で、「やさしい改革」などとお為ごかしを言う政治家ほど「格差助長」することがわかってるのか。

増税は最後の選択とする中川秀直氏(上げ潮路線派)は、増税までの道筋をこう考えている。
1,デフレ脱却--政府がもたもたして改革を断行せぬうちに、コストインフレでスタグフレーションに陥りかけている。

2,政府資産の圧縮--国の借金980兆円。国有資産は700兆円で対GDP比は140%!どこの共産主義国家?と思ってしまった。(米国12%、英国32%、比率の高いイタリアでも77%) 整理された独行法人も不動産を売却せずに無駄に資産を放置している。国民はこれについて何の疑問も持たないのだろうか。資産を圧縮すれば、相当国の債務は減る。増税ありきの与謝野氏の主張は情報を作為的に隠している。

3,歳出削減--ちまちま無駄遣いをチェックしたって意味がない。肥大化した組織にメスを入れる。天下りの人件費を適正にする。

4,社会保障分野を中心とした制度改革--消費税を社会保障の目的税としたところで、巧妙な利権作りの温床となってきたのは学習済み。本当に必要としている地方の現場に一般財源の中から直接下ろしたほうがよい。現在、地方分権議論の中で出ているように、消費税は道州政府の財源として活用する。

5,増税

国民にこの効果をしっかり広報していくなら、途中の段階でも増税に理解が得られるだろう。

与謝野氏は、全過程をすっ飛ばしていきなり5である。しかも悪質なのは「私も経済成長が重要と考えている」「私は正直に財源がないと言っているまでである」と、読む人に「経済成長が重要と思っている人ですら正直に財源がないと言っているのだから、こりゃあ大変だ」と錯覚させ、根拠を精査する余地を与えないことに成功している。

財務省が出してくるデータを基に経済財政諮問会議が算出した「増税不可避」予測は、今後の経済成長を1%(だったか)をベースに予測している。これから何十年も1%の成長って・・・ふざけてるとしか思えない。民間の力を規制強化で奪いに奪い、増税に次ぐ増税で経済が疲弊し、道路だけは造り続けてやっと1%維持になるくらいか。こんなデータを出して来るとは、今後何十年も無為無策無能政府であり続けることを宣言しているようなものだ。「格差」どころの騒ぎじゃないぞ。暴動でも起きかねない。日本人は大人しいから黙って飢え死にするか。

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為替でも日本はドルに義理立てしていたら大変なことになる。

米、0.6%の低成長・1-3月実質、住宅投資さらに悪化

ついにリセッション(景気後退)の言葉が聞かれるようになってきた。
米経済は深刻なリセッションに陥る恐れ=NBER所長

日本の外貨準備高は約1兆ドル!しかし、米国債を売るに売れない事情がある。政府による為替介入と等しい効果を持ってしまうからである。経済音痴のヒラリーは、日本と中国はドルを貯め込んでドルを人質にしているとかなんとか、しあさってのほうを向いてしゃべっていたが、じゃぁ直接円に交換してドルを売っぱらってやろうか(笑)ドルの下落に歯止めがかからなくなるね。円高のリスクも並大抵ではない。 

市場で直接円に交換できない以上、1兆ドル=100兆円の負債を抱えているのと同じことになる。しかし、外貨準備には2006年度で3.5兆円の利息が付いているというので、それを政府系ファンドに運用するという手がある。損をしても実害はない。

日本人は、投資をまるで中国人投資家並みのギャンブルのように感じているようだが、政府系はリスクの少ない長期安定株主となることを基本としている。たとえば発展途上国に投資して、技術移転やインフラ整備など確実に発展するように政府として投資していけば、株は上がり、相手国には感謝され、一石二鳥ではないか。政府系ファンドを幾つか作り、余裕が出ればハイリスク・ハイリターンの投資をしても良い。必ず国民に実績を示すことができる。ぜひ政府系ファンド設立を実現してほしい。

景気回復策としては、地方分権の後、地方の努力が必須。と同時に、輸出依存から円高に強い体質に変えていく。技術力のある日本は、自国製品を高く売ることができる。円高で輸入が得なので、消費者に外国製品を安く提供できる。円安で輸出企業保護しても内需拡大にはちっとも貢献しなかった経済を立て直すチャンスではないか。

