構造改革批判の勘違い事例。与謝野氏が潰した安倍首相の人事
鳩山法相で笑わせてもらったので、本日は真面目に。
財務省寄りの与謝野さんの何が問題かというと、財政再建を最重要テーマにしながら2011年にプライマリーバランスを黒字化することに逆行する“財務省の省益=既得権確保”をごり押ししていること。2011年目標は、決してハードルは高くない。しかし、“大きい政府=官僚政治=中央依存型=公共事業拡大”に逆戻りしようとするケインジアンの政治家達は、官僚が上手に操作した数字を元に、タチの悪いことに“福祉”を人身御供にして、増税に綺麗な衣を着せて国民に見せているのである。
<与謝野さん、汚いぞ!と思った件>
安倍前首相は改革派だった。アンチ小泉構造改革の「真の保守」様は異論があるだろうが。
根本・安倍・石原・塩崎(NAIS)は政策新人類と呼ばれ、金融・経済政策について政策研究をしていた。安倍氏は竹中氏から講義も受けている。
小泉改革から引き継いだものとして、整理統合された政府系金融3機関のトップ人事について、安倍首相はそうそうたる民間人の候補者リストを作っていた。ところが安倍首相が突然辞任表明。10/1付けで就任した人選を見てびっくり。
(参照:フォーサイト「九人リスト」握り潰しが明示した「改革後退」)
1,政策投資銀行総裁:室伏稔氏(伊藤忠商事元社長)
民間人ではあるが、室伏氏はすでに76歳。業界とのパイプは太いと報じられたが、パイプの先はほとんど引退(笑)ということで、“過去の人”。一応民間人を据えたというカムフラージュ人事であった。額賀財務相は、副総裁に前財務事務次官の藤井秀人氏を任命した。藤井氏が実質コントロールすることは明々白々。藤井氏は、小泉政権下でサラリーマン増税を仕掛けた張本人!国益より省益の典型的エリート官僚。
2,国際協力銀行総裁:田波耕治氏(財務次官OB)
年金財源確保のための消費税論議のレールを敷いた人物
3,国民生活金融公庫総裁:薄井信明氏再任(財務次官OB)
ミスター消費税と呼ばれた人物
安倍首相の思惑からみごとにはずれ、三機関は財務省のコントロール下に置かれることになった。民間の候補者リストから一人ひとり打診中だったにもかかわらず、土壇場でひっくり返されてしまった。
安倍首相が辞任表明して入院中、おかしなことに与謝野官房長官が総理代理にならず、心身共に弱っている安倍首相にそのまま続行させた。病院で間近に面会すれば、本当に弱っているのが見てとれるだろうに・・・。「病院から官邸まで車で五分だから大丈夫」が理由になるのか?災害や有事があったらどうするんだ。まったく不思議なことだった。
この時期は、三機関の人事考査が大詰めを迎えていたが、安倍首相のいないところで財務省はすぐに手を打った。すなわち人事は次の内閣に先送り。しかし、安倍首相が人事先送りを自ら指示した形にしなければいけない。候補者にOKをもらえるかどうかという段階で、安倍首相が「このまま九人リストで詰めてくれ」と指示しなかったのはなぜか。
与謝野氏は官房長官として病院に出向き、安倍首相に案件をすべて報告する立場だった。安倍首相に人事先送りの了承を取り付けたことは想像に難くない。想像ではなく、了承させたから九人リストは消えたのだ。
与謝野氏がその時総理大臣代理であったなら、安倍首相の人事案をひっくり返した張本人であることが誰の目にも明らかとなっていただろう。
財務省のえげつなさは、行財政改革に情熱を燃やす渡辺行革相にも向けられている。聞くも涙語るも涙で、重要なスタッフとなっていた官僚をもぎとり、渡辺行革相を裸の王様にしようとしている。早晩人材バンク構想は骨抜きにされるだろう。
(参照ニュース)
公務員の再就職あっせんを一元化する「官民人材交流センター」のあり方を検討してきた有識者会議の報告書案が22日、明らかになった。組織の規模について「必要最小限とし、肥大化を防ぐ」との表現にとどめ、2回目の再就職に対する支援も容認。福田康夫首相が国会答弁でセンターに関する従来の政府方針を見直す可能性に言及したことなどを考慮したとみられるが、具体的な制度設計を官僚に「丸投げ」する内容となった。
センターは08年10月の設置が法律で決まっており、有識者会議が来年度予算編成に合わせて内容を検討してきた。報告書案に対し、一部委員の間に「骨抜きだ」という不満があり、23日に予定していた取りまとめは11月に延期された。
報告書案は、センターが再就職支援を行う対象は当面、退職を勧奨された職員と組織改廃で職場を失う職員に限定。2回目以降の再就職は「原則行わない」と明記する一方、「センターへの安心感を持たせるため、当面の間は1回目の再就職の補完を柔軟に考える」と例外を広く認めた。【三沢耕平】
