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2009年10月

2009年10月30日 (金)

ば亀の「復讐するは我にあり」

臨時国会が始まればモチベーションが上がるかと思いきや、ますます落ちた。なにあれ!?

幼稚園児が「おまえのかーさんデベソ」と言い合っているのと何が違うの?
自民党失政の尻ぬぐいをしなければならないのは百も承知なのだから、内閣を率いる首相は与党として何をやりたいのか、具体策を示すのが国会審議の役目でしょうに。あー言えばこー言い返すの口喧嘩レベルで国民が納得すると思っているのか。

鳩山首相・北澤防衛相・岡田外相は普天間問題で迷走。ゲーツ長官がしびれを切らせて圧力をかけるも「言ってることわかんなあい」とばかりに首相も閣僚もばらばらの方向を向いている。

だめでしょ、こんな政権。

評論する気が起きるのは、前原国交相と長妻厚労相くらい。古川内閣府副大臣もかなり優秀と思っていたが、行政刷新・国家戦略は宙に浮いている。これから頑張ると言うのだろうが、小沢の横やりにへたれているようでは実効性は危うい。

小沢幹事長の党運営と国会運営は、党の政策審議をほとんど骨抜きにし、民主党議員達の予算委員会の質問という舞台さえ奪い、みんなの党には代表質問もさせない。国会軽視は国民軽視に等しい。小沢の心得違いははなはだしい。ノーテンキな鳩山首相は、友愛友愛と言っていれば全世界は自分の味方♪と頭にお花が咲いているんじゃないか。

「国会審議より選挙活動が重要」というのは小沢の信念(というか生き甲斐)だが、それを強要することに一年生議員までもが反発を始めている。

これほど党に圧政を敷いていれば、役職に就いていない議員を中心にじわーっと地割れが起き始めるだろう。今は与党の座についたばかりで、小沢の恐怖政治に皆口をつぐんでいるだけなのである。

小沢にも頭に来るが、亀井郵政再国有化大臣の所行によって、すでに私の頭の中は固まったまま真っ白になっている。論評しようと思えば思うほど虚しい。

民主党の改革姿勢にそれなりに期待していた岸博幸氏は、だんだん厳しい論調になっていく。そろそろキレかかってる?

小泉・竹中改革への意趣返しと中身のない
パフォーマンスでは日本がダメになる!
~国民新党の暴走と行刷会議の迷走を憂う

ポイントはタイトルにすべて語られているが、抜粋させてもらう。

より本質的な問題は、行政刷新会議が“事業仕分け”で予算の無駄を削減することに本当に意味があるのか、ということです。事務局長を務める加藤秀樹氏が率いるシンクタンク“構想日本”が自治体などで行ってきた手法をそのまま適用するようです。その手法自体の有効性を否定する気はありませんが、そうした作業は財務省の主計局に任せるべきではないでしょうか。

これは目からウロコが落ちた。
予算を削りたくて仕方がないプロの主計局に任せればよいのだ。政治家のやるべき仕事は「予算の大元となる法律や規定の見直しや改廃の方が必要」ということである。正しくプロ官僚を使いこなせということ。つまり制度設計をやり直せと。河野太郎チームのようにじっくり腰を据えて取り組む仕分けも各省庁のごまかし予算をえぐり出す上で必要だろう。しかし、本筋は「規制改革であり、不要な法律の廃止」を見据えた仕分け作業であると岸氏は言っている。

すなわち予算書の見方に慣れていない民主党議員達がいくら頑張ったところで、

2ヶ月で5兆円の予算しか精査できないとなると、一般会計と特別会計の合計200兆円すべての事業仕分けをするのに6年以上かかり、マニフェスト実現までの4年間では終わらないことになります。

しょせん「ショーアップの場」でしかない結果に終わるだろう。

国民新党の暴走ここに極まれり!
日本郵政はすでに国営企業も同然

日本郵政の人事を見て、これは小泉-竹中への亀井静香の復讐と思われても致し方ない。亀井はみごとに人事さえも小泉以前に戻した。
堂々とワタリ人事の斎藤氏を社長に内定したのみならず、日本郵政の指名委員会を無視して官僚OBの二人を副社長に任命した。

かつ、注目すべきは、副社長に財務省OBの坂篤郎氏、社外取締役に学者の石弘光先生が入ったことです。坂氏は小泉時代に内閣府に出向していましたが、改革路線には背を向けていました。また、石先生は、経済財政諮問会議が税制改革を検討したときに、政府税調の代表としてそれに反対しました。二人ともある意味で、小泉・竹中改革に反対だったのです。ちなみに、二人とも郵政問題で知見があるとはとても思えません。

小泉以前に駒を戻した人事は、まだある。(ついったーから)
(産経新聞)「政府は27日、内閣官房の郵政民営化推進室を廃止して「郵政改革推進室」を新設、ゆうちょ財団の清水英雄理事長を室長に任命した。清水氏は総務省行政局長時代、小泉政権下で郵政民営化を担当したが、民営化に反対する当時の自民党議員らと連携したとして更迭された経緯がある

→ゆうちょ財団といったらリストラ筆頭候補じゃないか。民営化の足を引っ張った官僚を小泉総理がクビにし、その官僚が財団に天下っているのもふざけた話だが、今度は天上って郵政民営化後退の音頭をとるとはね。むちゃくちゃだ。

岸氏の続き
(略)今回の日本郵政の布陣は国営企業や特殊法人のそれと言えます。郵政改革のボトムラインであった金融の一元化、公的金融の流れを最小化するという政策目標は、今回の人事で完全に潰えたと言えるでしょう。

 このままでは間違いなく、国営郵政の復活、官の肥大化、財政投融資の復活が始まります。衆院選で議席を減らした事実から明らかなように、国民の信を得ていないはずの国民新党の暴走、ここに極まれりです。民主党として、本当にそれで良いのでしょうか。

国債の金利が1.4%に上がったという。竹中氏が予言したごとく、民主党政権下で国債暴落が起こってしまうのだろうか。国民はなぜ怒らないのだ。直近の鳩山内閣支持率でも70%を超えていた。民主党やメディアに騙されるのもたいがいにしろ。

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2009年10月28日 (水)

IZAブログの古森記者。日本の厚生年金制度は修正積立方式。子ども手当は「税配分の移動」

拙ブログの「愛読者」という方にIZAブロガーの方達の存在を教えていただき、「おお!我が同志がこんなところに集まっていたのか」と目を輝かせたことが、つい昨日のことのようです。数人の論客ブロガーさん達には、その節にはお世話になり、本当にありがとうございました。

基本的に傍観者でいたいのだけれど、ちょこっとだけ…書き出すと長くなるけど、話題になっている「古森記者」「年金制度」「子ども手当」について私なりの感想を書いてみます。イザの方達の目に止まれば嬉しいのだけれど…。

<新聞記者にオピニオンリーダーとして期待するほうが無駄>

古森記者に幻滅したことについては、こちらに詳しく書いた。
2007/05/13
古森記者がAP通信記事を歪曲?

記者が新聞記事を書く際、自分の信じる“歴史認識”に合わせてAP通信記事を捏造してもよいものだろうか。断じて否。ブログの感想文とは訳が違う。産経新聞は、記事がおかしいことを読者から指摘され、謝罪文を掲げるという経緯があった。

内容を簡単に言うと、慰安婦問題について、古森記者はAP通信を引用する形で、「AP通信は4月26日、東京発で米占領軍が進駐直後、日本の政府や旧軍当局に売春婦の調達や売春施設の開設を命じた一連の日本語書類が発見されたと報じ、その内容として(1)1945年8月末から9月にかけ、米軍の命令を受けて」日本側が慰安婦募集をかけたと報じている。

ところが、肝心のAP通信の翻訳では「米軍の命令」とは一切書いていない。参照:「RAA記事だと喜ぶのは早いゾ その1@タイム」

(訳)
「悲しい事に、我々警察は占領軍の為に性的慰安所を設立しなければならなかった」と東京の直ぐ北東部を管轄とする茨城県警察署の公式記録は回想している。
「戦略は、経験ある女性達の特殊業務を通じて、一般女性や少女等を守る為に防波堤を創り出す事だった」。

強姦魔の米兵から守るために、やむなく日本側は“合法的”な慰安施設(RAA)を作ったのだ。

古森記者の米軍を非難したい気持ちはわかるが、米軍命令によるものではなかった。AP通信記事には一言も書いていないことを、記者の思い込みで余計な一文を付け加えてしまったのである。単純ミスと見過ごすことはできない。思い込みで発信するなら「チラシの裏にでも書いておけ」なのである。「チラシの裏」の代わりに個人のブログというツールがあるではないか。

私自身はこの一件以来、記者としての古森さんを信用できなくなった。
しかし、個人としてブログで何を書こうがそれはかまわないと思っている。

優秀で専門的なブロガーでも、間違ったことを書くことはある。影響力のある「記者」だからといって、外部から批判するのは自由だが、訪問する人が直接攻撃的な態度を取ることは控えたほうがよいと思う。古森さんが「攻撃的」になるのは、「攻撃を受けた」と被害者意識を感じたからに他ならない。それ以上いじめては可哀想である。変なことを古森さんが書くから「指摘してあげている」と善意の気持ちであっても、古森さんがそれを「攻撃」と感じてしまうのは、指摘するほうにも礼を欠くなどの落ち度がある。

古森さんが被害者意識をもって、なりふりかまわず稚拙な反撃に出た時、その反撃に対して「正論で」再び叩くのは、あまりに大人げない行為ではなかろうか。「もう見ない」とさよなら宣言するのなら、もっと早く、「あ~この人のレベルは低い」と感じた時点で、相手に不快感を与えぬ段階で静かにおいとますべきだと私は思う。新聞記者のレベルは高くない。そんなことは百も承知ではないか。

古森記者、あるいは阿比留記者を批判するのは、記者という職業への過大な期待の裏返しなのだろう。私も阿比留記者のオピニオンには反論したいことがたくさんあって、ブログで批判し、TBを打ったこともある。でも、それ以上、相手を弱らせるまでご意見するのは、ブロガー同士として控えるのがマナーなのではないだろうか。

長くなるが、分けるのも面倒なので、一気に書いてしまう。

<日本の年金制度は修正積立方式>

古森さんが日本の厚生年金制度を“積立方式”と信じていたことを馬鹿にするようなコメントを読んだ。世代間扶助の“賦課方式”であることを知らないのか、と。

しかし、それほど馬鹿にするようなことなのだろうか。
私は日本の年金制度は、成り立ちから賦課方式であると信じていた。ところが掲示板で教えていただき、「修正積立方式」であることを知った。

その件については、当ブログに書いた。
2008/05/26
社会保障制度のためにも「国民議会」賛成

私のブログは「書いた」という証拠でリンクしただけなので、ぜひこちらを読んでほしい。
修正積立方式の意味

(抜粋)
日本でも、1944年に厚生年金保険法により厚生年金が積立方式でスタートした。1954年の新厚生年金保険法で修正積立方式へとあらためられた。

 修正積立方式とは、引退世代への給付についてはその時の現役世代から徴収した保険料でまかなうことを基本原則にしつつも、年金制度が成熟化(引退世代の人口の比率が高まったのち高位安定する)していないときに徴収する保険料の中の一部を将来の給付原資として積み立てておき、年金制度が成熟化したときに、引退世代に対する給付の一部をその積立金の運用収入でまかなう仕組みである。

 修正積立方式は、年金制度が成熟化していない間に積み立てられた積立金がバッファーとなって年金制度が成熟化したときの保険料の高騰を緩和するという利点がある。日本が修正積立方式を採用できたのは、当時の欧米諸国に比べて人口の高齢化が進んでいなかったため、現役世代の保険料で引退世代に対する年金給付をまかなってもなお積立金を積み増す余裕があったからである。

 いずれにしても、わが国において公的年金制度の財政方式として採用された修正積立方式は、賦課方式と積立方式の考え方の境界を曖昧にし、公的年金制度の様々な問題の本質を見失わせてしまったといっても過言ではない。

結論「賦課方式か積立方式かではなく、両方をどのように組み合わせるかが重要である」

積立方式で出発したので、年配の人は「積立方式」と思っている人が多いようだ。コミック誌を読んだ時にお年寄りが「自分が積み立てていたのに、もらう時になってなぜ遠慮しなければならないんだ!」と叫んでいたのを思い出す。作者も「積立方式」と思っていたのだろうか。

今後は、修正積立方式の曖昧さを整理し、解説にあるように「賦課方式か積立方式か、言い換えれば世代間の助け合いの精神か自己責任の精神のいずれに基づいて公的年金制度を設計するのが望ましいか、というはっきりとしたかたちでの議論」が行われるべきだと考える。

日本でも超党派の議員達が研究を始めている。参考になるのはこれ。

スウェーデン方式って何?

