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2009年6月

2009年6月30日 (火)

財務省の前に郵政官僚敗れたり

GMのことは今でなくてもいいから・・・ということで、予告編は流されていくのだ^_^;いつものこっちゃ 
日本郵政問題をまた蒸し返したくなった。このエントリーも長~くなってしまったけど、裏で動いていた官僚の実名がわかるので、最後までお付き合いを。

本日、無事に日本郵政株主総会が終わり、西川社長続投が正式に認められた。財務省から代表一人出席して、一人の株主に向かい合う形で日本郵政の面々が座っているのを見ると、不思議な儀式のような総会だった。西川社長の笑顔を久々に見た気がする。

<日本郵政に対するアラ探し>

左翼だか自称リベラルだか革新だか知らないが、日本郵政叩きに余念のない人々は、何のために日本郵政を叩くんだろうね。必ずセットで小泉-竹中を黒幕と印象づけるのはなぜ?恨み骨髄の怨念がにじみ出ているような…。

私も郵政民営化には問題があると思う。不正の蔓延、スキル不足を改善できぬまま民営化したことに加え、国が所有する土地不動産をそのまま民間の株式会社が何の対価も払わず利用し、民間に売っぱらってしまう。

本来は日本郵政が買い上げるか借り上げ料を払うべきだが、そんなことをしたら潰れてしまうので、引き続きただで利用させてもらっているということ。見方を変えると、国の資産を日本郵政がいったん預かり、国に変わって民間に移譲する作業をしているとも言える。

現実問題として、かんぽの宿にしてもグリーンピア、スパウザ小田原等々、官僚が国民の税金を食いつぶし、回収することもなく放り出した後に、民間が有効活用する道筋をつけるしかないのである。

経営責任を問われない殿様商売はいいですなあ。

税金垂れ流しの自分達の不始末を日本郵政に「雇用維持」の条件までつけて後始末させようという段になって、一度は承認したかんぽの宿売却案件に総務省は突然ストップをかけた。総務省による専門家の試算(250億円・雇用維持条件なし)と大きく違わないオリックス売却価格(109億円・雇用条件付き)に難癖つけるとは、言いがかりにも程があろうというものだ。

<民営化後も郵政ファミリーを温存させたい総務省>

民営化した日本郵政は、効率的な経営のために、まずは国営時代に膨らんだ組織をスリム化しなければならないのだが、官僚や全国郵便局長会は組織の縮小を最も嫌う。

国営時代の遺物、郵政ファミリーと呼ばれる法人30団体に500人が天下っているという。郵便局長、旧郵政省、総務省官僚の食い扶持として存在している団体である。

(財)(北海道~沖縄まで)郵便局長協会
(財)ゆうちょ財団 天下り職員69人
(財)郵政福祉 天下り職員35人
(財)簡易保険加入者協会 天下り職員308人
(財)かんぽ財団 天下り職員3人   等々

今まで通り郵政事業の支配を目論む既得権者は、族政治家を巻き込んで日本郵政株の売却凍結をさせようとしている。財務省が100%株主である限り、情報公開法の適用外になり、監視の目が届かないまま組織を温存できるというわけだ。

株の売却阻止!、これこそ完全民営化反対派の狙いである。西川社長叩きも日本郵政不祥事をスキャンダル化させるのもすべては“完全民営化阻止”のための政治闘争なのである。

自称リベラルの小泉竹中バッシングをしている一般のブロガーさん達は、そのへんをわかって日本郵政のあら探しをしているのかな?不祥事は是正すべきだが、完全民営化阻止した暁には、霞ヶ関からの不祥事リークはぱったり止むよ。再びベールの向こうに行くことがわからないのかな。

もしや 正義感? 「正しいこと」と信じて日本郵政叩きをしているなら、あなた達、うさんくさい活動家に乗せられているだけよ。(キウチとかハトパチンコの子分トイダとかウエクサとかドクヘビとかホサカとかコクミンシントーとかイッパイ)

<財務省の前に郵政官僚敗れたり>

民営化反対派vs.賛成派 の構図には、もう一つの側面がある。
それは財務省vs.総務省(旧郵政省)の「省利省益抗争」である。

今回のSAPIOの記事は、珍しく真に迫っている。

タイトル:「鳩山の乱鎮圧」「麻生自民沈没」の裏で「大蔵省復活」の大号令が聞こえる(本誌政界特捜班)

記事は鳩山(パチンコ)に辛辣である。

麻生-鳩山ラインが進めた日本郵政叩きは、しょせんは郵政官僚復権に手を貸し、あわよくば選挙で票をもらいたいという下劣な打算である。最後にハシゴを外された鳩山氏が“正義を貫いた男”を気取るなど、ちゃんちゃらおかしいのである。

SAPIOもたまにはいいことを言う。武士道とか陰謀論の好きなSAPIOにしてはね。

こんなことも書いている。

麻生首相が「官僚を使いこなす」と言うことがいかに現実離れしているか、見るも無惨だ。

<要点列記>
自分の言葉で言い換えた箇所も有り。「→」部分は私の補足

1,西川社長を巡る問題の主役は、日本郵政の二人の代表取締役副社長である。一人は元金融庁長官である高木祥吉副社長ともう一人は元郵政事業庁長官の團副社長。出身官庁の違う両者の社内闘争に絡んで、鳩山総務相が「西川更迭」に動いた。

2,そもそも郵政民営化とは財務省による郵政乗っ取りだった。

四分社化の人事を仕切った小泉-竹中は、以下のような人事をした。
①ゆうちょ銀行社長に財務官僚出身の高木氏、②かんぽ生命社長に日銀OBの山下泉氏、③郵便局会社社長に寺阪元之・元スミセイ損保社長、④郵便事業の日本郵便社長に元郵政官僚の團氏
持ち株会社「日本郵政」の経営権は、西川社長と高木副社長(元金融庁長官・ゆうちょ銀行社長)が握り、元郵政官僚の團氏は外された。

→小泉氏は元来大蔵族、竹中氏は政府系銀行出身であることを考えると、この人事は非常に興味深い。

3,この人事体制において「大蔵省の悲願」とさえ言われた郵貯・簡保の支配が実現した。

4,西川氏が三井住友のコネでチームを組み、かんぽの宿一括売却や東京中央郵便局の建て替えなど不動産事業を遂行するに当たり、郵政官僚たちは指をくわえて見ているしかなかった。

5,郵政官僚のクーデター
郵政民営化に反対だった麻生氏が首相に就き、同じく民営化反対の山口首相補佐官が政権に入ったことで、元造反組議員達も息を吹き返し、郵政官僚達にまたとないチャンスが訪れた。

6,「かんぽの宿」売却騒動を仕掛けたのは総務省
総務省幹部「総務省内には、日本郵政のスキャンダルを探る非公式のチームができ、その調査内容を鳩山大臣の耳に入れた」。目立ちたがりの鳩山邦夫が積極的になった。日本郵政追及で鳩山氏の相談にあずかったのは、旧郵政系のトップ・鈴木康雄・総務審議官である。

7,国民のカネを利権にジャブジャブ使ってきた郵政官僚の親玉が、本気で郵政追求などやるとは思えない。狙いはただ一つ、郵政支配権の奪還だったことは想像に難くない。

→社保庁の自爆テロと同じ、か。

8,鈴木審議官と組んだ鳩山大臣は、西川社長と会談し、郵政省出身の團・日本郵便社長を「日本郵政」の代表権のある副社長に昇格させるよう圧力をかけた。騒動の渦中に鳩山総務相の提案を西川社長は受け入れざるを得なかった。

9,さらに郵政官僚は、麻生首相を巻き込んで西川社長降ろしを画策した。

→このあたりで竹中氏は動きをつかみ、「西川社長降ろしは総務省の陰謀」と発信したわけだ。

10,麻生首相が西川社長続投を決断したのは、財務省が裏で手を引いていたからである。

→読売新聞に書いてあったような、小泉の圧力が第一要因というわけではなかった。週刊誌では菅・安倍の説得によって麻生首相が西川更迭を翻したとなっている。小泉が動いたことも事実だろうし、菅・安倍も首相に進言したことは間違いないと思う。それ以上の影響力をもっていたのが与謝野財務相だったのだ。

11,小泉総理の下で郵政民営化のブレーンとして活躍した財務省出身の丹呉泰健・秘書官は、現在は財務省主計局長に出世し、この7月には事務次官就任が確実視されている。政治家や財界への影響力は群を抜いている。

元小泉官邸筋「小泉氏が“民営化は正しかった”と号令したことは、“丹呉財務省”の逆襲と見てもいい

12,丹呉氏の影響下で、与謝野財務相は鳩山氏の「西川更迭」を相手にしなかった。それどころか国会でも堂々と鳩山氏と正反対の答弁をして、与謝野氏が鳩山更迭の流れを決める役回りを果たした。与謝野財務相がイタリアG8会合に出席する前日、麻生首相は鳩山総務相を実質上更迭した。

13,こうして財務省は「鳩山の乱」を鎮圧した。

14,麻生政権下で、財務省は金融庁を再び傘下におさめ、銀行への公的資金投入への道も開き、かつての護送船団を再建する動きを見せている。また政策投資銀行の完全民営化を阻止し、手中に収めることに成功した。

15,政策投資銀行を使った公的資金投入に欠かせないのが、郵便貯金と簡易保険を合わせて338兆円の試算を持つ日本郵政の存在である。政策投資銀行は企業救済資金を調達するために社債を発行し、その大部分をゆうちょ銀行に買い取らせようとしている。

16,財務省は、「省の中の省」として霞ヶ関全体を支配してきた「大蔵省」の復権を図ろうとしているのである。

17,渡辺喜美氏の指摘
「公務員制度改革で来年から省庁によるOBの天下り斡旋が全面禁止されるが、一方でこれまで公務員が退職後2年間は監督下の業界に再就職を禁じられていた“2年ルール”がなくなる。財務省や金融庁は銀行に行けるし、国土交通省はゼネコン、経済産業省なら商社やメーカーに行ける。改革が中途半端に終われば役人の利益を広げることになりかねない。
天下りの指定席だった公益法人への補助金が減らされ、今後は役人たちは民間に天下り先を広げなければならないから、民間企業に公的資金を入れれば相手から要請される形で再就職ルートをつくることができる。それが銀行や企業への公的資金投入の裏の狙いです」

→改革が中途半端に終われば、霞ヶ関の焼け太り。

こうして霞ヶ関の縄張り争いは、丹呉次期財務次官の剛腕のもとにねじふせられ、郵政官僚はあえなく撃沈したのであった。

恐るべし、財務省。

手綱は解かれたが鈴木審議官の洗脳から解けない鳩山邦夫は、暴走馬となってどこまで走るのか。

◆日々是語草◆
人にパクられたら一丁前(?)

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2009年6月28日 (日)

左翼政権の暴走を阻止するために「日本の夜明け」がキャスティングボートを握る

<構造改革に八方美人の“あたたかさ”は邪魔>

構造改革とは人間で言えばメタボ体型から体脂肪率を絞るようなもので、一時は苦しみが伴う。体質改善した後にその人の経済活動にも効能が及んでくるものである。今は「さあ、これから痩せる努力をしましょうね。お腹が空くのは我慢しましょう」という段階なのである。構造改革はまだ緒に就いたばかりなのである。ダイエット中には元気が無くなって抵抗力が落ちてしまう場合もあり得る。それを乗り越えてはじめて動きやすく美しい体を取り戻すのである。

ふーん、いいこと言うじゃん。あ、自分が書いたんだった(爆)

「渡辺喜美の国家観」を過去ログからあさっている時に見つけた。

それに関連して、私もそのうち地方分権、道州制についてのグランドデザインをまとめておこうと思う。去年から書く機会を窺っているのだけれど、政局政局でちっとも重要な議論が進まない。

<政権の体を成していない麻生内閣>

道州制は器ありきの国のかたちではない。きわめてテクニカルな“補完性”の原則に立つものなのである。

橋下知事が会見でちゃんと説明してくれていたが、民主党の基礎自治体のみの地方分権では、かえって中央集権体制を強化する懸念がある。現在の官邸がそういう本筋の対立軸を国民にわかりやすく説明しなければいけないのに、隔靴掻痒のぼけた話ししか伝わってこない。河村氏を官房長官に選ぶような総理大臣のツラァ、見てみたい(笑)

肝心の所管の総務大臣は西川社長叩きに夢中で、地方分権について何一つ理解していなかったと思われる。更迭されて今度は橋下知事に言い寄っているらしいが、脂ぎった野心の匂いしかしない。

小泉・安倍は官邸主導を強化したが、現在の官邸は“官僚の中の官僚”に心臓を握られている状態である。結果、事務次官会議が麻生内閣をコントロールしている状態。法律の政令による“書き換え”などという事件が起きるのは、完全に内閣がバカにされ、政権の体を成していない証拠である。

<政治家の国家観を検証せよ>

政治家が自ら発信するポリシーは、どんなきれい事も言える。もっともらしい美辞麗句を連ねて有権者に見せるのは簡単である。しかし、上滑りの言葉は心に響かないし、信念を具体化する政策を個別に見れば、たちまちボロが現れる。(ああ、名指ししたいっww)

侍とか武士道とか言ってる人は、もう批判する価値もなくなった。政策を見ると底が割れているのに、情報弱者の有権者は「強い言葉」に惹かれて一票を入れちゃうんだろうなあ。

渡辺喜美氏がなぜ霞ヶ関改革にこだわるかというと、父である渡辺美智雄氏の秘書をしていた時、官僚主導の弊害を身にしみて体験したそうだ。尊敬する父の教えを受ける中で、国家観も育まれていったのだと思う。

ヨッシーの目指す「国のかたち」を再掲しておく。

参照:Voice1月号『1940年体制』はこう倒す

1,世界史的な視点でみれば、現在は「ポスト近代」の始まりという、何百年に一度という転換点に立っている。世界経済が急速に一体化しはじめ、金融資産が以上に膨れあがっていった。そして「ポスト近代」が始まったと同時に金融恐慌で大崩壊を始めた。

2,日本の歴史を振り返れば四百年に一度の周期で大変化が起こっている。日本はすでに金融危機を経験し、冷戦崩壊を「近代の終わり」と位置付けるなら、日本はポスト近代においては先頭を走っていたともいえる。

3,歴史に学ぶことが大切。恐慌時、ルーズベルトはワグナー法によって労働者を保護し、高賃金政策をとった。しかし失業率は改善しなかった。(後に第二次大戦をもってリセットされる)
ドイツではヒトラーが労働組合を解散させ、低賃金政策をとった。その結果、5年後には完全雇用をほぼ達成し、経済は絶好調になった。

4,人心が攪乱する時代に入りつつある時、政治が正しく機能することが大切である。父の渡辺美智雄はこう言っていた。「『この人なら、ある程度まではお任せしていい』と国民が思っているときは、国民と政治家とのコミュニケーションは容易になる。しかし、いったんこの関係が崩壊すると、100万回理屈をこねても、国民はまったく政治を受け入れない」

5,今ほど「危機管理」が必要な時はない。官僚主導体制では非常時対応策が平常時モードの延長線でしか行われない。対応が早いのはアメリカやヨーロッパの政治主導の国である。

6,試験選抜エリートではなく、選挙選抜の政治家が国家の命運を懸けた国家戦略を立案・実行できるようにする。

7,日本の公務員制度は、試験選抜エリートによる利益共同体を徹底して守る仕組みになってしまった。生涯安心システムの身分保障制度になってしまっている。今こそ日の丸官僚を!

8,麻生内閣の甘利行革担当相に公務員の「信賞必罰」「民間並みのリストラ」「天下りの根絶」など、給与法身分保障規定の見直しが不可欠である旨の決議文を手渡した。(しかし、麻生政権はやる気がない) 政府にできなければ、われわれ立法府の人間が議員立法をもってやる決意である。

9,社会保障については「1940年体制」とも呼ばれる、大日本帝国が戦争を効率的に遂行するため作り上げた国家社会主義的戦時体制を改めねばならない。→永続性のある制度にするためには、社会保障制度の抜本的改正が必要

10,中央集権から大転換する道州制へ。
分権改革を進め、基礎自治体の強化を徹底して図る施策をとっていく。その先にあるのが道州制である。

11,われわれ政治家に必要なもの。
・直勘「将来を見通す洞察力」
・実感「民の竈がわかる感覚」
・大局観「歴史認識」

<左翼政権の暴走を阻止するために>

どの項目一つをとっても、具体的な法案に連結する重要な改革ばかりである。

選挙の近い現状では、最も重要なのは「国民と政治家とのコミュニケーション」であり、有権者にとっても「将来を見通す洞察力」が問われているのではないだろうか。

渡辺氏は、保守政治家として、民主党の左翼政権は日本にとって危ういと考えている。民主党が政権を取れば、社民党と連立を組むだろう。民主党自体が日教組の親玉など旧社会党グループが寄生していることを見ても、単独過半数を許してはいけない。

「日本の夜明け」が新党を立ち上げ、ある程度の数を確保できれば、自民党と連携して民主党暴走の歯止めを掛けることができる。渡辺氏はそこまで見越しているのである。だから、キャンティングボートとして機能するためにも自民党はボロ負けしてはいけない。

ある程度の安定した支持率がなければ、政権は官僚の前例主義から脱することはできない。どんな改革も生やさしいものではない。政治家が「やさしい」「あたたかい」と言い出した時は注意が必要である。抽象的な耳当たりの良い言葉で有権者に媚びるトップには、保身の匂いをかぎ取ってしまうのである。

経済においても国防においても時代は大きな転換点を迎えている。改革すべき課題を国民に提示する時は、トップの強い説得力がなければならない。渡辺氏の言う「コミュニケーション能力」である。オバマ大統領は、その能力ゆえに熱狂的な支持を受けた。

見回してみると、その能力が一番高いのは橋下知事だと思う。かなりきわどいことを言っても許されるのは、何のために、誰のために、何をしようとしているのかはっきり伝わってくるからである。

「愛嬌」も才能と書いたが、橋下知事も渡辺喜美も愛嬌があると思う。

「日本の夜明け」は、解散前後に新党を作る予定だそうだ。
橋下知事は、立候補した時に自民党大阪府連の推薦、公明党が支持したというしがらみがあるのはわかるが、東国原知事と共に連携を模索してもらいたいものである。

。。。次回は「GMはなぜ破綻したか」で~す。これを書くぞと自分でインプットしておかないと、また流されてしまいそうなので。

◆日々是語草◆
民主党に大勝させないために麻生内閣は退陣せよ

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2009年6月26日 (金)

鳩兄弟の献金疑惑。懲りない郵政研究会。霞ヶ関改革と地方分権。麻生内閣の不毛

<鳩山民主党代表の献金偽装>

「献金してない」証言次々 民主・鳩山氏の献金記載問題

民主党の鳩山由紀夫代表の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」へ個人献金したとして収支報告書に記載されている複数の人が、「献金した事実はない」と話していることが朝日新聞の調べで分かった。鳩山氏への個人献金については、既に亡くなった人が献金者として記載された事例が明らかになっており、会計処理の不透明さが一層強まった形だ。

故人献金のみならず、献金した覚えのない人の名前を借りた偽装献金まで!出所の怪しいカネを偽装したのかしらんん~?

鳩(パチンコ)は、母親と姉から毎年法律の規制限度額を超える個人献金を受け続け、違法な分散献金の形にして帳簿上つじつまを合わせていたっけね。これは明白な贈与税の脱税行為。記者から問われて「私への多額の個人献金は、母と姉の“愛”なのです」とぶっとび発言していた。

“愛”に言いくるめられて、その後、誰も追及せず。

兄のほうは「まずい」と認識があったようで、母と姉からの限度額を超える献金は断っていたらしいが、こんな形で偽装をしていたとはね。

兄のほうは、「名前をお借りしたのは“友愛”精神なのです」とか言い出しそう。どこから調達した献金なのかはっきりしてもらわないと、気になって仕方ないぞ。

なぜ鳩(パチンコ)かというと、こちらを参照してください。
パチンコ業界と郵便不正、厚労省「政治案件」の接点はどこに?

