拉致被害者の再調査では一歩も退くな
進展なくば制裁緩和すべきでない~拉致議連<6/16 16:46>
政府が北朝鮮への制裁の一部解除を決めたことを受けて、超党派の拉致議連は16日、「(拉致問題で)具体的な進展がない限り、新たな制裁緩和は絶対に行うべきではない」との声明を発表した。
さらに声明では、進展がない場合には「北朝鮮による従来の引き延ばし、だましであるので、直ちに強固な制裁を行うこと」「アメリカに対し、テロ支援国家指定解除を行わないよう強く要請すること」と厳しい姿勢を示している。一方、外務省幹部は、拉致問題の再調査によって「何もないということはあり得ない」との認識を関係者に伝えており、再調査の行方が今後の焦点となる。
今回の日朝交渉は、動きがあったというだけで、進展にはほど遠い。拉致議連の「具体的な進展がない限り、新たな制裁緩和は絶対に行うべきではない」はそのとおりである。
外務省が再調査で「何もないということはあり得ない」との感触を得ているのなら、なおさら新たな制裁緩和措置を取る必要はない。
日朝交渉によって北朝鮮は数人の被害者を返す用意があるとか、第三者機関による現地での再調査を認めるとか、何か進展があるはずだという期待も込めた観測が飛び交っている。
数人の帰国で幕引きはならん!というのはそのとおりなのだが、私は数人でも帰ってきたら奇跡だと思っている。それすらも厳しいという意味で。
平沢勝栄氏が動いていた頃から国交樹立と引き替えに2人くらい被害者を返すという話があった。しかし、北朝鮮当局からは頑なに「拉致問題は解決済み」としか聞こえてこないし、生存者がいるというニュアンスもなかった。どちらかというと国交正常化したい日本側からのモーションのような気がしていた。一発逆転があるとすれば、金正日王朝がひっくり返ることしかない。
サンデープロジェクトで知日派のマイケル・グリーン氏が、日朝交渉での拉致問題進展について、北朝鮮に対する米国政府からの圧力があったと言っていたが、北朝鮮への圧力というより米朝による日本懐柔策のような気がして仕方ない。もちろん私の不安が外れて、再調査による大きな進展があるなら\(^O^)/よかった!なのだが・・・。拉致議連の「北朝鮮による従来の引き延ばし、だましであるので、直ちに強固な制裁を行うこと」が正解のような気がする。
昨年「下品な日本人」の柳在順氏が引き出す北のホンネでも書いたことだが、拉致被害者への同情のかけらもない在日ジャーナリスト柳在順氏は、北の御用ジャーナリストのようなもので、「下品な日本人」という本も著している。北の幹部と太いパイプを持ち、日本人の甘い見通しなど吹き飛ばしてくれるような北のえげつない本音を垂れ流している。ただし虚勢を張った本音であって、必ずしも事実とは限らない。
今回も北の本音を聞いてみよう。
週刊現代「北朝鮮高位幹部が本誌に暴露した日朝協議の舞台裏」
対日交渉担当幹部が舞台裏を語る。(本文を適当に省略)
柳 今回の経緯は?
幹部 ヒル国務次官補が再三にわたってキムケガン外務副大臣に対して、日本との協議を要請してきたからだ。その時、ヒル次官補は次のように言った。
「(日本政府がこだわる拉致問題について)北朝鮮側が少しでもいいから日本に対して誠意を示してほしい。たとえば生存者がいるかどうか再調査すると発表するだけでいい。そのように日本政府に名分を立たせてくれさえすれば、日本側の態度は一変するだろう。そして何より、アメリカは北朝鮮に対するテロ支援国指定を解除しやすくなる」
こうした要請があったから、日本との公式協議開催に踏み切ったのだ。柳 新たに生存している被害者数人を出してくるとの報道が出ているが?
幹部 そんなものは根も葉もない噂に過ぎない。すべての生存者5人を日本に帰国させた。日本政府から要求がなかった曽我ひとみさえ帰国させたではないか。これ以上、一人たりとも生存者はいない。
柳 よど号乗っ取り犯の生き残り4人は日本に送還するのか。
幹部 (略)いつでも帰国させたらよい。ただし日本政府が超法規措置で、2~3年の刑に減刑してくれることを願う。
柳 拉致問題で日本側に譲歩できることは何もないのか。
幹部 生存者の有無について再調査を約束することと、人道的な立場から横田めぐみの娘、キム・ウンギョンを、祖父母の横田滋・早紀江夫妻と面会させることは可能だ。第三国で面会させても構わない。
いつもながらムカツク言い分だ。そして政府高官の偉そうな顔つきや口調まで聞こえてきそうな言い回しに、たしかに幹部はこのとおり答えたのだろうと思う。
柳氏のレポは「北朝鮮問題が急展開する機運が高まってきた」と締めているが、これでは進展も何も、単なる国交正常化のためのアリバイ作りでしかない。北にとっての進展にすぎないのではないか。
グリーン氏は「米国からの圧力」と言ったが、米国務省の焦りも見てとれるので、ヒル氏の交渉力への期待感は薄い。
強硬に出れば事態は膠着するし、国内からは山崎拓氏ら「国交正常化なくして拉致問題の解決なし」の勢力を抱え、日本政府は非常に難しい選択を迫られていくことを覚悟しなければならない。
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