年配者が「積立方式」と信じるのは無理はないと理解してもらえるだろうか。また現役世代が「賦課方式」と言うのも当たってはいるが、制度の問題点を明確にする上では認識が足りないのである。

<子ども手当の是非>

「子ども手当」については、保守層は反対が多いようだ。
私が賛成する理由は、税の配分移動が必要だと思うからである。専業主婦を配偶者控除で優遇する必要はない。「必要だ」「差別だ」と窮状を訴える人は、いつでもどこでも消えることはない。どこかで線引きはしなければならない。「コンクリートから人へ」のスローガンは、方向性としては間違っていないと思う。

民主党の子ども手当では財源が足りないという問題があるが、所得制限は意味がない。政府は、財源捻出のために「小さな政府」作りにもっと真剣になるべきである。

日本には人への長期的な「投資」の意識が低い。これからは教育、つまり特に子どもへの教育投資を今の何倍もかけてやってほしい。子ども手当とは、教育投資とイコールと認識している。大前氏がなんの迷いもなく「子ども手当=教育手当」の前提で論評しているのを読んで、私の考えと同じだと肯いた。貧しい親が子ども手当を生活費にしても、それはそれ。

しかし、子ども手当がついたからといって、出生率が上がる保証はない。
保障の手厚いフランスが出生率が上がったのは、私生児を認めるなど、未婚の母に意識の上で市民権を与えたことが大きいと思う。このまま行ったら結婚制度や家族の絆は、時代遅れになってしまうかもしれない。性のモラルの低い国であればあるほど徐々に内面が蝕まれていく。子どもの情緒には大きな影響があるのである。

日本ではどうだろうか。結婚を選択しなくても女性が子どもがほしい時に体外受精で産んで、その後は国の保障で育てることができる、そのような社会はうらやましいだろうか。
「自分の性器はどう使おうと自分の勝手」、そんな価値観を植え付けるような性教育をジェンフリ左翼は行っているのである。大人になって未婚の母となり、子ども手当をもらって生活は助かるだろうが、性にルーズな女性にまともな子育てができるだろうか。きっと愛人をとっかえひっかえしながら、小さな子どもを邪魔に感じるようになるに違いない。

話がそれた…。

私の意識にはベーシックインカムがある。
大きな政府を国民が養ってきた。養わされてきたのである。蜘蛛の巣のように張った行政機構を解体しなければならない。天下り機関の増殖をストップするためにも所得配分はシンプルにする必要がある。肥大化した機構をスリムにするだけで、ベーシックインカムの額は飛躍的に上がる。

所得配分はシンプルに、そして資源配分は市場で行うことが原則である。

以上、IZAブログの古森記者の周辺で認識が混乱しているのでは?と思われる3点について、私なりに感想を述べてみた。

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2009年10月26日 (月)

「保守が左にウィングを広げる」とは「政府の大きな役割」を認めるかどうか。

今回は、政治的スタンスに関わる頭の整理整頓です。長文^_^;

サンデープロジェクトに竹中平蔵と榊原英資、大塚郵政改革・金融副大臣が出演。竹中さんは田原総一朗の番組くらいしか呼んでもらえないので、チャンスを逃してなるものかとしゃべるしゃべる。

亀井静香大臣の下の大塚さんは、尻ぬぐい役でちょっと気の毒だったかな。いやいや、大塚さんといえども「民営化は地方を疲弊させた」のバイアスがしっかりかかっているので、この機会にしっかり竹中さんの言うことを聞いておけ。

榊原氏は傑作だった。
亀井静香氏は「見直しはするけど、国営に戻すなんて一言も言っていない」と弁解するが、榊原氏は言下に「先日閣議決定されたものを読むと、(実質)国営に戻すということですね。民主党ははっきりそう言えば?」と。郵政民営化に反対だった榊原氏としては、民主党を応援するつもりで「国営化」と断定しているのだけれど、大塚副大臣は困っていた。

<新報道2001の世論調査>
斎藤次郎氏の社長内定についてどう思うか。
妥当な人選である                 27.4%
官僚出身者ではなく民間から登用するべき 61.8%

...となっていた。これで亀井氏の閣僚としての支持率はまた下がるだろう。(FNN調査・亀井氏は一人負けの20%台。前原国交相は70%台)

その後、反貧困ネットワーク、国家戦略室委員の湯浅氏が出てきたのだが、聞き捨てならないことが一つ。相対的貧困率調査結果が15.7%と高かったことを受けて、「竹中さんは2006年に『日本には貧困問題はない』と言っていたんですよね。しかし...」

こうやってウソがばらまかれる。
竹中氏はこう言っていたのだ。「一億総中流意識が続く中で、貧困率調査をする必要性を役所は感じていなかった。それではダメで、格差解消とは貧困問題なのだから、私は『貧困率調査をしろ』と何度も厚労省に言ってきた。しかし、役所は『貧困問題はない』という態度だった」

たしかこのような内容だったと思う。「貧困問題はない」と言っていたのは、役人なのである。「貧困問題」を“商売”にする人は、どうしてこうやって悪者を作っては自己正当化するのだろう。“商売”と嫌味に書いたが、それが別段悪いこととは思わない。将来、社会起業家が社会貢献しながらビジネスモデルを模索していく時に参考になることもあるだろう。しかし、ウソは言うな!

【追記】
竹中氏は、2006年06月16日付けの「朝日新聞」朝刊のインタビュー記事で「社会的に解決しないといけない大問題としての貧困はこの国にはないと思います。」と言っているそうです。たかさん、ソースをありがとうございます。

急激な雇用情勢が悪化したのは昨年秋以降のことであり、2006年時点では派遣切りなどの失業が「社会問題化」していませんでした。
この記事の前後の文脈がわからないので、どういった質問に対する答えなのかわかりません。しかし、湯浅氏は、竹中氏の持論である「経済政策とは雇用政策に等しいと言ってもよいくらい雇用問題は重要」という発言を知らないようです。2007年には、竹中氏は日経ネットPLUSにおいて以下のように書いています。

 一方で、様々な理由で生活が困窮している人々に対しては、国民として一定水準の生活が享受できるような"ケア"が必要だ。しかし日本では、そのための貧困調査や対策について、これまで十分な対応がなかった。少なくとも、包括的な貧困調査などを実施した事実はない。日本としては、格差対策ではなく貧困対策の実行によって、人々の不安に応える必要がある。

他にも竹中氏は「何度も厚労省に貧困調査をやれと言ってきた」と発言しています。湯浅氏が2006年時点の一言だけを取り上げるのは、バイアスをかけて不当に「竹中氏が派遣社員を切り捨ててきた」と聞く者を誘導しています。ゆえに私が「湯浅氏はウソを言うな」と書いたことは、訂正いたしません。

湯浅氏の話の中で、今後のヒントになることもあった。英国では、貧困率がブレア政権で8%にまで改善されていることについて。

英国はサッチャー首相の新自由主義路線によって英国病から立ち直った。政権が労働党に移っても、サッチャーの実績の評価の上にブレア政権は社会保障政策に取り組んだ。日本に置き換えてみると、小泉改革を進めた自民党から民主党政権に変わり、ブレア首相のリーダーシップに学べば良いわけである。しかし、小泉-竹中改革はいかんせん中途半端であったし、自民党も民主党も改革路線の全否定の上に弱者救済を前面に出したので、政策にまったく整合性がとれていないのである。

「(社会保障費を抑制した)小泉改革か社会保障か」のバカな議論にすり替えられてしまった悲劇は、成長なきバラマキとなって、日本をさらに借金地獄に追いやり、沈滞化させる。湯浅氏は少しはこのことを理解してブレア首相を評価しているのだろうか。政局中心の自民党と民主党は、こんな単純なことを理解せず、善か悪かの道徳論のような善悪二元論に矮小化してしまった。情緒に流され、プロフェッショナルの顔が見えない悲しさよ・・・。

なぜ日本の保守層がポリティカルコンパスでは米国保守とは逆の「大きな政府」志向になるのか。もう一度簡単におさらいしておこう。そうしないと、改革派の「小さな政府」が誤解を受けたままになって、議論が正しい方向に進まない。

カテゴリー「1940年体制(統制経済)からの脱却」を読んでもらえばわかると思うが、戦後、自民党の長期政権は革新政党の役割を同時に担ってきた。55年体制以降、保守・革新の対立軸というより保守・自民党が革新のお株を奪ってきたのである。

本来、社会主義に対立して自由主義を標榜する“保守”は、小さな政府でなければならない。しかし、保守政党による日本型社会主義が成功してきたことにより、保守が革新と親和性を持つようになったのである。

その成功体験のノスタルジーから脱却できないことが“保守”の限界となっている。必然的に「大きな政府」の官僚主導を是認する。強い経済は、官僚主導の産業政策が最も効果的と信じている人達である。マーケットが国境を越えて、世界規模に広がっていることを感覚的に理解できない。ゆえに“内需拡大”は鎖国経済で成り立つと、情緒的に思考してしまうのである。それが城内実氏や稲田朋美氏らに代表される“真正保守”を名乗る人々である。

では、本来の「小さな政府」を求めていけば明るい展望が拓けるかというと、そうではない。なぜなら低成長時代には格差が助長されることは自明であり、貧困問題の解決のために社会保障の充実が叫ばれることは避けられないからである。

整理すると、「小さな政府」を支持するのは正統保守であり、真正保守は統制経済を引きずる勘違い保守と言えようか。あるいは理論vs.情緒である。

ただし中道とか穏健と自覚する人達も含めると、保守とは「伝統文化を守る」という緩やかなくくりで捉えたほうが良い。そうしないと無益な対立を生んでしまう。なんといっても日本型社会主義が刷り込まれた保守にとっては、「大きな政府」に馴染んでいるからである。そしてまた時代の変化によって、価値観も緩やかに変わっている。リベラルな部分も許容しているのが、今日の保守の姿かもしれない。

私自身の感覚では、「内的な(疑似)君主国家」と言った時にすんなり受け入れることができるかどうかが基準となるような気がしている。行政形態より精神性の問題であろう。

さて、具体策に戻ると、改革の全否定から始まるような間違った議論は捨て、日本はサッチャー改革、そしてサッチャリズムに“社会正義”を加味したブレア、ブラウンに倣うのがベストだと思う。

