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2009年5月20日 (水)

鳩山総務相の西川社長追放劇場。これが鳩山兄弟の「友愛の精神」だ

今も批判に晒されている竹中氏がいつも言うのは、「批判は誰でもできる。対案をもって初めて批判せよ」ということである。

<批判の3パターン>
1,何でも反対のことを言う
2,永遠の真理を言う
3,問答無用にラベルを貼る

なんだ、民主党のことじゃないか。
アンチ小泉改革の自民党守旧派もそうだなぁ。「優しい政治」「みんなが幸せ」などと政治家が言い出したら要注意である。鳩山由紀夫はいまだにテレビで「小泉改革が格差社会を作った」なんて問答無用に決めつけている。自民党の族議員は「地方が病弊した」と。

地方の駅前シャッター通りを顕現させた直接の原因は、郊外の大型店を規制していた大規模小売店舗法が2000年に規制廃止されたこと。それは口が裂けても言わない。岡田克也さんにそのへんのところを是非お伺いしたい。

と言っても、車社会となって鉄道利用が減れば駅前がさびれるのは時代の趨勢でもあるので、一概に規制し続けるのも無理がある。大型店の郊外への進出は米国の圧力と批判するのも当たらない。商店主の高齢化あるいは所得移転や賃貸に消極的な問題もある。少なくとも小泉改革によって地方が病弊したという証拠として「駅前シャッター通り」を出すのは間違いだということである。

このように批判の3パターンを恥ずかしくもなく晒しているのが鳩山兄弟である。「やさしい」を超えて「愛」だというんだから・・・。渡辺喜美も「愛の構造改革」と言っているけど(^_^;

鳩山兄弟は「愛」と「正義」が大好きである。祖父の鳩山一郎がフリーメーソンだったからといって、選ばれた仲間の結束を図る「友愛」を国の舵取りの理念として持ち出す時点で、この人達の器は「組合の委員長」以上ではないと思う。

鳩山邦夫が日本郵政に「正義感をもって闘い抜く」と演説していたのには開いた口がふさがらなかった。大事な国のお得意様である全国郵便局長の前で「民営化を絶対見直します」と忠誠を誓う姿に「正義」も安くなったもんだと気分が塞いだ。

郵政民営化を実質官営に戻そうと必死なのが鳩山総務相である。
「正義」の衣を剥ぐと、郵便局長会はじめ郵政ファミリーのネットワークを「壊されてたまるかっ」という悲鳴を受けて、恩を売って支持基盤を取り戻そうとする卑しい政治家の姿が見える。

公社の時よりも利益を出し、僻地の郵便局も維持し、これから軌道に乗せようという大事な時に、後押しをすべき担当大臣が民間出身の「西川社長おろし」に余念がない。某保守論客が「かんぽの宿売却問題では鳩山総務相、よくやった」と誉めていらっしゃった。

公社以前の郵政は、かつての銀行と同じようにコンプライアンスに問題があった。生田総裁は民営化前に徹底した指導を行ったが、途中ですぱっとクビを切られた。以前、その実態をブログに書き連ねたことがあるが、なぜ不正の横行が表に出てこなかったのか。銀行と同じようにメディアに影響力を持っているのである。

公務員でありながら政治運動にうつつをぬかし、自民党と癒着してきた郵政体質が今でも残っている。それが自民党の盤石の支持基盤になっていたのは御承知の通り。歪んだ構造にメスを入れることがどれほど難しいことか、小泉時代に初めて知った。

最近のニュースを並べてみよう。

時事ドットコム

日本郵政社長の再任拒否を要請へ=野党3党

 民主党と国民新党、社民党は14日、日本郵政の西川善文社長の再任を認めないよう、鳩山邦夫総務相に要請する方針を決めた。3党は、保養・宿泊施設「かんぽの宿」を一括売却しようとしたことが特別背任未遂に当たるとして15日に西川社長を刑事告発する予定で、「犯罪の疑いがある以上、社長を続けるのは好ましくない」(国民新党の長谷川憲正参院議員)としている。
 西川社長の任期は1年で毎年更新している。 (2009/05/14-18:44)

総務相、郵政社長の続投拒否を示唆=野党3党は刑事告発

 鳩山邦夫総務相は15日の閣議後会見で、日本郵政が株主総会で西川善文社長の再任を決めた場合の対応について、「総務相が認可しない限り効力が発生しないと日本郵政株式会社法に規定されている。今まで国会で申し上げてきた考え方を基に、認可するかしないか判断する」と述べ、認可しない可能性があることを示唆した。
 総務相は保養・宿泊施設「かんぽの宿」の一括売却問題をめぐり、8日の衆院予算委員会で「(西川社長に)大変大きな責任がある。在任中に起きた問題であり、一定の始末はご自分で付けていただきたい」と答弁し、西川社長の経営責任を追及する考えを示している。
 これに関連し、民主党、国民新党、社民党の野党3党は15日、「かんぽの宿を不当な廉価で譲渡し日本郵政に財産上の損害を加えようとした」として、特別背任未遂罪などで東京地検に刑事告発した。告発に先立ち、鳩山総務相に西川社長の解任も要求した。(2009/05/15-12:51)