<郵政完全民営化反対組の最後の抵抗>

西川社長の再任に反対=山口首相補佐官ら10人が確認-日本郵政

 郵政事業の見直しを検討する自民党の議員連盟「郵政研究会」(最高顧問・川崎二郎元厚生労働相)は25日、国会図書館で役員会を開き、西川善文日本郵政社長の再任は認められないとの認識で一致した。26日に佐藤勉総務相に、取締役の認可権限を行使して再任しないよう申し入れる。
 (略) 
 会合後、川崎氏は記者団に対し、西川氏続投に反対して更迭された鳩山邦夫前総務相と23日に会談したと明らかにした上で、「(自民党)議員の多くは西川氏より鳩山氏に理があると受け止めている。自民党内にこういう意見があると明確にしたい」と語った。(2009/06/25-18:24)

出たな、郵政造反組一派。だから復党させるなって言ったんだ。

読売新聞は、西川社長降ろしが「民営化賛成派vs.反対派」の戦いであるかのように別次元の話しにそらされたと社説に書いていたが、誰が動いているのかよく見ろ。正体を隠しておきたいヤツラが話を逸らしているのがホントのところなのである。

(自民党)議員の多くは西川氏より鳩山氏に理があると受け止めている
こいつらは、とことん腐っている。鳩山(パチンコ)にまだ神通力があると信じているのだね。

参照:(過去ログ倉庫)郵政研究会の思惑を自民党PTがかろうじて阻止

かつての造反・復党組がなにやら・・・2/18の動き

郵政見直し:自民議連が3分社案…株売却撤回も盛る(毎日新聞)

 自民党の議員連盟「郵政研究会」(代表・山口俊一首相補佐官)が検討する郵政民営化見直し案の概要が16日、明らかになった。(1)4事業会社のうち「郵便局会社」「郵便事業会社」を統合(2)日本郵政(持ち株会社)が保有する「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の全株式売却方針を撤回--の2案。いずれも今の制度設計を大幅に変更し、全国一律のサービスを維持する狙いがある。

 金融2社の株式売却撤回案は、現行の「17年9月末までの完全民営化」方針をやめ、同年10月以降も日本郵政が株式を一定程度持ち続けるものだ。

 郵政研究会は、民営化に反対して一時離党した「造反組」が主要メンバー。【三沢耕平】

郵政造反組の巣、郵政研究会は、実質官営に戻したくてしょうがないのである。見直し法案は、見直しの限度を超えている。
同じメンバーが、鳩山(パチンコ)を担いで西川善文日本郵政社長の再任は認められないと圧力をかけているわけである。

山口俊一首相補佐官以下元造反組の動向は、今後も監視が必要である。総務省・野党と一緒にあらゆる罠を仕掛けてくる。

<公務員制度改革と地方分権は改革のキモ>

東国原知事の「自民党には新しい血が必要」は正論である。

この一年弱、麻生のせいでほんっっっとに無駄にしてしまった。今まで小泉、安倍、福田が進めてきた改革をぜーんぶ後退させただけじゃないか。「国のかたちを変える時」が意識されることもなく、「霞ヶ関の功績」のみが「俺たちの麻生の功績」としてネットでコピペされ続けている。なんという不毛な期間であったことだろう。

経済危機だからこそ日本立て直しのビジョンが必要なのである。麻生首相は「小泉改革の見直し」「あたたかい政治」「消費税増税」の話ばっかり。どこに具体的なビジョンがある?あたたかい政治はけっこうだが、社会保障費が増え続けるのを強調するばかりで、今まで社会保障費をどれだけ役人が浪費してきたか、天下りに流用してきたか、社会保障費でハコモノを作ったり業界癒着の要らん物に費やしてきたことか。そういう“無駄”の範疇を超える国民の財産の毀損行為を見逃しておいて、社会保障費のために消費税上げるだ!?

霞ヶ関の傀儡、麻生内閣、ふざけるな!!!

一方、渡辺喜美氏らの運動体がいまひとつ国民にアピールできないのは、改革のビジョンを明確に示すことができていないからである。示してはいるのだが、彼らが発信する媒体は大方の国民の目に触れることはない。

このブログでは「構造改革」をメインテーマに書いているので、私自身はいやっちゅーほど公務員制度改革と地方分権の推進の重要性はわかっているつもり。新聞が公務員制度改革についてどんだけ嘘八百並べているかも検証してきた。

麻生首相、今国会での成立に意欲=公務員改革法案で質疑-衆院

 麻生太郎首相は25日午後、衆院本会議での公務員制度改革関連法案に関する質疑で「省益を捨て国益に徹し働くことが国家公務員のあるべき姿だ。改革を後退させないためにも、今国会での成立を目指したい」と決意を述べた。中馬弘毅氏(自民)への答弁。

よし、骨抜きであろうととにかく成立させてくれ。

公務員法案、修正協議の用意=民主幹事長

 民主党の岡田克也幹事長は25日午前、TBSテレビの番組に出演し、公務員制度改革関連法案について「できればこの国会でまとめたい。政府案や中川秀直自民党元幹事長(が独自にまとめた)案のいいところを取って、一定の合意に達するのがベストだ」と述べ、与党との修正協議に応じる考えを示した。 
 ただ、岡田氏は「与党にその気があるのかはかなり疑問だ。そこはよく確かめなければいけない」とも語った。
 一方、党の政策実現のための財源について、岡田氏は「たとえば所得税や相続税の最高税率を上げることは検討していい」と述べた。(2009/06/25-10:41)

さすが、政策マンの岡田さん。
福田内閣の時も、最後には福田首相が決断して、自民党の骨抜き案を民主党との協議で押し返し、本来の公務員制度改革法案を成立させたのだった。渡辺喜美行革担当相が感極まって涙を流していたことを思い出す。今回は、その運用を詰める段階の関連法案である。こればっかりは、民主党の協力がなければにっちもさっちもいかない。

これを機として、秀直氏にも運が向いてきたか。

<腐った自民党は棄てよ>

秀直氏のブログ(官僚改革)今国会で必ず「官僚改革」の結果を出そう

報道が伝えるところによれば、民主党の岡田克也幹事長は今日午前のテレビ番組で、公務員制度改革関連法案について「できればこの国会でまとめたい。政府案や中川秀直自民党元幹事長(が独自にまとめた)案のいいところを取って、一定の合意に達するのがベストだ」と述べ、与党との修正協議に応じる考えを示したそうである(時事通信)。霞が関改革に向けた建設的な動きであり、歓迎したい。

ただ、岡田幹事長は「与党にその気があるのかはかなり疑問だ。そこはよく確かめなければいけない」とも語ったとされるが、与党の本気度に、心配は無用である。

(略)
自民党には今日現在、少なくとも126名の改革グループが中心となって「官僚改革」を推進しており、「官僚改革」についていえば、自民党は「改革推進政党」としての原点回帰がはじまろうとしている。

よしよし。120名を超えたか。

秀直氏は、橋下大阪府知事と地方分権や今後の協力態勢について会談した。橋下知事は、霞ヶ関改革&地方分権に本気で取り組む自民党改革派を支持しているのである。中田横浜市長らと政策グループを立ち上げるそうだが、現在の守旧派自民党を支持したところで改革は無理である。

せんたく議連が国と霞ヶ関の圧力に屈してしまった現在、秀直氏率いる自民党改革派と「日本の夜明け」、そして橋下グループが守旧派包囲網を敷いて闘ってほしい。

東国原知事一人懐柔できない自民党は、泥船どころかすでに海に放り出されて沈没船にしがみついている状態なのである。

腐った船は棄てよ。

小野次郎議員の意見を執行部は胸に刻め。

政権ダッチロール(23日のニュースから)1

古賀選対委員長が、宮崎の東国原知事に衆議院選出馬を要請。
 知事は、自分を総理・総裁とすることが出馬受諾の条件と答えたとか。このニュースに、大阪の橋下知事は、「公認が貰えない新人議員がいる中で、選対委員長が直接の出馬要請とは、思い切ったものだ」という趣旨のコメント。
 対応やコメントを見る限り、両知事の方が、よほど常識人である。党内には自分の“戦場”すら与えられていない現職議員が20名近くもいる。選挙前から、20議席減でスタートする戦術などあり得るのだろうか?
候補者の新規開拓の前に、現職新人議員に戦う場所を見つける努力の方が先だろう。新人議員に活躍の場が保障されない政党に、新たに有望な新人が参入してくる筈もない。

◆日々是語草◆
竹中平蔵氏「『財政至上主義』の危うさ」。骨太2009への評価

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2009年6月25日 (木)

与謝野氏と渡辺喜美氏に迂回献金疑惑

迂回献金:先物会社が与謝野氏、渡辺喜氏に ダミー通じ

 与謝野馨財務・金融・経済財政担当相と渡辺喜美元行政改革担当相が総務省に後援団体として届け出ていた政治団体が、商品先物取引会社「オリエント貿易」(東京都新宿区)などグループ5社が企業献金をするためのダミー団体だったことが分かった。5社は団体を通じ92~05年、与謝野氏側に計5530万円、95~05年、渡辺氏側に計3540万円を迂回(うかい)献金していた。後援団体への寄付者には所得税の一部が控除される優遇制度があり、5社は毎年幹部社員ら約250人の給与から計約4000万円を天引きして団体に寄付させ、控除を受けさせていた。

(略)

◇献金は返却しない
 ▽与謝野事務所の話 政治家として育てたいと応援してもらった。どのように資金を集めていたのか全く知らない。知っていれば初めからもらわない。職務に関して頼まれ事は一度もない。きちんとした扱いの献金であり、返却することはない。

 ◇疑念は抱かず
 ▽渡辺事務所の話 個人から集めた資金を用いて政治献金を行っている団体と聞いており、その説明に疑念を差し挟むような事実はこれまでなかった。先代(故渡辺美智雄衆院議員)からの付き合いで(団体の)推薦を受けることになった。今後の対応は相談のうえ適切に対処する。

便宜供与の証拠がないので、違法性はなし。
政治資金規正法違反にも当たらない。
心証真っ黒けの二階氏も逃げおおせた。

小沢秘書は西松に領収書を書いたとかなんとか。
事実はわからないが、疑惑として、大物気取りで「よし、仕事を回してやる」とかなんとか。

検察は小沢氏本人の収賄罪を視野に捜査していたようだが、肩すかしに終わりそうな気配である。

◆日々是語草◆ 
西川社長のスキャンダルはスカ

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しょせん占い、されど占い

なんじゃこりゃ??
なんで「かぐや」にこんなものが??

とうとう月までも似非平和団体に汚染された。

2007年9月に打ち上げられた宇宙航空研究開発機構の月周回衛星「かぐや」は、月面探査の任務を終え、6月11日ついに月面に到着しました。「かぐや」には、阪大・9条の会の皆さんが応募した、日本国憲法前文と9条が、搭載されています。これから月面の日本国憲法前文と9条は、応募された皆さんの名前とともに、地球を見守り続けることになります。月を見上げたときに思い出してください。
月に日本国憲法をおくるプロジェクト 参加人数 45名(男性28 女性17)ー引用ー

月を見るたびに9条の会を思い出せって?

まっぴらごめんだ!

イマジネーション豊かなσ(^^;)は「月」で思い出した。
どういう連想?というのは、とりあえずお読みになって。

向日葵のらさんの
【雑記】 ホントつまらない、でもちょっと気になる話

・・・を読んで、一人クスクスッと笑ってしまった。
向日葵のらさんが星座占いを友人と一緒に見たところ、「運勢の悪い花」と「良くない数字」をわざわざ自分が選んでハンドルネームにし、メアドの数字に使っていることを発見したそうな。

しょせん占いといえども、そりゃあ気分が悪かろう。

しかし、禍福はあざなえる縄のごとし。大凶は大吉と表裏一体。嫌よ嫌よも好きのうち(違?

これを人は マーフィーの法則 と呼ぶ。

嘉門達夫が流行させ、「ユーモラスでしかもペーソスに富む経験則」として定着、、したと思ったら、すぐ忘れ去られた。

「お気に入りの洋服を着ている時に限ってコーヒーをこぼす」
「好きな人と偶然会った時に限ってサンダルを履いていた」とユーミンもマーフィーの法則を喝破しているのであった。

きっと人の潜在意識の中で
「避けねばならない事に限って自ら選択してしまう」
心理操作があるのではないだろうか、なんてことを思ったのであった。

さて、私の選択はどうだろうかと、紹介されている占いサイトに行ってみた。

蟹座にとって幸運の花は、月見草、百合(ゆり)。

おぉ~なんと!
月見草はメールアドレスのネームに使っている。
百合は「私の花」と勝手に決めていた花。

昔、性格占いによると、「あなたは断崖に咲く百合の花のような孤高の人」なんていうのがあって、「カッコイイ!」でも「断崖って・・・」と複雑な気持ちになったことを思い出す。よく言えば「高嶺の花」、平たく言えば「あなた、居たの?」と、存在を忘れ去られた孤独を噛みしめる人生ってことだ(泣)

断崖の百合より路地裏のドクダミ草のほうがマシかも・・・

月見草と百合じゃまるっきり性格が違うのだが、夜に咲く野辺の月見草は、人の目を意識しない孤高の美しさがある、と私は思うわけだな。

さて、蟹座といっても獅子座の影響を強く受けるそうだ。
獅子座を見てみた。

不幸を招く花は、月見草。

_(.・)/ガク

どっちやねん!これだから占いってやつは・・・

信じたいことを信じるがよろしい。

四柱推命だっけな?「あなたは堂々巡りの人生」とか書いてあって、小学生の頃から「疲れやすい性格」と言われていた私は、新天地を求めて雄飛する人生よりよっぽど楽でいいやと思ったものだ。

そういえば、中国伝来の「科学的なデータに基づく占い」というのをやってもらった。
「子供に恵まれない」「不動産に縁がある」「胃が弱い」などなど、ぴったり当たっていて恐ろしいくらいだった。

寿命も出てしまうので、占者は普通は隠すのだが、無理を言って教えてもらった。
え~~、、、あと4年くらいしか寿命がありませんが?
聞いた時は、15年くらい前だったので、「そのくらい生きられればじゅーぶんだわ」と強がっていたのだが・・・。

北朝鮮の崩壊をこの目で見たい!間に合うか?

とりあえず、今は死にそうにない。(;^_^A
短かく切れていた生命線も少し下の方に伸びた気がする。

でも、病気や事故はひとごとではないので、少なくとも悔いはないように、日々を大切に生きようとは思っている。

できれば不幸せの数よりも、毎日の幸せを算えられるようになりたいと思う。

そんなことを殊勝に言ってる端から、鳩(パチンコ)に頭ドッカーンで血圧の上がる日々なのであるが。あ、ストレス解消になってるか。

月にはなんとなく心が惹かれ、月が満つるたびに何かしらのパワーをもらっているような気がしている。月見草が咲き乱れる月影清かな野原に立つと、詩情をかきたてられる。寿命も延びるね^_^;喘息も治ったし。でも、正直言って生まれ育った東京が恋しい。

そんな山里に庵を結んで人知れず棲む、梨里庵。そしてlilyyarnには「百合」も入っているのだ(^0^)v 言葉を紡ぐという意味もね。

きょうは、思いっきり自分語りだったな。まいっか、たまには。

◆日々是語草◆
西川社長のスキャンダル出たけど、スカのカス。

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2009年6月23日 (火)

旧大蔵族・新財務族と政策新人類の仁義なき戦い(2)

旧大蔵族、新財務族について興味深い考察があった。
以下、記事本文を箇条書きに引用し、今までの流れを順に補足していく。

【第16回】 2009年02月03日
麻生首相が消費増税時期の明示に拘らざるを得なかった理由
上久保誠人(大学講師)

1,「大蔵省改革」以前の大蔵族議員
60年代後半まで、河野一郎・川島正次郎ら自民党・党人派政治家が、大蔵省主計局が握る予算作成権を奪うために、主計局を内閣に移す「主計局移管論」を主張した。これに対抗したのが、福田赳夫ら大蔵省出身の政治家「大蔵族議員」であった。

2,しかし、60年代後半以降、党人派政治家と大蔵省が「パートナー関係」を築くようになった。
自民党が「主計局移管論」をあきらめる代わりに、大蔵省が予算査定権の一部(復活折衝やODA、石油税など予算の特別枠)を自民党に譲ったのだ。その結果、大蔵省は予算査定を通じて各省庁を管理でき、自民党は支持者への利益誘導ができた。

3,自民党内では、他省庁の族議員が予算配分に強い影響力を持つようになり、逆に大蔵族は、宮沢喜一ら少数の大蔵省出身議員が金融問題を専門的に議論するだけの小さなサークルとなった。

こうして自民党・大蔵省一体の利益誘導装置が完成した。

4,「大蔵省改革」と「新・財務族議員」の登場
93年の自民党の下野は、大蔵省と自民党の関係を変化させた。
細川政権と大蔵省が「国民福祉税」導入に動くなど手を結んだことに、自民党が態度を硬化させたからだ。そして、自社さ政権誕生で自民党が政権に復帰した後、連立与党内に、「大蔵省改革与党プロジェクトチーム」が発足した。

5,このチームを舞台に、塩崎恭久、前原誠司、枝野幸男、玄葉光一郎、簗瀬進、安住淳らが、「財政と金融の分離」「日銀の独立性確保」など大蔵省の権限を奪う改革に取り組んだ。後に「政策新人類」と呼ばれた面々である。

6,一方、このチームには与謝野馨、谷垣禎一、柳沢伯夫、町村信孝ら、大蔵省が改革に対抗するために育成した政治家も登場した。彼らは、従来の「小さなサークル」大蔵族と異なり、政局の中心で財政再建と増税を強く主張する「新・財務族」(一般には「財政タカ派」と呼ばれる)となっていった。

大蔵省改革を機に、財政再建・増税派の財務族vs.政策新人類の対立が大きくなってくる。ちなみに小泉氏は「大蔵族」であった。大蔵省に太い人脈を持つ飯嶋秘書官の影響があったと思われる。

省には「族議員育成マニュアル」も存在しているらしい。まあ、政策に疎い議員は一からレクチャーしておだて上げれば、自然に省の代弁者となってくれるというわけだ。麻生さんは、初めて経企庁長官に就いた時、官僚に経済のイロハからレクチャーされたという。

政治主導の党人派か官僚の代弁者となるかは、その政治家がある分野に専門的な知識を持ち、優秀なブレーンを側に置いて政策に通じているか、あるいは官僚に頼るしかない政治家であるかどうかで決まってくる。

7,小泉構造改革の陰で「新・財務族」が台頭
「大蔵省改革」によって、大蔵省から金融機能が分離されて財務省に改称された。また、大蔵省からの日銀の独立性が確保された。更に「経済財政諮問会議」の設置で、財務省の予算編成権も再び脅かされることになった。小泉内閣で諮問会議が予算編成の大枠を決めるようになったからだ。

8,だが、財務省はしたたかだった。小泉首相が「構造改革の本丸」とする郵政民営化実現のために、財務省の力を必要としたのを巧みに利用したのだ。財務省は与謝野の自民党政調会長起用を実現させた。与謝野は選挙に弱い上(落選3回)、無派閥である。与謝野の政調会長起用は永田町的には不思議な人事だ。財務省の強い意向を小泉が飲んだのだ。

9,また、財務省は諮問会議と対抗せず、むしろ諮問会議の予算の大枠決定を利用して、各省庁の予算に対する管理を強めた。構造改革の進展で道路族など族議員が衰退したことが、財務省の戦略を成功させた。

与謝野氏は、政策プロセスが財務省から与謝野氏までストレートに上がってくるパイプを持っている。直通ラインの仕事の早さに竹中氏が驚いていた。官僚の実名も挙げていたが、忘れた。

飯嶋氏が財務省と小泉総理の橋渡しをしていたことは想像に難くない。今でも飯嶋氏は与謝野氏に絶大なる信頼をおいている。

10,「ポスト小泉」で活発化した経済路線対立
小泉首相は「私の任期中には消費税率は上げない」と明言していた。そのため、本格的に消費税率引き上げが争点として浮上したのは、小泉首相の任期が1年を切ってからであった。ここで、「新・財務族」が本格的に政局の表舞台に登場することになり、増税よりも行政改革の断行を優先する中川秀直、安倍晋三、竹中平蔵ら「上げ潮派」と対立した。

竹中氏が仕切っていた経済財政諮問会議は与謝野氏に引き継がれた。「上げ潮派」の大きな後退と思われたが、小泉総理は中川秀直氏を政調会長に据え、党の政調をエンジンとする裏技をやってのけたのである。中川氏は予算編成に多大な貢献をした。

11,安倍の総裁選勝利で、一旦「新・財務族」は退潮するが、安倍内閣が在任わずか365日で総辞職した後、福田内閣では新・財務族が一挙に意思決定の主導権を握った。

12,福田康夫首相は日銀総裁に財務省出身者を起用することに固執した。また、昨年7月の内閣改造では、谷垣の国土交通相起用、太田誠一(大蔵政務次官経験者)の農水相起用、大蔵省出身・伊吹文明の財務相起用、そして与謝野経財相起用と、新・財務族が大量に入閣した。財務省は各省庁に対する管理を強め、その後の増税実現へと着実に進んでいるようだった(第3回参照)。

13,財務省に戦いを挑み、屈した麻生首相
しかし昨年9月、福田内閣は総辞職する。その引き金となったのは、麻生太郎幹事長(当時)と公明党の独断専行によって「定率減税」が緊急経済対策にねじこまれたことだと私は考えている(第6回参照)。

14,麻生は首相就任後、「剛腕」中川昭一を財務金融相に起用し、首相官邸の事務方から財務省出身の実力派・坂篤郎官房副長官補を退任させた。財務省を抑え込んでバラマキの景気対策を行うためであった(第9回参照)。

政策マンの中川昭一氏を私も評価していたが、精彩を欠くままローマでの朦朧会見に至ったことは御承知の通り。財務官僚が側についていながらなぜ止められなかったのか。大臣の失態は財務省の失態でもある。中川氏の油断があったとしても悔やまれる。

その後、こともあろうに麻生首相は与謝野経済担当相に財務相も兼任させた。まさに財務省の思う壺だったろう。

何度も書いてきたとおり、定額給付金の所得制限案から始まって、増税を基本方針2009にどのように盛り込むか、厚労省の分割の検討等々、与謝野氏は麻生首相の頭越しに発言することが多く、非常に僭越な態度であった。中川昭一氏を失った麻生首相が国民にブレを印象づけてしまったのは、一にも二にも元凶は与謝野氏なのである。マスコミのせいばかりとは言えない。かといって、安倍政権の時から麻生氏は与謝野氏を最大限に信頼していたので、経済政策に疎い麻生氏自身に見る目がなかったということである。

麻生首相は与謝野氏の台本通りに「消費税増税」をしゃべらされた。そして読売新聞が百点満点の大本営発表をするのがお約束。

15,長年、財務省に対抗してきた「政策新人類」世代による、経済財政政策の理論闘争が起こることを望みたい。

自民、民主問わず改革派の出番だよー、と言いたいところだが、今のところ自民党の政策通達は、頭に重石を乗せられて生き埋めになっているような状態である。

中川秀直は人柱になっている場合ではない。
鎧を付けて先陣を切れ。

ついでに渡辺喜美はさっさと新党を結成しろ。

◆日々是語草◆ 
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2009年6月22日 (月)

旧大蔵族・新財務族と政策新人類の仁義なき戦い(1)

公務員制度改革関連法案は、人事院の巻き返しによって、内閣人事局長を官房副長官の兼務とするなど、すでに骨の何本かは抜かれている。

呆れたのは行革本部の石原伸晃氏が「執行の時は漆間官房副長官が辞めた後で、局長になることはあり得ないから大丈夫」として、党としてすんなり認めてしまったこと。原案に押し戻す努力をしなかった。しかも石原氏は中川秀直氏の議員立法にも難癖を付けていた。

石原氏を改革派と思ったら大間違いである。詰めの調整でいつも霞ヶ関の言い分を呑んでしまう。

国会会期が7/28まで延長されたので、法案は成立までこぎ着けるだろうか。民主党は、政権を取ってから「白紙状態でやり直したい」ようで、審議入りにも応じなかった。

新聞報道が相変わらず酷い。中川秀直氏が怒っている。

(「脱官僚」)民主党は「脱官僚」で「変節」したのか?