たとえば昨今の医療改革について。
英国は医療保険が存在せず、医療はすべて税金によるので、無料で受けられる。その結果、病院に患者が殺到して必要な時に必要な診療が受けられない事態が起こっている。米国が今から医療の皆保険制度を構築しようとしているのと対照的である。日本はその中間ということになろうか。

英国は、医療待機者問題を改善するべく医療の市場原理・競争原理を導入する改革を進めるのだという。参照:「公平・無料・国営を貫く英国の医療改革」 医療機関に情報公開や評価制度の義務づけを認めさせたり、保険者機能の強化や地方分権、権限移譲改革が進められた。
日本では診療報酬明細書のオンライン請求を義務化するかどうかで侃々諤々の議論をしているが、英国の改革をもっと研究してみたらいいだろう。

このように、先進諸国は「社会保障の充実」が今後最も重い課題となる。社会保障の面では保守も革新も「政府の大きな役割」に期待せざるを得ない。そこにどう競争原理を取り入れるかという制度設計が求められるのである。

米・タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたティモシー・ガートン・アッシュ教授は、フォーサイト誌のインタビューを受けてこう言っている。

(質問)ドイツの総選挙で「中道右派」連立政権ができたが、これは何を意味するか。

ガートン・アッシュ 経済が悪化すれば社会政策の強化を訴える左派が強いはずなのに、結果が違ったという意見がありますが、実際に人々が投票したのは「社会民主主義政党」です。メルケル首相率いるキリスト教民主同盟は「中道」を標榜しているかもしれないが、政策の中身を見れば古典的には「左翼的」と呼ばれるような社会保障政策を打ち出している。これは、フランスのサルコジ大統領然り、イギリスの保守党然りです。
 今年六月の欧州議会選挙で移民排斥機運の高まりから「右派」が躍進したという言い方があったが、実態はそうではない。有権者は「左に寄った中道右派」に投票しているのであって、極右政党が票を集めたわけではありません。

中川秀直氏が岸信介氏の言葉を引用して、支持拡大のために「左にウィングを広げる保守」と言ったとたん、「左翼に迎合するようなことを言うのは保守ではない」(大意)と中川氏を左翼的と批判した櫻井よしこ氏を思い出した。

ここまで忍耐強く読んでくれる人は、私の言いたいことをくみ取ってくださるだろう。

「社会不安」を鎮めるには、保守でも革新的な理念を取り入れることが時代の要請であるし、革新でも競争原理や市場を無視しては政策を論じられなくなっているのである。

理念の違いを超えて、もともとが寄り合い所帯の民主党が国民新党や社民党と連立を組んで、それなりに妥協点を見出しているのは、時代の象徴でもあると感じている。もちろん政治的妥協の産物ゆえの危うさをはらんでいるのだが。理念の違う者同士のテストケースと言うと語弊があるかもしれないが、保守と革新は、今後は純化路線を取り得ないことも意味しているのではないか。それが価値観の多様性を受容する時代的背景というものかもしれない。とはいえ、社民党のレベルがあまりに低いので、革新とカテゴライズするのも恥ずかしいくらいであるが。

みんなの党にしても是々非々で民主党と連携するケースがあるだろうし、自民党と政策ごとに手を組むことになるだろう。みんなの党は、私が考える「正統保守」として、「小さな政府」を目指すと同時に「政府の大きな役割」を提言し続けてほしい。

「小さな政府」派にとっては、「霞ヶ関改革」が一丁目一番地であることは言うまでもない。

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2009年10月25日 (日)

こんな日本に誰がした。一億総乞食か

なんだか政治ヲチのモチベーションが急降下中。
腹が立つとブログでうさ晴らしをしていたけれど、そんなものでは追いつかないほどの不快感が押し寄せてくる。

みのもんたの朝ズバで、生活保護費を26万もらっている母子家庭の母親が、麻生政権下で母子加算手当を廃止されたことに怒り、「小泉純一郎を絶対に許さない」と言っていたそうだ。小泉時代に見直されていたことだから小泉さんに怒りをぶつけるのはいいけれど、医療費など無料にしてもらった上で26万の収入といったら、それ以下で子供を育てる家庭はゴマンといるわけで…。

テレビで何を見ても、最近は「生活苦しい。小泉のせい。カネよこせ!」ばかり。でも、母子家庭や失業者が飢え死にしたという話は聞かない。窮状を訴えるお母さんは、よく肥えていたりする。ハンバーガーばっかり食べているのかな。太ったのも「小泉のせい」?(笑)

テレビだけ見ていると、日本人はみんな飢え死にしそう。テレビに映るのは小汚い格好をした生気のない若者ばかり。社会に出ればウツ病にかかるのがお約束。日本列島が病気にかかっているようだ。

民主党「はい、我々がなんとかしましょう」「皆様のご要望にお応えして95兆円積み上がりました」
亀井静香「まだ足りない。中小企業の公共事業を増やせ。予算は100兆円必要だ」「談合は復活させろー」

陰気な顔をしている香山リカは「努力しなくていい。ウツになるのは努力しようとするから。勝間和代の真似をしなくていい」(大意) 彼女の文章は、引用するともっとむかつく。マスコミはつくづく日本人に頑張ってほしくないらしい。



この脱力感はなんだろう。
日本人には慎み深さとか忍耐とか徳を積むというような美徳はなくなってしまったんだろうか。藤原正彦氏らによると、それもこれも小泉のせいらしいけど。もっと酷い言い草を読んだことがあるけど…。小泉はバカだから竹中に繰られていただけで、竹中は卑怯者。子供にはあんな大人になっちゃいけない、とか。バカはおまえだ。

マスコミに煽られて「小泉元凶論」が定着したように見えて、小泉人気が健在なのは何故?講演会ではいまだに人が殺到し、小泉さんの話しに熱心に耳を傾けている。「小泉改革は民主党が引き継いでいる」と小泉さん自身が語っていたのは、実は「自民党こそ中央集権と族政治から脱却しようともしない」ことを皮肉っているのではないか。

戦後間もなくの頃、母子家庭の母親が病気でどうしようもなくなり、国から生活保護を受けて子供を育てた。そして病気が治って再び働き出した。子供が自立し、年老いてから、国に援助してもらったことを感謝し、「お国から借りたものは返さないと死ぬに死ねない」と、生活保護で受けた金額を国に返したというエピソードを読んだことがある。

「国に養ってもらうのが当たり前」「愛国心を持つと“軍靴の音”が聞こえてくる」「自己責任を問う社会は弱肉強食」、そんな国民を甘やかす民主党。自らの責任や義務を放棄し、こんな無責任な「国に寄生する」体質を作ってきたのは何がいけなかったのだろう。いつから権利ばかりを主張する国民になったのだろう。

国家主義の真正保守は、革新と表裏一体の官僚天国の守護者であった。中央集権の大きな政府作りに邁進する。公務員が悪いのではない、公務員天国は高度成長期の徒花だったのだ。長きにわたって親方日の丸を「保守」する体質になってしまった。責任の所在を曖昧にしたまま、かつて美濃部都政は公務員を増やしに増やして莫大な借金を作った。保守も革新も日本では「大きな政府」主義だったのである。

いまや日本の真正保守も革新も日本をダメにする寄生虫でしかない。小林よしのり氏と城内実氏の対談などを読めば、理念を弄ぶ“社会主義者”でしかないことがよくわかるだろう。



民主党にはあきれ果てることが多いが、自民党は問題外になりつつある。肥大化政府主義の真正保守と「強い経済で日本再生する」政策を掲げる改革派が分裂しなければ、自民党は三すくみのまま干上がるだろう。独りよがり真正保守・小さな政府の改革派・利権によって立つ族が、ばらばらな方向を向いたまま同じ墓に入るのである。

自民、政権攻勢着々と しかし、郵政は…
10月21日22時56分配信 産経新聞

 自民党は21日、各部会長らで構成する「政権政策委員会」(委員長・石破茂政調会長)の初会合を党本部で開き、臨時国会での論戦に向けた準備を本格化させた。インド洋での海上自衛隊による補給活動の延長法案を党単独で提出する方針を確認するなど、政府・与党内で足並みが乱れる外交・防衛政策を中心に、鳩山由紀夫政権に揺さぶりをかける狙いだ。一方、郵政民営化の見直しは、党内の賛成派に引っ張られる懸念もある。

(略)
 一方、政府が20日に閣議決定した「郵政改革の基本方針」をめぐり、自民党執行部は「公社化を進めようとするものだ」(大島理森(ただもり)幹事長)と反発するが、党内では、地方でのサービスが低下したことなどを理由に政府方針に賛同する意見も少なくない。

 民営化の大幅見直しを求める議員連盟「郵政研究会」(代表・山口俊一前首相補佐官)は22日、幹部会を開き、今後の対応を検討する。地方出身議員の一人は「政府方針には賛成できる部分が多い。小泉純一郎元首相もおらず、遠慮することはない」と話す。

 こうした動きに、政調幹部は「党内を再び二分しかねない」と頭を抱える。政府が臨時国会で提出する日本郵政グループ各社株式の売却凍結法案の対応も未定。政府の基本方針も「問題点を指摘するだけにするのが無難ではないか」(同)との声も漏れる。

郵政民営化の後退を追及することもできない自民党に用はない。郵政研究会は、真正族である。期待のみんなの党は、民主党の国会軽視の独裁によって代表質問の機会すら与えられない。



郵便局の顧客満足度、69.5%に上昇、ATM台数などには不満
2009年6月8日

 日本郵政が2009年2月に顧客へ行ったアンケート調査によると、郵便局などの店舗や窓口応対に「満足している」という回答は69.5%と、2008年5月に行った前回調査の結果(67.3%)から2.2ポイント上昇した。
 従業員のあいさつや店舗の場所の便利さなどに満足しているとの回答が増え、それぞれ7割を超えた。一方、ATMの台数に不満があるという人は50.2%で、前回調査から3.6ポイント減ったものの引き続き半数を超えた。
 民営化前と比べて店舗や窓口応対などが「良くなった」という回答は43.0%と前回から3.9ポイント上昇したが半数に届かず、「どちらとも言えない・変わらない」が50.2%だった。「悪くなった」は0.8ポイント低下して6.9%。
 調査は2月18―24日、郵政グループを月1回以上利用している20歳以上の顧客6758人を対象にインターネット上で実施し、約65%に当たる4380人から有効回答を得た。回答者の居住地域は東京23区や政令指定都市、人口10万人以上の都市が70%を占める。

僻地でも郵便局は減っていない。郵便配達人に郵便貯金を下ろす「お使い」を頼んでいたお年寄りは一体どのくらいの数いたのだろう。そのお年寄り達は銀行は利用していなかったのだろうか。分社化後、ゆうちょBKに電話して、営業マンに「お使いを頼む」という選択肢はないのだろうか。

ごくごくわずかな不便を感ずる人達の声を増幅させて、繰り返し報道するのがマスコミの常套手段なのである。本当の弱者はテレビの取材を受けることはない。そもそも自分を弱者と思うことなく日々の暮らしを頑張っているのである。

こんな日本に誰がした。
一億総白痴化とからかい半分に警鐘を鳴らしていた時代は通り過ぎ、すでに一億総白痴と化してしまったのかもしれない。自覚症状もなしに…。

◇日々是語草◇
いぢめられてるみんなの党

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2009年10月22日 (木)

元大蔵事務次官・東京金融取引所の斎藤氏が日本郵政社長に内定。財務省の一人勝ち

東京金融取引所の斎藤次郎社長が日本郵政社長に内定。元大蔵省事務次官。

財務省の一人勝ちキター。わかりやすすぎて笑うしかない。
民主党サイドは「天下り人事じゃない」と強弁しているが、民間にもいたということは、政府主導の立派な「ワタリ斡旋」ではないか。厚顔無恥もここまで来るとアッパレである。

