<農政改革は逆行>
福田政権に望むことは、スローガンとして「改革」を前面に出さなくてよいから、着実に布石を打っていってほしいということ。マスコミは権力の監視という使命感を持っているらしいから、せめて省庁の問題点をえぐり続けてほしい。政権のイメージダウンにはなるだろうが、長期的に見れば、そこで改革の手を打てれば国益に叶う。いずれ歴史の中で評価される。
渡辺美智雄氏は「既去民思」―すでに去って民思う―と色紙によく書いていたという。枝葉末節のことでマスコミに叩かれて去る総理大臣は多いけれど、時が経てば評価されることもある。美智雄氏の志を継いだ喜美氏は「改革とはそういうもの。既去民思を信じて取り組んでいく」と決意している。福田首相は、真の敵はどこにあり、真の味方は誰なのかを見失わずに来年も頑張ってほしい。
農政改革も非常に気になっている。安倍政権下で農業の未来を見据え、農政改革に取り組んでいた松岡農相をくっだらない政治資金問題で失ってしまったことは、本当に悔しかった。しばらくは、松岡さんの名前を見るたびに泣いていたもんなぁσ(^^;)。
補足しておくが、揚げ足取りは野党・マスコミの常套手段であって、まぁパソコンのウィルスみたいなものなので、特に閣僚は、日頃の危機管理はしっかりしておかなければならない。松岡氏は収賄の疑惑もあった上に政治資金で言い逃れができなくなった時、トップの判断として安倍首相はかばうべきではなかった。すぱっと切って、松岡氏に再起のチャンスを残すべきだった。
松岡さんがいなくなって、農政は逆行してしまった。緩やかな自然淘汰が必要であったが、兼業農家を生かし、専業農家は梯子を外されたような矛盾が生じた。規模拡大に努力していた農家を追いつめる結果になってしまっている。政府の施策を信じて積極的に転作を進めた意欲のある農家は、麦の増産分が助成金の算出基準に含まれないため、手取りの助成金が大幅に減ってしまったという。
また、政府がコメを買い支えるという価格管理をしてしまったため、転作の意欲を阻害した。コメの供給過剰であれば米価の下落が起こるのが当然なのに、保護主義に走ったためにWTO交渉にも躓きが生じている。市場のひずみは、結局回り回って農家の不公平を助長するのである。松岡農水相がいなくなったのと軌を一にして、食糧管理法時代に逆行しているようである。
政治資金の100万、200万と農業の将来といったいどちらが重要なのか。野党もマスコミも国益なんか知ったこっちゃないのだろう。大臣のクビを取って、さぞやご満足なことだったろう。首どころか魂(タマ)を取った。オザワは、安倍首相が葬儀に参列することも、その時に限って「党首討論を優先しろ」と言って許さなかった。くっそぉ~~思い出したら、また涙が出てきちゃうよ。
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<霞ヶ関埋蔵金>
特別会計の中に埋蔵金があるからと言って、それは原則的に他に回せばよいという短絡的な話ではない。歳出削減の努力もなしにへそくりを使い続けたら、いずれ自転車操業になってしまう。そうではなくて、仕組みに不透明な部分はないか、景気回復まで流用できる方法はないか探る術にしたい。へそくりを隠しながら、過労で死にそうなお父ちゃんに向かって「カネがないからもっと稼いでこい!小遣い取り上げるわよ」と尻を叩くようなことはちょっと待て!ということである。
参照:「霞が関の埋蔵金」は間違いなく存在する
フォーサイト1月号参照:高橋洋一氏
以下、高橋氏の論評に沿ってまとめ
【高橋氏のスタンス】
800兆円を超える財政赤字を放置することはできない。財政再建は必要である。しかし、そのために消費税を上げる必要があるのかといえば、賛成することはできない。財政再建のために行うべき施策はいくらでもあり、増税はそれらを実行した後にとるべき最後の手段。最低限、まともに働く人の所得が上がるまでは増税すべきではない。
【特別会計の精査】
小泉政権下で06年に成立した「小さな政府法」―行政改革推進法―により、「特別会計における資産及び負債並びに剰余金及び積立金の縮減その他の措置により、財政の健全化に総額20兆円程度の寄与をすることを目標とする」と定められ、すでに20兆円は一般会計等へ繰り入れられることになっている。しかし、これは道半ばである。
1,特別会計とは、各省庁の特別な事業を行うために儲けられた。きちんと区分経理されているので本当は読みやすい。誤解されているような「ウラ帳簿」ではなく、予算の一部として正当な法的手続きを踏んでいる「オモテ」の予算である。
総額では360兆円だが重複分を除けば実質175兆円。
2,このうち79兆円は国債償還や国債利払い費が国債整理基金特別会計を右から左に素通りしていくだけなので、額が大きくなるのは当然。
3,特別会計の真の問題は、プロジェクトの資金が余っている特別会計が存在することであって、その結果、余った資金が無駄遣いされているケースがあること。
小泉政権下での特別会計改革では、31の特別会計ごとに資産・負債差額を試算したところ、厚生保険特別会計を別として、約46兆円の資産超過であることが明らかとなった。