下記の決議文に明記しているように、われわれは政府案を支持している。あたかも、政府案の審議入りに反対していたかのごとき報道は、「幹部公務員法案」をつぶそうとする霞が関の一部の抵抗勢力の情報操作の影響としか思えない。

渡辺喜美氏は、骨抜き法案でも成立させたほうが(政権をとるかもしれない)民主党にとっても良いことだと言う。まっさらからやり直すことのほうがよほど大変。一度通した法案を再度改正するほうが簡単だ、と。

政府案に加えて、議員立法の「幹部公務員法案」に民主党は協力したほうがいい。そうでなければ、幹部の官僚人事を政治主導で行うことが叶わなくなるのである。安倍政権下で渡辺行革担当相と共闘した民主党には、ぜひ協力してもらいたい。

一応麻生首相も政府案の成立に意欲を見せているが、党や官僚の言いなりになっている現状では、不安がつきまとう。

霞ヶ関と一体の守旧派が自民党政治を主導してきた。小泉政権以降、抵抗勢力とは、どうやら幹部官僚が族政治家を手玉に乗せている状態を指しているのだということが国民に見えてきた。

政治を見る一つの方法として、政治家が官僚にどのくらい近いかで分類することができる。
1,党人派(政治主導型)
2,官僚派(いわゆる族)
3,過去官僚(官僚出身の政治家・族)

ここから様々な対立が政局に結びついてきたのであった。

(続く)

◆日々是語草◆ 
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2009年6月21日 (日)

地方の発展はビジョンのある首長を選ぶことから始まる(2)

地方自治に興味のない方はこちらをどうぞ。
鳩山邦夫氏のことを簡単に鳩弟と書いていたけれど、これからは鳩山(パチンコ)にしようかな^_^;

<日々是語草>
パチンコ業界と郵便不正、厚労省「政治案件」の接点はどこに?

河村たかし氏も「日本の夜明け」に応援要請していた一人である。

(参照)Voice7月号「名古屋市長・河村たかしの挑戦」荒田秀知氏

・河村市長の公約の柱は「市民税10%減税」と「地域委員会の設置」の二本柱である。
・地域委員会の意図は、地域ごとに住民が選んだボランティア委員による意思決定機関を置き、福祉や防犯、街づくりなどの生活に密着した事業の決定権と予算までも委ねる。
・市民自治が浸透すれば、一人当たり2000万円も支出されている市議会議員の役割が問い直される。
市民税10%減税は、わが国の地方自治史上前代未聞の公約である。減収分は行財政改革で吸収するとしている。
・名古屋市の市民税収は約2500億円。その10%の250億円を市民に還元する。
・現行制度では、市町村民税は地方税法に標準税率が定められてきたが、「財政上その他の必要がある場合には、これによることを要しない」という例外規定がある。河村氏はここに目を付けた。
・標準税率を下げた場合、起債は禁止されていた。(減税分を起債で借金するのはたしかに政策としては変だ) ところが、地方分権改革での自治体の起債自由化の流れを受けて許可制になった。
・河村氏は、国会でちゃっかり担当局長に減税・起債の裏付けの質疑をしていた。
今のところ、自治体改革は行財政改革と相場が決まっているが、河村市長はその先にある政治改革までを睨んでいる。

<地方分権は指導力と経営能力が必要>

借金する覚悟で減税するのは、肥大化した行政をスリム化し、地方自治を根付かせていく過程で必要な措置なのである。長期的な視点に立てば、住民の活力・経済効果という大きな果実を生む。きめ細かな行政サービスは、あくまで「現場主義」という発想に裏打ちされている。そこでは、国の押し付け予算や無駄な政官業癒着予算など初めから出てこない。

地方直轄事業の請求書の中には、省の出先機関の退職金やら住民サービスに関係のない経費まで含まれていた。今まで霞ヶ関に吸い上げられてきた膨大な上納金の存在が、知事達の努力によってようやく表に出てきたところである。

現場を知らない霞ヶ関の机上で作られる政策は、地方の実情と乖離したものが多くある。畑を潰して杉ばっかり植えてきた林野政策など、最たるものであった。

名古屋は地方自治のモデルケースとなるだろうか。第8代将軍徳川吉宗のケチケチ財政に楯突いた尾張の徳川宗春は、庶民の遊びを奨励し、華美を好んだため、吉宗の怒りに触れた。しかし、宗春の積極財政によって尾張の国は繁栄したのであった。

河村名古屋市長は、第二の宗春になる可能性がある。お上に「倹約令は間違っている」と直言した宗春の末路は気の毒だったが・・・。河村市長は宗春の無念を晴らせ。

今の日本がここまで借金が膨れあがった以上、景気回復後の財政再建にも取り組まなければいけない。その時に重要なことは、国の膨大な税金の垂れ流し、民を圧迫する官のネットワーク、非効率な行政運営、机上の政策の地方への押し付けを徹底的に見直すことが第一条件である。財政再建のためにも改革を止めてはいけないのは、そういう理由である。ポリシーのないハコモノなんか、もう作らせるな。

削減の余地はたくさんある。「無駄の見直し」は、爪に火を灯してケチケチしろと言っているのではない。その上で、未来投資として減税や積極財政も果敢に行う。行財政改革によってかなり減税分は吸収できるはずである。歳出削減しながら税収を上げるには、大胆な施策が必要になってくるのであり、前例主義の霞ヶ関頼みでは「減税」という発想は出てこない。

だからこそ有権者は、長期ビジョンを語ることのできる国会議員や首長を選べ。

霞ヶ関の幹部の顔色を窺う自民党や民主党に大胆な改革ができるだろうか。政官一体改革・地方分権推進のために、改革に意欲的な首長をバックアップできる第三極の党を待ち望むゆえんである。

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2009年6月20日 (土)

地方の発展はビジョンのある首長を選ぶことから始まる(1)

7/5投開票の静岡知事選はかなり面白い。  

静岡知事選で民主・小沢氏、「候補者の一本化困難」

民主党・小沢氏は、海野徹候補と川勝平太候補をどちらかに一本化しようと説得したが、調整に失敗した、と。

記事の説明では、海野氏は、以前は参院選の民主党公認候補だったが落選し、その後静岡市長選にも出馬したが惜敗。現在は民主党を離党している。

 だが海野氏は10日、小沢氏と電話で協議し、「週末に党の世論調査をやる。その結果をみて一本化に協力できないか」と持ちかけられたのに対し、「それはできない。独自の道を歩みます」と退けた。

海野氏がいなければ川勝候補が楽に勝てたのに‥と民主党執行部の悔しがること。残念でした。

海野候補の「独自の道」とは、第三極の道である。

ヨッシー日記 2009年6月18日 (木)

 静岡知事選挙、海野とおる候補応援。自民でもない民主でもない第三極の完全無所属候補である。わが「日本の夜明け」メンバー。

 海野さんの公約は明解。まず、県民税10%の減税140億円也を行う。財源は県知事、特別職、県職員の給与削減である。静岡は国家公務員の給与水準を100とするラスパイレス指数が103で全国第2位の高さ。これを全国平均の98に下げるだけで200億捻出できる。

 あまった財源は、在宅介護支援に40億円など、生活重視予算にまわす。このように海野県政マニフェストはわかりやすい。

 静岡は4期16年に渡り、元自治省出身の知事が君臨してきた。しかし、静岡空港開港の遅れをとって辞任。自民・公明は元副知事の坂本由起子・自民党参議院議員を担ぎ出した。坂本さんは過去官僚で、労働省局長の時に、かの有名な「私の仕事館」を作った人である。
(略)

静岡知事選の対立図式はこうなる。

1,自民党推薦 坂本由起子・・・自民党参議院議員・元労働省官僚
2,民主党・連合推薦 川勝平太・・・前静岡文化芸術大学長
3,「日本の夜明け」推薦 海野徹・・・元民主党参院候補   
4,共産党推薦 平野定義・・・問題外

今まで「日本の夜明け」が応援した知事選、市長選では連戦連勝。しかし、民主党と乗り合いで応援することが多かったので、影は薄かった。
今回、海野氏が川勝氏をおさえて当選すると、民主党候補に「日本の夜明け」が勝つということになる。

「私の仕事館」を作った官僚出身の坂本氏は、静岡県民の目が肥えていれば勝ち目はないでしょ。

<減税・行革は人気取りか>

海野候補の公約「県民税10%の減税」といえば、過日、民主党・「日本の夜明け」が応援した河村たかし名古屋市長の公約を思い出す。

海野候補も公務員の給与削減を公約に掲げるが、国政レベルにおいても、無駄の見直し、議員定数削減、歳出カットなどを民主党や自民党改革派が政策提言している。ところが、無駄の見直しなど「人気取り」だ、不況に削減するのは逆行だと、なんやかんやと文句をつける人がいる。麻生さんをちょっとでも批判すると「反日勢力」に見えるような人達である。私も反日勢力くたばれ!と怒っている一人ではあるのだが。麻生支持者は、麻生の敵は竹中や中川秀直ら改革派とわかっているのだね。

選挙対策で「増税の前に自分達の身を切るのが先」と訴える議員も確かにいる。しかし、根本的に日本の「構造的な病」を直すには、公務員制度改革や行財政改革は長期ビジョンとして必要不可欠なものなのである。不況だからといって「見直してはならない」と言うほうがおかしい。反対する人達は、改革派は今すぐ公務員をクビにして路頭に迷わせるようなことを企んでいると勘違いしているんじゃないか。

肥大化した行政をスリムにする努力をしないと、日本の足腰は弱くなる一方である。一時的にダイエットの副作用が出ても、必ず日本は復活する。長期ビジョンを段階的に示すことのできる行政府の長が、今ほど求められている時はない。

民主党が掛け声ばかりで公務員制度改革ができないだろうと思うのは、やっぱり労使馴れ合い。Voice7月号の屋山太郎氏・渡辺喜美氏の対談でもそこに触れられていて、自民党も同じようなものだけれど、霞ヶ関改革を標榜する民主党は、地方公務員の改革には一切触れていない。なぜか。公務労協(公務公共サービス労働組合協議会)のような巨大組織が友好団体になっているので、改革に手がつけられない。

「ヤミ専従」「ヤミ協定」「ヤミ兼業」「仕事やったふり」等々、自民党も民主党も見逃してきた労使馴れ合いの体質は、叩けば埃がいくらでも出てくる。既存の党ではもはや改革は無理というところまで構造的に病弊してしまっているのである。このような労使の橋渡しをしてきたのが、お山の大将・人事院。テレビタックルじゃないけど、「下じゃなくて上が悪い」。だから上意下達の悪しき慣習を克服するために、中川秀直氏が今国会で「幹部公務員法案」を政府案に補完する形で成立を目指しているのである。

改革は政官一体でなければならないし、国・地方もバラバラでは改革が進まない。そこで、押しの強い、政策に強い知事が求められているわけだ。

(明日に続く)

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2009年6月19日 (金)

「郵政完全民営化推進派」vs.「政界のある勢力」

日本郵政問題が気になって、他のことが書けない(^^ゞ

来週は日本郵政の業務改善報告があり、それに合わせてどこぞのメディアが西川社長の個人攻撃を始めそう?

山本一太氏のブログより
2009年6月17日:パート2

 最近、永田町では「近いうちに日本郵政の西川社長のスキャンダルが出る」という噂が出回っている。 何の根拠もない話だが、無理矢理にも「個人的な問題」を探そうとする勢力があり、それを報道しようというメディアの雰囲気がある。 政界って、ムカムカするほど嫌なところだ。(怒)

「政界」が発信源と聞こえる。一太さん筆が滑った?(笑)
スキャンダル探しがメディア側の独自取材とは限らないということは、覚えておこう。

かんぽの宿売却に「不正がなかった」ことの中身について、ネット界隈ではすでに検証されていることを、ようやくこの二人が詳しく説明している。

山本一太氏ブログ「鳩山総務大臣の辞任劇:その5」

中川秀直氏ブログ

日本郵政の不動産売却等に関する第三者検討委員会の報告書(平成21年5月29日)をみてみよう。

秀直氏は読売新聞の論調も批判している。

おっそ~~い。
売却問題が起こってから、一太さんは何度テレビ出演した?もったいないなー。麻生内閣への影響だの政局の話しばっかりしていないで、バシッとメディアの不正確な報道を指摘してやれ。

山本氏ら完全民営化推進派は、「政界のある勢力」に対抗して、正攻法で反転攻勢をかけようとしている。

旧郵政公社時代の「官業ビジネス」「郵政ファミリーの実態」「政治家との利権の構造」等々、日本郵政になってから清算が始まっている。清算させたくない連中にとっては、西川社長叩きが一番手っ取り早い。西川さんは小泉さんや財界の後ろ盾があるから油断していたね。“コネ”を利用することは民間では当たり前だが、政治という権力闘争の風圧を予想していなかったのだろう。

(山本氏)
 今週、「YS機関」(山本・世耕調査機関)の最初の作戦会議(情報収集のミーティング)をやる。 さて、「ファミリー企業」への天下りや「かんぽの宿」を誘致した政治家の実態にどこまで迫れるだろうか?! 調査の結果は「直滑降」で順次、公表していく。

目には目を、コネにはコネを(爆)
自民党の情報合戦が始まろうとしている。(高みの見物)

西川社長続投反対派は民営化反対派である。民主党をふくめて、すべてを官営に戻そうという力が働いている」と中川秀直氏の言うとおり、鳩山由紀夫民主党代表は、党首討論で「民主党が政権を獲得したら、西川社長には辞めていただくしかない」と明言した。民主党は「民営化反対」。国民新党の完全骨抜き見直し案すら丸呑みしそうな勢いである。それで霞ヶ関改革断行とはへそが茶を沸かす。

麻生首相も党首討論で「西川社長の行状はいろいろ問題があると聞いている」と述べ、西川氏のスキャンダルを匂わせた。「政界のある勢力」の情報が入っているのだろう。そうでなければ、党首討論の場で「行状に問題がある」という断定的な言葉は使わないはずである。

西川社長の人格攻撃まで始まったら、西川さんは耐えられるだろうか。
来週中に速報で“辞任”の文字が現れないことを祈る。「最後のバンカー」と呼ばれた西川さん以上に厳しく改革に取り組める人材がいるだろうか。何事もなく、私の杞憂に終わりますように・・・。

◆日々是語草◆ 
臓器移植法改正A案が衆院で可決

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2009年6月17日 (水)

日本郵政ニュースザッピング(新たな疑惑?)

(ZAKZAK)
日本郵政“新疑惑” 不可解不動産取引、野党が調査

はぁ~~、民主党・国民新党・社民党以下「日本郵政疑惑追及団」、がんばってね。来週には西川社長が業務改善報告を総務省に提出する予定なので、決着つくまで待とう。

夕刊フジはイェローだから大目に見るけど、産経新聞もこの頃は読む気がしない。昨日は「ZAKZAKもたまにはいいこと言うじゃん」てことで。。(少し後悔した)
あそこは、ネットの流言飛語を拾って記事にすることもあるから要注意。

本家本元の産経webをちょっと見てみたら、これだもん。

日本郵政・西川社長怒る「失礼なことをいうな!!」

佐藤総務相との会談後、総務省内でのやりとり。
「ぶら下がりに応じた」と書いているが、記者のかなり強引な様子がうかがえる。

Q 昨日、今日あたりの世論調査で、西川社長の続投に関して否定的な意見が大勢をしめる結果がでているが

 西川 よく読んでいませんからわかりません

 Q そういう意見が大勢を占めたという事実はあるが

 西川 それはよくわかりません

 Q それを受けて、どう対応するのか

 西川 ただ、これはねえ、もう鳩山総務大臣(ママ)のご指摘をいただいておりますので、これを重く受け止めて、厳しい反省の上にたって、必要な改革を加速していく。これが私の責務であるというふうに理解しております。その中で、けじめも考えていきたい。

Q 続投の意向に変わりはないか

 西川 (無言)

 Q けじめってどういう意味ですか

 Q 今後どうするんですか

 西川 けじめはつけます

 Q もう一度聞くが、辞任ということも含めてか。けじめとは

 (西川社長、少しうつむく)

 Q (うつむいた西川社長を見て)うなずかれたということでいいか

 西川 (質問した記者をにらむ。語気を強め)失礼なことをいうな!! 何がうなずいたんだ!!(と怒声を浴びせる)

 Q 顔が動いたように見えたので・・・

 (西川社長がエレベーターの中へ消える)

いったいこういう記事を載せることにどういう意味が?西川氏が短気な性格だということは知られている。

記者の「正義の追及」に世論を無視した西川社長は怒声を浴びせた。
そういう印象を読者に与えたいわけ?

時事通信のフォトニュースだとこうなっていた。
自身の処分検討も=日本郵政社長

佐藤総務相と面会後、報道陣に囲まれる西川日本郵政社長。マスコミの世論調査で社長続投に批判的な意見が多いことについて「必要な改革を加速していく。これがわたしの責務。その中でけじめも考えたい」と(16日) 【時事通信社】

「けじめ」とは「自身の処分」なのかね。諸問題を片付けて心機一転というプラスのけじめもあるけれど。写真で見ると、西川さん、相当いやがってる・・・

山本一太氏のブログ参照
郵政民営化委員会において委員長の田中直毅氏は、日本郵政への注文として「中核事業の売却・撤退は必要だが、透明性の確保に配慮すべき」と。西川社長は「(透明性を高める)重要性を痛感している」と答えたという。

問題点はこれ以上でもこれ以下でもない気がする。拙速なやり方は改め、公益性を重んじて情報公開をきちんとしていく。西川社長も今回のトラブルに懲りて、さらに内部の改革に努めていってほしいものだ。

◆日々是語草◆
小池百合子の「女は度胸」

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2009年6月16日 (火)

厚労省幹部が現役初の逮捕。民主党政治家の関与も大阪地検は追及中

衆院選、都議選とダブルに=古賀氏主張、首相は無言

 麻生太郎首相は15日夜、都内のレストランで自民党の古賀誠選対委員長、久間章生元防衛相らと会談した。次期衆院選について、古賀氏は「東京都議選(7月12日投開票)との同日選にすべきだ」と主張。出席者からは「日程的に無理ではないか」などの意見が出たが、首相は「黙って聞き流していた」(久間氏)という。
 会合には自民党の高村正彦前外相と、無所属の平沼赳夫元経済産業相も出席した。 (2009/06/15-23:58)

恒例の「志帥会」(シスイ会)--テレビで「シシの会」と読んでいるアナウンサーがいた--メンバーの集い。麻生首相は選対委員長の言うことをきいたほうがいいと思うなあ。菅選対副委員長はギリギリまで解散を伸ばすことを提案しているが。

都議選で自民党が負ければ、実質解散権は封じられてしまう。
麻生首相本人が都議選候補者の応援に回り始めた。これで負けたら都議戦と衆院選は別だという(苦しい)言い訳ができなくなってしまうではないか。誰かにそそのかされたのか、あるいは「オレが演説すれば再び支持率が上がる」と読んだのか定かではない。麻生さんには優秀な側近が誰もいないんだね。

無党派の私から見て、麻生首相主導の最後の賭が同日選だと思う。

自民党が麻生降ろしをしたところで、選挙の洗礼なしの4度目の総裁選びは総スカンされるに決まっている。

そんな中で、山本拓さんは本気だ。HPで賛同者を募っている。果たして空気を読めないヤツなのか、勇気のあるヤツなのか、この人の夫婦関係同様とらえどころがない。

自民党総裁選挙の前倒し実施を実現する会

◇自民党総裁選挙の前倒し実施について
 ▼党則第6条4項は、次の通り。
 「総裁の任期満了前に、党所属の国会議員及び都道府県支部連合会代表各1名の総数の過半数の要求があったときは、総裁が任期中に欠けた場合の総裁を公選する選挙の例により、総裁の選挙を行う」
 ▼すなわち党所属国会議員385名(衆議院303名、参議院82名、議長・副議長除く)、および、都道府県代表(各1名)47名の合計432名の過半数(217名以上)の要求があれば、自民党総裁選を実施することが可能。

これは、自民党総裁のリコール規定ではないか。
小泉時代に総裁リコールの条件を「議員の3分の2」から「2分の1」に条件緩和した。渡辺喜美氏が、以前、麻生首相を退陣に追い込むため「総裁リコール規定」「内閣不信任案」「総理・総裁分離」の3つの方法を挙げていたことを思い出す。

民主党に「内閣不信任案を出して下さいませんか?賛成しますので」と頼むわけにもいかず、総理総裁分離もいまさら話し合いがつかない。となると、実力行使でリコールするしかない・・・とまあ、山本拓さんは麻生シンパの高市早苗奥様に相談もせず(見つかって慌てて同じ派閥の「秀直に頼まれた」とウソをついたとかつかないとか・・・)、どこまで突っ走るのだろう。でも、本人によると自民党国会議員三桁の賛同が集まったそうだ。

誰に変わっても麻生首相の下で選挙するよりはマシな気がする。多少ね。

昨日のトップニュース!!
報道ステーションでは、以前もちらっと民主党議員の疑惑報道をしていたが、厚労省幹部逮捕のニュースと並べて、トップで映像を流していた。よしよし

民主党が憎いからではなく、政治家も関与する霞ヶ関の構造的腐敗を明らかにしてほしいのだ。web版ゴシップ誌のようなzakzakを見てみた。ゴシップから表のニュースになるのに時間はかからないだろう。

第2の西松事件」か…郵便制度悪用事件に民主警戒

 郵便制度悪用事件で大阪地検特捜部は15日午前、東京・霞が関の厚生労働省と、同省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)=虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕=の埼玉県和光市の自宅マンションを家宅捜索した。同省への捜索は2度目。同事件では、民主党議員の名前も浮上しており、民主党は「第2の西松事件に発展するのでは」と警戒している。

 村木容疑者は、同省障害保健福祉部企画課長だった2004年6月、障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)が、割引制度の適用条件を満たしていないのに、部下の同課係長、上村勉容疑者(39)に企画課長の公印を押した虚偽の証明書を作成させた疑いが持たれている。

 捜査関係者によると、村木容疑者の上司だった当時の障害保健福祉部長(57)は、虚偽の証明書発行について、任意聴取に「04年2月ごろ、国会議員から電話で頼まれた」と証言しており、特捜部は「政治案件」として組織的に便宜が図られていたとみて経緯を調べる。

 特捜部はまた、「凛の会」代表の倉沢邦夫(73)=郵便法違反罪で起訴=、同会発起人の河野克史(68)両容疑者を同容疑で再逮捕した。

 関係者によると、上村容疑者はこれまでの調べに証明書の偽造を認めたうえで、「村木容疑者に手渡した」といい、虚偽の証明書を郵便事業会社(日本郵便)に提出した倉沢容疑者も「村木容疑者から証明書を受け取った」と供述している。

 村木容疑者は「全く知らない」と否認しているという。

 倉沢容疑者は、かつて民主党の石井一副代表の私設秘書を務めていたうえ、白山会会長側は同党の牧義夫衆院議員側に24万円を献金していた。

 このため、民主党幹部は「民主党議員が関係者として実名で報道されているのは知っている。常識的には、特捜部も総選挙前には(政界ルートに)動かないだろう。ただ、西松事件の前科がある。ここまで内閣支持率が下落すると、政権維持のために禁じ手に踏み込む可能性もゼロとはいえないかもしれない」と警戒している。

【関連記事】
「手段選ばない」「世渡り上手」…女局長“裏の顔”(2009/6/15)
ZAKZAK 2009/06/15

週刊新潮の地検・利害関係者への取材が裏付けられた。<捜査は大詰め>で、上司の幹部がついに逮捕されたのだ。民主党議員の名前が出たとたんに「国策捜査」に結びつけるのはやめたらどう?