時事通信より
旧態回帰なら国民利益損なう=日本郵政人事に懸念-生田氏

 生田正治元日本郵政公社総裁は21日、日本郵政次期社長に元大蔵事務次官の斎藤次郎氏が内定したことに関し、「単なる旧態回帰、実質的な再公社化や特殊法人化へつながるならば、国民全般の利益を大きく損なう」と懸念を表明した。
 生田氏は「過去のしがらみや既得権を断つ、官僚の天下りを認めないなどとする民主党の基本方針が、(先の総選挙で)国民から支持された」と指摘。その上で、「なぜ郵政問題だけがまったく逆の対応なのか」と不満を示した。(2009/10/21-13:42)

生田元総裁は、郵政のコンプライアンス違反をどれほど苦労して正してきたことか。郵政は再び半官・半民の状態に置かれ、ベールがかけられてしまう。正確な事実関係を無視して西川社長叩きに走っていた報道ステーションも、さすがに「民から官へに逆行」「財務省支配」と報じていた。

「民間企業の経営から財務省主導の郵貯・簡保資金の運営型へ」ということで、銀行法が適用されない政府の財布に逆戻り。国の税収に貢献する民間企業から政府が保護する親方日の丸経営へ。西川社長が整理した天下りの郵政ファミリーも元の木阿弥。不祥事に蓋をされて知らぬ間に国民資産は大きな政府に使われる。

財務省の思惑はすでにブログに書いたので、付け加えることはなし。
財務省の前に郵政官僚敗れたり

長いので、再度要点のみ書く。

民営化反対派vs.賛成派 の構図には、もう一つの側面がある。
それは財務省vs.総務省(旧郵政省)の「省利省益抗争」である。

捨て身の総務省リークによって西川社長降ろしが仕掛けられた。鳩山邦夫に知恵を付けたのは旧郵政系のトップ・鈴木康雄・総務審議官。
丹呉泰健(現財務省事務次官)は、麻生政権に働きかけて鳩山邦夫の乱を鎮圧した。

時を移さず政策投資銀行の完全民営化を阻止し、手中に収めることに成功した財務省は、公的資金投入に欠かせない「郵便貯金と簡易保険合わせて338兆円」に狙いを定めている。

そこへ今度は亀井氏が政治主導で大蔵省の元事務次官を連れて来てくれたというわけだ。しかも金融にコネを持つ大物が天下るというのだから、笑いが止まらないだろう。

返済猶予企業に新保証制度=経産省

 経済産業省は21日、返済猶予を希望した企業に対して信用保証協会が金融機関融資額の4割を保証する新たな信用保証制度「条件変更対応保証」を創設すると発表した。金融庁は返済猶予制度を導入するが、金融機関は貸し倒れリスクから同制度の利用に消極的とされるため、一定額の保証を通じて活用を促す考えだ。(2009/10/21-23:26)

こちらも要注意。市場の透明性のルールを無視し続けると、モラルハザードを起こす。結局際限なきツケは国民に回されるのである。

日本郵政をJALの二の舞にさせてはならない。

◇日々是語草◇
ドクターZ、JAL再建について語る

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2009年10月20日 (火)

サプライサイドの重要性-池尾和人教授

竹中平蔵氏がサプライサイドの生産性を高めることが重要と言うと、需要が減っているのにずれているという反論が来る。
池尾教授が明快に説明してくれているので、紹介しておく。

「政治家・官僚・ジャーナリストが囚われている“古い経済思想”とは何か」~池尾和人・慶大教授に聞く(上)
http://member.diamond.jp/series/tsujihiro/10066/?page=3

―現在の世界標準の経済政策がサプライサイドを重視するのは、なぜなのか。

 よりよいものをより安く効率的に作る能力が高くなる、つまり生産性が高まらないと、社会は豊かになれない。いくら輪転機を回しておカネを刷って配るという究極の需要喚起策をおこなっても、それだけで豊かな社会が実現できないのは自明だ。
 それを原始ケインズ主義者は忘れている。例えば、不況になるとものが売れず、生産過剰になるから、供給能力を向上させたら、さらに需給ギャップが拡大して不況が悪化する、などと言う。だが、それは今日だけを見て、明日を見ていない者の誤りだ。十分な資本の蓄積を怠ると、もの作り能力、供給能力は知らず知らずのうちに劣化してしまう。
 その罠にはまったのが、1970年代の米国だ。ベビーブーマーが社会に出始め、安い賃金で大量の雇用を行う一方で、研究開発投資や設備投資をサボってしまった。供給能力が低下しているところに、オイルショックが襲い掛かった。ものを作れる能力を低下させていることに気がつかずに、ペーパーマネーに頼った需要喚起策に走り、前述したスタグフレーションに突入したのだ。
 繰り返すが、イノベーションを起こせるほどもの作り能力の高い社会でなければ、私たちは豊かになれない。

http://member.diamond.jp/series/tsujihiro/10066/?page=4

―原始ケインズ主義者と原始古典学派がいまだに対立している日本は、世界の経済思潮に大きく立ち遅れているということか。

 そうだ。問題は、そうした古い発想では、不況の本当の原因を突き止められないことにある。いかなるコーディネーションの失敗で不況に至ったのかを正確に診断しなければ、対処方法を間違ってしまう。
 前述したように、サプライサイド、もの作り能力が維持されている場合は、ポテンシャリテイが堅持されているのだから、政府が需要喚起策を行えばよい。そうではなくて、70年代の米国のようにもの作り能力、供給能力が劣化している場合は、潜在成長率が低下しているのだから、政府が需要を喚起しても、いたずらに財政赤字が拡大するだけで何ら効果はない。どちらも不況だが、原因は違う。その正確な診断が、原始ケインジアンがはびこる日本ではできないことこそが問題だ。

_____(以上抜粋)

<ポイント>
「十分な資本の蓄積を怠ると、もの作り能力、供給能力は知らず知らずのうちに劣化してしまう」

「70年代の米国のようにもの作り能力、供給能力が劣化している場合は、潜在成長率が低下しているのだから、政府が需要を喚起しても、いたずらに財政赤字が拡大するだけで何ら効果はない」

サプライサイドの問題とは、雇用供給できるポテンシャリティの問題だということ。持続的な研究開発投資や設備投資が潜在成長率を高める。時代の要請をキャッチするには、前例主義の霞ヶ関の発想では追いつかなくなっているのである。自民党が懲りもせず続けてきた旧態依然の需要喚起策は「一時しのぎの連続」でしかなかった。

「国債発行イケイケ」の財政拡大派も「財政硬直化」の危機認識を持つ財政規律派も「経済成長を高めなければならない」ことは一致するのだから、政府がどこに何を分配して成長戦略を描こうとしているのか、しっかり監視しなければならない。本来は「国家戦略局」がエンジンとなるべきだったが、菅さんはまるで窓際室長である。

安倍政権が終わってからというもの、政治主導の 構造改革はストップしてしまった。
ふくらみ続ける社会保障の充実は、税収を上げることでしか補えない。逆に言えば、税収が落ち込む時は手厚い給付は無理です、と政府は国民を説得する勇気を持ってほしい。

国が大規模な産業振興を主導する時代は終わった。国が関与するとしたらソフトパワーや、社会貢献と一体となった社会起業家を応援することではないか。

そしてものづくりの基盤となるイノベーションを推進するための施策は、需要喚起策以上に研究開発投資をファンドを利用するなどして資金を投入していくことである。米国などに比べて、日本は話にならないくらい研究開発費が少ない。海外から投資を募ることも重要である。日本人は短期決戦が得意であって、わりあい長期戦が苦手である。長期的な成長戦略が欠けているのは、そんなことも関係しているのかと思ったりする。「まじめにやっていれば報われる」「国は報いるべきだ」という現世御利益的発想になりがち、と言ったら言いすぎだろうか。――井沢元彦氏は「正直の頭に神宿る」について、「日本人はすぐ良い結果を与えられるべきだ」と発想しがちであると解説していた。

目に見える給付も大事だが、国民が長い目で投資をして、民間のイノベーションを育てていくことを国が手助けしていく方向にならないものか。長期的視点に立つ政府系ファンドはもっと議論されてよいと思う。海外からファンドマネージャーを呼ぶ方法もある。しかし、「まじめにやっていれば国は報いてくれる」なんて素で信じている保守層は生理的拒否反応を起こすだろうなあ。産経webにあった稲田朋美氏の「保守の定義」を読んだら絶望的な気分になってしまった。(参照:【正論】衆議院議員、弁護士・稲田朋美 保守の旗を立て道義大国めざす

自民党が地域エゴ、業界エゴの言いなりに補助金漬けにして、生かさず殺さずやってきた政治から脱却することが求められている。民主党にはそれができるだろうか。

◇日々是語草◇
J.アワー氏の正論「日米関係への鳩山政権の誤解」

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2009年10月19日 (月)

北方領土問題は「4島一括返還」か「2島先行返還」か

北方領土問題について、櫻井よしこ氏らは「2島先行返還」論の佐藤優氏や鈴木宗男氏を「ロシアの代弁者」であるかのように批判しているが、かなり誤解があると思う。

「謀略好きのロシア」(by佐藤氏)は、麻生政権下でビザなし交流の合意を破った。なぜなら2009年7月に可決された法案に「北方4島は日本固有の領土」と書かれていたことによる抗議の意思表示であった。日本人の択捉島への上陸を阻止した行政長は、「択捉島はロシア固有の領土なので、日本との平和条約交渉の対象にはならない」というロシア政府のメッセージを実力行使で表したわけだ。(佐藤優氏SAPIOの連載参照)

メドべージェフ大統領は、その後、北方領土問題について「日露間の平和条約締結後に日本に歯舞群島と色丹島の2島を引き渡す」とした56年の日ソ共同宣言をもとに交渉を続けていく考えを明らかにしている。つまり56年の日露合意に押し戻したのである。ロシアにとっては麻生政権の“強硬姿勢”が「騙された」という感情を誘発し、その結果、佐藤氏は「ロシアが日本を謀略にかけようとしている」と分析している。そのとおりだろう。

そこから戦略的な駆け引きが始まるのだが、おさえておかなければならないことは、日ソ共同宣言が決して2島返還について合意した文書ではないということ。この文書は、あくまで「帰属問題が解決していない」ことを前提としている。佐藤氏は、ロシア側が「北方領土問題は56年合意に基づく」と主張するならば、日本政府は「日ソ共同宣言が2島返還論であるという自縄自縛から抜け出して交渉せよ」と言っている。

共同宣言に署名した鳩山一郎氏を念頭に、ロシアは鳩山由紀夫首相に期待を寄せているわけだが、日本側としては「2島返還で解決する」ことはあり得ない。なぜなら当時の鳩山一郎氏は、国後島、択捉島を含む4島返還に固執したので、平和条約を締結せず、共同宣言という変則的な形で日ソ国交回復がなされたからである。

平和条約が締結される条件は、領土、国境に関する係争を解決しなければならない。

ここで領土問題の解決とは何かというと、国家の完全な主権回復である。戦後、奄美、沖縄、小笠原は米国が施政権を握っていたが、潜在主権は日本が有していたので、米国とは平和条約を締結できたのである。ロシアとは領土問題が解決していないので、領土問題を先送りする形で国交回復を果たしたわけだ。

佐藤優氏は、外交戦略として「4島一括返還」を前面に出すのではなく、ロシアの施政権は認めつつ「領土問題とは北方4島の帰属に関する問題である」という日本政府の立場に揺らぎはないことを、改めて民主党政権にも確認しているのである。

