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2011年6月

2011年6月 4日 (土)

東電を解体することですべてがうまくいくんですよ(高橋洋一氏)

週刊現代に高橋洋一氏と古賀茂明氏の対談があった。
基本的に賛成なので、メモしておこう。

古賀 (略)普通に考えれば、東電の債務超過は確実で、明らかな破綻企業です。それを前提にすれば、東電の処理は株主、債権者の順に責任を負担してもらうのが資本主義市場のルール。そして減資と債権カットをした分だけ国民負担が少なくなるのが通常の形です。
ところが今回の賠償スキームは、「役員報酬をもっと下げろ」「資産をもっと下げろ」と、さんざん東電を叩いて国民の鬱憤を晴らしたかのように見せて、そこから先はいきなり国民負担、という話になっています。

高橋 (略)本来であれば、会社更生法や民事再生法を使えばすむことです。法律に則って株主、債権者の順に債権がカットされていく。原発事故の被災者も債権者になりますが、被災者については救済法という特別な法律によって守る。それこそが立法府のメンバーたる政治家の責任でしょう。

古賀 東電は被災者補償について全部は払えないと政府に泣きついていますが、なぜか金融機関に対しては債権放棄を求めていない。つまり被災者より金融機関のほうが優遇されかねないわけです。
今回の賠償スキームに首をひねっているのが海外のメディアで、特派員が本社に原稿を送ると、デスクが「このスキームは一体何だ?理解できるように説明しろ」と言われて大弱りだそうです。最後は「要するに日本はこういう国なんです」と言うしかないと。そのくらいこのスキームはマーケットの常識からかけ離れている。

高橋 私も財務省時代、いろんな破綻処理に携わりましたが、債権者と債務者が当事者間で話し合うことはあっても、政府がその仲裁に入ってはいけないというのが大原則です。本来、それは司法の役割ですから行政が口出しすべきじゃないんです。それを無防備にやってしまう菅政権というのは、すごく未熟だとしか言いようがない。

古賀 (略)賠償スキームの話に戻しますと、東電はすべてを賠償するにはカネが足りないと政府に泣きつく一方で、銀行に対しては弁済期がくれば融資を返済していくことになる。被災者の賠償額が固まらず、支払い時期も決まらないのに、限られた資産が確実に銀行への返済に充てられるわけです。
会社更生法を適用すれば資産保全命令が出て、そんな勝手なことはできなくなるんですが、現状では被災者の補償に充てられるべき資産が銀行にどんどん回ってしまうことになりかねない。

高橋 被災者が銀行に対抗するには、東電に対して一時金をどんどん要求することですよ。(略)政府が被災者の側に立って守っていかないと公正にならない。あるいは政府が一時金の立て替えをするなどの手を打たないと、一般債権者と被災者のアンバランスが必ず生じる。でも「東電救済第一、国民二の次」の菅政権にそんなことができるかどうか。

--被災した農家にも補償するのは当然だが、一方で基準値以内の作物は「風評被害」として菅首相や閣僚、はては首脳会談で訪日した李大統領や温首相にも福島産の野菜を食べるパフォーマンスをさせている。しかも両首脳の試食は不意打ちだった。
このようなことからもわかるように、行政というのは、第一に優先するのは消費者よりも生産者なのだ。原発被災者よりも東電救済に重きを置く。

高橋 まあ、財務省としては原発は特別会計(電源開発促進対策特別会計)だから、今回東電救済スキームも含めて、どうぞ特別会計の中でやってくださいというスタンスでしょう(笑)。

古賀 それにしても、東電を温存させるのは、日本経済にとって非常に罪深いと思いますね。今回のスキームは、何十年かかろうと東電に被災者への補償をさせる、という仕組みで、結局は電力料金に上乗せされる。そしてその間は東電には決して儲けさせないことにしています。そうなると、経済にとって非常に重要なエネルギー会社を何十年もの間、塩漬けのゾンビ企業にすることになる。これは大変な損失です。(略)

高橋 今はまさに都電の発電事業と送電事業を分離する絶好のチャンス。ところが政府の賠償スキーム案には、末尾に東電の事業見直しは別に行う旨が付記してある。(ゾンビ企業のまま温存。被災者救済は荷が重すぎる)

古賀 そのためにも政府は送発電分離のマーケットの青写真を早く描かないといけない。東電によってがんじがらめにされていた電力マーケットが自由になることを具体的に示せば、必ず参入業者が出てくるはずです。東電が資産整理で発電所を売却するときにも高く買い取る会社が現れる。そうなれば被災者救済にもプラスです。そうやって国民負担を減らすべきなんです。

興味ある話はまだまだ続くが、このへんで。
現代ビジネスサイトに全文アップされると思う。

要するに原子力ムラを守るため、自由化はしたがむちゃくちゃハードルを高くしてきたし、自然エネルギーの開発を抑えるためにマイナスな情報を国民に与え続けてきた。これからは、地域ごとに一番マッチした発電をすればいい。私が住む山梨の市では、日照時間が日本一ということもあり、太陽光発電が進んでいる。長野県などでは農業用水の余った水で揚水発電をしているそうだ。

努力もしないうちから自然エネルギーへのネガティブな情報ばかり発信し、放射線は健康に良いと言う人までいるのは不思議だ。

ピンチをチャンスに生かす時なのである。

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