新潮さんは今週号も続報を頼む(^^ゞ 朝日新聞社襲撃事件「真犯人の告白」で赤っ恥の汚名返上のチャンスだよ。編集長が替わってよかったね(笑)

(先週)
6,石井一事務所の肩書きで倉沢は「障害者団体の証明書」を手に入れようと厚労省に働きかけた。→(厚労省)上村は「政治案件」として凛の会に便宜を図り、決裁文書偽造を行った。上村の上司は直接石井一議員から依頼されている。
石井一は、この件に関して「倉沢が勝手にやった」と回答している。

佐藤優氏が外務省組織ぐるみの文書偽造をすっぱ抜いていたが、このような体質は、外務省・厚労省だけにとどまらないのだと思う。

きょうの朝日新聞社説にも
「見逃せないのは、この証明書が「政治案件」として扱われていたことだ。」「元障害保健福祉部長らの証言が事実なら、事件の構図はいよいよ深刻だ。政と官はどうかかわり合ったのか。その疑惑について、政治家側にも十分に説明する責任がある。」とストレートに書いている。

毎日新聞社説も厚労省幹部逮捕を取り上げている(ただしぬる~い)というのに、読売新聞は主筆様の自作自演ですか(笑) 6/16付「「安心会議」報告 提言を建設的議論の出発点に
読売は書きにくいわね、あれだけ郵便不正を一方的に日本郵政のせいにしていたんだから。

テレビタックルで「下の官僚たちは真面目によくやっているのに上が悪い!」と出演者が(゚_゚)(。_。) ウンウンしていた。

たとえば農水省のチーム石破は、石破大臣に殉ずる覚悟である。改革をするのに腹を切る覚悟まで持たなければならない、そのことが何を意味しているか。、ガチガチの上意下達・因習の壁に阻まれて、志ある官僚たちが「ものを言えない」状況があるのだ。

しかし小泉-安倍以降、キャリアの出世街道を走る高級官僚が族議員とつるんでいる実態が徐々に明らかにされている。

霞ヶ関改革に唯一切り込んでいるテレビ朝日なので、テレビタックルを期待して見ていたら、江田憲司、タムコー、元官僚の岸さん(竹中チーム)達が、西川社長降ろしに正論で反論してくれて溜飲が下がった。「公社時代の悪かったことまで全部新しい社長のせいにしていたら、誰も社長なんか引き受けませんよ!」「かんぽの宿は天下りがいっぱいいて税金を無駄にしてきたのに、なぜそういうことは報道されないの?」(坂本みめい)ってね。
たけし!阿川!よく聞いておけよ。たけしも阿川佐和子も週刊誌で知ったかぶりのウソばっかり並べやがって。

鳩弟は日本郵政を「巨悪の闇」と表現したが、本当の闇がどこに隠されているのか国民にはわからない。霞ヶ関の上層部がメディアを繰り、メディア界のフィクサーが政権と一体となって世論操作する、そして情報弱者が自称「正義の味方」を応援する。こんなバカな巨悪の構造は、断じてぶち壊さなければならないのである。

ともあれ、勝ち目のない西川社長降ろしに鳩山邦夫を担ぎ、自民党に壊滅的な打撃を与えるべく企んだ工作員wはお疲れさん。毎度のことだが、アッチの「正義」と「陰謀論」にまんまと乗せられて、大騒ぎする国士様達はあわれなり。麻生シンパの国士様を手玉に取るのは簡単だということが、またまた実証されてしまった。

チームポリシーウォッチのコメント欄に明快な反論(説明)があったので、コピペさせていただきます。
http://policywatch.jp/hottopic/20090615/1197/#comments

tokiwa
何度も書き込んで申し訳ありません。
The California Kidさん。あなたはかんぽの宿がいったい幾らだったら妥当だったと思いますか。参考に、整備費2400億円、固定資産税評価額850億円、鳩山さんも認めた総務省鑑定額(※一部の優良資産を抽出し推測で全体を鑑定)250億円、昨年9月末時点での簿価123億円、オリックスの提示額109億円。これを犯罪と立証するには、いくらが損害だったのかと認定しなければなりません。これは不動産売買ではなく、事業譲渡です。その上で、いくらなら妥当か。これを不正と言うのなら、幾らなら妥当なのか、言うべきです。それが責任です。鳩山さんにはそれがありません。
 僕は別に新自由主義派ではありません。しかし、経済犯罪を少しでもかじった人間の立場からして、かんぽの宿の批判はあまりに合理的ではないと思うのです。批判をするなら、まず、いくらなら妥当かというものがセットであるべきです。あるいは、リベートなど、明確な不正を指摘しなければなりません。それを規定しなければ犯罪の構成要件を成立させることはできないんです。イメージで、なんとなく安いと思ってませんか。それで批判するのはおかしいと思います。
 僕はかんぽの宿は批判されるような問題でも何でもないと思います。なぜなら、適切な値段は市場が決めるからです。オリックスより高い値段を出す会社がない場合は、どれだけ不満でもしょうがないんです。

◆日々是語草◆ 
「政投銀、完全民営化撤回されたワケ」読売よりzakzakのほうが正論

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2009年6月14日 (日)

西川社長降ろしの陰にメディア界フィクサーの存在

昨日の「小泉・竹中が指名委員会に工作した件」についての記事と共に、こちらも読むと裏の動きが垣間見えます。

鳩山総務相更迭 見誤った覚悟 最後の妥協案「のめぬ」(毎日新聞)

この数日間、首相サイドと鳩山氏の調整は難航した。調整役となった河村建夫官房長官は電話で鳩山氏に「あなたは政権の大黒柱。(首相を支援する)太郎会の会長だ。冷静によく考えてほしい」と翻意を促した。しかし鳩山氏は「その通り大黒柱だ。だからおれの言うことを聞けばいい」と逆に西川氏の解任を迫った。

麻生内閣の大黒柱とはすごい自信。

鳩山氏が公の場で西川氏の進退に初めて言及したのは、5月8日の衆院予算委員会での答弁だった。西川氏の後任探しにも動き、鳩山氏は5月27日には、鳩山氏と懇意な渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長兼主筆から西室泰三東京証券取引所会長でめどがついたとの連絡を受け、西川氏の交代に自信を示した。

読売新聞には決して出ない内輪話。鳩山総務相の後ろ盾が渡邉恒雄氏だったわけだ。

日本郵政問題では、読売新聞の偏向が酷い。

フジテレビのサキヨミでは、さんざん「日本郵政が悪い」と不公平な報道をしておいて「あなたは西川社長が辞めるべきだと思いますか?」というアンケート調査をした。マッチポンプだな。案の定、アンケートでは80%が「西川社長が辞めるべき」だった。この番組は、米国の年次改革要望書をおどろおどろしく取り上げて、郵政民営化も米国の圧力だったと、労組や民営化反対派が作った陰謀論を電波に流している。いいかげん、こんなカビの生えた陰謀論に付き合っていられない。

関係者によると渡辺氏は「鳩山さん、あなたは英雄だ。西川は悪者だ」と激励。さらに「あなたを切って西川を残す。これがどういうことか。簡単に分かる話なのに、麻生(首相)も与謝野(馨財務・金融・経済財政担当相)も分かっていない」と語った。

総理直轄の安心社会実現会議に委員として入っている渡邉恒雄氏は、政界フィクサーである(いまさらだけど)。権力闘争にメディアを利用する、これが新聞の実態である。

西川社長降ろしに加担する読売の社説にはムカついた。

鳩山総務相更迭 日本郵政は体制を一新せよ(6月13日付・読売社説)

(要約)
・鳩山総務相更迭で一連の不祥事に対する西川社長の経営責任が消えたわけではない。経営体制を一新して出直しを図るべきだ。

・麻生首相も、総務省の業務改善命令に対する回答などをみて、西川社長再任の是非を最終判断する考えを示した。当然だろう。

・今回の問題の核心は、「かんぽの宿」の不明朗な売却手続きなど不祥事が続発しているのに、西川社長が経営者としての責任を果たさなかったことにある。

・ところが、鳩山氏の発言が「罷免されても再任に反対する」とエスカレートするにつれ、「社長を辞めさせれば郵政民営化が後退する」といった、別次元の議論にすり替わってしまった。

すり替えているのはどっちだ!!
あからさまな完全民営化阻止を目論む国会議員達と西川社長降ろしは深く結びついている。シッポが出ているんだよ。
だめだ、激しく怒りがこみ上げてくる。(深呼吸)

・不祥事に対する説明不足や経営責任を問う鳩山氏の主張には、肯(うなず)ける部分が少なくない。鳩山氏の指摘に共感する人は多いのではないか。

日本郵政に経緯の不透明さはあったが、売却手法・評価額等適法であったと判断されたことは無視か。

・総務省は4月に日本郵政に業務改善命令を出した際、16項目にわたる疑問を突きつけている。「かんぽの宿の収益を改善してから入札すれば、売却額はもっと高くなったはず」「審査を担当した日本郵政の部長を、売却予定先が副社長に迎えると提案していた」――などだ。
だが、日本郵政はこれらの指摘に、いまだ正式な回答や十分な説明をしていない。

・簡易生命保険金の不払い問題では、民間生保の不払い判明から4年も公表しなかった。民営化作業という内部事情を優先させた判断には、「契約者第一」の視点が明らかに欠けていた。

そもそも国営から公社時代に至るまで、総務省の監督責任は追及せず、公社時代の不払い問題の尻ぬぐいをさせられているのが西川社長ではないか。どれだけ郵政ファミリーが税金を国民から奪ってきたのか。

・障害者向け割引制度を悪用した不正ダイレクトメール事件も、日本郵政の信頼を失墜させた。

厚労省の不正認可が常態化していたことをベールに隠して日本郵政だけが悪いって?白山会の手口の悪質さも並べて報道しろ。

・首相は、西川社長の責任問題について、自ら明確な判断を示す必要がある。

麻生首相は、すでに明確に示したではないか。まだ水面下で工作をするつもり?オマケに政権タイコモチの読売は、消費税上げろ上げろとうるさい。

次は、内政だけは見る価値のある朝日新聞社説

総務相辞任―剣が峰に立った麻生政権

(要点)
・首相は2月、「郵政民営化に賛成じゃなかった」と語り、4分社化の見直しにも言及した。首相就任以来、小泉元首相の改革路線に対する党内や社会の風当たりの強さを見て、ハンドルを戻そうとの思惑だったのだろう。

・「かんぽの宿」の売却に待ったをかけた鳩山総務相の派手な動きを黙認し、民営化見直しの潮流に身を委ねる構えを見せたのもそのためだ。

・しかし、民営化推進派が「民営化のシンボル」と呼ぶ西川氏の進退は話が違った。この人事が首相に突きつけたのは、民営化を進めるのか後退させるのか、小泉路線を継続するのか見直すのか、基本的な態度の表明だった。

・「かんぽの宿」をめぐる不適切な経過や郵便不正事件など、西川郵政にも問題はあった。だが、民営化が始まってまだ1年8カ月。色濃く残る官業体質を改革するには西川社長に頑張ってもらうしかない。首相がそう判断したとすれば理解できる。

「民営化を進めるのか後退させるのか、小泉路線を継続するのか見直すのか」「色濃く残る官業体質を改革するには西川社長に頑張ってもらうしかない」

読売と違って、西川社長降ろしに加担していない朝日は正しく見ている。

この西川社長降ろしの動きをつかんだのは竹中氏であったが、普通にこのバルクセール案件を経営的な目で見れば、「正義」「不正義」とは何ら関係のない通常の事業譲渡契約であったことがわかる。鳩山総務相三文芝居劇場は、非常に歪んだ権力闘争に読売新聞という大メディアが加担した一大マッチポンプだったのである。

鳩山総務相には、総務省官僚からの報告が正確に上がっていなかったという。にわかには信じられなかったが、総務省が専門家に調査させた事業譲渡評価額は250億円程度だったことを鳩山は無視している。知りながら「ただ同然で売っぱらおうとした!」と怒って見せているなら、たいした役者だ。総務省は鳩山をピエロに仕立て上げ、野党が追及資料を求めると、野党側が面食らうほどホイホイ出してきたという。

最後に、この「西川社長降ろし」問題について、参考になる記事を再掲しておく。

(ダイヤモンド・オンラインより)
「かんぽの宿」騒動に見る“既得権死守”勢力の巧妙かつ公然たる反乱
http://diamond.jp/series/tsujihiro/10064/

 最後に、極めて重要な二つの点を挙げたい。

 第一に、鳩山総務相の売却差し止めが将来、日本郵政の損失を拡大させ、それが財務に響き、株式上場にマイナスとなれば、国庫に得られるべき利益が減ることになり、損失をこうむるのは国民である。さらに、郵政民営化が混迷し、旧国鉄のような事態になれば、税金を投入しなければならなくなる。既得権死守闘争は、国民負担となって跳ね返るのである。

 第二に、小泉政権の構造改革が格差を拡大させたという批判が高まっている。格差には二種類ある。一つは市場主義経済の歪みによる格差であり、政府は社会的弱者のためのセーフテイネットなどの対策を迫られる。だが、もう一つは、既得権者と非既得権者の格差である。小泉構造改革はこの格差を打ち壊した。その打撃を受けた既得権者たちが、社会的弱者の味方である振りをして、論理をすり替え、自己保身の反転攻勢に出ているのである。

(通常のM&Aのプロセスとして妥当なものであった)
迷走する「かんぽの宿」問題は、独立委員会による調査しかない
http://diamond.jp/series/hoda_news/10020/

  ↓で、第三者委員会の調査結果

●【かんぽの宿問題】不正も不正義も無し、突っ込む隙があっただけ
http://nerituti.iza.ne.jp/blog/entry/1060265/
●1万円→6000万円の謎解き
http://nerituti.iza.ne.jp/blog/entry/1060585/
●鳩山総務相に謝罪と賠償を求めるべきだ
http://webtoy.iza.ne.jp/blog/entry/1060079/

(当ブログ)
●(過去ログ倉庫)郵政研究会の思惑を自民党PTがかろうじて阻止http://mojimojisk.cocolog-nifty.com/miz/2009/02/pt-a45f.html
●日本郵政株式会社は委員会設置会社として8割が社外取締役
http://mojimojisk.cocolog-nifty.com/lilyyarn/2009/06/post-f95b.html

【追伸】
読者の方から、日本郵政問題について、一方的な報道に騙されているサイトの管理者などにメールで知らせたいので、参考になるサイトを教えてほしいとの要望がありました。

文面の例「こんにちは。貴サイトを拝見して、気になることがあります。日本郵政問題は、公平な報道がなされていません。○○様が誤解されているようなので、詳しい内容につきましては、ぜひこちらのサイトを参照なさってください。影響力をお持ちの貴サイトだけに客観的な判断をお願いいたします」

こんな文章で、参考になる記事を選んで送ったら?ダイヤモンドのコラムと上記のサイトなどがおすすめです。このエントリー一個でもいいよ^_^; 一応今までの経緯はほとんど網羅したつもりだから。

◆日々是語草◆ 
故意に流された噂だけで犯罪者にされちゃかなわない

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2009年6月13日 (土)

「西川交代」の麻生・鳩弟を小泉・竹中が動いて封じ込めたそうだ

「鳩の乱」鎮圧、首相も痛手=解散時期で綱引きも(時事通信)

 日本郵政の社長人事をめぐる騒動は12日、再任阻止を叫び続けた鳩山邦夫総務相の辞任という形で終止符が打たれた。麻生太郎首相にとっては、中川昭一前財務・金融相に続く盟友の「更迭劇」。支持率が低迷する政権が受けたダメージは大きく、衆院選の時期をめぐり、与党内では「早期解散」「解散先送り」の声が交錯した。
 「あまり長引いて、話がさらに混乱しているかのごとき印象を与えるのはいかがなものかと思っています」。首相は12日午後、鳩山氏の辞表を受理した理由をこう述べると、記者団にくるりと背中を向けて立ち去った。
 ここ数日、与党内からは「時間がたてば(たつほど)わが方の支持率が落ちる」(町村信孝前官房長官)と、早期決着を求める声が広がっていた。鳩山氏の要求に沿って西川善文社長をくびにすれば、郵政民営化推進派らの反発を招き、「麻生降ろし」の動きが再燃しかねない。さりとて、首相を支える派閥横断の「太郎会」会長も務める盟友を更迭すれば、党内基盤が大きく揺らぐことになる。
 悩んだ首相が鳩山氏に示したのは、「西川氏が鳩山氏に謝罪し、続投する」という妥協案だった。しかし、12日午前、首相官邸に呼ばれた鳩山氏は「のめません」と即座に拒否。2度目の会談には辞表を懐にして官邸に向かった。
 「一番厳しい時の選対本部長を何度も務めていただいた関係で悲しく残念ですね」。首相は辞表を受け取る際、過去3回の総裁選で麻生陣営の陣頭指揮を執った鳩山氏にこう語り掛けた。
 首相の悲嘆をよそに、鳩山氏は会談後、「西川氏が謝罪すべきは国民」「今回の首相の決断は間違っている」と、記者団にまくし立てて自らの正当性を強調。「潔く散る」演出にこだわった。
 ◇「離党」への布石か
 「仲間たちと相談を続ける」。記者団から離党の意思を聞かれても、鳩山氏は否定しなかった。
 与党内では鳩山氏が「離党カード」を手にしたとの見方がもっぱらだ。「離党して新党を旗揚げする気だ」(自民党幹部)。世論を意識しつつ「正義のため」を連呼する姿勢に、政治的な野心を勘繰る声は以前から絶えなかった。
 「永遠の政界再編論者」を自任し、実兄で民主党代表の由紀夫氏とともに旧民主党を立ち上げたこともある鳩山氏。記者団を前に、「祖父鳩山一郎から正義と友愛は十分に仕込まれた」と、兄が掲げる「友愛」を口にしてみせた。自民党の笹川堯総務会長は「鳩舎から飛び出してどこの空を飛ぶのか心配している」と、鳩山氏の動きに懸念を示した。
 鳩山氏は、自身の秘書を経験した議員らと勉強会を重ねており、メンバーの戸井田徹厚生労働政務官は後を追うように辞表を提出した。ただ、鳩山氏が次の「行動」に出たとしても、同調者をどれだけ確保できるかは不透明だ。「結局、誰も付いて行かず断念するのがおち」との声もある。
 ◇早期解散論も
 一方、与党内では衆院解散・総選挙の時期をめぐって憶測が飛び交った。「麻生降ろしで東京都議選(7月12日投開票)の後は解散できなくなる」(中堅)。厚生労働省分割など度重なる迷走劇に、苦戦も指摘される都議選前に解散すべきだとの声が漏れ始めた。
 ただ、都議選を重視する公明党は「そんなことをしたら玉砕だ」(幹部)とけん制。自民党内にも、都議選前の解散を「破れかぶれ解散と同じだ」と否定的にとらえる向きは多い。今後、解散時期をめぐる綱引きが激しくなる可能性もある。(2009/06/12-23:14)

鳩山邦夫氏の秘書だった上杉氏は、「これで麻生政権崩壊」とシレッと言っておった。

首相、当初は「西川交代」…竹中・小泉コンビが封じ込め(読売新聞)

 麻生首相は当初、日本郵政の西川善文社長を交代させる意向だった。

 今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した。「ポスト西川」の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた。

 首相の意を受けた鳩山氏は5月に入り、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会の一部委員に「首相は西川氏を代えるつもりだ」と伝え、「西川辞任」に向けた多数派工作を始めた。