重要なのは、歯舞群島、色丹島について、ロシアは平和条約締結後に日本に引き渡すことを共同宣言で約束しているのだから、日本の潜在主権が確認されていることである。

では、国後島、択捉島の主権(潜在主権)を確認するにはどうすればよいか。

外交交渉の方法論として、1,歯舞群島・色丹島を日本に引き渡す交渉 2,国後・択捉の主権を日本が持つことの確認交渉を分けて行ってもいいというのが佐藤氏の提案である。

森喜朗首相とプーチン大統領が署名したイルクーツク声明は、このような形の現実的・段階的北方4島返還論であった。あくまで4島の帰属(潜在主権)は日本にあるという立場に変わりはない。

どうだろうか、佐藤氏への誤解は解けただろうか。

佐藤氏が腹を立てているのは、一歩でも前に進めるべき現実的な交渉を無視して、「北方領土ビジネス」で金儲けをする人達がいることである。「4島一括返還」という冷戦時代のスローガンをあえて強調することによって、ロシアを挑発し、ロシアが外交交渉に応じないような状況を作り出し、北方領土ビジネスの利権を保全しようとしている輩がいる、と。鳩山政権は、このような利権集団を解体しなければ交渉が前に進まないと佐藤氏は憂えているのである。スローガンに乗せられている人達は「善意の人達」=利権があることを知らない人達であろう。

「善意の人達」が強いスローガンに乗せられるというのは、北方領土問題だけではない。拉致被害者の家族会を取り巻く一部の人達に対し、似たようなものを感じ続けて今日まで来てしまった。善意の人達は、誰にも否定できない正論と現実的な交渉は別物であるという認識がない。

私は「国家主権の侵害」という正論を否定しているのではない。一刻も早く取り戻す方法論の違いなのである。挑発すれば解決するならこんな楽なことはない。家族会の方達が、事態が動かなくても「北をこらしめるほうが先だ」と言うのなら何も言うことはない。しかし、無為に時が過ぎ、ここまでこじれてしまえば、あとは制裁をやり抜くことしか道はないかもしれない。北朝鮮は、今は米国との関係改善にしか興味がないのである。

・北方領土問題では、4島帰属を貫きながらロシアが潜在主権を認める2島を先に取り戻すのか。あるいは「4島一括返還」以外認めないのか。
・拉致問題では、被害者全員の奪還を貫きながら、北が「返す用意がある」とする一人でも二人でも先に取り戻すのか。あるいは「全員帰国」以外認めないのか。

繰り返すが、前提は同じであって、方法論の違いだけである。謀略国家との戦いは、こちらも相応の腹黒さを持たなければならない。外交は正義では動かないのである。

前原国交相が洋上から国後島などを視察し、(笑みを浮かべながら)「まさに不法占拠」「4島を取り戻さなければならない」と国内向けパフォーマンスをしていた。かつて小池百合子氏が担当だった時にも洋上から視察していた。しかし、小池氏はここまで強い言葉でメッセージは出していなかったように思う。どうだったかな…?「ロシアの不法占拠」はすでに国会で決議までされているのだから、前原氏は何も間違ってはいない。しかし、専門家会議で領土問題が俎上に上るかもしれない時にあえてロシアの態度を硬化させる必要があるのかどうか。

挑発行為が良いとも悪いとも言わない。正義感の強い国民には拍手され、支持率アップに貢献するだろう。しかし、責任ある政府としては、国民に媚びる必要はない。実のある「外交交渉」をしてもらいたいものである。

参照:日米ロが専門家会議=来春、安保問題で討議

 専門家会議の意義について、ロシアのミヘーエフ世界経済国際関係研究所副所長は「日ロ領土交渉の行き詰まりが続く中で、ロシアは対日関係の『リセット』を望んでいるが、多くの問題に米国が関与している以上、日ロの対話だけでは十分ではない。3カ国の専門家の自由な討議の中で、領土問題打開の糸口が見つかる可能性もある」と指摘している。

ロシア自身も北方領土問題は重荷となっている。日本の潜在主権を認めさせればロシアの施政権を奪わない方法など、とりあえず妥協できる一致点を模索することはできると思う。

◇日々是語草◇
小沢幹事長主導の国会改革は、党人への言論弾圧

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2009年10月18日 (日)

日露原子力協定を結んだのはいいけれど

ついったーに行く前にブログ更新しないと、また流れちゃう。明日の分も予約しておこ。

小泉純一郎氏は、引退後にロシア外交に意欲を燃やしている。北方領土返還に影響力を行使して歴史に名を残したい思惑がドーノコーノ」というニュースを読んだ。

小泉元首相は、森元首相のイルクーツク合意を進展させようとしたが、うまくいかなかった。麻生政権下で「4島にこだわらない」という意味の含みを持たせたメッセージを発しているし、今後はフリーの立場で役に立つことがあれば…という思いもなきにしもあらずだろう。

一方で、小泉氏が意欲を持っているのは、特に財界とのパイプを生かした産業振興である。財界人を連れて訪ロし、交流活動を内外に印象づけていた。今年5月にプーチン首相が来日した折、小泉氏とも会談している。その時、麻生政権で締結されたのが日露原子力協定だった。

プーチン首相来日時に日露原子力協定を締結へ 核燃料依存に一歩

 ロシアはウランの濃縮で世界の4割に及ぶシェアを占め、技術・設備面の潜在力が大きいとされる。日本としては、世界2位の埋蔵量を誇るカザフスタンで調達されるウランの濃縮をロシアに委託し、新たな核燃料供給源を得たい考えだ。また、英仏に保管されている回収ウランの再濃縮に道筋をつけ、ロシアを加えた新たな核燃サイクルを形成する構想もある。
 他方、ロシアは東芝など重電メーカーの原発技術に関心があり、日本企業との技術提携で原発建設の国際競争力を高める思惑だ。
 被爆国の日本は協定交渉の当初から、IAEAによる関係施設への厳格な査察を協力の前提としてきた。ただ、ロシアでは軍部を中心に査察受け入れへの抵抗があり、近年は核保有5カ国の中で唯一、IAEAの保障措置が実施されていない。このため、今後のロシアとIAEAの交渉によっては、日露協力の範囲も限定的となる可能性がある。

ところが、案の定というか、ロシア国内でIAEAの査察の受け入れ体制が遅れている。核物質の計量管理や監視カメラ、査察要因の養成が進んでいないとのことだが、日本側としては肩すかしを食らった格好である。

フォーサイト11月号より
東芝はロシアのウラン燃料会社テクスナブエクスポート社と濃縮工場建設などを想定した協力覚書に調印。中部電力も同社と2022年まで低濃縮ウランを長期購入する契約を結ぶなど、両国の業界はにわかに活気づいていた。

CO2削減問題には原子力産業推進が欠かせない。CO2が発生しない水力発電も見直されているというけれど。日本の財界がロシアのウラン濃縮に目を付けたのはいいが、相手がロシアでは一筋縄ではいかないようだ。

>>明日に続く
北方領土問題は「4島一括返還」か「2島先行返還」か

◇日々是語草◇
日米中の正三角形外交はあり得ない。

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2009年10月15日 (木)

(株)シムドライブに期待。イノベーションは「社会起業」モデルから

尊敬するエコノミストが「自家用車に環境税を」と言い出した時には、心底落胆した。あんたは小池百合子か(笑) とはいっても、今後も氏のオピニオンで勉強させてもらうことには変わりない。基本的に賛同する識者であっても、100%正しいことはないと思うので、知識のない素人は多くの識者の意見を読んで判断するしかない。

落胆した識者については、以前、「批判するだけならバカにもできるよ」と失礼なことを書いたことがある。「分析としては正しいが、対案を構築する能力がない」と思ったのである。その後、「成長戦略」が必要と書いてくれてほっとしたものだが、残念ながら規制緩和の他に具体策はない。それどころか産業振興の「ミクロ政策」には懐疑的である。あれもだめ、これもだめ、ではどうするのか、その時に微妙にぶれるように感じる。

そこへ「環境税」と、産業振興と逆行することを言い出したのだから、この人の成長戦略とはしょせん学者の机上の空論であると確信した。雇用政策についての論も、竹中氏が今まで繰り返し訴えてきた内容である。もちろん優秀な人の言論は勉強になるので、尊敬している。たぶんに性格的な違和感なのだと思う。少なくとも私は理論武装と共に現場主義の「目の覚めるような対案」に期待する。【追記】原丈人氏への批判を読んで、やっぱり学者は知りもしないことを独断でダメと論ずるのだなぁと思った。思ったというより頭に来た!



政府と目的を共有するはずの日銀が、手段の独立を担保に大胆な金融緩和策を取らないことについて、(新古典派?)の識者の多くは批判している。しかし、「環境税」の人は不況においてもリフレ策には懐疑的。ところが、マンデル・フレミング・モデルは当たっていると言う。ノーベル経済学賞(正式な名称ではない)を得たこの法則は、変動相場制における金融の量的緩和策が「金利低下→資本流出→為替レート下落→純輸出増加→所得増加」をもたらすという理論である。金融政策が中立的な時に積極的な財政政策を実施すると、所得増加→金利上昇→資本流入→為替レート上昇→純輸出減少となり、所得増加を相殺することになってしまう。(金融用語辞典より)

高橋洋一氏は、民主党の金融政策への反論として、マンデル・フレミング理論で対抗していた。その時民主党は、預金者のために金利を上げる政策をとるべきと主張していたのである。雀の涙の利息をもらって日本の産業を殺してはどうにもならない。

「高速道路無料化」は識者には評判が悪い。識者達がそう言えば、経済に関心の強いブロガー達も同じ意見になる。私は「高速道路無料化」には賛成である。「農家への戸別補償」にも大賛成である。だからといって民主党の案に賛成なわけではない。
「高速道路無料化」「農家への戸別補償」については、後日改めて。



自動車関連産業には大いに期待する。環境問題を考える上でも、エネルギー革命は必ず起こさなければならない。革命ほどではなくても、電気自動車なら手が届くところに来ている。

国としてやるべきことは、「カーシェアリングを進める」?アホクサ。地方にとっては 靴 のようなもの。でも、「自家用車がないと不便な人はゴマンと居る」なんて当たり前なことはもう言わないよ。車使用の多様性は、地域の要請によって、地域住民がすでに知恵を出し合い、進めていることなのである。

宅配も進む。ゆえに国がやるべきことは規制緩和、これがすべて。「官から民へ」はお題目に終わってはいけない!郵便事業のペリカン便との統合はどうなった?国が邪魔しているではないか!(怒)。オーストラリアからのコメの輸入は郵便小包じゃなければダメなんてバカな保護規制はやめろ!また話がずれていく…。

電気自動車実用化は、あと20年くらいはかかるのかな?と疑心暗鬼であった。リニアモーターは、実用までいったい何十年かかっているのだろう。

Voiceの「エコ製造業」繁栄論を読んで希望を持った。清水浩慶應義塾大学教授は、シムドライブ社長でもある。この会社は電気自動車の普及を目的として、電気自動車メーカーやあらゆる関連企業に情報提供を行う。

情報提供の方法はオープンソース方式をとるという。画期的なことである。誰もが加入し、開発が進み、主要技術のインホイールモーターが大量に売れたらわずかな金額のロイヤリティーをわずかな期間いただくことをビジネスモデルとしている。

これこそが今世紀末までを見据えた「社会起業」のモデルではないか。国の干渉は邪魔なだけである。ミクロ政策は重要ではなくなった。マクロ政策も国際化によって今までのパターンどおりにはいかなくなっている。非常に難しい時代ではあるが、最低限、原始ケインズ主義者にはお引き取り願いたい。