それから外資への偏見をいいかげんやめる。日本株が安くなればなるほど、中国の投資も入りやすくなって、現実に弱い企業は買収されている。技術力だけ持っていかれて、はい、さようなら、こんな事態にならないように、企業自体がより強い経営力を持つための外資受け入れと積極的投資を行っていくべきだと思う。井の中の蛙でコワイコワイと言っているだけでは、鎖国経済から脱却できない。新陳代謝をよくすることが、結局日本株の上昇につながっていく。

自民党議員達を見ていると、どんどん古き良き時代に逆行しているように見える。半歩先でも見通す政策通はいないのか。政策派の若手・中堅に期待したいが、声を上げる前に執行部に抑え込まれているようだ。

今は福田政権の土台が危ないし、政局に流されて、国家の基本政策もおざなりなので、制度改革や政府系ファンド等々の話は、政権が安定してから改めて書いてみようと思う。政権が安定することなく改革が胡散霧消して、下手すると民主党が政権を獲って外交も経済もめちゃくちゃにしてしまうかもしれない。

ガソリンの値段が上がった下がったが焦点ではなく、①日本の経済をどう立て直すのか、②地方の道路建設をどう地方の裁量に下ろしていくのか、③増税の前にやるべきことは何か、そのような議論を封じられたかのような昨今の政局の慌ただしさに、日本もリセッションに向かわざるを得ないのではないかと案じている。

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中川昭一氏も政府系ファンドは積極的にやるべしと言っている。(諸君!) リスクはゼロではないが、具体的に5兆円、7兆円は運用益ですぐ出てくると試算している。自民党内でもコンセンサスができてきたのだろう。運用益は年金基金にしてもいいし、安倍政権で中川秀直氏が政府・日銀の運用益で予算措置を行ったように、借金返済に充ててもいい。あとは国民への説明を上手にしてね。なんでこんなに広報が下手なのだ。

うp「アメリカ、金融恐慌にまっしぐら。イラン、原油のドル決済完全停止

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2008/04/17

英投資ファンドVS電源開発+経産省。「公務員バッシング」と一括りにはできない官僚制度改革

山口の補選で、ガソリン税廃止か元に戻すかを争点にして、自民・民主が総力戦で戦っているようだが、しらけちゃうよなあ。

私は小泉政権以降自民党支持だったが、基本的に無党派で、閣僚と官僚は信じていない。政策次第でアンチ自民党にもなる。

小泉総理の改革を支持したから自民党支持だったのであって、小泉政権下では官僚+官僚寄りの政治家は抵抗勢力以外の何者でもなかった。

福田政権で改革が後退するなら、支持する理由はない。はっきりしている。

私の理想は、早くに麻生総理になってもらい、経済政策では異論も多々あるが、その理念に従って道州制をきっちり詰めてほしい。道州制では霞ヶ関から再び怒濤の抵抗が起こるだろうが、首相がリーダーシップを取りさえすれば、その抵抗を逆に利用して選挙に勝つことができる。外交も立て直す。その後、渡辺喜美氏が改革勢力の全面的バックアップを受けて、渡辺総理誕生となるといいな~無理かな~というところ。

地方分権が先か、霞ヶ関改革が先か。政治の指導力が問われている。

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<公務員の皆様へ>

念のために言っておくが、私は“公務員”と一括りにバッシングするつもりは毛頭ない。私の父もそうだったし、親族は地方公務員が多かったのだ(^ー^)ノ"。私にも「公務員になれなれ!」と期待していた。

現場での仕事の質も量も、どれほど真面目に行政に貢献しているかも知っている。

ダンナは国立の研究関連の公務員から民間に転職した。公・民両方と仕事をした私は、公務員は人柄が良くスレていないと感じる。不平不満は圧倒的に民間のほうが強い。そして興味深かったのは、両方の利害関係のあるところでは、公は民を、民は公をどこかで見下していることだった。自分の領域から見れば、どちらにも不満や妬みがあり、自分の仕事を認めてほしいという思いがあるのだろう。