 しかし、直後から巻き返しにあう。

 指名委員会は、委員長を務める牛尾治朗・ウシオ電機会長を始め、郵政民営化など、小泉元首相が進めた構造改革に積極的な財界人が名を連ねる。そうした委員を通じて鳩山氏の動きを察知したのは、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵・元総務相だった。

 竹中氏は小泉氏に相談した。小泉氏は2005年、竹中氏を通じて西川氏と知り合い、社長就任を要請した経緯がある。すぐに指名委の委員を「西川続投」で説得して回り、首相や鳩山氏の動きを封じ込めた。

 結局、指名委は5月18日、西川氏を続投させる方針を決めた。

(2009年6月13日01時49分  読売新聞)

読売の記事を簡単に言うと
麻生・鳩山組と小泉・竹中組の指名委員会メンバーの奪い合いがあって、小泉・竹中の親しい財界人が小泉の言うことをきいた。

小泉が直接官邸に働きかけ、麻生が西川更迭を思いとどまった」というリークが以前にあったので、この記事と照らし合わせると、リークは読売サイドの取材だったことが推測できる。

麻生(鳩山総務相)、小泉(竹中)両方からの委員への説得があったのが事実として、指名委員会が「小泉元首相が進めた構造改革に積極的な財界人」だから小泉の言うことをきいたという“決めつけ”はいかがなものか。

総務省の専門家による評価額がオリックスへの売却額とかけ離れたものではなかったこと、17箱に及ぶ売却案件資料の精査で「不正は見つからなかった」ことからも、指名委員会が西川社長を交代させる理由は何もない。麻生サイドからの工作を委員会が無視した可能性もある。

鳩山総務相はなぜ不正がなかったことを国民に隠すのか。どちらが「不正義」なのか。後に第三者委員会による報告書でも「適法」とされた。
事の経緯を見守ってきた国民の目から見ると、鳩山総務相は罷免に値する。自民党から出て行け。

後任の総務相は、総務副大臣の経験のある佐藤勉・国家公安委員長に兼務させるとのこと。なり手はいくらでもいるのにまた兼務?
鳩山邦夫の「私の正しさは歴史が証明する。いや、1年以内に証明されるでしょう」という大言壮語と、後釜が国家公安委員長というところがなんとなく「麻生さん諦めてないな」と感じたのは、私の勝手なバイアスである。

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2009年6月12日 (金)

竹中教授の公共政策論から骨太方針を読み解く

「骨太方針2009」と慣例的に「骨太」と言っているが、現在の経済財政諮問会議では「基本方針2009」と呼び名が変わっている。

小渕内閣で形骸化していた経済財政諮問会議では、「骨太」の意味を「役所が基本を作るから、この会議では骨太な話しでもしていてください」みたいな“肉付けのない”議論をしていたとのこと。竹中大臣はその意味を逆転させて、この会議で役所に崩されない“骨太方針”を作ろうと、小泉総理と一緒に一発かましたわけだ。あの会議進行は、財務省にとっては闇討ちみたいなものだったろう。

基本方針2009について、新聞記事の比較

(読売新聞)
基礎的財政収支の赤字、GDP比で半減へ…骨太方針原案

 政府が6月下旬にまとめる「経済財政改革の基本方針2009」(骨太の方針)の原案が8日、明らかになった。

 焦点となっていた新たな財政再建目標には、国と地方の借金(債務)の残高が国内総生産に占める割合(債務残高のGDP比)を採用し、10年代半ばにこの割合を「安定化」させ、20年代初めに「引き下げる」ことを掲げた。

 さらに、13年度までの中間目標として、国と地方の単年度の財政状況を示す基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字規模をGDP比で半減させる目標も打ち出した。

 新目標が必要となったのは、巨額の景気対策を行ったことなどから財政状況が一段と悪化し、小泉政権下の06年度から示してきた「11年度までのPB黒字化」の目標の達成が事実上、不可能になったからだ。

 経済協力開発機構(OECD)の見通しによると、09年の債務残高のGDP比は日本は約174%と、先進国では最悪だ。

 だが、財政規律が緩めば、長期金利が急上昇して企業への貸出金利が上がり、景気回復の足を引っ張りかねない。このため、骨太09では、当面は景気回復を最優先するが、中期的に財政健全化を目指す道筋を描いた。

 さらに、年度ごとの予算編成をやりやすくするため、「5年を待たずにPB赤字のGDP比を半減」「10年以内にPB黒字化」も目指す。

 消費税率の引き上げについては、税制抜本改革の「中期プログラム」に沿って「社会保障の機能強化とその安定財源確保を着実に具体化する」と改めて指摘した。

 また、社会保障制度への信頼を回復するため、医療や介護などの負担と給付の状況を利用者ごとに管理する「安心保障番号・カード」を11年度に導入する方針も示した。

 政府は9日の経済財政諮問会議に原案を提出し、与党との協議を経て、23日の閣議決定を目指す。

(2009年6月9日03時03分  読売新聞)

概略はこのとおりだが、いまひとつぴんと来ない。ふ~ん、政府は財政再建のプログラムも頑張ってるねという感じである。

族記者の多い読売(中川昭一財務相に同行して飲食も共にしていた読売の記者を思い出す)に対し、嫌われ者の朝日新聞は遠慮がない。

(朝日新聞社説)
骨太の方針09―増税の必要を隠すのか

(略)
 問題は、どうやって目標を達成するかだ。そこを「骨太09」の素案は「税制抜本改革や歳出歳入改革の中で所要の財源を確保する」と説明するが、これではあいまいすぎる。

 ただ、付属資料である内閣府の試算は、その答えを示唆している。基礎的財政収支を19年度に黒字化するには、世界経済が順調に回復するとしても、現在5%の消費税率を段階的に10~12%まで引き上げないと達成は難しいということがくみ取れる内容だ。

 答えは消費税を軸とする増税しかないと、麻生首相はじめ政府・与党幹部らは認識しているはずだ。だが総選挙を前に、それを国民にはっきり告げることを避けているように見える。

 経済政策を巡っては、このところ自民党と民主党が大盤振る舞いを競う場面が多い。だがこれが国民が望む2大政党制なのだろうか。

 社会保障や若者たちの負担をはじめ日本の将来をどうするのか。そのための財政再建と消費税こそ両党がこんどの総選挙で競うべきテーマである。

内政面では朝日新聞の勝ち。
同じく朝日新聞の解説

財政再建へ「消費税12%」 内閣府、骨太案前提に試算(1/2ページ)

(略)
 内閣府が同日示した試算では、11年度から消費税率を段階的に引き上げて17年度に12%とした場合、基礎的財政収支は18年度に黒字化する。税率10%までの引き上げだと黒字化は21年度で、「今後10年以内の黒字化」は達成できない。また、いずれの試算も11年度まで「骨太06」に基づき社会保障費の年2200億円抑制などを続け、12年度以降も社会保障以外の歳出を増やさないことが大前提だ。

 これまでは小泉政権下の「骨太06」で決めた11年度の基礎的財政収支の黒字化が目標だったが、景気悪化で財政赤字が拡大し、断念した。歳出削減目標でも、年金や医療の負担増が続き、09年度予算編成では社会保障費抑制の方針は事実上撤回。10年度も困難な状況だ。

いい加減な試算だということがわかる。

中期プログラムでは景気回復前提の11年度からの消費税増税をねじこんだが、与謝野氏が約束したように増税分をすべて社会保障に入れると全然足りない。その分公共事業を抑制して持続的な経済成長を目指すと方針を打ち出したが、持続的な成長をする保証はまったくない。健全化の基準を多少緩めたところで、具体的な道筋は国民に示されていないのである。

プライマリーバランスという言葉を初めて会議に持ち込んだのは竹中氏だった。

「闘う経済学」より

「歳出削減なくして増税なし」という根拠について
竹中氏は財政再建がうまくいった国とうまくいかなかった国に法則性があるのか調べた。

①経済成長率が上昇したケースでは、増税よりも歳出削減に取り組んだことがわかった。(データ:公共投資のGDPに占める割合の推移 日仏米英独)
②経済成長率が低下したケースでは、歳出削減を行わずに増税だけでプライマリーバランスの改善を図っている。

制度改革を伴う歳出削減
①OECD20カ国を対象に、どのような削減が効果的かを見ると、成功した財政改革の事例では、公共投資や政府支出だけではなく、人件費や社会保障費などの削減にも取り組んだ。
簡単に減らせる政策経費はほとんどない。だから制度改革を伴う削減を行わないといけない。
②成功しなかった財政改革の事例では、増税に依存し、人件費や社会保障費など義務的経費の歳出はむしろ増加させたため、財政収支の改善幅は縮小し、継続的な財政収支につながらなかった。
③無駄のない予算編成は、政策議論が先になければならない。予算獲得が既得権益になっている部分を改善し、予算ありきの構造から政策前提の予算編成をする。

財政健全化目標をいかに設定するか
①2001年当時、プライマリーバランスの赤字はGDP比5.4%だった。10年でゼロ(均衡)にさせるには、毎年GDP比0.5%の改善を意味する。(乗数がかかるので、実質的にはGDPを0.5%から0.6%押し下げてしまうがやむをえない)
②日本の潜在成長率は1.7%~2%と考えられたが、改革の緩みによって名目GDPが成長せず、(2008年当時)歳出削減も反故にされた。

プライマリーバランス目標の取り組みをまとめると以上のようになる。

小泉総理が言ったように、国民への所得再配分が減ることは痛みを強いることになる。しかし、削減努力なくして増税することは、経済成長率も鈍化させ、増税の負担によってさらなる痛みを強いることになる。失敗したモデルの繰り返しとなってしまう。

財務省は、悪いほうへ悪いほうへと導いているようだ。

内閣府が同日示した試算では、11年度から消費税率を段階的に引き上げて17年度に12%とした場合、基礎的財政収支は18年度に黒字化する。

これこそ机上の空論で、増税によって経済成長率が悪化すれば元の木阿弥である。低成長率が続いて12%の負担に耐えられるとは思わない。

名目成長率を上げるのが大前提となる。それには景気回復途上の増税は御法度である。

まずは歳出削減を可能にする制度全般の見直しと設計が、徹底的に議論されるべきなのであって、政策の練り直しの次に予算編成をおく。予算獲得競争から政策が導き出される今の構造を改めなければならない。

経済成長と歳出削減努力を伴ってこそ財政再建の目処が立つのであり、そのためには「改革を止めるな」ということなのである。

【追記】

※財政再建の必要性をいまひとつ感じられない方は、このエントリーをよく読んでみてね。コメントも全部。それから、財政再建プログラムは、あくまでも景気回復の後であることをお間違いなく。

池田信夫氏の「発散する財政赤字」

※国債残高が増え続けると財政の硬直化を招く。なぜか。
ぜひこちらもご覧下さい。

故郷求めて氏の「国債発行は財政硬直化を招きます」

※増税への依存は、低福祉・高負担、重税・低成長の経済を招く。

(日々是語草)竹中平蔵氏「『財政至上主義』の危うさ」。骨太2009への評価

◆日々是語草◆
温室効果ガス削減は日本いじめ?

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2009年6月11日 (木)

梨里庵のスタンス

イザ!ブログの方達やてんこもりさんが、記事中に拙ブログを「参考ブログ」としてリンクしてくれていたので、アクセス数が多いようです。

本当に参考になるのかな?と、なんだか申し訳ないような・・・
ガッカリされた方にはすみません!と先に謝っておこう。

リニューアルして日が浅いので、改めてどんなスタンスでどんなふうに記事を書いているのか、それがどーした?と言われそうだけど、まとめておきます。

ここはROM専の方が多くて、「読者の声」があまりない中で、「反応ないのは賛同の証拠」と良いほうに解釈して続けてきました。一方で、政治的スタンスを異にする人達の「監視の目」も、少ないけれど確実にありました。

ミスしたり失言することの怖さを知りました。失言というより、失言として作り上げられてしまう怖さです。それまでは、個人のブログで何を書いてもいいじゃん、好きに書かせてよ、工作員じゃあるまいし、何にも影響なんかないんだからさっ!と、政治ジャンルでものびの~びうさ晴らし程度に書いていたんですけどね。

でも、ある日、荒らし君に言われました。
「影響ないって?反響すごいよ」と。見たくないところも見てみました。

ああ、アクセス数の多寡は関係ない、負の波及効果というのはすごいもんだと思いました。

対岸の火事・・じゃないけれど、きれいな岸辺で見ていた風景が、川にかかる橋の上に立ってみると、真下には汚泥を含んだ濁流に足がすくむ、そんな経験をネットでしました。なにせお人好しで気が小さいもので。

公開で政治について語るとは、いつ濁流に流されてもいいという覚悟を持つことだと知りました。大げさだけれど、覚悟さえできれば大丈夫です。誰かが必ずすくい上げてくれることも知りましたから。人間の社会生活と同じですね。

勉強のために続けているので、ミスはしょっちゅうです。
「ネタに釣られる」ことも何度もありました。

さて先日、リニューアルする前に、すごく威圧的な2チャンネラーの人にミスを指摘され、「週刊誌より本を読みなよ」とアドバイス?をもらいました。

たしかにネットにはまったりブログの更新を続けていると、読みたい本が読めません。2週間くらいオフラインで読書にふけりたいんだけど・・・。しばらく音沙汰なくなったら、本を読み散らかしているんだなと思ってください。まぁ、それはそれとして、

情報の扱い方とメディアリテラシーは、先ほどの喩えで言えば、一度汚泥に流されてみないと身に付かないというのが私の考えです。経験則と言ってもいい。

たとえば、週刊誌にある件で煽り気味のアウトラインの記事が出るとします。週刊誌の結論は読んでも意味がないので、フィルターにかけて落とします。ソースとなる発言者もチェックしておく。すると、同じ出版社の雑誌に少し詳しい記事が出る。あ~、その筋はこの件を世論として広めたいんだな、なんてことが見えてきます。

次に署名記事でフォーサイトあたりに詳細に出てきます。「高級誌」と呼ばれているけれど、嘘も多い。取材源がはっきりしていなくて、週刊誌がソース?という時もあります。

政府紙幣の議論もそうでしたね。週刊誌が発端でした。今度は「年金の積立分全額返納」という提案もどこまで波及するか注目です。日本郵政の件は、両方の勢力が誌面を奪い合っている感じです。

そういうイェロージャーナリズムの中からも、時を追うと真実が見えてくる瞬間があるわけです。連載が本になって、評価を受けることもある。野崎悠紀夫氏の「戦後経済史」もそうでした。大橋巨泉から櫻井よしこ、ベンジャミンフルフォードから落合信彦まで、なんでもえり好みせずに読みますよ。

てんこもりさんのサイトには、後日役立つたくさんのピースが落ちています。日々「作文」しているブログよりはるかに「選球眼がいい」と感じます。取り上げてもらったから言っているんじゃないからね。――ちょっ!今アクセス数見たら、、wwすげーww

私がまとめた週刊誌の引用にひいてしまうというコメントをいただいたので、情報の元になったてんこもりさんも低レベルと言われたように感じ、あえて書きました。ファン心理ってそういうもんだよね。もちろん情報選択は自己責任で。

「低レベル週刊誌」「高尚な本」と差別しないで、フィルター機能を装着した上で第一次ソースの流れを観察することが情報分析に役立つと思います。ある疑惑が既成事実となってから「イイ人」的な、良識的コメントしているブログを読みたいと思う?批判を恐れず「違う側面からあえて物申す」サイトに惹かれます。事が決着する前に書く勇気、というのかな。

赤旗にも真実はあります。
ばらばらのピースが、いつかぴたっとはまって一枚の絵になった時の面白さが、政治をウォッチする醍醐味かもしれないですね。でも、しょせん素人だから、精神鑑定のロールシャッハ・テストのようなものをかってに「こんな絵が見えた」と自己満足している程度なんですけどね。

子供の言うことにも真理があります。
何かをじーっと考え続けていると、ある時、子供の言葉にも「これだ!」とひらめきを感じる時があるでしょ。直感力のある人は、頭の中にピースをたくさん持っている人だと思うのです。

もちろんそうありたいと思っているだけで、私に素晴らしい直感力があるということではありません。でも、いろんなブログを巡っていると、表面つらだけ見て、見たいものしか見ていない人だなぁ、とかリアリズム思考が足りないなぁとか、いろいろですわね。陰謀論はかんべんしてほしいけれど、最低限の想像力は必要な世界です。

陰謀論は百害あって一利なしです。オカルト板だけの専売特許にしておいたほうがいいです。

しかし、陰謀を語る人を「この人はダメ」と切って捨ててはもったいない。99%の嘘の中に1つの真実(共感)を見つけたいと私は思います。99%支持している人も「そこは違う」と言える目を持っていないと、何事も見誤ります。

当たり前のように聞こえます?意外と難しいですよ。親衛隊のように国士・麻生を擁護する支持者を見ていると「是々非々」という言葉をおくりたくなります。「一つの真実(共感)を大切にする」ということで言えば、仲間同士でも、ちょっと自分の価値観から外れると「ダメ」の失格印を押していませんか?私はそれで何度捨てられたことか・・シクシク・・。というか、私に何を期待していたの?と呆れてしまうわけですが。

情けないのは、政治的立場の違う反論がわーーっと来て、今まで応援してくれた人達だから…と、媚びて言行がぶれてしまうこと。必ずあとで自己矛盾が生じて苦しくなります。

孤立恐るるべからずです。孤立しているほうが楽だよ(^_^; 賛同者もいつ反対に回るかわからないのが世の常なのです。ほめられてもけなされても、それは一つの線状を巡っているにすぎません。だから、ぶれてはいけません。自分の心を守るために。

人それぞれに「正義」も「論理」も違います。
それはきっと象をなでる盲目の僧侶達が、象の一部分だけを触って「象」について語っているようなものでしょう。

このブログはどの部分を触っているのかな?自分はどこを触り足りないのかな?そんなことを思いながらブログを巡ったり、書き続けるのは楽しいものです。

ということで、拙ブログでは週刊誌から雑多な本まで、時には「幸福実現党」のパンフレットまで(笑)縦横無尽に興味のあるところから何でも引っ張ってきます。

そして皆さんとパズル解きを楽しみたいと思っています。

基本は
「インテリジェンスとは、仕事の八割は公表された情報の分析」と言われるように、緻密な公開文書の読み込みに他ならないことは押さえておきたいと思います。

これが一番難しいんですよね。頭の良い人に任せちゃおうと手抜きばっかり(^_^;

「個人の感想」よりも「リアルな情報」に価値があるのは言うまでもありません。「共有できる情報を」、そこに価値をおいてブログを書きたいです。でも、思うようにいかないのが辛い・・・。一応目指したい方向性ということです。でもね、ブログ更新は根気も体力も必要なので、物理的にあちこち巡回する時間がありません。なので、おもしろいネタや記事があったら、ぜひ掲示板に落としていってください。

以上、エラソーに聞こえたらすみません。なんとなく拙ブログのスタンスをわかっていただけましたら幸いです。

◆日々是語草◆ 
幸福実現党に約束されましても・・

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2009年6月10日 (水)

財務省から予算編成権を奪った竹中平蔵

日本アンチキムチ団」さんのブログ紹介一覧の中に梨里庵が入ってる!昨日はなかったので、リンク元の記事を読んでくれたのね。てんこもり野郎さんはずーっとファンだったので、嬉しい♪

「骨太2009年」素案が発表された。
素案なので、経済財政諮問会議HPには正式に掲載されていない。

思うところがいろいろあるが・・・
結論は「なんじゃこりゃ」である。これで終わったらエントリーにならないので、思うところの「いろいろ」を少し分解してみたい。

財務省」について思いつくままに

財政健全化は財務省の悲願である。

国の財布を握って予算配分する役所のDNAは、元来大きな財布を好む。役割上、当然のことである。来るカネは拒まず、去るカネは渋る。一家の財布を握るお母ちゃんなら、愛する家族のためにへそくりを出すこともあるだろう。でも、国民が税源に見える財務省は、ため込んだカネはぜーったい吐き出さない。剰余金を掘り出すのは、国民の負託を受けた政治家の役目である。

配分するカネはない。これ以上借金を増やしたら国がつぶれる。増税が必要である」という主張はお馴染みだが、発信元をよく見てごらん?偏向したマスコミ?マスコミはツールであって、発信元があるの。誰がメディアに情報を流しているか。ニュースソースは、記者クラブを仕切る霞ヶ関からが圧倒的に多いのが常識である。

例を出さないとピンと来ないかもしれない。
道路財源を一般財源化する時に大混乱した。財務省は一般財源化すれば財布が大きくなって歓迎するが、国交省は猛反対。そこでどうしたか。道路財源がなくなったらこんなに困りますよ~ということで、必要不可欠な工事予定区間を「財源がおりないから」とストップさせた。そしてテレビ局に「この工事区間に行ってごらんなさい」とネタを提供するわけだ。ネタがほしいテレビ局は飛びつく。で、国交省の狙い通りの“絵”が全国に報道される仕掛けである。「一般財源化したら必要な道路工事もストップしてこんなに迷惑を被る」というニュースの出来上がり。

縦割り行政の省益中心組織だから、こういうことになる。

さて、財政再建派で税源確保を訴えているのは誰?はい、歴代の財務大臣。

減税とか特別会計の剰余金とか政府紙幣など、財務省は話が出たとたんに「できない理由」を並べてなかったことにする。与謝野発言を追っていけば一目瞭然。経済成長と財政再建路線の竹中が送り込んだ本間正明政府税制調査会会長は、財務省にスキャンダルを仕立て上げられてクビチョンパされた。

竹中氏が仕切っていた頃は、なんと!経済財政諮問会議は予算編成権を財務省から取り上げた。「予算ありき」のシステムを竹中氏が壊しちゃった。おまけにそこで税制改革の議論までしたのだから、財務省の怒るまいことか。税制改革は政策論と一体に議論しなければならないのに、それまでは政策論争はほとんどなされていなかった。

竹中大臣の下では、まさしく経済財政諮問会議が政治主導のエンジンとして機能していたのだが、今は再び財務省主導の機関となり、政治が脇役となっている。

歳出削減案は予算をもらいたい各省が抵抗し、財務省は国債発行に慎重な土壌がある。もちろん財務省内部では、経済に通じた官僚が大胆な政策を提言したりもするが、なかなか組織の壁を破るのは難しいらしい。

財務省関連で思いつくことがいっぱい出てきた(^_^;
なかなか結論までいきつかないようなので、分けます。

(予定)
・旧大蔵族、新財務族、自民党と財務省の蜜月関係
・竹中センセーの公共政策論から骨太方針を読み解く

◆日々是語草◆ 
塩野七生さんが語る小泉純一郎「リーダーの条件」

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2009年6月 9日 (火)

故石井紘基「日本の病」とは。民主党議員の疑惑がちっとも報道されない件

麻生首相「いろいろな話がわんわん飛び交って内閣の支持率や政府の評判(の低下)になることはいかがなものか、という意見がよく聞かれる

「総理、正しいご決断を!」と西川社長更迭組と続投組から責められ、「株主総会までちょっと待てよ」と猶予も与えられず、上がりかけた支持率がドスンッと落ちてしまった状況を麻生首相自身が一番よくわかっている。

この件に関しては、巻き込まれた麻生さんに少しだけ同情する。
鳩山邦夫、うさんくさすぎ!