イノベーションはますます重要になってくる。後進国との援助を主体にしたビジネスも大いに発展するだろう。一時代先を見たビジョンを語ろうではないか。

まずは、電気自動車に買い換える日を楽しみに待つことにしよう。



◇日々是語草◇
再分配には経済成長が必須。投資として再分配せよ

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2009年10月13日 (火)

自家用車に環境税の是非(2)

前回の続き

環境を守るために自家用車に環境税を課せばよい」という提案は、時代の先を読んだ斬新な発想ではなく、時代に逆行するものであり、内需拡大の芽を摘む独りよがりな提案であると私は改めて断じる。生活車として、あるいは生活を豊かにするツールとして、もっと経済効果を引き出す施策を考えたほうが前向きである。

地方は車がないと困る」と反論すると、弱者を装ったワガママのように捉えられてしまうのだと思う。自分は地方で暮らしたけれど、困ったことはない、とか。お山に暮らしてごらん。こんな所に住んでいるのが悪いと言えばそうかもしれないけど(^_^; 最低限、車がなくても生きてはいけるけれど、生活の質は落ちてしまう。

「環境税」の発想は、“生活車”としての価値を認めていない。また車によってもたらされる“ライフクォリティ”の向上も無視している。対案としては、エネルギー転換しかないと考える。ハイブリッドはまだコスト面でペイしないので、過渡期にある今はさまざまな議論が出てくるのだろう。

車に対する価値観は人それぞれ違う。「環境に悪いモノ」という側面から見れば環境税の発想も致し方ない。しかし、その発想に落とし穴がある。いずれ車の効用はもっと高まっていくと思う。

<“車”関連施策は内需拡大策>

コガネ持ちの団塊の世代を対象に手軽なキャンピングカーの売り上げが伸びている。また二人乗りの低コストカーも売れ始めた。家族で旅行するにはオカネがかかるから、自家用車でアウトドアを楽しむ家族も多い。ペットと一緒に旅行したい人も劇的に増えている。生活の多様化によって、車関連の需要はますます増えていくだろう。都会で暮らすからこそ週末に郊外にドライブしたい人も多いと思う。

車は“生活の豊かさ”をもたらす。つまり消費刺激策として大きな可能性があることをもっと重要視すべき。内需拡大が叫ばれている今、もっと“車”に注目して潜在需要を掘り起こす提案をしてほしい。それを環境税で抑制策をとって逆行するとは、発想が貧弱すぎる。しかも経済に強い優秀な人が提案しているのだから、ガックリくる。

もっと多様に、もっと手軽に、用途に応じた車が開発されることを提案すべきだと思う。ニッサンが落ち目なのは、マーケットの需要を無視してつまらない車ばかり売っているから。トヨタが軽自動車を開発しないのも時代を読んでいない。マツダは、ハイブリッドカーを開発することを最初から放棄している。

<今後の車利用のあり方>

都会でのカーシェアリングは進んでいる。マンションに住む人などが郊外に買い物に行くためにシェアするというやり方は進めるべきだと思う。タクシー業界はもっとアイディアを出して、老人世帯などにパーソナルカーとしての役割を提案したらよい。そちらのほうが現実的な提案である。宅配はもっと進む。コンビニ業界も商品の宅配を始めている。

同じ発想で、ゆうちょ銀行は顧客サービスをもっとやれと私は言い続けている。郵便配達員がサービスとしてやっていたことをゆうちょ銀行の営業マンがなぜできないのだ。民間並みの努力をしないから、アンチ郵政完全民営化派に「不便解消」と大義名分を与えてしまい、国民新党は4社再統合を主張している。(民主党案では2分社化)

要は、「車があればライフクォリティが上がる」ことを否定すべきではないし、それ以上に内需拡大策として、自動車関連業界にはもっと知恵を出せと言いたい。もっと切実に「車がなければ困る」地方もあることに想像力を働かせてほしい。

<課税は価値観の押しつけであってはならない>

Voiceで増田悦佐氏が「鉄道貧弱県の格差と断絶」を解説していた。

 日本のように効率的な鉄道網の存在する国で、その鉄道の恩恵に浴せない地方の経済的ハンディキャップは大きい。都道府県別の自家用車普及率と実質所得水準には明瞭なマイナスの相関がある。つまり、自家用車をもたずに生活できる大都市圏の生活水準は高く、自家用車をもたないと生活が不便な地方の生活水準は低いのだ。
 だからこそ、クルマなしには生活できない地方では、高速道路を無料化してほしいという願望が切実なのだ。全国で合計した数字では見えてこない、大都市圏と地方との「格差」あるいは「断絶」があるわけだ。

地方在住の者として、格差解消などは必要ない。なんでもかんでも平準化するのは愚の骨頂。不便を甘受するかわりにきれいな空気を吸い、喘息も治った。ペットも飼える環境を手に入れた。田舎に引っ越してきて本当によかったと思う。

ただし、車に重税を課せられると、自分語りで恐縮だが、ただでさえ貧乏で体力も落ちてきた今、生活の質が大幅に落ちてしまう。田舎では、都会のように車を置く場所に困ることもなく、一人一台が普通なので、「カーシェアリングしましょう」という時代が遠くない将来に訪れるとは思えない。内需拡大策に逆行する環境税に泣かされる日が来るほうが先かもしれない。

“切実さ”が想像できない人は、安易に「自家用車を減らせ」と言うべきではない。医療・介護・年金など、社会保障全般を考える上でも同じこと。病気は他人事ではないし、働く場所があることが当然ではない。社会保障は“弱者救済”ではない。“保険原理”(冨山和彦氏)で実際的な理論で構築されるべきものである。社会保障問題は「大きな政府」「小さな政府」とは基本的に無関係である。今の体系は「大きな政府」によるものではなく、社保庁による“保険料泥棒”と呼ぶのが正解。

保険には保険の原理がある。それに比べて「車に環境税」なんてどんな原理なのだ?

環境税だけではなく、酒・タバコ税引き上げにも反対する。「国が悪いものは抑制してやろう」という価値観の押し付け以外のなにものでもない。それ以外に必ずよりよい対案はあるはずである。

◇日々是語草◇
バカは「鎖国モードで楽しく」やっていれば?

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2009年10月12日 (月)

自家用車に環境税の是非

http://agora-web.jp/archives/771213.html

排出権取引のような統制経済よりも環境税のようなピグー型システムのほうが望ましく、それも限界削減コストの低い消費者に高く課税することが効率的です。この観点からも、無駄が多く必需品でもない自家用車に課税して台数を減らすことが望ましい。暫定税率を廃止するのではなく、環境税に変えるべきです。こうして課税した財源は、レンタカー、タクシー、オートバイ、自転車などへのバウチャーに使えばよい。

反論したとたん「ノイズ」認定になってしまうようなので、こっそり。。

・貧乏人は車も買えない。車は贅沢品
・レンタカーやタクシー、地域のカーシェアで環境対策。
・無駄が多く必需品でもない自家用車に課税して、台数を減らすことが望ましい。
・普通の家庭で車を使うのは、家族旅行や買い物などが主で、なければ困るものではない。

ゆえに、揮発油税の暫定税率廃止は時代に逆行する。車の所有に対して環境税を課せばよいというのが論者の主張である。

誰かが「都会に暮らす者の傲慢」と反論したようだが、私も同じ感覚に襲われて頭を抱えた。上に挙げた前提が全部間違っているので。

田舎では、生活保護世帯も車がないと生活できない。必需品と認められている。車は足。靴と一緒。80歳以上の年寄りもトロトロと車を運転しなければならない現実がある。

道の真ん中で軽トラ同士が「立ち止まって」長話。都会では想像できないと思う。これが日本全国、首都圏以外の郊外の風景である。日本では「地方」と呼ばれるほうがマジョリティということを忘れがちである。

私自身も生まれてから東京暮らしが長かったので、文化のギャップにかなり面食らったけれど。車の免許証は持っていても東京では運転が必要なかったので、ペーパードライバーだった。東京の環状線の渋滞を見れば、「車なんてなくなればいい」とさえ思っていた。
しかし、東京と地方は「お国が違う」。国が違うということは、同じ前提では考えられないのである。

圧倒的多数の地方の自家用車所有に対し、罰ゲームのように税金をかけるなら、まず交通網を整備しなくてはならない。年寄りもあまり歩かなくて済むように、田舎にも都会並みに地下鉄を敷いてもらいたい。車所有より自然を破壊し、環境悪化を招くわけだが。

排出ガス規制を考えて、電気自動車に移行するほうが現実的な対応だと思う。家庭では大型車は必要ないので、いずれ自転車感覚で使えるコンパクトカーが主流になるだろう。バイクに毛が生えた程度の低コストカーが少しずつ増えてきている。

携帯電話が当たり前となり、パソコンが家電並みに大量に普及した現在、車への価値観も大きく変わる過渡期にあるのだと思う。

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2009年10月11日 (日)

高橋洋一氏の復帰は近い?

ドクターZの正体は?」の続き。

ドクターZは政府紙幣発行推進論者。

(週刊現代)
ドクターZ「エコポイントを巡る混乱を見ても分かるように、“お上”がおカネの使い道を指定するのは間違い。政府の余計な介在は排除すべきで、そういう意味でも最適なのは、個人が自由に使える政府紙幣の発行です。『所得の高い人にばらまくのはおかしい』という意見が出るでしょうが、そこは、所得税という形にして、後で調整すればいいのです」

わはは!ドクターZ=高橋洋一、決定(あくまで期待)。
同じ人は、どの雑誌に寄稿しても同じことを言うものだ。ナンパな週刊誌でも硬派の月刊誌でも。私は「どこに書いてあるか」よりも、「誰が何を言っているか」に注目するので、媒体はあまり気にしない。

もう一つ、池田信夫blogで紹介していたのが高橋洋一氏の「恐慌は日本の大チャンス」という本。事件前に脱稿していて、最近出版されたとのこと。出版は講談社。週刊現代も講談社。ばらばらのピースがだんだんはまっていくような。事件の真相も本の中で語られているそうだ。
気になる方は池田氏のブログでご確認を。



制度はシンプルであればあるほど優れている、これは竹中氏が言っていたことである。山崎元氏の提案を聞いてシンプル イズ ベストを思い出した。

ベーシック・インカム」の導入。
年齢や収入、就労の有無などの条件は一切なしで、個人に一律月額5万円など一定額を支払う制度。将来的に年金や生活保護などはこの制度に組み込んで廃止するという。制度の乱立による行政コストの削減と共に平等なセーフティネットが構築される。
ただし年金等はなくなるので、将来設計を個人が計画的にやらなければならない。

一人につき月5万円だと年間で60万円。国全体では75兆円ほど。
社会保障費の支出が80兆~90兆円なので、複雑な社会保障の仕組みを取っ払えば、じゅうぶん賄える計算になる。

わかりやすく行政コストの少ない制度が「効率的な小さな政府」に貢献する。山崎氏のアイディアが妥当であるかどうかはともかく、とにかく破綻寸前の年金のかわりに新しい発想が必要な時なのではないかと思う。

【追記】
夫が週刊誌をめくっていて、ふとドクターZのページに目が止まった。

なんと!!高橋洋一氏の顔写真入りで、でかでかと講談社出版「恐慌は日本の大チャンス」の宣伝が載っているではないか。大きすぎて目に入らなかった(^_^; 文字通り近視眼。やはり物事は、少し遠目に引いて客観的に見ることが必要だ。

ということで、期待して想像するまでもなく、誌面でドクターZ=高橋洋一氏と答えを出してくれているのだった。

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2009年10月10日 (土)

