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2008/12/04

小泉-竹中「2006骨太方針」からの転換に隠された思惑

小泉-竹中が主導した2006年骨太方針を麻生首相と自民党がひっくり返すとマスコミが騒いでいる。君たち、小泉改革を批判していたじゃないの?麻生叩きに小泉改革を利用するの?

それでも賛否両論、議員達のインタビューを公平に流しているので、「古い自民党に戻ろうとする麻生は悪い」と一概に誘導しているとは言えない。それぞれの意見と麻生首相本人の発言から、有権者は各自判断すればよい。

私としては、応援する小野次郎氏(ブログ)がインタビューを受けて、自民党方針を堂々と批判していたことが嬉しかった。もっと積極的に発信してほしい。
小泉氏の総理秘書官だった小野次郎氏は、郵政選挙で郵政造反組と選挙戦を戦い、落選したが比例で復活、その後、造反組が復党して古賀氏は造反組のほうを公認しようとした。「もうダメだー。自民党は落ちるところまで落ちろ!」と落胆したが、造反組議員に地味にスキャンダル発生、大逆転で小野次郎氏が公認を受けた。

一期生(いわゆる小泉チルドレン)は、捨てるものはないのだから、座して死を待つなんてアホらしい。数だけは負けていないのだから、クーデターを起こして砕け散れ。

公共事業3%削減、社会保障費削減2200億円」を見直すことについて、「小泉路線の転換ですか」と問われ、麻生首相は「(そうではない) 経済状況が今はまったく違う」と答えていた。シーリングはそのまま、別枠で?なんじゃそりゃ。麻生さんは小泉内閣にいる時から竹中路線には反対だったのだから、「私が総理である以上、2006骨太は受け入れられない」と正直に言えばいいものを・・・。

経済状況が違う?そうだろうか。小泉総理誕生の時、金融不安のまっただ中で、株価は上がらず、不景気にあえいでいた。政治への期待も失われ、息が詰まるような経済情勢だった。

そんな閉塞状態で小泉首相は「改革の痛みに耐えろ」と逆行するようなことを言った。公共事業による内需拡大策は、一部の業者を潤すだけで、まったく日本経済に恩恵をもたらすことはなかった。費用対効果で言えばゼロに近い。そのデータを政治家は見て見ぬふりをする。麻生首相は見たこともないのだろう。

渡辺喜美氏ら改革派は、速攻で手を打たなければ日本経済は逆戻りしてしまうと、非常に危機感を抱いている。だから、麻生首相には危機意識が足りないと警鐘を鳴らし続けているのだ。

日本経済は底堅いと言ったのは麻生さんではないか。財政再建路線をひっくり返すほどに「公共事業」に投入しなければならない理由を説明できていない。「100年に一度の金融危機」の対策は、まずは金融政策を含めたマクロ政策であって、選挙対策としての公共事業ではない。90年代にことごとく間違った手を打ってきたのが、財務省御用議員与謝野氏である。

改革後退は経済政策だけではない。与謝野氏は、安倍首相が参院で大敗して求心力を失った後、麻生氏とともに安倍政権に入り込み、政治任用した改革派官僚をあっという間に切ってしまった。このようなことは、決してマスコミには報じられない。

ケインズは有効需要創出について「一時的な理由で需要が不足しているんだったら、国債を出しなさい」と言った。

竹中平蔵氏(ズバリ!先読み日本経済)
国債を出して景気をよくすると言いますが、そんなことだけをやっている国は、世界中にないんです。日本はバブル崩壊後の1990年代に、ダラダラとやった。世界の例外中の例外です。なぜならば国債を増やしてもそれだけでは景気はよくならないと、みんな知っているからなんです。(略)一時的ではない理由で経済が低迷している場合は、国債を出してもダメなんです。

アメリカはアメリカで、具体的に手を打っている。日本の異常な株価下落は米国要因だけではないことは明らかである。(今まで書いてきたことなので詳細は省略)
麻生首相を評価する長谷川慶太郎氏も「金融危機は終わりました!」(WiLL1月号)の中で「日本は何も心配することはないのです」と書いている。長谷川氏の言うように世界的な金融危機を乗り越えても、日本経済は楽観できない。小泉氏以降の2年間で成長率は落ちた。「100年に一度の危機だから」では、日本経済の低迷は説明がつかない。もっと根が深いのである。