犯罪事実ないと確信=刑事告発受けコメント-日本郵政社長(読売)

 日本郵政の西川善文社長は15日、保養・宿泊施設「かんぽの宿」を不当に安く売却しようとしたとして、民主党など野党3党が同社長を東京地検に刑事告発したことを受けて「特別背任未遂罪等に該当する事実はまったく無かったと確信している」とのコメントを発表した。また、「引き続き経営者としての責任を果たしていく」と、同社の経営を続ける考えを強調した。(2009/05/15-20:43)

日本郵政、西川社長再任を確認…総務相“追及方針”そっぽ

 日本郵政は18日、指名委員会を開き、6月に任期が切れる西川善文社長を再任する方針を確認した。

 22日にも発表する。6月下旬の株主総会後に正式に決まるが、役員人事の認可権を持つ鳩山総務相が「かんぽの宿」問題への対応などを巡って西川社長の経営責任を追及する姿勢を強めており、総務相の対応が焦点となる。

 日本郵政は、取締役候補の決定権を社外取締役が過半数を占める指名委員会が握っている。指名委員会は郵政民営化を推進してきた西川社長の実績を評価し、続投方針を認めた模様だ。

 西川社長の再任方針について、鳩山総務相は読売新聞の取材に対し、「まず株主総会があり、許認可権は私にある」と述べ、続投問題が決着していないとの認識を示した。

 「かんぽの宿」の売却問題では相手先の選定や価格に不透明な部分が多いなどとして、日本郵政は総務省から業務改善命令を受けた。国会でも西川社長の経営責任を追及する声が高まり、進退が注目されている。

(2009年5月18日12時37分  読売新聞)

鳩山総務相「西川社長を許すつもりは全くない」(朝日)
2009年5月18日1時24分

 鳩山総務相は17日に千葉市で開かれた全国郵便局長会(全特)の総会に出席し、かんぽの宿売却問題にからんで日本郵政・西川善文社長の経営を厳しく批判した。「今までも許さなかったし、これからも許すつもりは全くない」と述べ、社長続投を認めない姿勢をはっきり示した。

 鳩山氏は、日本郵政がかんぽの宿をオリックス不動産に109億円で一括売却を決めたことは「国民共有の財産を無にする絶対に許し難い行為だ」と発言。「郵政文化を邪魔する者とは正義感をもって闘い抜く」とも語った。

 日本郵政は週明けにも社外役員らでつくる「指名委員会」で経営陣の人事を内定し、6月末の株主総会に諮る方針。指名委は西川氏を再任することが有力視されているが、株主は政府だけで、さらに取締役選任の決議には総務相の認可が必要だ。

 全特の総会には全国から郵便局長やOBなど約1万人が参加。浦野修会長が退き、柘植芳文・副会長(愛知県・名古屋森孝郵便局長)を新会長に選んだ。(橋田正城)

西川社長追放劇のフィナーレか。
「正義の味方」「文化の守護神」鳩山邦夫は西川社長を切って旧郵政省の団氏をトップに送り込みたい。

「犯罪者」のイメージをつけるため訴訟を乱発するのは左翼の手口。民主も社民も腐っている。国民新党には、すでに役目を終えた古い自民党の腐臭が漂う。今、総務官僚が鳩山邦夫の黒衣となり、野党にも追及材料をせっせと渡しているのである。

参照:(過去ログ倉庫)郵政民営化委員会「見直し」の結論

民営化でちゃんと利益を出せと干渉しながら、かんぽの宿さえ天下り先として利用してきた総務省は、民営ではお荷物のかんぽの宿を売却させない。従業員の雇用を守れと命令しながら黒字にせよと言う。文化遺産の価値もない丸の内郵便局の一部を無理矢理残させ、西川社長を追い落とす。上場させない算段まで野党と打ち合わせ済み。麻生首相が後ろ盾。どこまで足を引っ張るつもりなのか。100%株主による民業圧迫ではないか。

これが鳩山兄弟の「友愛の精神」なるものである。

参照:(過去ログ倉庫)鳩山兄弟が「友愛精神」を語ってもフリーメーソンにはなれない

【追記】鳩山邦夫氏ご本人による「友愛」の説明

鳩山兄弟:「友愛」で連携…総務相自ら説明

 民主党の鳩山由紀夫代表の就任後初の国会論戦となった20日の参院予算委員会で、鳩山氏が掲げる理念の「友愛」を民主党の質問者が取り上げた。麻生太郎首相のそっけない答弁に対し、鳩山氏の弟の鳩山邦夫総務相は詳しく解説し、与野党を超え兄弟が連携する展開となった。

 民主党の峰崎直樹氏が友愛について聞いたところ、麻生首相は「(鳩山兄弟の祖父の)鳩山一郎という人が使っていたのが中学生当時の記憶だ。どう実現するか、具体的な政治行程を示すことが極めて大事だ」と民主党批判に結びつけた。

 これに対し、鳩山総務相は自ら手を挙げ「祖父が(公職)追放になり、軽井沢での晴耕雨読の日々で『パンヨーロッパ』という本を読んだ。その『友愛』思想にほれ込んだ。共生の思想だ」とすらすら説明してみせた。【田中成之】

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