オバマ大統領がノーベル平和賞受賞決定。辞退するかと思いきや・・

「なぜ、オバマ?」 戦火のアフガン、疑問の声

 【カブール共同】オバマ米大統領へのノーベル平和賞授賞決定の報に、6万人を超える米軍が展開し、戦火が続くアフガニスタンの人々からは9日、「なぜ、オバマ?」と疑問視する声が上がった。反政府武装勢力タリバンは「“戦争賞”を授与すべきだ」と指摘した。

 カブールで自動車販売業を営むナジール・カリサダさん(27)は「賞をもらうのは結構だが、とにかくアフガンに平和をもたらしてほしい」と冷ややかに話した。

 タリバンのムジャヒド報道官は、共同通信の電話取材に対し「世界中で起きている戦争で、オバマがどこかに平和をもたらしたのか。オバマには“戦争賞”を授与するべきだ」と述べた。

 国連アフガン支援団(UNAMA)によると、今年1~6月に自爆テロや空爆で死亡したアフガンの民間人は1013人。2001年の米軍によるタリバン政権への攻撃開始以来最悪のペースで、うち約30%は米英などの多国籍部隊などによる攻撃の犠牲だった。

 今回の平和賞にはアフガンの女性人権活動家シマ・サマルさんが候補者の一人と報じられていただけに「彼女の方がはるかにふさわしい」という声も多かった。

オバマ大統領・ノーベル平和賞受賞決定のニュースって、ガセかトバシかと思った。戦争中の最高司令官が平和賞?反戦左翼じゃなくても目が点。100年の恩讐を超えて、犠牲の精神で和解成立!とかなら涙ぐんだりもするけれど。

Wikipediaによるとノーベル平和賞とは、「国際平和、軍備縮減、平和交渉、保健衛生、慈善事業、環境保全などの分野に多大な貢献や影響があった人物や団体に対して授与される。

原爆落とした国が「核廃絶します」と言っただけで評価されるのなら、この世は言ったモン勝ち。泥棒が「もう盗みません」と言っているに等しい。しかもだ、廃絶ではなく、現実には削減。英国だって核兵器保有のコストがバカにならず、すでに削減に踏み切っている。

アメリカ主導の「核廃絶」国連決議がイランと北朝鮮に対するデモンストレーションであることは、国際政治学者でなくとも一目瞭然。オバマ大統領のノーベル平和賞よりはましだと思うが、アル・ゴア氏の地球温暖化啓蒙映画は、インチキデータをセンセーショナルに映像で見せただけなのにノーベル平和賞を受賞した。

CO2 25%削減のために、国民には限界まで挑戦してもらいます」と、この冬を懐も体もさらに寒くしようとしているわが国の総理大臣など、環境保全の権化ではないか。もっと評価しろよ!>ノルウェー議会。

原爆を落とされ、地球温暖化対策を素直に真面目に「限界まで」取り組む日本人としては、こんな政治ショーに付き合う義理はない。

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2009年10月 9日 (金)

「モラトリアム」の落としどころ。「役に立つエコノミスト」第一位の人。ドクターZの正体は?

「モラトリアム」で与党が大筋合意 既存制度活用で公的支援の方向

 中小企業向け融資や個人向け住宅ローンの返済を猶予する「モラトリアム法案」で、民主、社民、国民新党の与党3党の検討チームは8日、当初想定された一律の返済猶予ではなく、公的支援など既存の制度を活用しながら実効性を高める方向で大筋合意した。9日に原案をまとめる。

融資だけでなく、企業に対する再建指導として企業再生支援機構を活用すること、「貸し渋り・貸しはがし対策法」として提出されることで3党一致した。

落としどころはこんなところだろう。
しかし、貸し渋り・貸しはがし対策なら、麻生政権で政策投資銀行の民営化を阻止してまで中小企業対策として予算をとっていたではないか。ところが、肝心の政府系金融機関が貸し渋っている実態があるのだ。その背後には官僚の保身がある。雇用調整助成金7000億円のうち6000億円が国債に変わっていたなどというインチキもまかり通っている。指導すべきは、予算の実効性ある使われ方を監視することなのである。

中小企業への融資拡大は、「政府保証を付ける」という点で麻生政権と民・社・国の考え方と大差ない。実際、急激な円高で「今をしのげれば生き延びられる」中小企業も多いだろう。

“返済猶予”亀井に激励殺到 手紙送った経営者2人を直撃 (夕刊フジ)

 亀井静香金融・郵政担当相がブチ上げた、借入金返済猶予(モラトリアム)制度の創設問題。金融機関が反発するなど大論争となっているが、亀井氏には3000通に迫る激励の手紙やメールが殺到しているという。亀井氏に手紙を送った企業経営者2人を直撃した。

(略)
 今回の騒動、どうも「モラトリアム」という言葉が一人歩きして、ハレーションを起こした面がありそう。

たしかに「貸し渋り促進法案」と言うのはオーバーかもしれない。
「3年間、金利も返さなくて良いのが理想」と亀井大臣がぶち上げてしまったので、「金融市場を壊す気か」と色を成したが、政府の保証がすでに30兆円に拡大されており、融資はまだ半分程度だという。

「ここをしのげば息を吹き返すことができる」中小企業にとっては天の助け。お上の助け。しかし、いくら融資しても企業が潰れない保証はない。返すアテのない融資は、結局国民に付け回される。亀井氏はそういうリスクをどう回避するつもりだろう。国は無尽蔵に借金しても平気だと思っているようだし、減税までできるとマジで信じている。



ところで、文藝春秋で「役に立つエコノミスト」一位にランキングされたという菊池英博氏なのだが…。

著書「日本は財政危機ではない」を検索してみると、膨れあがる債務には政府資産を勘案していないので、政府資産と相殺すれば日本の借金はたいしたことがないという主張をしているようだ。2005年当時、粗債務はGDP比150%だが、政府資産を引けば純粋な債務はGP比60%にすぎないと単純計算している。

高橋洋一氏も同じ事を言っていたと思うが、国有資産を売って借金返済に充てるなんてできるわけがない。菊池氏と高橋氏が違うのは、菊池氏は「財政危機じゃないからどんどん財政出動してGDPを上げるべき」、一方の高橋氏は「国は埋蔵金も放出し、金融緩和やマイナス金利もやってインフレ誘導するべき」というスタンス。

菊池氏を絶賛しているのは、森田実氏や西部邁氏、植草氏や森永卓郎といったアンチ市場経済派。小泉改革のシンボル・郵政民営化とは「最大の悪行」だったと断じているそうだ。

両者は減税策では一致しているが、社民主義に近いエコノミストは、日本経済が緊急事態でなくても「財政出動」すれば成長率が上がると信じているわけで、この論を聞くだけで眉唾ものである。菊池氏に賛同するエコノミストを眺めると、世間が役に立つエコノミスト第一位と評価しようが、エコノミストリテラシーが必要なんじゃないの?と思う。クルーグマン教授は自ら「リベラル左派」とスタンスを明らかにしている。日本での財政出動エコノミストあるいは政治家は、率直に「左翼」と言えばいい。彼らは楽観的なことを言うが、国がばらまいて財政分配すれば経済成長するという理屈がどうしても理解できない。ばらまき分配なら絶対増税が必要であるのに減税せよと言う。

政府は赤字財政を膨らませただけで、政府支出はわずかな乗数効果しか生まなかった。今まで日本が失敗してきたことを目隠しして、「国の借金は問題ない」と自説を曲げないエコノミストは、正直言って信用できない。



それはそうと、最近週刊誌などに登場するドクターZなる人物は高橋洋一氏ではないかとにらんでいる。(期待を込めて)
やたら官僚のやり方に詳しい、明快な解決策を提案する、金融緩和策を推奨、といった論の張り方が高橋氏臭い。

渡辺喜美氏のブレーンであり、「日本の夜明け」にも参加。「みんなの党」の黒衣ブレーンをしていてもおかしくはない。はっと思った根拠は、八ツ場ダムの中止問題を経済学から解けば、今後かかる費用とダムの採算性を秤に掛ける、サンクコストを解説している点。同じ事をそのままなぞるように、みんなの党の山内康一議員がブログに書いていた。匂うぞ~(笑)

◇日々是語草◇
自民党の政権政策委員会メンバーが決定

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2009年10月 6日 (火)

自民党より民主党執行部のほうが数段上

きょうは一日中同窓会でお疲れ、明日も朝から忙しいってことで、ちょこっと呟いてお休みなさい。

大量新人教育、13日開始=「イロハのイからたたき込む」-民主

 民主党は6日、衆院選で初当選した新人143人と同党会派の無所属新人2人に対し、13日から「基礎教育」のための研修会を始めることを決めた。 今月下旬召集見通しの臨時国会を前に、大量の新人に国会議員としてのノウハウを教え、国会運営を早期に軌道に乗せるのが狙い。小沢一郎幹事長を講師に招くことも検討している。これまで同党は新人議員に対し、選挙後のあいさつ回りなど地元対策を徹底するよう指示していたが、13日からは国会活動にも重点を置く。 研修会の初日は、国会内で衆院事務局が議員や秘書の福利厚生などを説明。臨時国会中は原則火曜日から金曜日まで毎朝、十数人ごとの班に分け、国対副委員長が中心になって党の政策など「『イロハのイ』からたたき込む」(国対幹部)としている。(2009/10/06-20:40)

うらやましい。自民党ときたら・・・
派閥単位の新人教育が崩壊した今、進次郎氏は鍛えられるだろうか。玉も磨かなければ光らない。

社民、国民新の要求一蹴=与党の「小沢支配」印象付け 

与党3党初の幹事長会談にて社民・国民新党は、「与党の政策調整の場」(与党だけの協議機関)の設置と、党所属議員の陪席を求める一方、国家戦略室への参加も要求した。

 しかし、小沢氏は「基本政策閣僚委員会で議論すればいいことだ。何のために党首がいるんだ」と一蹴(いっしゅう)。「いつもうるさい亀井静香金融・郵政改革相が、なぜ(同閣僚委員会では)静かなんだ」とだじゃれを交えた皮肉も浴びせた。  一方で、小沢氏は「政権が代わったという重みを国民に見せるためには、議員が官僚に答弁を頼っていてはだめだ」と国会改革の必要性を力説。委員会定数の削減など少数政党に不利とされる改革についても小沢氏は視野に入れているが、社民、国民新の両党は検討を約束した。

社民党「軽くあしらわれた」とぼやいたという。
「民意」と言うなら、支持率0の国民新党など排除するのが筋。

民主党は、社民党・国民新党の議席に応じた扱いを心得るべし。

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2009年10月 5日 (月)

昭ちゃん、さようなら。まだ公明党にすり寄る谷垣総裁

中川昭一氏の訃報に眠気が飛んだ。
昨年からめっきり顔色が悪くて、生気がなかったので、「まずは体をしっかり治して・・・」とブログにも書いたことがある。
選挙運動では、それなりに元気そうだったので、復帰を目指してほしかったのだが・・・。きっとまた薬と酒の相乗効果だったのではないかと想像している。

昭ちゃん(我が家での愛称)、安らかに・・・。
奥さんがお気の毒でしかたない。



自民に責任転嫁 公明党が「選挙総括」

山口那津男代表
「政権交代という大きなうねりの中に党が埋没した」
「参院選後の政策対応や閣僚不祥事、首相が3人続けて変わることなどが重なって加速された」
「解散の時期を先送りすればするほど(政権交代の)うねりは高まり、与党でありながら状況を打開できないまま選挙戦に突入した」
 小泉構造改革路線を自民党とともに進めたことについても「弱者の味方という役割を十分果たせなかった」と記した。

自民党のせいで負けたというより、今までが自民党のおかげで勝たせてもらっていたんですね、わかります。え?自民党議員も学会票で当選していたって?それはとん服に頼っていた自民党が、支持者の「服用をやめろ」という声を無視して、ついに体力の限界に陥ったわけで。

谷垣総裁は、参院の補選でまた公明党に協力をお願いしているけどね。
これが与党だったかと思うと、情けない。100人の日和見がみんなでやるのは、最大の愚策。愚民がよってたかって先見の明あるリーダーを潰すことを「衆愚政治」と言う。

「公明党とは目指すべき国のかたちが違う」「公明党とは政策が違う」ときっぱり言える総裁でなければ、自民党の支持者は戻ってこないよ。

公明党は、今後は、どうぞ民主党にすり寄ってください。
政策的にも民主に近いでしょ。

実現可能で整合性の取れた政策を積極的に発信していくという。

で、まっさきに池田センセーの命令に従って、在日韓国人の地方参政権を民主党と一緒に目指すんですね。民主党の支持者もさぞ公明党との連携を喜ぶことでしょう。(嘲)



Twitter、やばいよ、面白くてはまりそう。
あんまりオバカな呟きを垂れ流して、フォローを切られないように(^_^; 情報交換の場として活用しよう。

http://twitter.com/lilyyarn09
皆さんもいかがですか?未体験ゾーンにようこそ♪

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2009年10月 4日 (日)

ついったー?