マスコミの公務員バッシングに耐えながら「現場を支える人たちの地道な努力を、これ以上踏みにじらないでほしい。」と訴えたくなる公務員さんの気持ちはごもっとも!
ためしに公務員叩きで嘆いている現職(国家・地方)公務員さんのブログを検索してみたら、皆さん、大変心を痛めている。

叩かれているのはキャリアと呼ばれる高級官僚の制度自体にある。公務員は皆、特殊法人や独行法人は日本にとって必要という意見だろうか?無駄だと思っている公務員もいるのではないか?何が叩かれ、何を評価されているのか、冷静に見てほしい。

構造的に省庁に操を捧げるシステムが出来上がっているのだ。それを省庁横断的に人事を管理しようという公務員改革基本法案の趣旨は立派なのだが・・・。特にノンキャリ、技術系の公務員は疑問を持ってほしいと思う。しかし、マスコミは自分に向けて「公務員というだけでいじめている」と感じてしまうらしい。あなたたちを叩いてはいない。民間と比べても、決して給料は高くない。

官僚叩きの原因を作ったのは政治家である。

政策立案、法案、議員立法すら官僚任せのくせに、うまくいかなければ官僚のせいにする。また官僚が保身のために政治家を利用する。今のシステムでは、官僚は自分の省庁の益を守る範囲で政策立案に反映させる。この厳然たる事実を、高級官僚以外の「公務員」の人達に疑問を持ってもらえないだろうか。政官の癒着の現場を見てきた元官僚ほど、この制度への改革欲求は高まっているのだ。田原総一朗氏などのマスコミ人は、ウケ狙いでターゲットにしているのだろう。

以上のことを踏まえて、単なる現場の公務員バッシングとは思わないでほしい。

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◆ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI) VS Jパワー(電源開発)+経産省

英投資ファンド 初の中止勧告

国内で発電事業を行っている「電源開発」の株式を20%まで買い増すとしたイギリスの投資ファンドの計画について、政府は、日本の電力供給などに支障が生じるおそれがあるとして、計画の中止を求める初の「中止勧告」を出したことを、16日夕方、正式に発表しました。

質問:海外からの投資に影響は?
甘利経産相「まっったくない!」「電源開発は、日本の安全保障の網の中にある企業」
町村官房長官「公共性の高いものだから、規制をかけるのは当然の判断」

役人の振り付け通りにしゃべってるのがミエミエなんですけど。

電源開発の役員は経産省の天下りが慣例だったので、国内外を問わず有力投資ファンドが持ち株比率を上げ、経営改善に口を出されることに難色を示すだろうということは、すでに報じられていた。決定はどうなるかな?と注視していた。

電源開発は、民営化前は特殊法人として役人の天下り先となっていたし、他の特殊法人と同様、役員に対しての職員数が少ないという構造が残っている。

だいたいねー、安全保障を持ち出すのだったら、国内・海外関係ねーでしょ。
日本の株価対策をなんとかしなさいよ。外国資本が逃げ株価は下がる、結果、3流ファンドも手が出しやすくなる、国内・外のハゲタカが買収をかけやすくなる、そういう危険のほうが大きいっての。

また「安全保障」で騙される国民が多いのだろう。ダンナなんて、TCIのアジア代表、ジョン・ホー氏を見た瞬間「中国人はダメ!」と言い放った(笑)。何系英国人なのかは知らないのにね。 
σ(^^;)「英国の有力投資会社だよー。マッコーリーの時と一緒」と説明したら、やっと納得した。

公益性の高い会社なら国有でいいし、フランスのように民営化するなら政府が85%なり株を握って、戦略投資をシャットアウトしておけばいい。

「電源開発 天下り」でぐぐってみた。お~出るわ出るわ。

私が賛同した意見を抜き出して並べてみる。

経営コンサルタントのつれづれ日記TCI VS Jパワー その4 甘利大臣の発言

原子力の平和利用はともかく、既存の電力会社の隠蔽体質はひどいじゃないか? 活発な株主が適正なガバナンスを働きかけるのは、国民にプラスなんじゃないのかな? 電力会社は総じてぬるま湯体質にあるというのが印象なので、そういった体質を国家がかばうのは疑問だ。

TCIの買い増しによる弊害ばかりを論ぜず、メリット(ガバナンス強化:Jパワーには社外取締役が存在しない。TCIの主張の一つ)にも注目すべきだろう。 「国の安全を担う電力会社」 がそんなに重要だったら。