天下り規制 「渡り禁止」削除 報告書案、官僚抵抗で骨抜き
10月22日9時38分配信 産経新聞
政府の有識者懇談会が国家公務員の再就職斡旋(あっせん)を一元化する「官民人材交流センター」(新人材バンク)についてまとめた報告書をめぐり、高級官僚が独立行政法人などに再々就職を繰り返して多額の退職金を受ける「渡り行為」の早期禁止など中核になるとみなされた改革案が素案取りまとめの過程で官僚の指示によって省かれたことが21日、分かった。
新人材バンクは官民癒着の温床とされる天下り規制の一環として、安倍前政権の肝いりで議論されてきたが、福田内閣発足後、行政改革の流れに中央省庁が抵抗を強めている。首相官邸サイドも霞が関に配慮を示しており、今回の動きはこうしたことを裏付けるものとみられる。
素案は、新人材バンクの制度設計をしている「官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会」(座長・田中一昭拓殖大学名誉教授)がまとめた。素案は再就職先選定や求人開拓などの根幹業務について「可能な限り民間委託」にすると明記した。再就職支援の対象は「退職を勧奨された者」に限定し、50歳以上の職員と本府省課長以上にセンターへの登録を求めるよう提言した。
しかし、素案をまとめる際に懇談会の多くの委員が主張していた(1)平成23年に禁止する「渡り行為」を前倒しして禁止(2)官僚の主要な天下り先の独立行政法人への再就職制限(3)早期退職勧奨を断り、非常勤職員で残れる人事制度の導入-の3点が削除された。
関係者によると、委員側はこれらを素案に盛り込み、18日に公表するよう田中座長に要請したが、坂篤郎官房副長官補(財務省出身)が内閣府行政改革推進本部に対して、3点が明示された素案を公表するのは好ましくないと注文をつけたという。旧総務庁出身の田中座長も坂氏サイドに同調したため、本来は18日にオープンになるはずの素案の公表も先送りとなった。
懇談会は月内にも最終報告書をまとめて町村信孝官房長官に提出するが、一部の委員からは「福田政権が改革にブレーキをかけ、霞が関寄りの『骨抜き』を選んだ」と不満が漏れている。毎日新聞 2007年10月23日 3時00分
構造改革を止めてしまっていいんですか?と問いたい。
財務省の「財源がない」にはもう騙されるな。
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<アンチ構造改革派の勘違い>
“構造改革”と一括りに悪いイメージを植え付けようとする左派・右派がいて困ってしまう。誤解を解いておきたいという衝動に駆られたので、繰り返しになるがもう一度書いておきたい。
増税派vs.成長派と単純化するのは間違っている。
戦後レジームとは中央集権の“官僚内閣制”をもって、金融・経済に国が関与することによって、内需を操作してきた。金融もがっちり権益絡みで政府が介入してきた結果、不良債権隠しが常態化し、郵政は制度疲労を起こし、赤字国債を発行し続けることになった。必ず破綻することがわかっていながら、先送りし続けたツケが国民に回されたのである。
80年代後半から90年代にかけての政府・日銀の経済失策が元凶となっていることを押さえておかないと、後述の経済コラムニストのようなとんでもない誤解が生まれてしまう。
【追記】しまった!初めて読む人には、官僚内閣制を一種の比喩で使っていることがわからないんだった。評論家達も皮肉を込めて、官僚が政治家を使って国益よりも省益を守ろうとする情けない状態、すなわち「官僚が政治家を丸め込んで操作している議員内閣制」という意味で「これではまるで官僚内閣制ではないか」というふうに使っている。そこまでちゃんと説明すべきでした。反省。訂正して申し訳ありませんが、“”をつけます。失礼しました。トラバで「嘘を吐くのはやめなさい!」か。。(笑) 以前、「僭越でしょう」とコメントにレスしたら、「僭越」の意味を辞書から引用して教えてくれたことがあったっけ。僭越=差し出がましい、そのとおりでしたよ。すみませんね、どこまで行っても本意は伝わらないようで。では~
グローバル化が今より進んでいない戦後レジームの段階なら機能していた社会主義政策は、もう限界であること気づいてほしいと何度も書いている。主導してきたのは、田中角栄の「列島改造論」だった。田中派の利権が、今なお温存されようとしている。「真の保守」と理念を掲げる政治家なら、いい加減特定郵便局長会やらゼネコンと手を切れ。
一方、保護されてきた農家は、いまや自由化の方向に向かわざるを得ない。戸別補償政策をとってきたアメリカも苦労している。国が統制して経済をコントロールするには、市場が大きくなりすぎているのである。