郵便不正、証明書偽造事件では厚労省障害保健福祉部企画課長が逮捕された。テレビ報道では、もっぱら「日本郵政の不正」のような印象操作が行われている。民主党の牧議員の疑惑は消えてしまったのだろうか。

「王道を行く」者が最後には勝つ、というわけにはいかないのが「日本の病」の深さを感じさせる。

きょうは趣向を変えて、政治の裏側を透視する。
(全貌が透視で見えたら苦労しませんが)

なが~くなったけど、最後まで読むと頭にかかった霞が晴れるかも。少なくとも私はウサが晴れた。

日本アンチキムチ団
小泉純一郎の偉大な功績

おいら的には本来継ぐべきだった民主党が可憐にスルーした故石井紘基議員の意思を受け次いだのが小泉純一郎さんですね。

【すべての日本人が見るべき動画はこれだ】
特殊法人と天下り役人が日本を滅ぼす理由。

http://ameblo.jp/worldwalker2/entry-10073673171.html

上記にある動画は必見ですが、特殊法人と天下り役人と共に同和利権と在日利権とカルトと裏社会も考慮する必要がありますね。(w

今存在する数々の大きな問題は基本的に小泉改革のせいというより長年の日本社会が侵されてた石井さん曰く「日本病」の症状と後遺症だと思います。(w

まあとりあえず朝鮮人など利権を奪われた人たちにとって小泉さんは目の敵でしょうね。(w

「かんぽの宿」問題も根本的問題は郵政民営化自体じゃない。

根本は民営化のプロセスにおいて
特定勢力が潜り込んで不正を働いたかもしれないって話なのに、
それを郵政民営化自体の問題に摩り替えようと
必死にハッタリジェンス活動してる
方々がおられるわけです。(w

うーむぅ、てんこもり野郎さんが語る、これが政治の裏側から見た真実なのか。

故・石井紘基民主党議員が語る「日本病」

道路公団にぶら下がるファミリー企業が700!税金が湯水のように流れていく。国民の知らないところで、一大帝国を築いていた。石井は一人でそれをあばいた。

特別会計から派生するファミリーは、道路公団と並んで郵政もまた腐敗の温床だった。西川社長は、郵政にヒルのように吸い付くファミリー200以上の団体・企業を洗い出して整理しようとした。

そりゃあ、西川更迭運動が起こるわな。「西川だけは許さない!」って誰が言ってたっけ。旧郵政省のお先棒を担ぐ正義の味方は、あの人しかいない。

石井があばいた日本病の正体とは、一党独裁(自民党)の下での官僚制社会主義の実態だった。まるでソ連共産党が崩壊していく様のようだ、と。

石井の志は民主党に引き継がれたのか。
石井「民主党はわかってないからね・・」(苦笑)

その当時、構造改革を掲げた小泉内閣。小泉によって石井の志が引き継がれた瞬間だった。利権の排除がようやく現実のものとなっていく。しかし・・・石井紘基は殺された。

ヤミ金をやりたい」「石井君、そりゃあ危ないよ・・」
「内閣府にまで手を突っ込んで大丈夫なの・・」

知人は石井の身辺を心配していたのだった。
事実として民族派の石井議員は、在日朝鮮利権、同和利権、内部に巣くう税金に群がるファミリー利権に手を突っ込んで敵を多く作った。それしか日本を救う途はないと信じて。志半ばで、かつて親交を結んだ皇道派右翼によって殺害されたのはなんと無念なことであったろう。敵は常に足元に在り。

権力にくっついた垢みたいな利権構造が道路や郵政にたかってきたわけ、か。

M&Aの専門家が、日本郵政の疑惑追及問題は、テクニカルな問題では「適法」であるが、すでに政治問題化しているのでお手上げのように言っていことを思い出す。

確信的なブラックジャーナリズムが「正義」の顔をして情報操作している。いわゆる工作員は、大衆の関心を引くように事実を織り交ぜながら「小説を書く」。外務省では御用ジャーナリストに記事一本30万円?税金、返せよ。ネットイナゴは「マスコミの偏向」を糾弾しながら、糾弾する手で黒いジャーナリズムの餌食になっている。

ここで週刊誌の手を借りよう。

週刊新潮
大阪地検「郵便不正捜査」の舞台に登場した民主党「牧義夫」ネクスト文部科学副大臣

<事件の経緯と人間関係相関図>

1,5/26「郵便不正事件」で厚労省障害保健福祉部企画課係長・上村勉が逮捕された。検察はその二日後、民主党の牧議員の疑惑について関係者の事情聴取を始めた。

2,総勢50人超の捜査体制を敷き、大阪地検特捜部は郵便不正事件しかやってないと言っていいほどである。

3,2/26広告代理店・新生企業社長・宇田敏代元取締役・阿部徹を郵便法違反と9000万円脱税で逮捕。

4,阿部は03年に日本郵政公社から“低料第三種郵便”の承認を取り消されると会社は倒産。宇田を社長にして新生企業を立ち上げた。

5,石井一民主党副代表元秘書・倉沢邦夫が自称障害者団体「白山会」の前身である「凛の会」を設立したのも03年。

6,石井一事務所の肩書きで倉沢は「障害者団体の証明書」を手に入れようと厚労省に働きかけた。→(厚労省)上村は「政治案件」として凛の会に便宜を図り、決裁文書偽造を行った。上村の上司は直接石井一議員から依頼されている。
石井一は、この件に関して「倉沢が勝手にやった」と回答している。

7,白山会会長の守田義国は、石井一事務所に出入りしていた時、倉沢と知り合った。倉沢が立ち上げた凛の会に入り込んで、白山会に名称変更し、守田が会長となった。倉沢は守田と仲違いした後、郵便不正の常習だった阿部と知り合う。阿部守田は派手に郵便不正をやり始めた。

8,倉沢はカネに困って白山会に戻ったが、給料は月10万円だった。

9,阿部の逮捕から芋づる式に倉沢守田、ウイルコ(印刷・通販大手)前会長やベスト電器元販売促進部長らが塀の中へ。

10,不正を見逃していた郵便事業会社の新東京支店の総務主任も5/19に捕まった。すでに逮捕者は14人、ごまかした郵便料金は起訴分だけで約8億2千万円に達する。

<牧議員の疑惑>

1,牧議員は昨年5/23、衆院経済産業委員会で「障害者団体を悪用した郵便不正」問題を質問。(指摘するにとどまっている)
牧議員が取り上げた団体は、広告会社と提携する白山会グループのライバルだった。

2,牧議員の質問から1ヶ月もしないうちに郵便事業会社から3団体に調査が入り、承認取り消しになった。しかし、結果的に白山会のほうも昨年末に承認取り消しになったので、やぶ蛇だった。(広告会社の幹部談)

3,白山会も一蓮托生になったのは、牧議員の質問がきっかけとなり、朝日新聞(08年10月6日)が、白山会サイドの「ウイルコ」の不正問題を報じたから。

4,牧議員は、朝日新聞報道後の委員会で再度質問に立ち「すべて悪用であるかのような報道姿勢と私が5/23に質問したそもそもの趣旨がまず違うということだけは申し上げておかなければ」と、白山会への言い訳のような質問をしている。

5,牧議員の意に反して、郵便事業会社は本格的に調査を開始。今年1月下旬までに白山会を含む22団体が廃刊や承認取消処分となった。

<牧と守田の関係>

1,牧議員は、鳩山邦夫総務相の秘書だった。白山会会長・守田は、秘書時代から20年来の付き合い。牧氏が社長のスナック経営会社では守田が監査役という親密な関係。スナック経営会社はその後守田が社長となり、商号を「東京広域信用調査」と偏向し、牧氏が代表を務める政党支部に12万円ずつ計24万円献金をしている。

<疑惑>

1,国会質問の見返りに白山会サイドから牧氏に200万円のカネが渡っていることを検事は調査している。調べを受けた倉沢の知人は、白山会がライバル団体に邪魔をされたので、それを押さえ込むために牧氏に国会質問するように宇田が依頼したと聞いていた。200万円の謝礼金の話しも耳にしていた

2,牧氏の質問の時期、守田が200万円を銀行口座から引き出し、現金化したことは確認されている。

※捜査関係者によると、捜査は詰めの段階だという。

記事を追う限り、石井一民主党議員、牧民主党議員は、かなり追いつめられているようだ。一方、郵政公社時代には調査の手を入れたが、民営化後、不正を見逃していた郵便事業会社からは逮捕者を出した。いったいぜんたいどこまで逮捕者が広がるのか。

自分でまとめてみて、やっと人間関係の全体像が把握できたYO。

あとは以下のサイトでパズルの謎解きをお楽しみください。

カイカク=売国チョーセン、鳩山邦夫をヒーロー視する自称保守だか正義の革新だか知らないが、これもやはり自分自身の汚れた手を隠す“なすりつけ”戦法だったわけね。「日本の病」は思想の戦いではなく、利権を奪われまいとする低次元の戦いであった。_(.・)/ガク

日本アンチキムチ団

郵便不正事件はマルチ同様郵政朝鮮同和利権@民主党案件(w

ところで、かんぽの宿問題(笑)を利用して、小泉+竹中を叩き潰せると目論んでいた、平沼・城内脳の自称真性保守(爆ww)や、どっかの陰謀脳の大学教授、それを支援するブロガーや信者たちの敗北が決定したようでw

【かんぽの宿問題】不正も不正義も無し、突っ込む隙があっただけ
http://nerituti.iza.ne.jp/blog/entry/1060265/

1万円→6000万円の謎解き
http://nerituti.iza.ne.jp/blog/entry/1060585/

鳩山総務相に謝罪と賠償を求めるべきだ
http://webtoy.iza.ne.jp/blog/entry/1060079/

Posted by アンチヂミ at 2009年05月31日 12:37

ミンス信者の反応・・・

この捜査のターゲットは、おそらく石井議員であろう。
そして、鳩山大臣の所までは行かずに「西川続投」で取引成立といった具合になるのではないか。

そうなると民主党にとっては、とても大きな打撃になるかもしれない。

旧郵政朝鮮利権@牧義夫とマルチ利権@増子輝彦が民主党経由福島県郡山繋がりな件

やっぱ旧郵政省の同和在日利権排除への流れを作った小泉純一郎さんと竹中平蔵さんが偉大だった件。(爆w

長期間、国内北朝鮮勢力の不正を放置してた日本郵政グループ
http://antikimchi.seesaa.net/article/114830518.html

障害者郵便割引不正は民主党議員と自民鳩山弟案件

白山会は、鳩山邦夫の選挙地盤だった文京区の団体

●本誌編集長のコメント
「asahi.comは『石井議員の事務所によると「倉沢代表は83年ごろ、当時は自民党の衆院議員だった石井一議員の私設秘書を数カ月間務めた。」という。その程度の人が『04年5月末まで複数回にわたり、厚労省幹部らと面会し、団体認可を繰り返し依頼できた』などありえない。私は誰か大物政治家の口利きがなかった筈はない』と断言する」

http://www.shihoujournal.co.jp/news/090601_1.html

郵便割引不正事件:白山会事務所に民主党のポスター(w

ぽっぽ弟をさっさとクビにしてこの件を徹底追求すれば
コイズミとかケケ中とか騒いでる連中がなみだ目になるぞ、麻生さん!(爆w

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2009年6月 8日 (月)

日本郵政株式会社は委員会設置会社として8割が社外取締役

日本郵政西川社長続投に関して、指名委員会や第三者委員会が「お手盛りだ」と鳩弟がインネンつけていることに補足。

総務省が日本郵政の「かんぽの宿」入札資料を精査した結果、「不正はなかった」ことはろくに報道されなかった。総務省が専門家によって試算した施設の一括譲渡の評価額も、オリックス提示の109億の2.数倍にとどまった(290億円だっけ)。それをニュースでは「2倍以上の開きがあった」と、ことさら不正の匂いを漂わせて報じていたことは記憶に新しい。

日本郵政についての報道は、当初は各新聞が「経営判断」を是とする論調だったが、総務相がボルテージを上げるほどに偏向の度を増している。偏向はいつものことだが、何事についてもどこか一つくらいは正しく(客観的に)報道する媒体が存在する。読売新聞が特に偏向が酷かったが、朝日新聞は「どうしちゃったの?」というくらい正論を書いていた。読売新聞には“霞ヶ関ジャーナリズム”が健在である。反日ジャーナリズムよりはずっとマシだろうけれど。

以上が、今までのおさらい。

ダンナに「読みやすくて、わかりやすい」本を選んであげていた時、ぱらぱらっと読み返した本にこんな箇所を発見。忘れているもんだね~。

「社内委員会みたいなもんだ」と難癖つけた鳩弟に「社外取締役がほとんどだ」とブログで反論したので、本の内容が頭の隅には残っていたのだろう。

「戦略は細部に宿る」と言う竹中氏らしい発言なので、ご紹介。
敵の出方を予想して、あらかじめ戦略を立てておく。

ニッポン経済の「ここ」が危ない!
竹中平蔵、幸田真音 対談

幸田 やっぱり人ですね。日本の金融機関のトップに外国人を雇ってもいい。

竹中 あおぞら銀行は、社長が外国人ですよね。そこそこ成功してるんじゃないでしょうか。そういう事例もあると思います。

幸田 『日銀券』という小説を書いたときに、日銀の審議委員の中に一人、外国人を入れたんです。「あり得ない」って、みんなには言われてしまいましたけれど、「あってほしかった」んです。外部の目を入れないとだめですよね。

竹中 そう。

幸田 何にも変わらない。

竹中 ゆうちょ銀行の親会社である日本郵政株式会社は、そういうことができるような法律にしました。最初から、委員会設置会社にしたんです。日本のメガバンクで委員会設置会社はまだ一社もありません。初めてのことでしたから、よくわかっていない人たちには、取締役の数が多すぎると言われました。違います。委員のうち八割は社外取締役なんです。いわゆるお手盛りの役員はいないんです。外部の人が入ってるから、お手盛りで自分たちの兄貴分みたいな人を取締役にして、親父みたいな社長のもとで、なあなあで経営を決めることはできません。その分、頭取というか社長はたいへんですよ。自分の部下の取締役だったら、うるさく言われても、ちょっと睨みをきかせればいいだけだけれど、外部の、しかも錚々たる人が座ってるわけですから。
私はりそな銀行に公的資金を注入するときに、委員会設置会社にすることを当初から念頭に置きました。それが銀行として実質的に初めての委員会設置会社です。そして、今度は大きな銀行として初めて、ゆうちょ銀行を委員会設置会社にしたんです。こういうことも、新聞は書いてくれませんね。

幸田 書きませんねえ。本当にメディアは、肝心なところを伝えないで、アイキャッチを狙った見当違いな批判ばっかり。

竹中 そうなんですよ。この間、郵政民営化のことについて、ある新聞記者が書いている本を読んだんですけれど、無茶苦茶な内容でした。しかも、私に取材もしないで、竹中は利益だけ重視して西川を任命したとか書かれている。相変わらずだな、と思いましたよ。読んでみて、あ、これは小説だと思った。

メディア側が、間違った報道をしているという自覚が欠如していることが一番危ない」と二人の意見が一致した。労働者の水準は高いけれど、トップがダメということも意見が一致。

「お手盛り」「馴れ合い」が経営統治能力を失わせ、ひいては社員にそのツケを負わせている、その構図が官と国民の関係にも及んでいるわけである。その場合は、国民に負担を強いる結果になるのだからたまらない。

かつての銀行の経営ガバナンス問題はその典型で、バランスシート調整に苦しむ銀行に「原理原則」を貫かせることを政府側から竹中が“規制強化”したところ、メディアあげてのバッシングが始まったのであった。

ルールを強化すると、強化したほうが「お手盛り」と批判される。つまり批判者は、自分のやっていることをそのまま相手に投影させるという裏返しの批判しかできないのである。悪罵するしか能のない輩は、自らその卑しさを自白しているようなものだ。

どういう批判をするかで批判者の程度がしれるので、竹中氏は、「批判する人を観察して楽しんでいる」と、いつも余裕をもって反論しているのである。

◇ 

公共性を鑑みて、経営の透明性をより確保するために、日本郵政株式会社は最初から委員会設置会社にしたのであった。

委員のうち八割は社外取締役なんです。いわゆるお手盛りの役員はいないんです

鳩弟にここだけでも100回読ませたいね。
邦夫と竹中、直接対決させてくれるメディアはないものか。サンデープロジェクトさん、視聴率アップにいかが?

◆日々是語草◆ 
中共が求める設計図丸裸の「強制認証制度」

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2009年6月 7日 (日)

日本政策投資銀行の完全民営化撤廃。反対した議員は二人だけ

ヨッシー日記より

本会議。日本政策投資銀行の完全民営化を撤回する法案が、自民・公明・民主の賛成で通った。私と江田憲司さんは反対。

反対するのは当たり前だ。この二人しか問題の重要性を捉えていないとは嘆かわしい。「官から民へ」を小泉時代の単なるキャッチコピーくらいにしか思っていないので、今の日本が迷路にはまっているような感じを受ける。政治の劣化がここまで来ると、もはやどの党も支持できない。

与謝野「政投銀は政府の大事なツールとして残しておくべき

銀行の貸し渋りや不況が政府のツールを残す理由になっていない。
ヨッシーが言うように、政策金融公庫法で、民間が取ることのできないリスクを日本政策金融公庫が「危機対応業務」として対応することになっているので、なんら問題ない。

また竹中氏が言うように、政府が間接融資や保証という手段を使えば、直接融資でなくても民間金融を補完できる。

民営化しない日本政策金融公庫では不十分という財務省の主張は、以前の公的貸し付け残高の異常な「肥大化」路線(米英と比較してGDP比が4倍!独の2倍!)に戻そうという動きであり、再びモラルハザードを引き起こしかねない。

官から民へ」と言う時に、「公務員いじめ」と問題をすり替えようとする人がいるが、案外同調する人が多いのは、戦後巨大化してきた官が民を搾取するような社会主義構造に依存しているうちに、官ネットワークという蜘蛛の巣が徐々に張り巡らされてきたことが自覚できないのである。日本の公務員の数は欧米に比べて比率として少ないという理屈は、質と量を混同している。公務員の身分を名刺代わりに天下っている数は入っていない。しかも霞ヶ関が政治家の育成機関ともなっているのである。実質的な主従関係が逆転している権力構造は、麻生と官僚の関係を見ればよくわかる。民主党が政権をとったら、民主党議員が官僚の手の平の上で転がされるのは目に見えている。

官が民に侵食して民の禄を食む構造が日本の活力を奪っているという問題なのである。「政府がやるので民が入れない」ことも多々ある。たとえば住宅金融公庫の融資を止めたとたんに民間の金融機関が低金利の住宅ローンを出すようになった。羽田空港設備なども官が民を遮断している例である。まだまだたくさんある。

そもそも政府系金融改革は郵政民営化と共に小泉首相が「出入り口一体改革」として取り組んだ。

どこの国でも公的な融資部門があるが、一つか二つである。日本では政府系金融機関は省の管轄ごとに9行もあった。並べてみると①住宅金融公庫②日本政策投資銀行③国際協力銀行④中小企業金融公庫⑤国民生活金融公庫⑥商工組合中央金庫⑦農林漁業金融公庫⑧沖縄振興開発金融公庫⑨公営企業金融公庫

このどれもが省の天下り機関だったのは言うまでもない。「官の肥大化」を象徴する部門だった。政府系金融機関を全部なくせと言っているのではない。霞ヶ関の猛反対をおさえて統廃合し、政策金融公庫を残したのである。

それなのに民営化の決まっていた日本政策投資銀行になぜ財務省はこだわるのか。かつての縄張りを復活させたいとしか思えない。

自民党の改革派はすっかりふやけてしまった。彼らは改革の意義をちゃんと国民に説明できるのだろうか。少なくとも日本の方向性を理念と共に明確に示しているのは、中川秀直と渡辺喜美のみである。

完全民営化を撤回する法案に反対する声がまったく聞こえなかったのは、改革の後退を如実に突きつけられたようで、本当にガックリきた。

◆日々是語草◆
小泉純一郎の「愛嬌」という才能

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2009年6月 6日 (土)