今、政府が経済対策としてやるべきことは、株買い支えなどの思い切った施策である。日銀の緩和措置も生ぬるい。

年末にかけて連鎖倒産を防ぐために、麻生内閣はもっと真剣に取り組まなければいけない。言っていることとやっていることが違う。ほんとに口先男だ。第二次補正を来年に見送った麻生首相は、民主党との審議拒否をしているとしか思えない。関連法案まで民主党が潰して、国民から顰蹙を買うようなことを本気ですると思っているのか。民主党から不備を追及されるのを怖れているのは麻生首相のほうである。国会審議を国民に見せたくないのだろう。

麻生首相は、小手先の選挙対策として「経済情勢が厳しい」ことを人質にとって、なし崩し的に失われた10年に逆行しようとしている。定額給付金で墓穴を掘ってくれたので、国民の目にも麻生首相の経済政策の正体が見えてきた。

公共事業は今後も必要である。一部業者への選挙対策としての公共事業はやめろということだ。やるならもっとも効果的かつ内需に貢献するべく、一例として安倍首相の時に提案されたオープンスカイ構想を進めるべきである。竹中氏がサンプロでこう表現していた。「空港が朝から夜8時までの国なんて、国がシャッター通りになっているようなものですよ」と。

羽田空港の拡張整備事業と国際化、ハブ空港としての機能強化は、日本経済に多大の貢献をする。しかし、既得権益を国交省ががっちり抑え込んで、手を付けさせない。

安倍政権下で進めようとしたオープンスカイは、地方分権の意味もある。たとえば空港整備特別会計の中にある地方空港を地方自治体に移管したらどうか。(竹中氏提案)

社会保障費削減については、論点が逸らされている。

平成20年度予算案 前 年 度 予 算 額 対前年度増加額http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/08syokan/dl/syuyou_0001.pdf
社会保障関係費21兆6,132億円20兆9,659億円6,473億円(3.1%)

社会保障関係費の内訳を見ると、平成19年から20年にかけて減額となっているのは「介護2.2%減」「雇用11.8%減」である。「年金」「福祉」の伸びが5%と大きい。医療は1.6%増に過ぎない。

景気対策の一環として雇用保険の減額を打ち出しているが、「雇用」支出はもっと減らすことができる。特別会計において最も無駄遣いが指摘されていたのが雇用保険である。「私のしごと館」は廃止に決まっていたのに麻生政権になって、厚労省は「私のしごと館」と それを運営する天下り法人「雇用・能力開発機構」の存続案を自民党に提出したという。減額して歳入は減るのに、無駄遣いと天下りにかかる膨大な人件費はそのままにするのが霞ヶ関のご意向ということだ。冗談じゃない。

介護に携わる人の人件費が削られているのは、厚労行政と一体となった業者側の問題である。コムスンが介護士から搾取まがいの手法で人件費を抑えていたのはご承知の通り。

行政側は予防医療やら介護用品やらの手加減さじ加減で利権を増やし、天下り先も作っている。予防医療という名分で高価な器具を“国の指導”で増やすことの是非は論じられていない。

行革を進めれば、2200億円分くらい軽く削減できる。改革を進め、いずれ消費税アップする時は、伸び率の高い年金・福祉に振り向けられるだろう。

社会保障のため消費税アップを“堂々と”説く与謝野氏にうかがいたい。
政官業癒着構造を解体的に改革せずして、消費税アップ分は間違いなく介護現場の充実につながってくるのでしょうか?再び政官業の既得権益に吸い取られ、天下り先に使われないという保証はあるのでしょうか?

麻生首相は自ら政策のリーダーシップを取ることなく、霞ヶ関と自民党案を丸呑みし、弱者救済を大義名分に既得権益を守ろうとしている。

改革を進めよ。

長くなったので、続きは「与謝野氏は、霞ヶ関に雇われた国民向け説得工作員」で。

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