先を見て、競争力のある強い構造体質に今改革しておかなければ、政官業癒着体質はなくならない。放っておけば既得権益は肥大化する。危険水域に至ってから改革するのがどれほど茨の道か・・・。とことん腐敗を放置した結果、不良債権処理で国民に痛みを強いざるを得なかったことを忘れてはならない。
大きな政府の行き着く先は、既得権益者だけが潤う本物の格差社会到来である。資源の乏しい日本において、国際競争力をつけてせめて4%の経済成長率がなければ、弱者に手当をする社会保障費も賄えなくなってしまう。所得は減る、税金だけ増える、最悪だ。
成長率だけは高い中国あるいは北朝鮮の現実を見てほしい。保守層の嫌う中国の似非資本主義に、実は一番近い思考をしているのが、大きな政府を理想とする武士道精神の政治家達である。もちろん否定するだろうが、官僚主義は温存した上で「国民の生活は政治が守る」と言っているのだから、社会主義政策そのものである。彼らに任せたら、財政破綻する。
アンチ構造改革の人は、気づいていないと思うが、“市場”を否定している。実際、“市場の力”を語れば、彼らは「あなたは市場原理主義者ですね」と言うだろう。保守の好む「武士道と和の精神」をどう経済におろすのか。「みんな平等」「競争のない社会」という理想論には、武士=官僚は高潔な人達だから、庶民であるか弱い私達のことは国がなんとかしてくれる、国が仕事も与えてくれるという甘えの構造が潜んでいる。農工商の庶民に「武士は食わねど高楊枝」という高潔な精神を持てと教育するのだろうか。
日本人がもののふの志をもって、自分の生活より日本を守るという気概溢れる愛国者ばかりになったら、それはそれで「右向け右!」になって怖い気がする。それよりラストサムライ以後の明治時代の「教育勅語」を暗唱させたほうがよい。まあ保守層が「武士道」と言う時には、新渡戸稲造が顕した日本人の精神性を民族性として保っていたいという程度の意味であることは、私も承知しているけれど。話が逸れた(^_^;
歳出削減の努力は、絞ったタオルからさらに水を搾り取ろうとするようなものであってはならない。“構造”を変えなければいけないのだ。
経済成長と所得底上げに秘策はない。財政支出カットと経済成長はイコールではない。
地道な公平なルール作りと、規制緩和、税金の引下げをするべき。使命を終えた揮発油税は引き下げろ。今、財務省の誘導にだまされて増税を許してはならない。厚労省が介護や技能教育としてばらまいてきた補助金が、どれほど悪弊をもたらしたか。命を食い物にしてきたのが、厚労省の役人と族議員だった。そしてすべての省庁にその構造がある。その権益を取り上げて、地方分権を進めることが構造改革の本質である。経済成長は、その後についてくる。
小泉-安倍は、ありとあらゆるバッシングにさらされた。それほどしがらみを断つことは難しい。構造改革とは、かくもひっじょーーに苦しいものなのだ。福田政権は、苦しいことはしないだろう。
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<是正すべき格差とは“官民格差”>
誤解を解きたい!と思うきっかけになった記事。
アクアデータ企画
経済コラムマガジン
この会社の業務実態がよくわからない・・・。
コラムマガジンと言うわりにはプロフも署名もない。
増税派と成長派
部分的に抜粋させていただくので、全文はリンク先を読んでください。
プライマリーバランス回復を巡って、不毛な議論が行われている。いわゆる「増税派」と「成長派」との間のやり取りである。増税派は、財政支出の削減ではなく増税を行ってプライマリーバランスを回復させようと考えている。一方、成長派は、増税を避け、一段の財政支出のカットによってプライマリーバランスの回復することを主張する。成長派はまさに「小さな政府」論者である。
構造改革について書き続けている拙い私のブログだが、目を通してくださっている方は、この前提が間違っていることを理解してくれるだろう。小さな政府とは効率的な政府のことであって、行財政改革が必須。構造的な官民格差を是正することを基本にしている。
「一段の財政支出のカットによってプライマリーバランスの回復することを主張する」
違う違う。財政支出のカットはすでにいっぱいいっぱいのところまで削減してきた。次は、本丸の公務員改革を断行しなければならない。独立行政法人の解体・整理統合もそう。これだけでどれほど削減できるか。そして今までの政府・日銀の経済失策を転換して、経済成長率をせめてドイツ並みにする。それは他の改革とも連動する。
ところが「増税派」にしても「成長派」にしても、どういう訳か特別会計については触れたがらない。両者ともに特別会計に言及することを避ける。特別会計に話が及ぶと両者ともに、途端に話がしどろもどろになる。一般会計は赤字であるが、特別会計は大幅な黒字であることがバレるからと筆者は見ている。