日本郵政「不動産売却等に関する第三者検討委員会」のどこがお手盛りか

隣町に一つだけ傾いて立っている看板がある。こう読めて仕方ない。

麻生が、(任期満了まで)やりぬく

もうご自由に。ぎりぎりになって「麻生が解散権行使してみました」ってことになっても、実質は勝負手を封じられた「任期満了型総選挙」である。

麻生内閣がどうなっても興味がない。あと数ヶ月、「への字口」が消えるのをじっと我慢して待つだけ。

政策はすべて霞ヶ関と党にお任せで、「総理のお考えは?」と聞かれると決まって「調整中」。ニュースで「総理の指示」と出ると、党内調整不十分で異論続出、「言った」「言わない」で「なかったこと」に。たまには指導力発揮してみたら?と無理な相談でもしてみるか。

麻生自民党マニフェストは、これから石原伸晃幹事長代理、菅義偉選対副委員長、船田元総務会長代理、園田博之政調会長代理を中心に作るんだって。麻生首相の下で戦うのなら、麻生さんも仲間に入れてあげて。首相だったら一つくらいやりたい政策を掲げてみなさい。これも無理な相談だったか。

その前に日本郵政西川社長続投問題に決着つけてね。6/29の株主総会まで待てないわ。

週刊新潮は、相変わらず匿名の霞ヶ関御用ジャーナリズムが健在。

国民の疑問を黙殺「かんぽの宿」報告書は「難解」「大甘」「不十分」

デタラメもここまで来ると黙っていることができない。この記事を書いた記者の名前を聞き出して、抗議してやるぞ!と思ったが・・・。2chの匿名コピペ工作員に怒るようなものだ。エネルギーの無駄。

西川社長バッシングは、西川社長続投について、身内のお手盛り・カイカク利権派がつるんでいるといった当て推量が多い。はは~ん、自分の器以上の推量ができないという分析から読み解くと、「つるんでいるのは、おめえらだ!」ってことになる。その根拠はありすぎるくらいあるので、過去ログ参照しながらポイントだけ抜き出しておく。

1,「3月の郵政民営化見直しの期限にタイミングを合わせて旧郵政官僚が西川の首を掻くことを狙って仕掛けた陰謀。菅選対副委員長も認めている。

2,鳩山総務相は「事業譲渡であって不動産売却ではない」ことを理解していない。

3,疑惑とされている部分についても、専門的に見ると通常のM&Aの手法の範疇と言える。

4,M&Aの際は、こうした利害関係者間での意見の不一致が起きた時には「独立委員会」を組成し、同委員会が独自にファイナンシャルアドバイザーを雇い、取引条件が妥当かどうかを検証することになる。

5,民営化法案の段階、あるいはかんぽの宿売却騒動後に総務省が専門家に試算させた結果、妥当売却価格は最大250億程度。オリックスは109億提示。何千億かけて作ったものでも、雇用を守る条件をつけられた事業譲渡において、鳩弟の言うような建設費用に近い売買などあり得ない。

6,「黒字の宿もあるので一括売却は不適当」という批判は当たらない。優良資産だけ売買すれば高く売れるが、不便な場所等の不利な物件を残したらそんなものに価値はない。売り手にとってバルクセールは妥当。

7,1万円で売ったものが6000万円で転売されたと嘘っぱちが報道されているが、一括売却のうちの相手の帳簿上の評価額が1万円であったにすぎない。

8,重要なのは、全体最適である。今回の売却は、採算性の異なる施設79件がパッケージになっている。いわばその全体最適が109億円と評価された。そのなかの豪華施設一つを取り出して300億円で売れるはずだと主張したところで、それは部分最適に過ぎない。

経営において不採算部門の売却は当然のことで、民営化法案にも明記されていた。天下り機関と化していたかんぽの宿は、民間の宿泊業とは比べものにならない非効率な運営をしていた。経営立て直しをするには本来大幅な人員整理をしなければならないが、民営化反対派によって「雇用維持」の縛りをかけられていた。この不況下に109億で事業を引き継いでくれるオリックスを鳩弟が強引に蹴っ飛ばしたことは、多大な損害を与える。日本郵政は、総務省に損害賠償請求してもいいくらいだ。どっちが国民の資産を盗んでいたのか!よーく考えろ。

テレビや週刊誌の嘘っぱちに騙されているのは、オンナ・コドモだけである。私もオンナだ、悪いか。そういえば阿川佐和子があんなに頭悪いとは知らなかった。

総務省自ら調査して不正が出てこなかったことは知らんぷりし、第三者検討委員会が「適法」と判断したら「社内委員会のお手盛り」だあ?どこまで腐っているんだ。

正義のハチマキ男を担ぐ輩には、第三者委員会の報告書が「難解」だそうだ。
こんなものも理解できない頭なら、かんぽの宿売却という経済行為自体が理解不能だろう。

お手盛り委員かどうか、この委員達に直接話を聞いてみろ。

不動産売却等に関する第三者検討委員会(pdf文書)

委員名簿(敬称略)
川端和治 
元日本弁護士連合会副会長
霞ヶ関総合法律事務所パートナー

黒田克司
日本公認会計士協会副会長
監査法人日本橋事務所理事長

澁井和夫
日本不動産鑑定協会常務理事
世田谷信用金庫常勤理事

報告書【要旨】(pdf文書)
平成21年5月29日
不動産売却等に関する第三者検討委員会

(抜粋)

ア 減損会計の適用 【本文P.2】
公社の会計は日本郵政公社法の定めにより企業会計原則によるものとされており、平成17 年度から上場企業等に減損会計が強制適用されたことを受け、公社においても平成17 年度中間期決算から減損会計を適用した。かんぽの宿等及びメルパルク等についても、個別施設毎の損益管理を実施し、減損損失認識の判定を経て、不動産鑑定評価(平成19 年度は譲渡を前提)に基づいた回収可能価額まで帳簿価額を減額して減損損失を計上した。減損会計は私企業固有の会計基準ではなく、独立行政法人や公益法人等の非営利の分野においてもすでに導入されている会計基準である。
なお、日本郵政の株式は、将来広く一般投資家に公開されるのであり、投資家保護の観点から株価の裏付けとなる資産価値を過大に見積もることは会計上容認されない。

鳩山邦夫は、誰かにこのことを指摘され、「減損会計とは何か知らない」と発言した。
知らない人に知らないことをいくら説明しても「不正義」の一言で片付けられてしまう。正義もへったくれもない。鳩弟はただの無知である。
国営時代の税金の垂れ流しをごっちゃにして、総務省の“お手盛り”には責任を取らないつもりか。西川社長は尻ぬぐいをさせられているのだ。

イ バルク売却という売却方法の選択について 【本文P.5】
バルク売却は民間でも一般的であり、バルク売却の売り手には効率的な売却処理が可能となる利点があること、現実の売却価格も個別の鑑定評価額の総額を上回っていることから、バルク売却という手法を選択したことに特段の問題があったとは言えない。

難解な点があるか?難しい会計を知らなくてもじゅうぶん理解できる。

<不適切とされた点>
適当に抜粋

・また、転売については、できるだけ競争原理を高めるとの理由から、特段の制限を行っていなかった。購入者全てに物件の自社使用義務を課すことは現実的でないが、公社資産の売却であり、ただちに転売することによって巨額の利益を得るような事例が発生すれば強く非難されるリスクがあったのだから、より慎重な考慮が必要であった。

・バルク売却の総額を一定の方法により個別物件に配分し、その売却損益を各事業別損益に反映させる必要があった。

・また、バルク売却の場合、売却価格は総額としてしか存在しないにもかかわらず、個別物件についての買い手による算定取得価額を、あたかも個別物件ごとに1千円や1万円等の売却価格が存在していたかのごとく誤解されるような方法で開示したことは、情報の開示方法として不適切であったし、その際の説明もきわめて不十分であった。

・本委員会は、第二次提案が2社ともクロージング時の想定純資産相当額を下回る額であることが判明した時点で、本件中止か、条件変更か、どのような条件変更をするかについて、少なくとも経営会議で十分な協議をした上で、重要事項として取締役会への報告がなされるべきであったと考える。

・今回の契約が不適切であったとは言えない。ただし、選定手続きと手数料の考え方につき、さらに透明性・公平性を備えるべく、採点項目や評価基準について社内で明確化することが望ましいと思われる。

長いので、詳細はリンク先でどうぞ。
専門家の検証として、素人が読んでも納得するものであり、不適切な点は、今後の参考にされるべきである。

改革意欲と能力において西川社長は最適な人物である。鳩弟が西川社長を無理矢理更迭させれば、他に頼んでも、こんな手足を縛られる会社に来る民間人はいないだろう。民間人にいないから仕方ないと理由付けして、晴れてお手盛り・傀儡の旧郵政省の天下りを送り込むつもりなのか。

鳩弟は、とんだ正義野郎である。

【追記】ぜひお読み下さい。

【かんぽの宿問題】不正も不正義も無し、突っ込む隙があっただけ
 
報告書23頁読破し、わかりやすくまとめてくださっています。
鳩山邦夫にこの解説を一度読ませるべきじゃないですかね。

◆日々是語草◆
櫻井よしこさん、福田前首相が嫌いだからってそりゃないよ

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2009年6月 5日 (金)

「封印された高橋洋一証言」佐藤優・深層レポート

池田信夫blog「バカヤロー経済学」より

先日、ある雑誌の読書アンケートに『さらば財務省!』を挙げたら、編集者が申し訳なさそうに「高橋さんの本はちょっと・・・」という。過剰コンプライアンスも、ここまでくると「村八分」である。

信じられない【ノ_;】
ぱったり音沙汰がなくなり、「髙橋洋一」の名前が誰の口の端にものぼらなくなってしまった。職も失って、貯金と印税で生活しているのかしら?と余計な心配をしてしまう。

毎日のようにダンナと「たかはしさん、何してるだろうね」なんて話していたところ、こんなタイトルが目に入った。

「封印された髙橋洋一証言」官僚無能論と窃盗事件

佐藤優氏が責任編集の「現代プレミア」-ノンフィクションと教養という雑誌を見つけた。

本人による窃盗事件の証言か?と一瞬思わせることがタイトルの狙いだろうと承知しつつ、さっそく読んでみた。

事件が起こったのは3/24、報道されたのは3/30、佐藤優氏が髙橋氏に第一回目のインタビューをしたのは3/3だった。事件発覚後、髙橋氏から「この企画はなかったことにしてほしい」と連絡が来たそうだ。改めて佐藤氏がメールすると、すでにインタビューしている分については、佐藤氏の責任において髙橋氏の言葉を読者に伝えることに対しては承諾すると返事が戻ってきたという。

かたや「国策捜査」、かたや「どろぼ~」、なんというか、せつない。
佐藤優氏には、記事にしてくれたことを心から感謝する。

佐藤優「深層レポート」
「封印された高橋洋一証言」 (正しくは「髙橋」だが、文字化けしたり検索にヒットしないようなので「高橋洋一」と書いておく)

“唐突な犯罪”によって彼の口を封じてはならない。

佐藤氏は対談した時、髙橋氏から「財務省からにらまれているから、(略)身辺についてはいつも用心しているのです」と聞いたという。誰しもがそこにギャップを覚えて「はめられた?」と直感的に思ったのであった。

次に報道の扱いが非常に小さかったこと。某経済学者の手鏡事件では、繰り返し繰り返し報道されていたように思う。その後、完全に髙橋氏が姿を消してしまったことから、何か他に弱みを握られて、「今後一切発言しない」ことを条件に取引した?と想像したりもした。

佐藤氏もこんなふうに書いている。

今回の窃盗事件についても、魔女裁判と同じような状況に髙橋氏が追い込まれてしまったという印象を筆者は拭い去れないのである。表面上の窃盗だけではない、何か髙橋氏が恐れていることが隠されているように思えて仕方ないのだ。

さらに

筆者が信頼する社会部記者から聞いたところでは、3月30日に検察から一斉にリークがなされた。もちろん髙橋氏の信用失墜につながるこの情報を財務省も歓迎した。窃盗事件の事実関係と別に、情報の流れだけに注目していると作為が見えてくる。髙橋氏は、窃盗の現行犯もしくは準現行犯として、任意で警察官に同行したようである。そして、容疑を認めることと引き替えに、本件を警察がマスメディアに公表しないという約束を取り付けたのだと筆者は推定している。警察はその約束を守った。しかし、書類送検された瞬間にその情報を検察が流したのだと推定される。インテリジェンスのプロの目から見て、情報の流れが尋常ではないということは断言できる。何らかの意思が働いていることが推察される。

はぁ~、考えることは同じなんだね。インテリジェンスのプロと意見が一致した(笑) ホントにダンナと「絶対おかしい。マスコミが完無視しているのがわざとらしい」などと話していた。社会的に抹殺されるような大事件だったのか。

でも、きっと髙橋さんはいくら周りがお呼びをかけても、出て行くにはプライドが許さないんだと思う。草なぎ剛は警官に抵抗したので逮捕となった。裸であったことはさほど重要ではない。髙橋さんは素直に犯行を認め、謝罪したので事件が大きくならなかった。そんなところだろうと思う。

そっとしておいてほしいと思っているに違いないので、こんなエントリーを書いていることさえ髙橋さんに申し訳ないと感じる。

佐藤氏は、「聞いてしまった以上、伝える義務がある」としてインタビューを掲載してくれた。これこそ言論人の使命感である。

二人の対談は、どこかで聞いた話が多かったが、リアルに迫ってくる“怖さ”があった。以下、要約。(見出しは読みやすいように管理人が付けた)

<髙橋氏が触れた財務官僚のタブー>

佐藤 霞ヶ関官僚たちはどうも数字に弱いのではないか。官僚の「能力問題」を(髙橋氏が)初めて指摘した。これが高級官僚の逆鱗に触れた。

髙橋 東大法学部を卒業したキャリアたちは、実は計数には弱い。彼らの知識や理論は学者からの受け売りがほとんどで、聞きかじり程度。

佐藤 (埋蔵金問題では)算数の能力すら怪しいという話。

髙橋 財務省でALMシステム(資産と負債を総合的に管理し、それによって金利変動や為替相場の変動などの市場リスクと流動性リスクを管理する技法)を作った。高度な数学を使うから東大法学部出身官僚が理解できなくても反発はなかった。でも、足し算引き算の世界で問題があるということを言い出したら、とたんにものすごい反発が出てきた。

佐藤 四則演算に問題ありと指摘したところで「絶対に許さないぞ」と激怒したわけだ。

髙橋 そうそう。財務省にいる私の友人が本当にそう言ってました。

<官僚の仕掛ける罠>

中川前財務相の朦朧会見は財務省の仕掛けだろうという話しから、

髙橋 もうひとつ不自然なのがチャーター機。

佐藤 チャーター機は値段があってないようなもの。だから、外務省がチャーター機を使うのはカネを抜くとき。あるいは禁制品を運ぶとき。

佐藤氏が鈴木宗男氏から直接聞いたところによると、政府専用機ができる以前、チャーター便の運航で外務省は相当裏金を作っていたはずだという。

バチカン見学にしても、中川昭一氏が悪いほうへ悪いほうへ転がるように、外務省官房長と関係がよくないイタリア大使館が不作為を繰り返したように思えてならないと佐藤氏は言う。

(佐藤氏発言要約)
対中強硬派である中川氏が失脚すると得をする外務官僚がいることも確かである。官僚は大臣の失脚を謀ることなど平気だ。
日本国家のためには、政治家よりも優秀な自分達こそ生き残るべきだと考え、自分たちの行動のほうが正しいとひとりよがりの信仰をもっている官僚はかなり多い。

私は前回書いた昭和の陸軍を思い出してしまった。本当に今でもそう思っている官僚が多いんだ?

佐藤氏の書いた「外務省ハレンチ物語」に触れて、国会議員に対するアテンドについて、外務官僚がどれほど「怖いこと」に手を染めているかの話しになった。髙橋氏は「実は私にもその種の経験がある」と言った。海外で接遇する機会に政治家の弱みを握るように舞台装置を作り、政治家をはめてしまうのである。

そういえば、「白ブリーフをはいていそう」な元財務大臣が罠にかけられそうになり、その後ずいぶんたって、わざとらしく週刊誌に「海外視察の一夜のなんとかかんとか」とリークされたことを思い出した。ああいうふうに女性を近付かせるわけね。

<官僚のメディア対策>

髙橋 財務省の連中は、マスコミは全部飼い慣らせると考えている。マスコミ人は専門知識がないので、コントロールできるという自信がある。

佐藤 在外公館にいると、ときどき本省から政局動向レポートが回ってくる。これは外務省が外務省担当の記者に書かせていて、裏金から30万円ぐらい払っていると聞いた。これを一回やってしまった記者は黒い友情から抜け出せなくなる。私がロシア大使館時代にやったのは偽造領収書の作成。そのゴム印は登録されている公印ではなく、悪事に使うためのもの。

えっ、このあいだどこかの省で偽造印鑑で認可を下ろしたというニュースをやっていたけど・・・霞ヶ関全体の手口ですか、そうですか。

裏金の原資は税金。外務省の機密費を曝こうとした田中真紀子が切られたのは当然だ。メディアの情報源は「霞ヶ関」が多い。官僚が都合の悪い政治家を追い落とすためにメディアを使うとは聞いていたが、30万とはね。絶対こういう事実は表に出てこない。佐藤さんや髙橋さんは、相当危ない橋を渡っているわけだ。髙橋さんは、腹をくくってもういちど復帰してほしい。

<官僚のタブー>

佐藤 (外務省は)人間を根源的に信用していないから「暴力装置的なもので脅し上げるしかない」という発想がある。

髙橋 暴力装置と言えば、財務省の場合は税金。私も財務省批判をしているから、親類縁者までみんな厳しくチェックされて結構大変ですよ。

財務省のタブーは「官僚の能力が低い」だったが、外務省のタブーは「語学能力が低いこと」、そして「第二給与(在外手当)」だという。巨額蓄財の原資になっている。月80万円の他に住居手当が毎月100万円。全部お手盛り。しかも在外公館で真面目に仕事をしている人は少ない。

大使になって戻ってくると豪邸が建つってね。

<経済政策について>

髙橋 ぼくは新自由主義者と言われるけど、イデオロギーは全然なくて、すごくテクニカルな人間。何かの症状が出たとき、それを分析して症状を和らげるにはどうすべきかという処方箋を書くのは専門家の役割だと思っている。

<これからの官僚制度>

佐藤 現在の国家は小さな政府といっても非常に大きい。歴史的に見れば、かつてないほど大きな政府。
注意が必要なのは、国家というのは抽象的な存在ではなく、官僚階級と結びついているということ。官僚たちが具体的にどういう影響力を振るうようになるのかを見極めるのが重要。
私が見るところ、官僚は悪い方向に変わるか、うんと悪い方向に変わるか、どちらかだと思う。

髙橋 いまの霞ヶ関官僚たちは無能だから、変われないんじゃないか。
私がやった公務員制度改革なんて4歩進んだと思ったら、あっという間に2歩か3歩戻っちゃった。自己中心的で変化を拒む力は、本当に強力ですよ。

佐藤 だからこそ、髙橋さんが指摘した霞ヶ関官僚の能力問題というのが、これから非常に重要な論点になってくると思う。

しょえ~~、おっかない話がてんこ盛り。
官僚をこんなにこきおろせるのは、ずば抜けて優秀な二人だからできることだろうね。でも、組織的に腐敗していることにはじゅうぶん注意を払う必要がある。

佐藤氏から「かつてないほど大きな政府」「国家が官僚階級と結びついている」、どちらにせよ「悪い方向に変わる」という発言を聞いたのは、新しい発見だった。

◆日々是語草◆
官僚にとって都合の悪い大臣といえば、松岡利勝元農水相もそうだった

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2009年6月 4日 (木)

歴史認識にはマクロの視点が必要(2)

野口悠紀雄氏の「戦後経済史」を読むと、日本人が戦前戦後の「統制」から解き放たれていないことが実感できる。経済のみならず精神的にも中央集権体制依存から抜けきれていない。

今でこそようやく地方から霞ヶ関に「物を言える」知事が増えてきたが、知事会にしても官僚出身者が6割を占める中で、地方活性化のビジョンはいまだに国の統制下にある現状である。

「統制の呪縛」については「歴史認識にはマクロの視点が必要(1)」でだいたい結論を書いてしまったのだが、もう少し詳しく見てみたい。

「諸君!」や「正論」を愛読していた頃、私もおかげさまで自虐史観から脱することができた。ただしいろいろ史料を眺めてみると、どうも一面的な見方にすぎない、気をつけねば・・・と思ったのも事実である。

田母神さんは、あまりに素直に陰謀論を信じすぎているのではないか。底流に、「日本は悪くない」「アメリカのせい」「中国のせい」という被害者意識が横たわっている。佐藤優氏は「田母神氏は反米」と言っていた。「親米保守はあり得ない」との佐藤氏の言もある。私から見れば、タテマエ親米・ホンネ憎米といったところだろうか。結論として「日本は侵略などしていない」「自衛戦争をしたまで」というのが田母神さんの歴史認識になっている。田母神さんに拍手を送る保守層もまた同じ思考回路だと見受けられる。

現代史家の秦郁彦氏は、中西輝政氏や渡部昇一氏(田母神論文の選考員)から批判されている。(私はどの方達も尊敬している)
秦氏は、「アメリカの陰謀」「中国の陰謀」を根拠にして「騙したほうが悪い」という田母神氏の短絡性に疑問を投げているのだと思う。騙されたから善人か?そもそも本当に陰謀があったのか。(参照・Will2月号)

張作霖事件に関しては誰もが疑問符を付けていたが、田母神さんの言うようなコミンテルンの陰謀ではなくして、首謀者は関東軍の河本大作であることはほぼ確定している。

ルーズベルト政権にコミンテルンが入り込んで工作していたのは、私もそう思っている。複数の識者の研究を読む限り、かなり確度が高い。当時の親ソ・容共的な米国の姿勢が日本への対応を誤らせたと思う。ただし中西氏や田母神氏の説「日本は(コミンテルンの影響を受けた)ルーズベルト大統領のしかけたワナにはまり真珠湾攻撃をした」というのはきわめて怪しい。当時の(誰だったか?)日記から検証したものを読むと、軍・政府の緊迫したやりとりが描かれていて、関係者は不利な戦いであることを知りつつ、自ら決意していったのである。日本側は「宣戦布告も辞さず」の最後通牒を発した時、巧妙に「開戦」の意図を悟られないようにした。ルーズベルトはその時、よもや開戦通告とは思わず「日本は外交断絶するつもりか」と言ったという。騙されたのは米国のほうだ。開戦の電報が遅れたのは米国の陰謀云々の話しもあるが、すでにそれも覆されている。(いろいろな説が飛び交うので、日本国内でも“歴史認識”は史実として統一されていない)

