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2009年8月21日 (金)

「郵政民営化とは何だったのか」のおさらい

【09衆院選】争点の現場(2)軋む暮らしの安心「切り捨てられるのか」 (4/4ページ)2009.8.20 23:34

 小泉構造改革は「民間にできることは民間に」「官から民へ」のスローガンを掲げた。郵政省の省益は縮小され、天下りや「郵政一家」と呼ばれたさまざまな既得権は整理された。しかし、「さまざまな規制撤廃の背後にあるグローバルスタンダードなるものが、実は米国の利害にかなった新ルールにすぎず、日本人の暮らしを脅かし、国益を損なうのではないか」。こんな疑問や批判も出ている。

 民主、国民新、社民の野党3党は郵政分社化を見直す公約を掲げる。一方の自民党内にも小泉路線への疑問はくすぶるが、構造改革が果たして日本人に幸せをもたらしたか。明確な総括はないままだ。=敬称略

何言ってんの、産経さん。ちゃんとご自分で総括しているじゃないの。
構造改革は日本人に幸せをもたらしていない」と言い切っているに等しい。

日本の個人金融資産は総計で1500兆円といわれる。このうち、郵便貯金が占めるのが222兆円。簡易保険は113兆円を占める。米国流のマネー運用で高利回りを稼ぐ政府系ファンドは世界にあるが、総計で約300兆円。外資系金融機関がのどから手が出るほど欲しい。これが郵貯や簡保マネーだ。民間の手に委ね、外資参入に道を開く。民営化はその第一歩だと小川は憂慮する。

明確な総括」ありがとう。産経は、民営化以前に戻したい気が満々ってことはよくわかった。郵貯、簡保の資産がのどから手が出るほどほしいのは、外資じゃない、財務省。外資系は、テリトリーを荒らされると逆に脅威に感じている。



事業の運用・顧客サービスは、日本郵政が今後改善していくこと。宅配便業者が厳しい競争の中、顧客のニーズに合わせてどれほど苦労していると思っているんだ。記事に出てきた小川という郵便配達の人、今度フジテレビで同じことをしゃべってみてね。

産経の記者も米国陰謀論者だったとは情けないが、これでも読んで頭を冷やせ。いままで議論してきたことを竹中氏がきれいにまとめてくれている。

Voice9月号 民主党は官僚と闘えるか
「郵政見直しが招く大損害」竹中平蔵<ポイント抜粋・見出し管理人>

■官と民の中間にあるような中途半端なガバナンスが最も危険

・民主党政権になったら郵政株式の売却を凍結する可能性が高い。株式を上場できないということは「民のガバナンス」が利かなくなるということである。
・300兆円もの金融資産を預かる郵政を官のままに置いておくと、官のガバナンスの硬直的な部分が足枷となる。完全な民のガバナンスならば、株主の厳しい目に晒され、さまざまなチェックが働く。
・ガバナンスの空白地帯でやりたい放題になる可能性が高い。
 →言うまでもなく、総務省の既得権確保。効率的経営の努力が削がれ、中にいる人のモチベーションが下がる。

■なぜ「完全民営化」をせねばならないか

・郵政という一つの経営主体を見たとき、莫大な赤字をもたらすことは確実だった。たとえば2万4000局ある郵便局のうち5000局が集配郵便局であった。常識的に考えて、集配郵便局が5局のうち1局というのは多すぎる。
・郵便事業の赤字が免れない状況で、非効率な経営を続けていたら、すべて国民への負担となって跳ね返ってくる。今現在、すでに日本の郵便料金はアメリカの2倍だが、このまま放っておけば差が4倍に開く可能性すらある。

■このままでは郵便貯金は成り立たなくなる

・かつて郵便貯金で預かったお金は、大蔵省資金運用部に預託されて財政投融資の資金として使われてきた。預託金の金利は国債より高く設定されていたが、財投改革によって2001年から自主運営となり、安全性を求めて国債で運用されるようになった。(利ざやを稼いでいた)
・だが、成熟した国では預金金利と国債金利は理屈のうえでは一致するはずなのである。そうなれば郵便貯金は成り立たなくなる。
・普通の銀行は、さまざまな運用を行って利ざやを稼いでいる。郵便貯金も政府の枠組みを外して自由な運用を可能にする必要があった。
郵貯・簡保の300兆円が国の管轄である限り、国債にしか流れない。民間には流れず、経済を停滞させる一因になる。
 →国債運用を郵貯のみに依存する仕組みは、将来的に破綻する。しかし、政府は国債引き受け手として郵貯を掌握しておきたいわけである。政策投資銀行の民営化ストップも同じ理屈。

