« 野田聖子ら郵政造反組が「郵政事業研究会」発足 | トップページ | 胡錦濤訪日、政治レベルでは思惑一致 »

2008/05/09

胡錦濤氏は穏健・現実派。頭痛の種は憤青と歴史認識問題

まず、日中友好とは“日本が中共に譲歩すること”でしか成り立たないことを押さえておきたい。
中共にとっては、すべては政治的駆け引きの道具であり、西側の弱点である日本政府は、西側を牽制する有力なカードである。

中国に無償協力5億円=行政官の日本留学支援
5月7日13時1分配信 時事通信

 政府は7日、中国の人材育成奨学計画に対し5億7700万円を上限とする無償資金協力を実施すると発表した。2009年度から2年間、中国の外務省や財政省などの若手行政官48人が日本の大学院に留学するのを支援する。高村正彦外相と陳徳銘商務相が同日、都内で書簡を交換した。

日本政府は中共の対日工作がどんなに卑劣か知ってるの?外務省のチャイナスクールが国益を損ない続けてきたことも知ってる?それとも自分達がトラップにかかっている?まさかね・・・。中国の行政官達が、少しは中国人民のために行政能力を高めることができるのなら、知日派行政官育成の有益なプロジェクトとして歓迎するけど。

・胡錦濤国家主席訪日の成果

「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明

双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認した。

中国脅威論」の封じ込め、か。脅威でないなら、中国は態度で示してほしい。

日中共同記者会見 平成20年5月7日

【質問】
(略)
 それでは、どのようにして両国の国民感情を増進し、相互理解と友好感情を深めることが一番効果的でしょうか。そして、メディアはこの中でどんな役割を果たすべきでしょうか。

【福田総理】
(略)
 最後に、マスコミのことがございました。手短に申し上げますけれども、マスコミは、民主的な運営においては偏見のないものを正しいことを正しく伝えることが大事な役割だと思います。そういう意味におけるマスコミの役割は大変重要であり、報道の中身は、偏見とか誤った報道があるならば、これは両国の国民の理解、信頼というものにはつながっていかない可能性があるということであります。

日本のメディアは、中国政府から直々にご指導受けておりますが、何か?日中記者交換協定なんて押しつけられて、隠しておかなければいけないことがいっっぱーい。

反中感情が高まる中、「胡錦濤帰れ!」とここで同じ事を繰り返してもつまらないので、別の視点から見てみよう。
(きょうは手抜きせず、過去ログ漁りに行ってきます)

2005年、国営通信、新華社発行の「国際先駆導報」に載った重要論文、これだ。
タイトル「極端な民族主義は、愛国か誤国か」のポイントは「民族主義の激情は真理を語り論じることを妨げる」という内容。過剰なナショナリズムを戒めた論文は、胡錦濤氏肝いりだったのである。

当時の胡錦濤氏は、軍部を掌握していない、江沢民派からの影響力から抜け出せない、カリスマ性がないなどと言われていたが、この3年間で上海閥を追い落とし、軍部も支配下に置いたと言われ、中国なりの民主化に取り組みつつあるように見える。
愛国無罪の高まりは、国際社会からの圧力が高まるにつれ、中国の生き残りのためには痛し痒しの“間違った思想”であることを胡錦濤氏は理解しているわけだ。

ネットであの論文に対する意見を募ったのはいいが、そこは共産党政権らしく「論文の主旨に反対する意見を紹介する必要はない」という念の入れよう。「極端な民族主義は国を誤らせる」との政府見解に異を唱えるな、と。
しかも国営メディア新華社の週刊紙「国際先駆導報」において激情に走る若者を“憤青”と呼び、「理性を失った民族感情がいかに国歌の利益を失うか」と訴えている。

政府のこの試みは、3年間たってみてもうまくいっていないようだ。抑え込んだら反感が政府に向かうジレンマは、共産党政権が続く限り時限爆弾のように抱え続けなければいけない。