特別会計に切り込もうとしたのが小泉-安倍(改革派)だったのだが、誰のことを言っているのだろう。
「目くそ鼻くそ」の対立関係
「増税派」と「成長派」の話に戻る。増税派は、前官房長官の与謝野氏や政調会長の谷垣氏、そして財務省の主流派が主なメンバーである。成長派は竹中平蔵氏や中川前幹事長などである。財界は成長派に近い。
財界は成長の余力があると自信を深めているからね。牽引車となる経済界が成長を目指さなくてどうするんだという話。
増税派の言い分は分りやすい。増税によって政府の収入を直接的に増やすというのだから誰にも理解できる。しかし増税によって家計の可処分所得は減り、消費は減る。当然、これによって内需は縮小する。増税派は暗黙のうちに不足する内需を補うための外需の増大を期待している。実際、ここ数年、たまたま新興国の経済発展によって日本の輸出が好調だったので、このシナリオが順調に行っているかのように見えたのである。
輸出依存型も限界に近づきつつある。
一方、成長派の主張は訳が分らない。財政支出をカットすることによって経済が成長すると主張している。財政支出を削減しても、規制を緩和し、企業の競争力を高めれば経済は成長すると言うのである。また財政支出も成長分野にシフトすることによって潜在成長率が高められ、日本経済の成長率を大きくすることが可能としている。まるでオカルトの世界である。
「財政支出をカットすることによって経済が成長すると主張している。」
政治家を含め、改革路線の著名人がこんなことを言っているのを私は聞いたことがない。
「経済成長によって財政再建は可能」の間違いではなかろうか。前提が狂うと、せっかくの批判が異次元の世界に飛んでいきそう(^^ゞ
「また財政支出も成長分野にシフトすることによって潜在成長率が高められ、」
国の支出を成長分野にシフトするのではない。安倍さんの「再チャレンジ」はそのような財務省的な色を持っていたが。あくまで成長率を高めるのは民間の努力。民間が健全な競争によって伸びることができるように、フォローしていくことが求められている。そして社会保障費の増大を見越して、効率良い政府で財政削減した分を福祉に回せと言っている。
表現はちょっと綺麗ではないが、増税派だ成長派だと言っても所詮「目くそ鼻くそ」の対立関係である。筆者は、財政危機が真の問題ではなく、「財政危機」と騒がれることによって、金融・財政政策が間違った方向に走ることが本当の問題と考える。本当に日本の財政に問題があるなら、日本の国債を誰も買わないはずである。つまり問題がないものを問題だと騒ぐから、これが本当の問題を引き起すのである。
「財政危機」を煽っているのは財務省。森永さんですら、財政が健全化されてきているとデータを挙げて「消費税引き上げは必要なし」と分析しているよ。破綻した財政を改革路線で正常化に近づけていることは実証されている。
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<改革を逆行させるな>
この不思議なコラムを参考にしていたブロガーさんは、
積極財政路線に転ずるわけでもなく、財政支出をカットするデフレ政策でありながら「上げ潮路線」だのという出鱈目な看板を掲げるのが「成長派(実際は財政支出削減派」の嘘吐きなところです。まさに「看板に偽りあり」です。「規制緩和をどんどんやって経済成長率を高めるのだ」と本気で語るあたり、嘘吐きというよりカルト思考のようにも見えますが・・・。
「増税派」の主張する増税によって家計の可処分所得は減り、消費は減ります。「成長派」の主張する財政支出カットによって内需は縮小します。
デフレ脱却は喫緊の課題。竹中氏は日銀政策の失敗と言っている。
この方は、名無しのコラムニストさんの意見をそのままなぞっている。デタラメ理論を前提にして改革派をデタラメと決めつけたらどうなるんだろ。デタラメ×デタラメ=話にならない
そりゃぁ理解不能で、相手がカルトにも見えるだろう(笑)
余計なお世話とは思いつつ、参考にするコラムはもう少し選んだほうがよいと思う。スタンスの違う人の経済評論をたくさん読み比べてみると、バランス感覚が養われるのではないか。
公共事業削減はすでに終わったといって良い段階で、再び公共事業予算を増やせば元の木阿弥。蟻の一穴となって、予算拡大の言い訳にされるだけ。そして赤字国債に逆戻り。財政再建はパー。
そんなことにならないように、なんとか改革派には踏ん張ってほしい。
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