つい うっかり
Twitterに登録してきちゃったんだけど・・

携帯からだと文字化けする。
せっかくだから携帯から呟き倒したいのに。

よかったら lilyyarn09 で検索してみてください。

http://twitter.com/

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2009年10月 3日 (土)

2016年五輪はリオデジャネイロ

オリンピック招致を石原都知事が政治生命を賭けるほど頑張っているので、応援しないでもなかったが、当初から「新興国に譲ってあげなよ」という気持ちが強くて、あまり熱は入らなかった。

2016年五輪はリオデジャネイロ…南米初

【コペンハーゲン=読売取材団】2016年の第31回夏季オリンピック大会の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会は2日、コペンハーゲンで開かれ、IOC委員の投票でリオデジャネイロ(ブラジル)を選出した。

「金持ち喧嘩せず」ではないけれど、新興国の支援にまわるのがお大尽の風格ということで。日米が相次いで落選したのも致し方なし。

 リオは04年、12年に続く3度目の挑戦で悲願達成。空港や道路など社会基盤整備が十分ではない上、他の3都市と比べ、競技会場が分散しており、五輪2年前の14年にはサッカー・ワールドカップ(W杯)が開催されることもあって、開催能力が懸念されていた。しかし、カルロス・ヌズマン招致委会長を筆頭に、「南米の初開催で、未開催国に門戸を開放してほしい」と呼びかけたことが奏功した。

ブラジルの皆さん、おめでとう!

日々是語草
「日本郵政経営陣は一新」…亀井郵政改革相(読売)

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2009年10月 2日 (金)

民主党は法案絞り込み、実はボロ隠し

何を書こうかなー。
・ジャック・アタリ氏が描く新しい資本主義
・関連してロハス教育と社会起業家支援について
・北方領土は4島一括返還ありきか
・雇用調整助成金のデタラメな使われ方
・日米対等とはどのようなものか

どれも結論は2,3行で終わりそう。
臨時国会が始まるまではまだ間がありそうなので、ボチボチいきますわ。

そうだ、瑞穂タンが「議員立法を制限する方針」の民主党に対し、「憲法に国会は唯一の立法機関と書かれている。議員立法を否定し、禁止するのはおかしい」と正論を述べたことについて、前に書いたとおり、鳩山首相の本意は「功を焦る社民党やら党内左派に“変な議員立法”されちゃかなわん!」なのだ。それしか考えられないw

いえね、かんべいさんと切り込み隊長が「お友達」だということを知り、ネットの人気サイトのオーナー達はいろんな連携集団を形成しているのだなあと感心しつつ、切り込み隊長のブログを訪問してみたので。
福島瑞穂女史が鳩山内閣で一番まともに見える… 私、目を悪くしたかな
てんこもり野郎さんも かんべいさんとお知り合いかしらん。

「いろんな連携」に関して言えば、発信基地のサイトを開けたとたんに グワ~っと鳴門海峡の渦に巻き込まれるような錯覚を起こすブログもある。そこの「お友達」の面々を見れば、君子じゃなくても「危うきに近寄らず」が正解のようで。



子ども手当法案、後期高齢者医療制度廃止法案は通常国会

 政府は1日、「子ども手当」創設法案と後期高齢者医療制度廃止法案を26日召集見通しの臨時国会へ出さず、来年1月召集の通常国会へ先送りする方針を固めた。

厚労省としては、対案が間に合わない。「後期高齢者」という呼び名はともかく、小泉政権以前から何年も掛けて制度設計しているものなので、1からやり直すとあちこち齟齬を来す。すでに制度は始まっているわけで、新制度の行政コストも半端ではない。少子高齢化、低成長時代の現実を踏まえれば、やり直したらまた同じ設計になった…なんてことになりかねない。

長妻大臣は、多岐にわたる厚労省の守備範囲に頭を抱えていることだろう。小沢幹事長は、国会での「官僚答弁を廃止する」と方針を出しているし、普通に考えても長妻厚労相の前途は多難である。テレビ出演を断っているのは、いつものように歯切れ良く主張できないからかもしれない。

朝まで生テレビで茂木敏充氏が「厚労省はほんっとに言うことをきかない役所」と嘆いていたが、経験のない新米大臣はどこまでリーダーシップを発揮できるか。年金は得意でも、他の分野は官僚のレクを鵜呑みにするしかない。「後期高齢者医療制度廃止」を早々にマニフェストどおりにぶち上げてみたけれど、これなど「素人大臣丸出し」の無知無策のパフォーマンスである。亀井静香金融担当相といい勝負だと思う。

鳩山首相は、長妻氏を「年金担当相」一本に絞る人事をすべきだったと思う。



相場の5分の1以下のビル賃料、鳩山首相は「適正だと思う」

 鳩山由紀夫首相の関連政治団体が首相の母、安子さんの所有する北海道室蘭市のビル1棟を、相場の5分の1以下の月10万円の賃料で借りていたことが1日わかった。これについて首相は同日、「適正な賃料だと思っている」と述べ、問題はないとの認識を示した。

 また、首相の資金管理団体の平成20年の政治資金収支報告書で、個人名が記載される5万円を超す個人献金をした69人のうち、8割近い55人が虚偽記載だった問題に関し「大変多くの方々にご迷惑をおかけしたことを改めておわび申し上げたい」と陳謝した。

みなし贈与だねー、どう見ても。
政治資金収支では虚偽記載を「本人と親族からの献金」に変えたそうだけど、限度額を超える政治献金を母親や姉から受けたのであれば、違法性が問われる。秘書が勝手にやったとしても連座責任がある。

来年の夏に退職する桶渡検事総長がGOの命令をかけているので、鳩山首相がこのまま安泰でいられるとは思えない。
鳩山-小沢は、極左をいなしながら案外手堅く政権運営すると思うので、このような爆弾を抱えていることは、民主党嫌いの私としても残念に思うのである。

日々是語草
インド洋での給油活動、国会承認追加し延長を 長島防衛政務官(産経)

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2009年10月 1日 (木)

小泉構造改革を引き継いだのは民主党。左翼が進める選択制夫婦別姓

谷垣総裁 歴代総裁に協力要請

自民党の谷垣総裁は、9月30日、小泉元総理大臣や河野前衆議院議長ら歴代の総裁経験者を訪ね、今後の党運営などへの協力を要請しました。

安倍元総裁 「一致協力し、政権奪還を目指すことが大切で、新執行部を全力で支援したい」

小泉元総裁 (谷垣総裁談)「小泉元総理大臣らしい観察で、『実は小泉構造改革を忠実に継いでいるのは民主党ではないか。むだを省き、消費税を4年間上げず、子ども手当を実行するには、ほかの部分をよほど削らないとできない。小泉構造改革は生ぬるい、もっと徹底的にやれというのが民主党の政策で、これは見ものだ』と言っていた」

河野前衆議院議長 「自民党が圧倒的な第1党だった、あのときとはまったく状況が違う。選挙で大敗して野党になったので、腹を決めて選挙で政権を取り戻す以外にない。妙な手練手管は考えないほうがいい」

小泉さんの言うとおり。
このブログでは何度も繰り返し言っていることだから、付け加えることはナシ。でも、ちょっとだけ。安倍さんまでは一応改革路線だった。安倍さんは、麻生総裁が誕生した時「渡辺喜美を使え」とアドバイスしたそうだ。公務員改革を断行しようとした安倍さんらしい。でも、安倍さんも迷走を始めたので、今は何も期待していない。

戦後、日本型社会主義政党として成功してきたノスタルジーゆえ、自民党自体が本音はアンチ小泉だった。霞ヶ関主導の政治からついに卒業できなかったツケである。この期に及んでもリベラル・社会主義的体質の谷垣氏を選ぶ自民党は、すでに時代の使命は終えた。あとは民主党の敵失を待つだけの抜け殻である。



“選択的夫婦別姓” 連携確認

福島消費者・少子化担当大臣と千葉法務大臣が会談し、結婚する際に夫婦が同じ姓を名のるか、別の姓を名のるかを選択できる「選択的夫婦別姓制度」の導入を盛り込んだ民法の改正案を、できるだけ早く国会に提出できるよう、連携していくことを確認しました。

千葉法務大臣が来年の通常国会に提出したいという考えを踏まえ、
福島氏 「制度の導入は、家族のきずなを弱めるものではなく、女性にとって選択肢が拡大するということだ。男女共同参画を担当する大臣として、ぜひ支援したい」

千葉大臣 「制度の早期実現に向けて、お互いに協力していきたい」

鳩山総理大臣 「法務大臣としての思いを述べたものだと思うが、法案を提出するには閣議できちんと決める必要がある。まだ、その段階には至っていないと理解している」

鳩山総理は、この法案が支持率を下げかねない危うさをよくご存じのようだ。著名な女性が結婚しても旧姓を使いたいなら、別にそのまま“通り名”でいいではないか。そんなに夫の姓で戸籍に載るのがイヤか?

旧社会党の女二人、どうぞやってごらんなさい。選択的夫婦別姓がその延長線上に“家系”の否定、“戸籍”の否定につながる左翼思想であることを日本人はすでに知っている。左翼が「人権」だの「子どもの権利」「平和」といった優しい言葉を駆使し、内部から価値観の転換を図ろうとする戦術は、日本中にあまねく浸透している。彼らが狙うのは、女と子供。性差解消教育のせいで、子供の頃は女の子のほうが成長が早くて強いので、男の子がいじめられて泣いているなんて笑うに笑えない話しもある。

野田聖子氏が別姓にこだわったため、事実婚のまま“離縁”したことがある。今は別の愛人がいるそうだが。戸籍ではバツ1とはならないが、「わたしは産みたい」と本まで出し、ついに子供には恵まれず、別れてしまった。男は種馬か?ずいぶん自分勝手な女だと私は思った。

日本人は、戸籍上男系でたどるようになっているので、調べようと思えば、相当前までルーツをたどることができる。ルーツをあえて切るということは、究極の個人主義であり、国のアイデンティティまで脅かされる。

こうして左翼はコツコツと“蟻の一穴”で国家というダムを毀損しようとしているのである。

日々是語草
小林よしのりは、天皇は男系で継ぐものと言いながら女系容認。わけわからん

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