セブンイレブンが問題提起する「見切り販売制限」について
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テレビ報道とは違う側面が見えてくるので、ポイントを書いておきます。
1,公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令を受けたセブン-イレブン・ジャパンは、食品廃棄で加盟店に生じる損失(仕入れ原価)の15%を負担することを決めた。
2,しかし、本社はフランチャイズ店の見切り販売に対しては、「過当競争をもたらし、結果として加盟店の利益を奪う」とし、反対の姿勢を変えていない。
3,全国のオーナーから本部への不満が噴出し、食料を無駄にしていると一斉にメディアから批判が出た。そして右に倣えの“護送船団報道”は、「セブン-イレブン本社は利益優先主義」という印象を国民に十分に植え付けた。
4,しかし、この問題は根が深く、複雑である。「セブンイレブンは安売りを許していない」と一概に断じることもできない。
5,「簡単に値下げできると」と、あるオーナー
(ジュースを)「100円で売ろうと思えば簡単に売れるよ。自分が身銭を切ればいいだけだから。本部の担当者からだって、何にも言われていない」 「本部とのフランチャイズ契約書にも『価格決定権は店舗にある』と書いてあるし、棚の入れ替えなんかのタイミングで見切り販売は、よくやっている。しかも、値下げした分の一定割合は、本部が自動的に負担してくれることになっているから助かるよ」
6,このからくりは、弁当やパン、チルド棚に並ぶデザートや飲料などの「日配食品」(デイリー)か、菓子、保存飲料、加工食品など消費期限の長い飲食品、日用雑貨品など、いわゆる「非デイリー品」かの違いによる。
7,セブン&アイの鈴木敏文会長がグループ各社に根付かせた理念の1つに、「死に筋排除」という言葉がある。売れ筋の商品、あるいは、売りたい商品を目立たせるように陳列し、売れない商品は早期に棚から下ろすべきであるという考え方だ。
※非デイリー品の見切り販売は、この理念にもとづく。安易な値下げは利益を削るだけだが、死に筋排除のためであれば、値下げも厭わない。むしろ、本部は支援している。
8,「見切りの前に、営業努力はしたのか」
デイリー品の開発は商品サイクルも消費期限も短い。死に筋商品があっても、毎日の発注で改善できるため、わざわざ値下げをして排除するまでもない、という考え方がある。
※デイリー品は消費期限が短いだけに、毎日、見切り販売のタイミングが訪れる。経営者としては、デイリー品の死に筋排除は、日々の発注精度を高めるという経営努力がまず求められるのである。
9,それでも廃棄は出てしまうが、陳列を直すフェースアップや試食、声がけなどのフレンドリーサービスなどの営業努力で減らすことはできる。
10,ただしデイリーの「見切り販売」によって店舗の利益を改善したいというオーナーが多いのも事実。
11,こうしたオーナーの口からは、決まって「ロスチャージ」という言葉が出てくる。「本部は廃棄の仕入れ分にもロイヤリティーを課金して、利益の源泉としている。見切り販売よりも、廃棄した方が利益を多く得ることができる。だから、見切り販売をさせたくないんだ」と。
12,見切り販売の賛成派が憤る「ロスチャージ」問題
一般に、フランチャイズ本部の収益の大部分は、加盟店からのロイヤリティー収入であり、ロイヤリティーは各加盟店の利益に一定の率をかけた金額だ。セブンイレブンでは、「チャージ」と呼ばれるものがロイヤリティーにあたる。
13,セブンイレブンの場合、チャージの率は43~76%。土地持ちか否かや、各店舗の利益額などによって、変動する。本部の方針に異を唱えるオーナーは、このチャージを廃棄によるロスを勘案せずにかけていることに憤慨している。つまり、利益が出たわけではない廃棄ロスにもチャージがかかる、「ロスチャージ」という仕組みに憤っているのだ。
14,「廃棄をした方が本部の利益が多くなる会計方式は不公平であり、環境にも悪い」と、見切り販売派のオーナーは憤るのだ。
15,しかしこの問題については、最高裁が「契約は適法である」との結論を、2007年に下している。大半のコンビニチェーンも同様の仕組みであり、セブンイレブン固有の話でもない。
16,廃棄リスクを資力が弱い加盟店に負わせる仕組みではあるが、本部側から見れば、廃棄ロスが出ないような努力を加盟店に促す仕組みでもあり、経済合理性にかなっていると言える。だからこそコンビニが繁栄し、隆盛を誇った。
17,ただし、今回、公取委が指摘したように、価格の決定権はあくまでも加盟店側にあり、見切り販売をしないよう、圧力をかけることは許されることではない。
18,現在、全国約70人のオーナーが参加している「セブンイレブン加盟店ユニオン準備室」。その組合長を務める池原匠美氏は、こう話す。
「これまで、オーナー同士が議論する場すらなかった。加盟店の集団として、本部と対等に話をさせていただく場もなかった。僕らは過激派の集まりでも何でもない。ただ、セブンイレブンの一員として、とことん、議論をしたいだけなんです」
19,「もったいない」対策が急務
中国地方のある店舗のオーナーは、こう語る。
「誰も安売り合戦なんてしたいとは思わない。でも、何でどんどん捨てるシステムになっているんだ、とずっと心に引っかかっていた。見切り販売を強行しているオーナーは、利益なんて、二の次、三の次。捨てることが、嫌なんです」
20,発注精度をさらに高めるための施策を打ち出し、それでも出てしまう廃棄を完全にリサイクルする、あるいは役立てる仕組みを打ち出すことが、最大手には求められている。
以上
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食品を扱う以上、廃棄は必ず出る。夜行ったら全部売り切れで、棚がカラッポという状態が毎日続けば、廃棄はなくなっても客は店に“見切り”をつける。レストランでもどの程度仕入れるか、経験やデータに基づく仕入れ管理をしている。それでも廃棄は出る。
廃棄を減らすオーナーの経営努力と、本部もコストを負担するリサイクルの確立、見切り販売の一定のルール確立等々、オーナーが連携する労組と本部との前向きな話し合いに期待したい。
「弱者」の味方をアピールするテレビ報道は、本部の強い圧力を視聴者に印象づけ、食料を無駄にすることの非を責める論調に終始する。
この件が問題提起しているのは、いまや生活に密着したフランチャイズシステムのトータルな視点と、オーナーの経営判断をどう考えるかということなのである。
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