中国なりの民主化を進めたい胡錦濤氏は、2005年バンドンでの小泉首相との首脳会談の後、人民日報で「共同声明」「平和友好条約」「共同宣言」の三文書の全文と解説を掲載した。覚えている人はいる?
バンドンで小泉首相が村山談話を踏襲して「戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と表明したことについて、日本の単細b、いえ、正義感の強いウヨクさん達は、いっせいに非難の嵐だったっけ。

「謝罪しろ」しか言わないバカ中国に、「ほら、今まで何度も謝罪しているぞ」と念を押したに過ぎないアリバイ作りに見えたので、私はほくそ笑んでいたものだ。

ところが、小泉政権から今現在までの流れを見ると、もっと踏み込んだ日中のデキレースではなかったかと感じ始めている。靖国問題で日中は断絶状態と言われていたが、外務省や水面下では交渉は続いていたのは当然のこと。

国内の憤青対策に頭を痛める胡錦濤氏が、バンドンで大きく踏み込んだ内容とは

2005年4月のニュースより
日中首脳会談:
対話促進で一致 靖国「反省行動で」と要求(毎日新聞)

 主席はさらに(1)日中共同声明など日中関係を定めた三つの文書(72年の日中共同声明、78年の日中平和友好条約、98年の日中共同宣言)を尊重し、その精神を守る(2)歴史をかがみに未来に向かう。侵略戦争を反省し、中国人民の感情を傷付けることはしない(3)「一つの中国」政策の堅持と台湾独立の不支持を求める(4)対話を通じ、平等の精神で日中間の意見の違いを妥当に処理する(5)広範な分野で交流、民間往来を拡大するーーとの関係修復のための5項目を提案した。首相は「配慮していきたい」と答えた。

重要なポイントは、(1)の3文書を中国国民に公開したこと。日本からのODAすら知らない人民は、日本が歴史問題で謝罪したことも知らない。これ以上、歴史問題を火種にするのは中国の利益にはならないと胡錦濤氏が示したかっこうだ。また日本には「血の気の多い中国人民を靖国などで刺激しないでほしい」ということ。

日中国内の反中・反日感情を静めるため、小泉-胡錦濤の連係プレイのような気がしないでもない。しかし、おさまるはずもなく、小泉氏自身はどこ吹く風で靖国神社に参拝したし。(笑)

そして安倍政権でトップ同士の交流が再開され、福田政権で懸案事項を実質的に進展させ、人的交流を進めるという「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明につながっている。胡錦濤氏と日本政府(外務省)が目指すものを理解すれば、今回の胡錦濤訪日は、福田首相にとっては大成功だったわけだ。福田首相が特段媚中外交をしているという抗議は、筋違いであることがわかると思う。

た・だ・し、胡錦濤氏なりの民主化政策がどうあれ、国際社会が求める人権問題解決にはほど遠く、反日運動もまた胡錦濤一人ではどうにもならないところまで来ている。

一党独裁、覇権主義、開放政策という矛盾を抱えながら、行政能力ゼロに等しい統治体制では、日本といくら友好ムードを盛り上げたところで早晩行き詰まるだろう。“互恵関係”とは言うが、損をするのは日本のほうに決まっている。

中国に援助交際しているような日本では、福田首相がいくら日中首脳会談の成功をアピールしても、日本人の反中感情はおさまらない。

◆人気blogランキングへ◆ 70位でした。あと一歩
中華思想は「領土を所有すれども統治せず」だから、行政能力を高めることに価値をおいていない。地方では汚職官僚が当たり前。不満は力で押さえつければいい。日本の行政能力に近付くには、分割統治しなくっちゃあ(早く分裂しろ)。行政官が日本に留学して何を学ぶんだろうね。

※トラックバックは承認制です。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/108393/41140948

この記事へのトラックバック一覧です: 胡錦濤氏は穏健・現実派。頭痛の種は憤青と歴史認識問題: