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2009年5月23日 (土)

日本郵政4社とも黒字。郵政2社申告漏れ。西川社長は続投できるか

日本郵政、傘下4社すべて黒字…経常利益8305億円

 日本郵政グループは22日、民営化後初の通期決算となる2009年3月期連結決算を発表した。

 持ち株会社の日本郵政、郵便局会社など傘下の4事業会社すべてが黒字を達成し、一般企業の売上高にあたる経常収益は19兆9617億円、経常利益は8305億円、税引き後利益は4227億円だった。国が株式を100%保有する特殊会社ながら、国内企業でNTTに次いで高い水準の利益を確保した。

 ただ、世界的な景気後退の影響で、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の金融2社が運用損を計上したのが響き、経常利益は08年11月時点の予想に比べて7・7%減だった。

 事業会社別の経常利益は、郵便事業会社が589億円、郵便局会社が838億円などとなった。

(2009年5月22日22時57分  読売新聞)

国に大きな税収が入ってくるようになったことだけでも、民営化の意義は大きい。これだけ利益を出している経営者を更迭する理由はない。郵便割引制度の悪用事件といった不祥事は、今後改善していけばよい。

郵政2社追徴数十億円に、申告漏れ100億円超…国税指摘

 日本郵政グループで集荷や配達を行う「郵便事業会社」(東京都千代田区)と窓口業務を担当する「郵便局会社」(同)の2社が東京国税局の税務調査を受け、2008年3月期に100億円以上の申告漏れを指摘されていたことがわかった。

 過少申告加算税を含む法人税の追徴税額は2社で数十億円に上る見通し。

 日本郵政関係者によると、郵便事業会社は、切手やはがきなどの売上の一部について、計上時期の誤りを指摘され、郵便局会社は、社員に支払う営業手当の一部について経費として損金算入できないと指摘された。

 日本郵政グループは22日の09年3月期の決算発表で、過年度法人税等として郵便事業会社が35億3000万円、郵便局会社は56億8800万円をそれぞれ計上。これは申告漏れに伴う追徴税額の見込みが含まれている。日本郵政会社は06年、郵政民営化の準備会社として設立。翌07年10月、民営化された。傘下に郵便事業会社、郵便局会社、ゆうちょ銀行などを抱える。

(2009年5月23日03時04分  読売新聞)

バブル時代の不正・企業ガバナンスの不在を立て続けに本で読んでいたので、申告漏れが可愛く見えてしまう(笑)
申告漏れが隠蔽によるものなのか杜撰経理によるものかによって違うが、「切手やはがきなどの売上の一部について、計上時期の誤りを指摘され、郵便局会社は、社員に支払う営業手当の一部について経費として損金算入できないと指摘された」ところを見ると、単なるミスによるものだろうか?

追徴金を課せられたことについて、西川社長は「国税庁と見解の相違がある」と釈明していた。損金の扱いが国税庁の胸先三寸で変わるとも思えないが、なんとなくすっきりしない。鳩山総務相にペコペコしていた西川社長が国税庁には毅然と反論しているのは、この追徴金に釈然としない思いがあるのだろう。「ペコペコしている」ように見えるのは、テレビでわざとそういう絵を切り取って見せているということもある。

かんぽの宿売却問題以来、西川社長の会見は、いつもほんの一言だけを報じるにすぎない。テレビでは総務省情報を詳しく流すことに終始し、日本郵政側の言い分を一切伝えない。サンデープロジェクトで竹中氏の反論を聞いたのみである。それも亀井静香に邪魔をされて、わずかな時間しかしゃべらせてもらえなかった。

日本郵政の西川社長、国会で続投意向表明…総務相は否定的

 日本郵政の西川善文社長は20日、参院予算委員会の答弁で「責任を持って改革の推進に取り組み、自らの責任を果たしたい」と述べ、6月の任期切れ後も続投する意向を国会で初めて表明した。

 これに対し、日本郵政の取締役人事の認可権を持つ鳩山総務相は「適格性があるかどうか、厳しく判断しなくてはならない」と答弁し、無条件の続投には否定的な考えを強調した。

 自民党の中川義雄議員の質問に答えた。

(2009年5月20日12時36分  読売新聞)

鳩山総務相は「経営に問題がある」として西川社長を更迭する気満々だが、公務員時代から公社まで、横領などの法律違反や決算のデタラメさを見逃してきたことにはほおかむりし、民営化になってから疑惑を煽って不祥事に仕立て上げ、経営者責任を糾弾する、これは本当に天にツバする理不尽なことである。

官営のままであったら、どれだけ国民の利益が毀損されていたことか、国民は鳩山総務相の論点ずらしを見抜く必要がある。

週刊誌(文春だったと思う)は、わざわざ「竹中の選んだ西川」という切り口で、一生懸命あら探しをする意図を見せるが、面白いことに「やり手で厳しい」西川像しか描けない。竹中とのカイカク利権だの癒着の証拠は一切出せていない。

トップの人事権を総務省に握られた時、民営化の意義は失われる。上場も危なくなるだろう。

日本郵政は外部取締役がほとんどである。もうファミリーの時代ではない。日本郵政指名委員会が西川社長続投を認めたことは尊重すべきである。鳩山総務相の「日本郵政はお手盛り人事」という批判は、そっくりそのままあなたにお返ししたい。

銀行時代の往年のキレ味のまま西川社長の改革姿勢がどこまで続くかわからない。完全民営化が野党と総務省の横やりで風前の灯火である。孤立無援の中、日本郵政はもう一度姿勢を正し、実績をもって巻き返せ。

官邸周辺の反応は?

朝日新聞ニュースダイジェストより抜粋
ひかぬ総務相、政権に火種 どうなる郵政社長人事? 取締役会は再任案決定

鳩山総務相『日本郵政が国民の財産をかすめ取って売り飛ばそうとした。(社長の)責任がないことを私が認めれば、正義感を捨て去ることにつながる』

西川社長『正義にもとることをやったという認識はない』

菅義偉・自民党選対副委員長『頼んで民間から来て頂いた方だから、例えば辞意表明とかがなければ、政府から(更迭することは)あり得ない』

与謝野財務相『すべての閣僚は首相の指揮下にある。郵政に関する総務相の権限も内閣から付与されている』と、暗に鳩山氏に自制を求めた。

首相周辺『西川社長の自発的な退場を待つしかない』

麻生首相
首相は最近、郵政民営化法に反対し、西川氏の続投に否定的な山口俊一首相補佐官にも『官邸としては動くな』と指示した

麻生首相もその周辺も、鳩山総務相の暴走に手を焼いているようだ。
この際、鳩山友愛弟にはとことん意地を通してもらって、結果がどうなるか見てみたい。

◆日々是語草◆
加藤紘一氏、中谷巌氏は社民党に行けば?

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