天皇陛下は一貫して外交交渉による解決を望まれていた。田母神さんが「陛下も認めていた」と言った瞬間、天皇の御心を勝手に忖度して混乱を引き起こした「草もうの志士」を思い出して、私は軽くキレてしまったのだった。

当時から今に至るまで日本は反共産主義ではあるが、軍部の勇み足について「日本の軍部や右翼は国体の衣をつけた共産主義者」(近衛上奏文)
を持ち出すのはいかがなものか。秦氏は「これは近衛の被害妄想」としている。

保守論客の間でもこのようにさまざまな認識の違いがある。

自分の「こうであってほしい」説に合致する説を、人は無意識に取捨選択して「歴史認識を構築」するのである。

国家総動員体制は、皇道派によって惨殺された永田鉄山(陸軍省軍務局長)が対ソ戦略として構想していたものである。永田鉄山は、一貫して軍部主導の政治体制確立を求めていた。東条英機は、永田の仲間。中堅幕僚の仲間内で永田はリーダー格だった。

参照:「浜口雄幸と永田鉄山」川田稔氏

田中義一政友会内閣では、張作霖を傀儡にして満蒙権益を得ようとしていたのだが、関東軍首脳は張作霖の排除を狙っていた。田中首相によって武力行使を牽制された軍部は、河本を使って張作霖の暗殺を実行した。政府と軍の対立が進行していた経緯を見ると、この事件をコミンテルンの陰謀にするにはかなり無理がある。

張作霖事件によって田中義一は失脚し、その後民政党の濱口雄幸内閣が誕生する。昭和恐慌に緊縮財政をして日本経済をボロボロにした張本人である。一方で外交は宥和政策をとり、対中国政策は、国民政府による中国統一を容認する姿勢だった。しかし、永田らは満州蒙古領有論であって、資源獲得のために武力侵攻も厭わなかった。対欧米外交も宥和政策をとっていた濱口は、国際連盟を「戦争抑止装置」と考えていたが、元朝鮮総督府の斎藤内閣になってから、満州国を承認しない連盟に対し、松岡洋右らは席を蹴って退場した。日本人は諸手を挙げて喝采したらしいが、昭和天皇は非常にお心を痛めておられた。

内閣の方針を無視して武力制圧に向かった関東軍の侵攻は、中国の日貨排斥運動を起こし、中国国内で反日感情が高まっていた。日米開戦は、元はと言えば関東軍の満蒙作戦が起因している。国際社会の権益のぶつかりあいが顕在化したのである。幣原外交に見られるように、日本政府は融和路線をとっていたが、軍部は英米に対しても強硬姿勢を崩さず、それを許さなかったのである。

そういう経緯を知りながら、田母神さんが「第二次世界大戦は欧米列強の植民地政策に対するアジアの自衛戦争だった」と結論づけることには違和感を覚えざるを得ない。後付の正当性を主張したところで、外交努力を放棄し、負けることがわかっている戦争に突入したことの責任は免れ得ないのである。

敵はいつも足元に在り。背広組(内局)が制服組を統制するかのような、誤った“文民統制”に忸怩たる思いを抱いてきた田母神さんなら、「欧米の植民地政策と闘った日本」と正当化するより、本意のずれた“文官統制”こそ追及してほしい。――そもそも日本側はシビリアンコントロールの意味がよくわからなくて、通訳は文官統制と訳したらしい。内局が制服をコントロールすると都合良く解釈されてきた経緯がある。あの守屋事務次官の「権勢を振るう」と言ってもいいような影響力を見ても、政治が官を主導する本来の“文民統制”にはほど遠い実態があるということだ。

歴史の宿題は、まだ解決されずに残ったままである。

連盟脱退後、関東軍が河北省内部に侵攻した時、昭和天皇は「関東軍は河北からまだ撤退しないのか」と問うたという。真崎参謀次長は直ちに関東軍に撤退を命じたが、関東軍はふたたび長城を越えて侵攻した・・・。

昭和天皇が松岡洋右の靖国神社合祀に嫌悪感を持たれたのは無理からぬことだと思う。冨田メモの内容は、田母神さんのような(一面的な)歴史認識を持つ保守層には受け入れがたいとは思うけれど。

満州領有論・武力制圧派の永田が主導する軍部と政府の対立が深まり、満州事変と5・15事件を境に昭和陸軍の時代へと突き進んでいく・・・。

永田が軍務局長に出世した頃、「国防の本義と其強化の提唱」という陸軍省パンフレットが発行された。統制派メンバーが作成したものであり、永田の主張どおりの内容であった。具体的には①軍備の充実、②経済統制の実施、③資源の確保であり、いつ戦争が起こってもいいように、平時においても国家総動員的な国家統制を求めている。

斎藤内閣当時、真崎参謀次長は、日中両軍が衝突することに英米の「疑惑」や「嫌悪」を引き起こし、満州問題の解決を困難にすると日記に書いている。関東軍に対し、将来のために「浅慮の謀略を戒め」ているのである。

その真崎は、陸軍省パンフレットを「国家社会主義思想」だと忌避していたという。当時の無産政党であった社会大衆党書記長は、「資本主義的機構を変革して社会国家的ならしめようと」するものであり、日本の国情においては「資本主義妥当の社会改革において、軍隊と無産階級の合理的結合を必然ならしめている」と“評価”している。

このパンフレットこそ近い将来の1940年体制に続く理念となっている。社会大衆党が大絶賛する国家社会主義思想は、戦時体制の国家を規定したものなのであって、それ以前の日本の政治や経済の有り様とはまったく違う理念なのである。

第二次世界大戦が終わっても、国に奉仕を義務づけられた統制思想は残った。戦後復興には国の統制が必要であり、国が主導してインフラ整備も行った。食糧管理も当然国が統制しなければならなかった。戦時体制が戦後復興をそのまま助けたのであった。日本人が苦難から乗り越えた一体感は、そのまま「日本人らしさ」として国家社会主義思想を受け入れる土台となっているのだと思う。

GHQによって財閥解体され、上流階級もなくなり、平等な社会が実現した。官僚体制は看板を付け替えてそのまま残され、国家統制に共鳴する革新官僚の土壌となり、戦後復興の日本を力強く牽引してきた。一方で、日本が成熟するに従って日本型社会主義は官の肥大化をもたらした。中央が既得権を握り、行政執行力をもって「民を搾取」する構造が政官業癒着構造として残ってしまったのである。政友会の田中義一が民政党の濱口に批判されたごとく、自民党議員は“族”に成り下がってしまった。

そのような体質を変えてくれると期待されたのが、「自民党をぶっ壊す」と叫んだ小泉純一郎なのであった。

古い自民党が息を吹き返しつつある一方で、明治維新以来の大改革の必要性を訴える改革派が現れてきたのは、歴史の必然のような気がする。そこから「政治主導」「官から民へ」「省庁設置法案見直し」「霞ヶ関改革」という課題が出てくるわけである。

ふぅ~、経済史から濱口内閣の経済政策、民主党の景気対策に寄り道して歴史認識、田母神論文まで、巡り巡ってようやく「構造改革の必要性」に帰結した。(^_^;  一時はどうなることかと…(笑)

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2009年6月 3日 (水)

民政党濱口内閣と現在の民主党

安達誠司氏<昭和恐慌期と類似する経済対策案>の続き

<民主党の今回の緊急経済対策の総括>

緊縮財政方針の堅持
 新規国債発行にはなるべく頼らない
産業政策の導入
 政府自らが有望産業を選択、これに対して集中的に財政援助を実施 
金融引き締め路線
 金融政策に対しては言及なし、過去の経緯を総合するとむしろ利上げに親和的

安達氏は、比較史観的には小泉純一郎元首相が、日本初の本格的な政党内閣を組閣した政友会の原敬の「平成版」に相当するのではないかと言う。

<原敬首相と小泉首相>

・親米路線への転換
・中国大陸への進出を平和裡に経済活動を中心として行うために、日本の産業競争力増大の経済政策への転換を図った。(利益誘導型政治からの転換)
・これは同時に、旧来の政友会に権力基盤を持たない原敬の新たな権力基盤づくりであった。
・小泉氏の構造改革路線もまた、旧田中派の流れを汲む経世会から清和会への権力移動にすぎなかったという点で類似している。
・原敬の改革路線が守旧派の抵抗によって後退を余儀なくされた。
・小泉政権から麻生内閣までの構造改革挫折のプロセスが似てなくもない。 

類似しているとすると、その後は政党政治が弱体化して、軍部官僚が実権を握り・・・ということはないにしても、政権交代、政治の混乱を経て、永田鉄山のような政府方針に敵対するプレイヤーが現れるのだろうか。

政友会の田中義一首相は、旧来型の地方有力者への財政バラマキをしていた。一方で、恐慌時に高橋是清蔵相が政府紙幣発行など大胆な金融緩和策を採って後世名を挙げている。

ところが本格的な昭和恐慌に入ると、田中義一のバラマキを批判していた民政党の濱口雄幸内閣が成立する。最悪のタイミングで公約の「緊縮財政」となってしまったのであった。

<濱口内閣の経済政策>

1,緊縮財政
2,産業合理化
3,金融引き締めと円高志向
しかも金本位制に戻してしまったので、金融政策の手を自ら封じる結果となった。

そのことによって日本経済は崩壊。対ソ戦争が不可避と考えていた軍部によって、資源獲得のため満州事変に突き進んだ・・・ゾゾゾ。

安達氏は、この不況下で政権交代が起こったら、民主党の無知な政策によって浜口内閣の過ちを繰り返すのではないかと危惧しているわけだ。
自民党にも与謝野氏という緊縮財政・金融引き締めに傾く担当大臣がいるが、信念に反して大胆な施策を打っている。改革派議員達も財政再建派であるが、「危機認識が足りない」「金融政策が足りない」「国債発行が足りない」と政府の尻を叩いている。

民主党が民政党の二の舞にならないためには、「自民党の対立軸として、より高い名目経済成長率を明示し、それを実現させるためのポリシーミックスを掲げるべきである」というのが安達氏の提言である。

歴史を教訓として生かすことができるか、私達有権者は今、瀬戸際にいるのである。

経済政策で寄り道をしたので、次は、国家総動員法から現在に続く「統制の呪縛」について話を戻そうと思う。

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2009年6月 2日 (火)

「景気回復を潰す政権交代」安達誠司氏(Voice6)

経済学者の言うことは、たくさん意見を聞けば聞くほど信用できなくなってきた。ある専門家がこっちでは評価されてもあっちではバカ呼ばわりされているし、誰も正しい方程式を導き出せていない。時として、お国の財政についての現状分析は、森永卓郎が正しかったりする。東大で会計学のゼミを選んだだけのことはある。向かう方向が間違っているようだけれど。

竹中氏が髙橋洋一氏と知り合った頃、竹中氏がアドバイスしたのは「会計と英語はよく勉強しておかないといけない」と。経済学者が間違ったことを平気で言うのは、会計の知識がないからだと言っていた。

さて、「景気回復」という命題に経済理論が本当に役に立つのだろうか。
“気”の問題は、人間行動学や社会学、心理学の要素を変動要因として加味しなければならない。その点、大前研一氏の「国民の心理をプラスにするためには、政治が元気なメッセージを与えよ」という指摘は尤もなことである。

歴史を振り返ると、不況のサイクルに当たって政府の対策としては、やるべきことは決まっている。財政出動、金融緩和。

麻生政権の景気対策は理にかなっている。

――ただし霞ヶ関が潜り込ませた「筋の悪い対策」も混じっている。なんでもパーフェクトとはいかない。概ね評価できればそれで良い。白石均氏の取材によると、補正予算案を作ったメンバーの一人、町村さんも「筋悪が混じっている」と認めているが、与謝野さんは「筋が悪い?そんなことを言うな、私は誇りをもってやっている」と怒ったそうだ。怒ったのは、信念をもって一生懸命やっているのに、身内からちょっと痛いところをつかれたからだと思う。

景気対策案がなんとか合格点として、世間ではリフレ政策を否定する学者もいたり、短期的な景気対策に恒久的な社会保障を割り込ませて、今の内に増税の免疫力を高めてしまおうという財務省側の思惑もある。雇用、子供、年金、医療、介護は、景気対策とは別建ての基本設計が重要なのであって、与野党の政局の具にしてはいけない。ここで私が緊急雇用対策まで否定していると誤解しないように。「経済対策とは雇用対策」と言い換えても良いくらい重要な施策なので、応急手当とは別にしっかりした設計が必要な分野なのである。企業別労働組合から産業別労働組合に転換するくらいの改革が必要かもしれない。

福祉政策を景気対策と称する民主党。金融危機を発端としてはいるが、日本はもっと深刻な構造不況に陥っている。そんな時に生活支援に偏った景気対策が効果があるとは思えない。民主党は「生活者のために」預金金利を上げることまで言い出すに及んで、彼らは素人以下だと思ったものだ。

かたや数式を駆使する経済の専門家であっても、意見はバラバラ。自分ちの家計のやりくりで精一杯の一般庶民は、誰が正しいのか判定の仕様がない。政治家の言うことはもっと信用できない。直感的に考えれば、不況が深刻化し、デフレ脱却に悩む日本で、今リフレ政策をとらないでいつやるの?とは思う。

どの経済学者あるいはエコノミストを信じてよいかのか悩ましく思いながらも、「1940年体制(統制経済)からの脱却」を軸に置いてみると、原因と結果が答えとして出ていることから見えてくるものがあるはずである。

Voice6月号<昭和恐慌期と類似する経済対策案>安達誠司氏

昭和恐慌期との比較が面白かったので、安達氏の評論をまとめてみよう。

1,民主党の「2年間で21兆円」という景気刺激策は、政府与党案にすでに盛り込まれているものがほとんどであるが、支出金額のウェートは家計に対する扶助である。

2,循環的な景気後退局面での対策であれば評価に値するが、1930年代の世界大恐慌に匹敵する対策としては問題がある。

<民主党案の問題点>
・財源が「税金の無駄遣い」の見直しによるコスト削減であること。
・非伝統的な金融政策の実施に否定的であること。
・底流に政府主導の「産業合理化」という発想があると思われること。

マクロ経済の観点で見ると、カネの流れは「無駄な公共事業」あるいは「幹部公務員の高い人件費」であっても、低所得者層に対する扶助であっても同じことなのであって、つまり日本全体の需要喚起の景気対策として、民主党案は意味がないということを安達氏は言っている。
ここを読んで、リチャード・クー氏の「必要のない公共事業も国が財政出動することが全体の需要創出となるから拡大すべき」という理屈を思い出した。無駄が結局ツケ回されることには目をつぶれということだろうか。

3,低所得者が貯蓄性向を高めた場合、逆に政府部門のコスト削減は景気を落ち込ませる可能性がある。

ん~、「生活支援」と「行革」、私はどっちにしても積極的な需要創出には関係ないと思う。行革は不断の努力で進めつつ、景気対策としては消費志向の高い層に直接働きかける刺激策が有効なはずである。幹部クラスの官僚の給料を減らさないかわりにバンバン浪費しろ!とハッパをかけるほうが効果が高そうだ。なにより消費を呼び起こさないといけないので、飯島勲氏などが「消費税減税」を提案していたのだが。(安達氏は「産業選別支援よりは法人税減税を」と提案している)

4,重要なことは「新規に需要を付ける」ために新規財源(国債発行)による財政支出拡大が必要である。

5,与党案・民主党案には、日本国内の有望産業を見つけ出し、それらに対する財政支援(グリーンイノベーション機構の創設、環境・エネルギー開発促進、次世代科学技術を支える人材の育成など)が盛り込まれている。

安達氏は、供給サイドの政策を打ち出すことは効果が疑問としている。業界支援の「ミクロ政策」はまったく効果がないとは、しばしば聞く意見である。政府主導で日本経済の潜在成長率の上昇がもたらされるような新たな投資先が発掘できるかどうかは疑問であるとし、有望産業を政府が事前に選別することは不適切であると安達氏は考えている。

ということは、与党案も民主党案も失格ではないか。

野口悠紀雄氏の経済史から見ても、産業を国が選別して特別融資を行うことに経済界が反発し、支援対象であった自動車産業は、国内需要と企業努力が合致して発展した。いくら国が支援したところで、持続可能な需要は市場が決めるものなのである。

安達氏は「これまで日本経済を牽引してきたリーディング産業の多くは政府の産業政策の枠外から生まれてきたものであった」と、野口氏と同じ見解を述べている。

ただし戦後「傾斜産業」として国が石炭や鉄鋼産業を推進した例もあるので、私は環境分野が“大化け”する可能性もなきにしもあらずと思う。「環境問題は政治問題」とかねがね言っているところだが、世界が連携して次世代産業としての一大投資市場を作ろうとしている。政府の補助によって一気に太陽光パネル工事が進み、生産ラインに乗って今まで贅沢な分野だったのが当たり前に使う分野になっていく、そういう劇的な変化をもたらすチャンスでもある。

6,民主党案の最大の問題点は、金融政策に対する無理解である。
このような危機の時は、非伝統的な金融緩和政策以外にないはずである。

※世界大恐慌の研究では、財政出動以上に金融緩和政策の必要性が指摘されている。最新の研究成果では、中央銀行による国債買い取りを伴う財政支出拡大が最も効果的である可能性が指摘されている。

(続く)

◆日々是語草◆ 
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2009年6月 1日 (月)

歴史認識にはマクロの視点が必要(1)

「自虐史観からの脱却」を掲げて田母神論文を諸手を挙げて歓迎している自称保守の人達が、実は一番「統制の呪縛」から解けていないことがわかる、と前回書いた。

その前にこちらを・・・

(週刊文春)宮崎哲弥氏の「仏頂面日記」

五月某日
民主党代表選の擦った揉んだを横目で見遣りつつ、「Voice」六月号を読んでいたら、何だか陰鬱な気分になってきた。
同誌に掲載されている安達誠司氏の手になる『景気回復を潰す政権交代』があまりに正鵠を射ているように思えて仕方ないからだ。
安達氏の論考でとりわけ目を引いたのが、戦前の昭和恐慌期との類似だ。
小泉純一郎元首相を政友会の原敬に見立てると、原価の民主党は、原敬暗殺後に擡頭し、世界大恐慌直前に政権を奪取した民政党にみえてしまう。
民政党の経済対策は「緊縮財政」「産業合理化」「金融引き締めと円高志向」によって特徴づけられていた。この三点はいまの民主党の政策目標に不思議と符合している。(略)
然らば、戦前の民政党の政策は何をもたらしたか。
「米国での株価暴落に端を発する世界大恐慌という暴風雨のなかで」「日本経済を崩壊させ」、結果として「戦争への道を切り開い」てしまったのだった。(略)

ここを読んだ瞬間、また思考があちこちに飛んで、10分くらい?固まってしまった。比較史観的な見方として非常に面白い。

民政党(濱口政権)と今の民主党の経済政策を論ずる前に、時代の同時性として、安達氏の以下の引用部分が示唆的かつ重要と思った。

(副題)昭和恐慌期と類似する経済対策案

(民政党政権)当時の新聞、雑誌などを読むと、庶民は関東軍による満州事変に拍手喝采を送ったらしいが、庶民生活の基盤を崩壊させ、その不満を対外戦争で紛らわせるような国民感情をもたらしたという意味では、民政党の誤った政策が戦争への道を切り開いたといっても過言ではないだろう。

「自虐史観からの脱却」について、「日本は悪くなかった」「自衛戦争だった」「アジアを解放した」と一面的に歴史を見るウヨクは、当時の庶民と重なる。

今の自称保守の空気は、不況は「市場原理主義」のせいにして、北朝鮮や中国を強く非難する真正保守政治家に心酔する。核武装論も厭わない彼らが強硬論をぶったところで、北朝鮮は核放棄をしたか。強硬論を語って「そうだそうだ!」と私達を喜ばせてくれても、結果が伴わなければ単なるガス抜きでしかない。当時の「不満を対外戦争で紛らわせるような国民感情」は、戦争の手段をとり得ない現在では、「紛らわせる」寄りしろとして「国家の誇り」をテーマとして語る(真正)保守政治家に思いを重ねるしかないのである。

大事なことは、史実を歴史の教訓として見るにはマクロの視点が必要なのである。

「自虐史観からの脱却」を歴史認識の拠り所にする場合、ミクロの積み重ねで認識しがちである。たとえば朝鮮統治は公平で韓国を近代化させ、教育水準も上げ、日本人の税金を投入し、決して強制的ではなくetc. いわゆるA級戦犯の人達は素晴らしい人格と規律と勇気を持っていた、あるいは戦争中の人間ドラマは日本人としての気高さを感じさせてくれた等々。

しかし、そのことを美化することと日韓併合や戦争自体の評価とは別物なのである。マクロで見るとは、国際関係からの位置付けと当時の政治・外交を分析しなければならない。それは歴史の必然であったのか、誰が、というより、誰であってもそれは動かし得ない歴史の流れであったのか、教訓として生かすには醜い部分こそ直視しなければならない。

田母神氏の論文には、その視点が欠落していたし、「日本は悪くない」を補強するためにねじ曲げている箇所もある。「中国のせい」「アメリカのせい」にしたい潜在意識が表れていた。

次のエントリーで「なぜ呪縛なのか」を国家総動員法の頃の史実から考えてみたい。

その前に、安達氏の評論についてもう少し説明が必要である。気が向いたほうから書こう。

(続く)

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