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2009年12月29日 (火)

談合のドンが語る小沢一郎の裏金作り(週刊文春・森功氏)

書きたいことが少しずつたまってきたが、ブログ的には小沢一郎のスキャンダルは外せない。鳩山首相がこけても、スペアはいくらでもいる。しかし、小沢幹事長が失脚すれば民主党は総崩れとなるか、あるいは閉塞感から解き放たれて生き返るのか。どちらにせよ鍵を握るのは小沢氏ただ一人。

カネに汚い小沢氏が強気なのは、地検が小沢本人を法的に追い詰められないことを知っているから。秘書のちんけな政治資金規制法違反にしかならないからである。

週刊文春でノンフィクションライターの森功氏が、「小沢一郎の天の声」について詳細に取材している。小沢氏が実権を握っている限り、この問題はずっと取りざたされると思うので、参考資料としてまとめておきたい。

東急建設常勤顧問だった石田光治氏は、大阪のゼネコン談合組織「錦城クラブ」に君臨する「関西談合のドン」である。氏は06年に大阪地検特捜部が摘発した和歌山県官製談合事件の当事者であった。小沢一郎事務所の違法献金事件をどう見ているのか、森功氏は石田氏にインタビューした。

<石田氏の見解>

1,小沢秘書・大久保被告の公判については、談合と「天の声」の関係をどうとらえるかという問題で、検察側、小沢側の言い分がそれぞれ矛盾している。

2,「天の声」とは業者間の談合が成立している時には必要ない。ライバル業者に悟られないように頼む際は裏献金が普通。検察は西松がダミーの政治団体経由の献金を「天の声」を引き出そうとしたかのように言うが、恒常的な表の政治資金で「天の声」を頼むこと自体がおかしい。

3,小沢側はトンネル献金について、どこの馬の骨が出したか知らなかったとうそぶいている。何もしてくれないのにカネを出すバカはいない。(小沢側はダミーだと認識していた。地検は小沢事務所から西松へ出した領収書を証拠としてつかんでいる)

4,小沢側は談合は業者の中で行われていたので「天の声」などなかったと言う。だが、そうすると、少なくとも小沢事務所では密室で行われるはずの談合の事実を知っていたことになる。つまり談合に関係していたことを認めているようなもので、談合を容認していたら入札妨害。いわゆる談合罪に相当する。

5,小沢事務所に「天の声」を出す力はあったと思う。事実上、東北は鹿島建設東北支店と小沢事務所で決まってきた部分が多い。検察の矛盾は、天の声の見返りの裏献金を発見できなかったから。

<水谷建設による一億円の裏金告白について>

1,水谷建設は三重県が本社のゼネコンの下請け業者、サブコンと呼ばれる。元会長の水谷功は、06年7月福島県の公共工事を巡る知事汚職に絡んだ脱税事件で東京地検に摘発された。目下服役中。

2,水谷氏が小沢事務所への裏献金を自供し、献金の目的が胆沢ダムの工事受注というのだから、検察の狙い通りである。1回目に5000万円を受け取ったのが小沢の秘書で現在民主党議員の石川氏。2回目が大久保だという。このカネの使い途として不動産取引が疑惑となっている。

裏金を使った不動産購入疑惑についてはこちらを参照
小沢「陸山会」3億土地購入 異常な資金操作は何だったのか

政治資金に詳しい日本大学の岩井奉信教授(政治学)は、犯罪でよく使われる手法に似ていると指摘する。それは、資金洗浄、マネー・ローンダリングだ。

裏金を担保に、銀行から同じ額を借り入れます。それを不動産購入に充てれば、『表金』に変身するというわけですよ。陸山会の場合、政治団体を経由してローンダリングが行われていた可能性があると思います

3,関係を裏付ける状況証拠として、水谷建設社長の川村氏が小沢事務所の大久保達を向島の料亭で接待漬けにしていたのである。(場所は花仙。大久保の愛人は「女め」(めめ)と呼ばれる半玉芸者)

4,裏金を運んだ時期と下請け工事の受注がピタリと一致している。

<水谷の供述の意味について、石田氏の感想>

1,供述したのは、水谷の計算が働いているのではないか。

2,献金とは元請けが要請し、その資金作りを下請けが担う。下請けに入れてもらうための献金ということ自体が胡散臭い。反面、水谷が鹿島や大成と取引実績がないから、小沢経由で仕事を取りに行ったというなら筋が通る。この場合、小沢事務所に下請けに入れるよう鹿島への口利きを頼むという民間取引となる。

3,民間取引なら国交省は関係なくなり、贈収賄は成り立たない。それが狙いで、わざとそう言っているのかもしれない。

となると、裏献金といえども政治資金規制法違反の疑い程度でしかない。それも1回目の5000万円献金は時効を迎えている。

<下請けの裏献金ならば、その見返りは何か>

1,石田氏の解説。普通、下請けに裏献金を負担させる場合、たとえば1億円なら税負担も含め2倍の2億円程度の利益を相手に上乗せしてやる。だから、元請けが献金を知らないケースは考えにくい。

2,つまり業界を取り仕切る鹿島や小沢事務所、それに裏金作りを担う水谷、すべて納得ずくではないか。

3,胆沢ダムの受注業者を見ると、元請けは90%を超える落札率になっている。その下請けに水谷のような裏金作りに適した業者が揃っている。明らかな談合であり、受注業者は出来レースで決まっていたと思われる。

小沢事務所が元請け業者とグルで、業者間の談合に関係していたとしても、よくて違法献金の延長であって、お咎めナシの可能性もある。検察に逆転の戦略はあるのだろうか・・・。

<小沢事務所の業者への恫喝>

1,小沢側は「天の声」を否定するが、西松側から小沢氏の影響力を裏付ける証言が出ている。

2,西松建設盛岡営業所長の供述。大久保秘書にこう言われた。「最近、西松は協力的じゃねえじゃねえか。お宅らが取った胆沢ダムは小沢ダムなんだ。今後も協力してくれないと困るよ
3,西松の東北支店長から陳情を受けた時の大久保の言葉「よし分かった。西松にしてやる
4,政治献金の大幅減額を申し入れた清水建設に対して「何だと。急に手の平を返すのか
5,小沢事務所から頼まれた不動産の購入を断った大成建設には、工事受注の了解を与えないと言い出した。「もう駄目です。奥座敷には入れさせません」。実際、大成はしばらく岩手県発注工事を受注できなかったという。

――森氏のレポート、ここまで

地元では、帰郷時など、小沢氏はゼネコン業者を並ばせて挨拶を受けていたという。「天の声」あればこその傲慢ぶりではないか。

地検の摘発は政治献金の虚偽記載事件にすぎなかったが、この絵に描いたような汚職事件は、地検の狙い通り、小沢氏本人に追及の手を伸ばすことができるだろうか。水谷の裏金が元請け・下請けの民間取引問題にとどまり、小沢氏を法的に処分できなかったとしても、小沢事務所が談合に影響力を行使していた疑惑は消えない。

メディアがきちんと汚職の構図を世に周知させれば、小沢氏の社会的制裁は免れないだろう。小沢氏の政治家生命は終わるに違いない。

◇日々是語草◇
鳩山さんちのお坊ちゃまは、「政治主導」も「脱官僚」も「どういうものか分かっていなかった」と告白。何がコンダクターだ、演奏する曲目も知らずに指揮棒振ってたんだね。

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