たとえば自動車損保特会の場合、超過分の0.9兆円は一般会計に回すか保険料を下げるべきだが、プールされたままになっている。
4,道路整備特別会計については、国土交通省は基本データの提出さえ最後まで拒否した。(→たぶんここが一番の癌だろう)
道路族がやろうとしていることは、地方格差に名をかりて、実態は「お金が余るから道路を造ろう」というもので、厳密な費用対効果計算が行われないなら、無駄遣いの典型となる。
道路特会の改善策
①費用対効果を計算して公開した上で道路を造る。
その計算を外部から適正にチェックさせる。
②ガソリン税等の税率を下げる。
③剰余金を一般会計に回す。
5,財政融資資金特会の超過は最大の26.7兆円。
1990年代後半の財政改革により民間金融機関並みの資産負債総合管理を行った上、金利の低下局面であったので、運用益が累積した。金利変動に備えて金利変動準備金を有していたが、リスク管理上、これほど巨額の準備金は必要ない。
6,外国為替資金特会は17兆円。
為替相場を安定させるために作られた特別会計で、財務省はFB債権(政府短期証券)を発行し、市中で集めた資金で為替相場に介入する。実際は円高を抑えるためにドル建て債を買うことが多い。その金利差額分が黒字となってきたので、運用がよかったと評価する。しかし、剰余金のすべてをプールしておく必要はないとして、当時の小泉政権は、この剰余金の一部を財政再建に使ったのである。
7,この時の財務省の抵抗は強く、厳しかった。財務省は「財政融資の金融リスク、外為リスクに備えて内部留保しなければいけない」の一点張りだったが、どのくらいの内部留保が適正水準で、なぜこの資金すべてが必要なのかを説明できなかった。
現在は、財政融資は改革前と異なり残高が少なくなっていることや、財投債があるためリスク管理はかなり容易なはずである。
8,特会の問題は、このように額の大きさにあるのではなく、剰余金を各役所がプールし、自ら使っていること。精査すれば無駄遣いもあるかもしれない。
特会を扱っている官僚は、民間企業で言えば執行役員のような存在なので、いわば株主である国民に剰余金を返さず、自分達で使途を差配していることは許されることではない。株主たる国民に剰余金を返し、国民がこのお金の使い道を決めるべきなのである。
9,剰余金をしぶしぶ認めて20兆円は財政貢献することに決まったが、財融特会と外為特会の二つの特会だけでも、まだ相当の「埋蔵金」が残っていると考えてよい。財務省としても、さらなる財政貢献を否定してはいない。
【筋違いの反論】
反対論者の代表的なものは、「財政改革研究会」の「中間とりまとめ」に見られる。
(要約)
特会の中に多額の積立金等を有する会計があることから、財政赤字の縮減や税負担の軽減に使える『埋蔵金』が存在するとの指摘がある。しかし、保険事業を行う特会では保険料を将来の給付等に備えるために積み立てているなど、各々に目的や理由が存在する。加えて、必要以上のものは、すでに財政貢献することが前提となっているため、『埋蔵金』といったものはない。
(高橋氏)
1,保険の積立金を「埋蔵金」とは言ってはいない。これは取り崩せない。
2,運用益累積の繰越利益、つまり「上がり」部分は取り崩しても当面の支障はない。「埋蔵金」と言っているのは、「上がり」の部分である。
3,剰余金の適正水準となる根拠は国民の前に示されていない。これを追及していくことが「埋蔵金」の発見になる。
4,財政難を根拠に増税が必要と訴える前にやるべきこと
①この十年来OECD(経済協力開発機構)諸国内で最下位が続いている名目成長率を上げること。
②独立行政法人も含めて政府の剰余金を表に出し、その使い道を国民が選択すること。ただし、埋蔵金を選挙目当てのばらまきに使うのはもってのほか。
③歳出をカットすること
この3項を成し遂げれば、増税の必要はない。社会保障が重要なのはもちろんだが、その制度を与野党で検討して詰めていく間は、増税なしでしのぐべきである。
5,財務省は08年度の予算編成で「埋蔵金」の存在を半ば認めた形だが、さらに完落ちwさせるためには、政治家や国民が追及していくしかない。
――以上、要約終わり。
今の民主党は、政局抜きに国民のために社会保障制度の現実的かつ恒久的な制度を与党と話し合う気はあるだろうか。国民にとっては緊急の課題である。連立を組んで、長妻議員にはぜひ厚労相になっていただきたい。
私としては、高橋氏には形骸化した経済財政諮問会議に戻ってきてほしい。方向性を示すリーダーシップのある首相でなければ無理だけれど。諦め‥
政治の方向性が曲がると、迷惑するのは国民である。
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おおざっぱに「埋蔵金50兆円」という話が一人歩きしていたが、高橋氏の説明で詳細がよく理解できた。
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