■郵政ファミリーの悲願

・郵政公社のファミリー企業219社に2000人の官僚が天下っていた。
・西川善文社長は、219社を全部洗い出し、郵政公社との関係を断ち切ろうとした。既得権益を奪われる人達が牙を剥いて西川社長や完全民営化に襲いかかっている。
・しかし、彼らが民営化潰しに動くことはあらかじめ予測できたので、法律作成にあたって、人事を国会同意人事にせず、総理大臣と総務大臣さえしっかりしていれば実現できる仕組みをつくった。ところが、(麻生政権になって)その総理大臣と総務大臣が足を引っ張ったのである。
既得権益者は郵政三事業の一体化を求めてくるだろう。これは間違いなく民営化を中途半端なものにする。
・たとえばゆうちょ銀行の完全民営化とは、民間の銀行と同じ銀行法を適用すること。ところが三事業を一体化すれば、銀行業務と宅配便業務を一緒に行うことになる。
・これは銀行法で禁止された行為で、三事業を一体化する場合、新たな法律が必要になる。すなわち銀行法の適用を受けない銀行になり、所管も金融庁だけでなく、総務省との共管になる。総務省の権限が残るわけで、これぞまさに郵政ファミリーの悲願である。

■郵便局と郵便事業を一緒にするのも危険


・彼らだけで、かつての郵政の91%を占める。これもまた郵政ファミリーの悲願で、民営化すれば官のガバナンスから離れて自由度が高まる一方、中途半端な民営化だから、責任は民間より軽い。そこに巨大な郵政ファミリーが生まれれば、やりたい放題になる。

■足を引っ張る民主党

・西川社長や高木副社長を連日のように国会に呼び出し、経営の邪魔をした。小さな問題をいちいち取り上げては世界的なバンカーである西川社長を政治的に面罵している。これでは民間出身者は、今後、誰も日本郵政の社長を引き受けないだろう。
 →それが目的か?西川社長を追い出し、いずれ旧郵政省か息の掛かった民間人を社長に据えるかもしれない。
民主党政権になって、中途半端な民営化になれば、郵政民営化は失敗に終わるだろう。その結果、負担は全部国民にかかってくる。一方で郵政ファミリーはぬくぬくと生きる。かつての国鉄と同じ構図である。国鉄は毎年赤字でも職員はぬくぬくとし、一方で運賃をどんどん値上げしていた。それが民営化以降、大幅な値上げはなくなったのだ。

■西川社長の功績

・西川社長は、完全民営化を実現する役割を担うべく就任した。
 1,とても間に合わないとされていた顧客情報管理システムの構築を2007年10月の民営・分社化に間に合わせた。
 2,民営化してまだ1年半で新規事業をほとんど手がけていないにもかかわらず、無駄を省くことで利益を約2倍に伸ばした。
 3,今年からは、郵便貯金のネットワークを全国銀行協会のネットワークとつなげ、ゆうちょから一般銀行への送金を可能にした。
 4,今後は新規事業も手がけ、さらなる改革を進めるはずだったが、その前にかんぽの宿を売却し、不良債権を処理しようとしたところ、思わぬ横やりが入ってしまったのである。
 →新規事業等の利益で、郵政一体として郵便局を守る構想を持っていたのである。

■民主党バブルがはじけた時

・民主党の候補者は自民党の候補者に比べ、実績や実力では劣る。今の状況は民主党バブルと言える。バブルがはじければ、次は民主党は徹底的に叩かれる。
・そのとき何が起きるか、国債の暴落である。
・財政赤字は増え続けるが成長できず、失われた10年の再来かという声があるが、とんでもない。赤字からスタートする日本経済は10年ももつまい。そうした日本に対するマーケットからの警告が、まず国債市場を通して表れる可能性は高い。

■竹中氏の結論

・福祉の充実は、所得がなければ話しにならない。元手がないのに再分配はできない。所得を増やすには成長が必要。日本経済を強くするためには構造改革が必要なのである。
「悪い政府」の背後には「悪い国民」がいる。われわれは「悪い国民」であってはならない。まさに今回の総選挙ではそれが問われているのである。

【他に参考になる記事】
民主党が勝ったら、郵便事業は…?
「民営化見直し」は“悪手”の恐れ 大矢 昌浩氏

◆日々是語草◆ 
AP通信社のニュースをブロガーが引用したら「5単語で7.5ドル請求」だって

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