将来の天下り先だから遠慮しているってことはないだろうな。

【竹中平蔵 ポリシー・ウオッチ】(空港施設の外資規制について)

 もし公益上何らかの規制を課す必要を国交省が主張するのなら、そもそも民営化の段階で商法の一般法人にしたのが誤りだったことになる。「特殊会社」にすべきだったのだ。ちなみに、NTTや日本郵政などは、そのような方法で民営化されている。その段階の失政をまず国交省が認めたうえで、次善の策を講じるのが筋だ。その際議論になるのは、外資規制という手段が本当によいのかどうかである。明らかにこれは不適切だ。かつての日本赤軍のような集団が株主になり、悪意をもって対応したら、外資規制では全く意味がないのである。したがって、一定の悪い行いを規制する「行為規制」で対処すればいいという結論になる。規制改革会議も、また諮問会議の民間議員もこうした主張をしているが、これらは適切な主張である。
 つまり今回の改正案は、そもそも誤りであった空港施設の民営化手法をさらに誤った方法でゆがめるもので、いわば失政の上塗りである。このような政策が法案化寸前のところまでいったことに、今の政策環境の心もとなさが感じられる。

【正論】屋山太郎 「天下り」温存の外資規制

 ことは空港規制だけにとどまらない。イギリスの投資会社ザ・チルドレンズ・インベストメント(TCI)ファンドは「Jパワー」(民営化前は電源開発株式会社)の株を10%弱持っているが、これを20%まで買い増したいと1月15日に届け出た。Jパワーは東証上場に当たって「利益も配当もふやす」と約束しながら、全く改善がみられず、TCIは昨年11月「役員賞与の支給停止、社外取締役の受け入れ」を求めてきた。

 電力分野は外為法の規制対象業種となっており、外資が10%以上買う時には届け出がいる。主務大臣が「国の安全」に反すると判断すれば中止命令を出すことができるが、TCIは国の安全を脅かすような会社ではない。にもかかわらず、経産省は「審査に3カ月要する」と決定を先延ばしした。この問題は瞬時に判断できる性質の問題だ。なぜ時間を稼ぐのか。経産省はかねてJパワーの生え抜きの社長が天下りの副社長を経営から遠ざけていることに不満を抱いてきた。社長を経産省で押さえるのが悲願で、これをめぐって目下内紛中である。

 ≪次官発言で株価暴落≫
 ここでTCIの買い増しを認めては社長への天下りなどは困難になる。かといって「買い増しは認めない」という理由も薄弱なうえ、空港規制と重なっては政府一体の外資排除とうけとられかねない。ここは時間を稼いでTCIが諦(あきら)めるのを待とうと考えたようだ。

 こういう思惑を秘めて、強烈な外資批判をぶち上げたのが経済産業省の北畑隆生事務次官だ。経産関係の団体で講演し「デイトレーダーはバカで浮気で無責任」と強烈に批判した。とくに昨夏ブルドックソースを買いに出たスティール・パートナーズを名指しして「キリスト教の7つの大罪のうちかなりの部分がある」と述べたのに外国人投資家たちは大ショックを受けた。北畑発言が英文で流れた2月6日(日経ジャーナル)は646円も暴落し、「北畑ショック」といわれた。資本市場には良い資本も悪い資本も入ってくる。それを選別するのが経営だ。制度で守ろうという官制資本主義の考え方は捨てよ。(ややま たろう=政治評論家)

改革派の山本一太氏や山本有三氏らが直接ジョン・ホーアジア代表の説明を聞いたようだが、「言われているような危ないことはないと感じた」程度の感想だった。政治家こそ霞ヶ関の論理から脱却しなければならないのではないか。

優良ファンドは優良企業の長期安定株主となって、経営の透明性と合理化、そして株主への高リターンを求める。株式会社は誰のものか、その議論はいいかげん言い尽くされてきた。よりよいガバナンスを求めることが会社の利益につながる。

今回の決定には、ほとほとあきれ果てた。

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ハゲタカから守るには株価対策が先決。福田政権は打つ手がないばかりか、投資家の足を引っ張っている。

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